…あ。
ん?
…。
葵?
どうしたの?
若しかして何か気になるものでもあった、かにゃ?
う、ううん、ない、ないよ。
どれどれ、葵は何を見ていて
せ、聖ちゃん!
ん?
あ、あのね、はやくかえろ。
ね、蓮。
…。
あらら。
葵、あまり先に行っては駄目よ。
…ところで、蓉子さん。
これで分かった?
…ええ。
この間からずっと、ってコトも。
貴女の話によれば、ね。
良いんじゃないかなぁって思うんだけど。
そうは、思わない?
ええ、そうね。
良いわね。
じゃ、決まり?
ええ、決まり。
やった。
貴女が喜ぶの?
だって今から喜んだ顔が目に浮かぶんだもん。
蓉子は思い浮かばない?
…浮かんでるわよ、もう。
へへ、流石蓉子さん。
聖ちゃん、おかーさん?
どうしたの?
お、と。
何でも無いよ。
?
さぁ、帰りましょうか。
蓮、葵、お腹すいた?
うん!
め ば え
葵。
なぁに?
ふふふ。
…聖ちゃん?
聖、勿体ぶって。
だってさ、どんな顔するか今から想像出来ちゃってさぁ。
それは前からでしょ。
絶対、可愛いと思うんだよねぇ。
はいはい、分かったから早くなさい。
葵が待ってるでしょう。
はーい。
…。
葵、手、出してみ?
て…。
前に出して、葵。
…うん。
ほい、あげる。
わ…。
何だか分かる?
…え、と。
袋、開けてごらん?
う、うん。
……あ。
葵、欲しがってたでしょう?
わぁぁ…!
売り場でじーっと見てたからね。
葵は欲しいと言わないから。
そもそも我侭自体、ほっとんど言わないし。
誕生日には未だ早いのだけれど。
くまさん…!
『そうだよ、くまさんだよ。
ごきげんよう、葵ちゃん』
ごきげんよう、くまさん!
『今日から葵ちゃんと一緒なんだ。仲良くしてくれると嬉しいなぁ』
うん!
なかよくする!
…聖。
どう、私のくまさんぶりは。
声、ひっくり返ってた。
それって駄目出し?
でも。
くまさん、くまさん。
葵が喜んでいるから。
そう、そこが重要なんだ。
ええ。
…うふふ。
…。
お、忘れた。
蓮君、君にもあるんだよ。
…。
勿体ぶって。
へへ。
蓮君も手、出してごらん?
…。
ほら蓮君、お手。
聖、蓮は犬じゃないわ。
あはは。
……。
蓮?
どうしたの?
…。
蓮君、君にもちゃんとあるよ。
君にはじゃーん、ぺんぎーん。
…。
…て、反応無しかよー。
……。
蓮、欲しくないの?
…にゃ。
お、欲しいか欲しいか?
……。
…なんか渋々って感じなんだけど。
…ぺんぎんが気に入らないのかしら。
いや、結構好きだと思ったんだけどなぁ。
…ぺん。
そうそう、ぺんこだよ。
……。
……うーん。
ま、いっか。
…良いのかしら。
抱っこ、してるし。
……。
……まぁ、見ようによっては、だけど。
『ごきげんよう、蓮くん』
…。
『ぼく、くまさんです』
…。
『よろしくね』
…。
『ぼく、蓮くんとなかよくしたいな…』
…。
『あのね、葵ちゃんとはなかよしになったんだよ』
…。
『蓮くんも、いっしょにあそぼ』
…。
『…蓮くん?』
…。
……ねぇ、蓮。
…。
…。
…。
…ねぇ、聖。
んぁー?
間抜けな受け答えは止めて。
子供達が真似たらどうするの。
すみません、ちょいと真面目に新聞を読んでたもんで。
で、何?
蓮と葵なんだけど。
うん、ぬいぐるみで遊んでるね。
実に微笑ましい。
でも蓮が全然返事をしないのよ。
蓮君は無口だからねぇ。
けど少しくらいは言葉を返すじゃない。
ん、とか、にゃ、とか?
…一応、返事は出来る子よ。
蓮にはぺんぎんをあげたんだけどなぁ。
…やっぱり気に入らなかったのかしら。
いや、結構気に入っていたと思うんだけど。
ぽいっとしなかったし。
…そうなのよね。
でも葵の喜び具合には敵わない、か。
本当に嬉しそうだったものね。
聖からぬいぐるみを貰った時の葵は…。
うん、凄く嬉しそうだった。
こんなだったら、もっと早くに買ってあげれば良かったと思うくらい。
…ええ。
蓮、蓮、いっしょにあそぼ?
…。
ねぇ、蓮ってば。
…。
蓮ってば。
…。
どうしてへんじをしてくれないの?
…。
蓮。
…。
あ、まって。
…。
まって、まってよぅ。
…。
蓮…。
……あらら。
蓮君ってばえらくご機嫌ななめだねぇ。
…何が気に入らないのかしら。
…。
…何よ。
いや、蓉子さんってばこーいうコトには鈍感だよねぇ。
…こういう事って何よ。
いやいや、その鈍感さには私も苦労したっけねぇ。
はぁ?
…なかなか一線を越えられなかった、あの頃。
ああ、頑張ったなぁ、私。
……くまさん。
…葵が物凄く寂しそうにしているのだけど。
敏感な聖さんはどうしてくれるのかしら。
と、言われてもなぁ。
とりあえず、様子を……
くまさん、ふたりであそぼ…。
…て、無理だ、やっぱり。
…言うと思った。
葵、葵。
…なぁに、聖ちゃん。
聖さんも混ぜて混ぜて。
一緒に遊ぼう。
!
うん!
やれやれ。
葵。
おかーさん。
私も一緒に良いかしら。
うん!
やぁ、くまさん。
いつも葵がお世話になってます。
おかげで聖さん、一寸やきもち焼いちゃって大変です。
ふふ、聖ちゃんへんなの。
…。
…蓮。
…。
そんなところにいないで。
蓮もこちらにいらっしゃい。
…。
蓮。
…。
葵は渡さんぞー。
蓉子も渡さんぞー。
ふふ、へんな聖ちゃん。
……さて、どうしたものかしらねぇ。
・
さぁ、二人とも幼稚舎に行くよー。
準備は良いかなー?
…。
とりあえず。
三度寝するならブーブの中でしてくれないかな、蓮君。
…。
たく、仕方の無いちびすけだなぁ。
ほーら、起きろー。
聖ちゃん。
んー?
くまさんにいってきますってしていい?
よし。
んじゃくまさんに行ってきます、しよっか。
うん!
どれどれ。
いってきます、くまさん!
『うん、いってらっしゃーい』
…。
て、蓮君、立ったまま寝てるしさー。
どんだけ寝ぼすけなんだ、全く。
聖ちゃん、はやくはやく。
はいはい、ちょいとお待ちを。
……。
よし、さぁどうぞ。
ただいま!
…。
ほれ、蓮君も。
…ま。
くまさん!
ただいま、くまさん!
『おかえりー、葵ちゃん』
うふふ。
葵は本当、くまさんが好きだなー。
うん、だいすき!
…。
ま、とりあえず手洗いとうがいをしちゃおっか。
蓉子さんとのお約束事だからね。
はーい。
くまさん、ちょっとまっててね。
…。
ほれほれ、蓮君も。
…。
…てか、本当に喋らんなぁ。
あのね、くまさん。
きょう、ようしちゃでね…。
…。
おえかきのじかんがあって…。
…。
それでね…。
…。
ねぇ、きいて。
蓮ったら…。
…。
でね…。
…。
……ねぇ、聖。
はい、何で御座いましょう。
…何よ、その畏まった態度は。
いや、以前に受け答えが宜しく無いと仰ったので。
極端すぎる。
普通にして頂戴。
はいな。
で、何。
葵はくまさんが大好きなのね。
だね。
それは良いのだけど。
蓮君もあんな顔してぺんこ、気に入ってるみたいだけど。
ふふ、くまさん。
…。
葵は、よっぽど、だね。
それも良いのだけど。
ん?
蓉子の気になるのはどこ?
…蓮の態度。
ああ、そっちか。
…ずっと不機嫌そうな顔をしてるから。
ま、あの子はあんな顔だよ。
元々。
そうじゃなくて。
だからって取り上げるわけにはいかないでしょや?
そんなつもりは無いわ。
でも、もう少し
子供にも感情ってのはあるからねぇ。
それはそうよ。
ま、暫くは見てるしか無いと思うよ。
…分かってはいるのだけど、ね。
よーこは蓮に甘いからなぁ。
…聖だって葵には甘いじゃない。
くまさん、きょうはさむいからあったくしてねんねしようね。
…。
蓮、もうすこしそっちにいって。
…。
まんなかじゃない。
…。
ねぇ蓮、おねがいだから。
…。
蓮。
…。
くまさん、ねんねできないよ。
…。
蓮…。
…。
…。
…。
…もういい。
…。
蓮のいじわる。
…。
…くまさん、すこしせまいけど。
でもちゃんとおふとんのなかにいれてあげるから、しんぱいしないでね…。
…。
蓉子さんはお気に入りのぬいぐるみってあった?
一緒に寝ちゃうような、さ?
あったわよ。
え、嘘。
失礼ね。
だって嫉妬しちゃうんだもん。
……。
あ、思い切り呆れられた。
当たり前でしょう。
へへ。
蓉子もくまさん?
私は…そうね、くまのも持っていたわね。
それで聖は?
んー…。
ぬいぐるみ、持ってなかった?
あるにはあったけど、一緒に寝た覚えは無いなぁ。
そう。
…。
…何。
今はぬいぐるみ、要らないよね?
……。
ね?ね?
…一つ、買ってみようかしら。
え。
実はこの間、かわいいのあったのよね。
だめ、断固だめ。
良いじゃない、ぬいぐるみぐらい。
だめ、絶対にだめ。
聖の代わりに
だめです。
…。
蓉子と一緒に寝るのは私だけで良い。
…子供達の事、忘れてない?
忘れてません。
…。
兎に角、私達のベッドの中にぬいぐるみは必要ありません。
……欲しかったんだけど、な。
よーこー…。
…はいはい、仕方の無い子ね。
・
今日は家族でお出掛け!
蓉子、お弁当の準備はオッケイ?
はいはい、オッケイよ。
ちび達の支度もオッケイ?
…。
聖ちゃん。
なんだい、葵。
くまさんもつれてってもいい?
くまさんも?
うん。
くまさんもいっしょにいきたいって。
そっかそっか。
まぁ、別に良いよ。
ねぇ、蓉子。
そうねぇ。
ま、あれだ。
いざとなったらブーブに乗せておけば良いって。
…葵。
はい。
若しもうっかりして何処かに置いてきてしまったら。
くまさんは迷子になってしまうわ。
まいご…。
そしたら、おうちに帰ってこられなくなってしまうかも知れない。
…。
だから葵、くまさんを離さないって約束出来る?
…。
出来なければ、駄目よ。
…できる。
聞こえないわ。
くまさんは…ぜったいに、はなさない。
…本当に?
約束、出来るのね?
はい、おかーさん。
そう。
分かったわ。
…いいの?
ええ。
!
ありがとう、おかーさん!
よかったね、くまさん!
…てか、蓉子さんはお堅いなぁ。
けれど無くして悲しむのは葵なのよ。
そうならない為に私達が居るじゃない。
…。
え、何?
はしゃぎすぎてついうっかり、なんて。
貴女が一番しそうなんだけど。
やだなぁ、私はそんな子供じゃないですよ?
…へぇ?
葵、聖さんもついてるから大丈夫だよ。
うん!
…。
蓮君はぺんこ、連れて行かなくても良いのかな?
…。
あら、これから出掛けると言うのに仏頂面?
…。
ま、いっか。
んじゃ、しゅっぱーつ!
…本当に大丈夫かしら。
…。
もしもし、もしもし?
すみませんがそちらに…
…。
無い?
すみませんがもっと良く探して貰っても良いですか?
小さい子供が抱っこ出来るサイズで…
…。
葵。
…おかーさん。
…。
おかーさん、おかーさん…わたし。
…うん。
やくそく、したのに…くまさん、はなさない…て。
…そうね。
なのに…なのに…。
……。
わたしが…わたしが…。
…葵。
おかーさん、くまさん、まいごになっちゃった…。
わたしのせいで…まい、ごに……。
…。
くま、さん、おう、ちに…かえ、れなく、なっちゃ、う…。
……葵。
そんな、の、やだ…やだ、よ…ぅ。
…。
…う、ぁぁぁん。
そちらのトイレ、トイレに多分置きっ放しにしたと思うんですよ。
だから、個室じゃなくて手洗い場とかに無いですか?
……よーこ。
…なぁに、蓮。
ぽん、すいた。
…ああ。
おにぎりの残りがあるからそれを食べてて?
や。
…蓮。
ちゃまご。
それはおうちに帰ってから。
ね?
や。
蓮は一番多く食べていたでしょう?
よーこ、ちゃまご。
蓮、良い子だから聞き分けて。
ね?
や!
おかー、さん…。
今、聖が聞いてくれているから。
もう少し待っていて。
よーこ!
蓮、良い子だから。
……え?
そんなところに?
くまさん…くまさ、ん…。
よーこ、よーこ。
蓮、我侭を言わないで。
今は葵のくまさんを探しているのよ。
だから
や、ちゃまご!
…!
蓮!
にゃっ
…あ。
…ぅ。
いけない…。
……にゃぁぁ。
……ぁぁぁん。
…あぁ。
分かりました!
それじゃ今からそちらに…いえ、直に行って受け取りたいので…はい、それではよろしくお願いします。
…蓉子!
…聖。
にゃぁぁ…。
くまさ…ん、くまさ…ん…。
…て、何?
葵は分かるけど、蓮はどったの?
…少しね。
え、と。
あったって。
あった?
うん、トイレの外のベンチの下に。
そう、良かった…。
で、今から取りに行くから。
うん…。
葵、くまさんあったって!
だから今から迎えに行こう!
くまさん…!!
「見つかって良かったですね」
はい、本当にありがとうございます。
くまさん、ごめんね…ごめんね。
少し汚れちゃったけど。
でもま、見つかって良かったね、葵。
…うん…うん。
もう離しちゃ、だめだぞぅ?
うん…。
おし。
熊さんも無事、葵のトコに帰ってきたことだし、おうちに帰るかぁ。
……くまさん。
……。
蓮、そんな顔しないの。
……。
蓮、葵はね、くまさんをとても
蓉子、蓮、早くブーブに乗った乗った。
…ええ。
さぁ蓮、帰りましょう?
…。
蓮、うちに帰ったら卵焼き作ってあげるわ。
甘いのが良い?
それともお醤油味のが良い?
……。
あ、蓮…。
蓉子?
どーした?
聖、蓮が。
あー?
…。
おー、あれは大いに不貞腐れてるねぇ。
そんな悠長な事を。
蓮君、帰るよ。
戻っておいでー。
…。
蓮、帰りましょう。
うちに帰ったら卵焼き、必ず作ってあげるから。
…。
蓮。
…。
…あらら。
臍曲げまくってるなぁ、あれは。
…。
蓮君、ほらほら置いていっちゃうよ。
…。
て、おいおい。
蓮、そっちに行っては駄目よ。
戻ってきて。
…。
聖、私行ってくるわ。
や、私が行くよ。
でも。
いざとなったら、担いでくる。
手荒な事はしないで。
しないよ。
そんな乱暴者じゃないって。
おかーさん、蓮は…。
葵、ちみっとばかし蓉子さんと待っててね。
聖ちゃん…?
じゃ、蓉子。
…ごめんなさい。
蓉子。
…。
大食いの蓮に卵焼き、作ってあげるんでしょ?
うちに帰ったら、さ。
…ええ。
じゃ、甘くないのは無しだよ。
…。
ね、葵も卵焼きは甘い方が良いよねぇ。
うん。
だから、蓉子。
…ん。
うん。
じゃ、ちょっくら甘えた蓮君を捕まえて来るかね。
…。
蓮君。
…。
ほれ、帰るよ。
…。
蓉子と葵が待ってる。
…。
うちに帰らないと。
蓮君の大好きな甘い卵焼き、食べらんないぞー?
…。
てか、面倒だから強制連行しちゃおうかなー?
…。
蓮君、蓮。
…。
相変わらず。
なーんも、言わないのなぁ。
ぶすたれるだけで。
…。
思うこと、あるんでしょうが。
…。
面白く無いのなら、そう言え。
じゃないと、分からない。
…。
てか、その顔見てると否応無く思い出すんだよねぇ。
…。
全く、親子って要らんトコまで似るもんだよなぁ。
ま、間違いなく私の子って証だから良いんだけどさ。
…。
ほれ、蓮。
いつまでもこんなトコにいたって何もならないから、帰るよ。
…。
でもって、葵に言え。
…。
よし。
んじゃ、帰ろうかね。
…にゃ!?
たく、蓮君は甘えただから。
…!
はいはい、蓮君の大好きな肩車ですよ。
や、やー!
はは。
蓮と葵、ベッドに入った?
うん。
今夜の蓮君は素直だったよ。
そう。
ま、遊び疲れやら何やらで。
ありゃ直ぐにでも夢の世界行きだ。
葵も。
くまさんは?
無理、離さない。
…でしょうね。
ま、汚れたと言っても土埃程度でひどくは無かったからね。
現に手で払ったら落ちたし。
…蓮は?
今夜はそれどころじゃないと思う。
流石に疲れたみたいだから。
…。
ま、大丈夫でしょ。
…ん。
はぁ、やれやれ。
…聖、お茶でも飲む?
うん、貰おうかな。
分かった。
どっこいせー、と。
今日はお疲れ様、聖。
いやいや、なんの。
蓉子こそお疲れさん。
ありがとう。
夕飯、本当は優雅に外食の予定だったんだけど。
蓮君が我侭言うから。
…。
でもま、本日二食目の甘い卵焼きは疲れた体には丁度良かった。
葵も喜んでたし、結果オーライってトコだね。
…ええ。
しかし。
はぁ…今日はちょっくら疲れたなぁ。
お風呂、もう一度ゆっくり入ってきたら?
子供達と一緒でゆっくり出来なかったでしょう?
二人とも、うっかりしてると湯船に顔を浸けちゃってねぇ。
今回ばかりはまともに頭洗えなかったよ。
入り直す?
じゃあ蓉子とゆっくりしようかな。
…それ、必ず一度は言うわね。
うん。
言うだけなら、タダだもん。
…。
ともあれ。
蓉子も疲れたでしょう?
ゆっくり浸かった方が良いよ。
…うん。
あーあ、前はこれくらいじゃ大して疲れなかったんだけどなぁ。
歳、かなぁ。
未だそんな歳じゃないわよ。
んー…。
…。
ま、それもそうだね。
まだまだいけるし?
…敢えて何がとは聞かないわ。
聞いても良いんだけど、な?
聞きません。
ちぇ、ざーんねん。
…今夜は駄目よ。
分かってますよ。
本当に駄目だから。
分かってるって。
…じゃあこの手は何。
触ってるだけだよ。
蓉子の手、触ってると安心するんだ。
…。
ふふ。
…お風呂、入ってくる。
じゃあ、私も。
聖。
何もしないって。
でも駄目。
良いじゃん、エコだよエコ。
明りを消さないで寝てる時もくせに。
あい、すみません。
…本当に駄目よ。
入るなら一人で…
……たまには、良いじゃない?
……。
……ね、蓉子。
……ん、もう。
ふふ…。
………うああぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!
…っ
な、何…っ?!
葵の声だわ!
てか、何で!?
大人しくおねむしたと思ったのに!
兎に角行きましょう、聖!
おう!
後
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