私は水野が良い。
…。
水野聖。 うん、やっぱり良いな。
…。
ねぇ、蓉子。 やっぱり私が水野姓になるよ。 うん、そうしよう。
待って、聖。
だってその方がやっぱり良いじゃない? 仕事とか、色々とさ?
それは…そうかも知れないけれど。 でもそれは聖も同じでしょう?
私はだいじょぶ。 蓉子さんほどのキャリアも御座いませんし。
私だって未だ無いわよ。
未だ、ね?
…それに聖はひとりっ子だし、本当に
そういや、免許って姓が変わったら手続きに行かないといけないんだっけ?
…住所も変更するのよ。
え、然うなの。
然うよ。 でも未だ水野にするとは決まっていないでしょう?
良いじゃん。 私は水野が良いよ。
私の意見は? さっきから聖ばかりじゃないの。
だって蓉子にとっては水野の方が良いじゃん?
言っておくけれど。 変更するのは免許だけじゃないのよ。
…他になんかあったっけ?
携帯、銀行口座、パスポートなど。
あー、然う言えば。
貴女は今のところ、クレジットカードは持ってないから良いけれど。 ちゃんと自分で変更手続きをするのよ? 分かってる?
…うん、分かってる。
面倒くさがりの貴女に。 本当に出来るの?
出来るよ。 子供じゃないもん。
ふぅん?
…そりゃ、ちっとは面倒くさいけどさぁ。
ほら見なさい。
貴女の事だから後回しにしてそれっきりになってしまうわよ、屹度。
決め付けはいけないと思います。
私は貴女の性格を鑑みた上で言っているの。
今から言っておくけれど、変更手続き、ついてはいけないわよ。
……。
それを踏まえた上で。
もう一度ちゃんと、考えてみて。
……水野が良いと思ったのに。
…ねぇ、聖。
……なに。
貴女はどうしてそんなに水野が良いの?
…。
佐藤のままでは何か不都合でもあるの?
…蓉子と一緒が良いと思った。
…一緒?
蓉子はずっと水野だった。 だから私も水野になりたい。
……。
でも蓉子は嫌なのね。
…嫌とは違うわ。
だってずっと反対してるじゃん。
…聖は。
…。
聖が水野姓になりたいと思っているように。
私も然う思っているとは思わないの?
…だったら、
私は佐藤姓になりたい。
…え。
私だって同じよ。
え、で、でもさ?
別に変じゃ無いでしょう?
けどほら、面倒だよ? 主に仕事面でとか、
そんなの、どうにでもなるわ。
いや、でも
聖。
…。
私は聖と一緒になりたい。
あ、う…。
私が佐藤を名乗っては…だめ?
だ、だめじゃない、けど…
なら…
けど、私だって…。
…。
…う。
聖…。
い、今、それはずるいと思うよ…。
何がずるいの?
や、だ、だって…。
…。
……ッ。
…。
…ずるいよ、蓉子。
…だからどうして?
いつもはそんな顔、なかなかしてくれないのに…。
…。
…こんな時に。
…こんな時だから、とは思わないの?
…!
…聖。
……わざ、と。
…。
わざと、なの…?
…さぁ?
……う、やば…い。
……ねぇ、聖。 私、佐藤蓉子になりたい。
……。
ね…聖?
……あーー!
あ…。
…分かった。
…じゃあ?
私の負け。 もう、だめ。
……。
蓉子が佐藤になるのなら…私も佐藤で良い。
…。
…だから、蓉子。
じゃあ、私が聖の籍に入るで良いのね?
……まぁ。 ところで、蓉子…
じゃあ、決まり。
…ねぇ、蓉子。
届けを出すのは、もう少し先だけど。 もう、変えないから。 良いわね、聖。
うん、良いから、だから…。
ふふ。
よ、蓉子…。
嬉しい。
……。
私、聖と同じになるのね。
……。
…ふふ。
……蓉子!!
聖。
あ。
大事な事もちゃんと決まった事だし。 ご飯にしましょうか。
そ、その前に…。
ね、聖。 何が食べたい?
よ、蓉子ぉ…。
ふふふ。
佐 藤 家 秘 話 h i s t o r i a
佐藤蓉子、旧姓水野…。
…聖? 何を見ているの?
…えへへ。
聖?
んー?
何をしているの?
これ。
……また、見てたの?
うん。
…やっぱりさっさと出してくれば良かった。
なんでー? 焦らなくても良いじゃん。 引越しはもう一寸先なんだしー?
早めに出せ、と書いてあるでしょう。
だいじょぶだってー。
ネットやポスト投函でも出来るけれど…と思っていたのがそもそもの失敗だったのかしら。
きっちり窓口に行く、そんな几帳面さが好きー。
…だって対面の方が良いじゃない。 身分証明もちゃんと出来るし。
面倒だけどね。
面倒でもちゃんとしたいじゃない。 個人情報なのよ?
ま、ね。
……何にせよ、さっさと行っていればこんなにニヤニヤされなくても良かったのに。
でも望んだのは蓉子だよ?
然うよ? でも最初は渋ってたじゃない。
まさか色仕掛けされるとは思ってませんでしたー。
してないわよ、ばか。
いやいや、あれは完全に誘惑でした。 ええ、ええ。
…確かに完全には否定出来ないけれど。
妖艶、と言う言葉すら似合ってたよ。
そこまでじゃ無いわよ。
いやいや、なんの。 ゾクゾクしたね、あん時は。
…。
あの顔で、顔の輪郭を指でなぞられた時は……もう、ゾクゾクしすぎて意識飛ぶかと!!
ばか、返して。
えー。
もう散々見たじゃないの。 返して。
良いじゃない、減るものじゃなしー。
転居届けを見ながらニヤニヤしてる、貴女が嫌なのよ。
そりゃニヤニヤだってしちゃうよ。
もう良いでしょう? しつこいわよ。
佐藤聖。 佐藤蓉子、旧姓水野。
聖、いい加減に
ああ、佐藤で良かった。
…別に佐藤で無くても
生まれて初めて、然う思っちゃった。
…………。
ん、なに?
…何でも無い。
然う?
…ええ。
佐藤聖。 佐藤蓉子。 これからはずっとお揃いなんだ。
…。
蓉子。
…なに。
えへへ。
もう、何よ。
佐藤家。
…はい?
うちは佐藤家、なんだよ。
……。
ね?ね?
ええ、然うよ。 私達は佐藤家、よ。
蓉子と一緒。 ああ、嬉しいなぁ。
……。
水野聖、旧姓佐藤、が良かったんだけど。 けどもう、良いや。 佐藤って苗字が初めて良いと思えたから。
…。
佐藤蓉子、旧姓水野。 …ふふ。
……もう、この人は。
…。
…。
…よーこ。
…。
よーこ…。
…。
…よーこの、におい。
……ん。
…ふふ。
……せ、い?
おはよ。 もう朝だよ?
……。
おねぼうさん?
……だれの、せいで。
へへ。
……。
もうすこし、ねんね、する?
……。
つかれ、ぬけない?
…ばか。
えへへ。
……そのゆるみっぱなしなかお、なんとかならないの。
こっち、向いてないのに分かるの?
…なんとなく。
なんとなく、ね。
…。
でも、ならない、かも。 だって自然ににやけてきちゃうんだもん。
…しまりがない。
どうすれば、良いのかな?
……いま、なんじ?
8時くらい。
…めずらしいわね。
うん、目が覚めたの。
……こどもみたい。
うん。
……。
どうする? また、ねる?
…きょうはそふぁをみにいくのでしょう?
うん、そうだったね。 二人でくっついて座れるヤツが欲しいな。
……。
らぶ〜なやつ、ね?
…そふぁがなくてもくっついているじゃない。
うん、そうだね。
……ごきげんなこども。
ね、こっち向いて?
…いや。
えー。
…なんとなく、いや。
ね、向いてよ。
…。
よーこ。
…や。
むー。
…。
しかたない。 そんなコト言う子には…
……ひゃ!
ひひ、ひゃんじゃんひょ?(耳、噛んじゃうよ?)
……ぅ。
……。
…あ、ん。
……なんなら、このまま続けちゃうのもありかな。
ちょうし、に…
…じゃ、こっち向いて? ね?
……。
…強情、だなぁ。 じゃあ…
…。
…あ、残念。
せいの、ばか。
うん、ばかなんだ。
だいたい、なんどすれば…
何度でも。 知らなかったの?
…。
…知ってるクセに、ね?
……ばかせい。
でも蓉子の連れ合いだよ?
……しってる。
じゃ、蓉子は?
…。
蓉子は、誰の連れ合い?
……。
ね、だれだれ?
……よ。
何、聞こえない?
…せいの、よ。
えへへ、正解。
……ゆるみっぱなし。
だってぇ、仕合わせなんだもん。
……。
好き、好き。
……はいはい。
蓉子も蓉子も。
…。
よーーこ。
…はいはい、すきよ。
えー、気持ちがこもってないよー。
…あーもう。 すきよ、せい。
ほんと?
…なぐるわよ?
いやー。
……まったく。 どれだけ、とけているのよ…。
だってー。
…はいはいしあわせなのよね、わかったから。
うん…。
……。
ああもう、言葉にならないってこのコトだ…。
………もぅ。
・
…。
聖。
…。
せーい。
…。
…未だ、機嫌直らないの?
…別に。
本当に、別に?
…。
こっち向いて。
…。
聖。
……ぶぅ。
……はぁ。 聖。
……。
貴女の気持ちは分かるつもりよ。
…。
複雑でしょうけど…でも、
複雑じゃ済まないよ。
…。
…。
…あんな江利子の顔、見た事無いわ。
…。
然うは思わない?
…どうでも良いよ、でこちんの顔なんか。
じゃあ、志摩子だったら?
…。
あんな志摩子の顔
だから面白く無いんだよ。
…。
よりにもよって、なんででこちんなんかの…。
…聖。
しかも、一緒に暮らしてるわけでも無いのに…。
…江利子らしいわ。
…。
ねぇ?
…やっぱり、蓉子には分かんないよ。
…。
分かる筈が、無いよ。
……然うね、ごめんなさい。
……良いよ、別に。
…。
…。
……ねぇ、聖。
……なに。
欲しい?
…何を。
…。
…。
…。
…? 蓉子?
…聖、あのね。
何?
…だから、その。
うん。
…。
…え。
……。
え、なに?
……。
え。
……ん。
え…えぇ?
……。
ま、まさか、蓉子
ち、違うのよ。
いや、でも
だ、だから、ほ、欲しい…て。
…。
べ、別に、た、対抗とかじゃなくて、
…蓉子。
けど、まだそんな時じゃないかも知れないから、だから
蓉子。
……はい。
何でそんなに畏まっちゃうのさ?
……だって。
……蓉子。
ひゃ…。
……良い?
い、良いって…?
…欲しいよ。
あ…。
正直、面白くなかった。
…せ、聖。
志摩子があんな事になって。 それから
…。
でこちんが、そんな素振り見せなかったアイツが。
…う、ん。
…まさか、志摩子と。
……。
…けど、さ。
…うん。
もう少し、二人のままで良いかなとも思ってる。
…。
もう少し、二人きりの生活を満喫したい。 ちびが出来たらいちゃいちゃ出来なくなっちゃうし。
…いちゃいちゃって。
だって、然うじゃん?
……。
しし。
……も、う。
けど、さ。
…。
…その時は、嬉しい。
……。
……アイツも然うだったら。 面白くは無いけど…許してやらない事も無い。
…お姉さま、なのね。
良くも悪くも…ね。
……どんな子かしら。
でこちんに似てなきゃ良い。
…それは
特に“でこ”。
……何となく、似そう。
それだけは、嫌だ。 絶対に。
…ふふ。
……。
……。
……蓉子。
…。
…寝た?
…。
ねぇ、寝ちゃった…?
…起きてるわよ。
…。
…。
…蓉子。
……。
……今夜は、良い?
…。
…ね、良いでしょ? がっつかないから…。
……。
よーこ…。
……ごめんなさい。
…。
…ごめんなさい、聖。
……だめなの。
…。
今夜も、だめなの…?
………ごめんなさい。
なんで…?
…。
なんで、なの?
…。
理由も教えてくれないの?
…。
昨日もだめで。 ここのところずっと、ずっと、だめで…。
…。
…今夜もだめ、なんて。
…。
……。
……聖。
……一緒に居るのに。
…。
一緒に居るのに、触れるのに……。
……。
……一人ぼっちになったようだよ。
…そんな。
触りたい…触りたい…触りたい……。
……。
…欲しいよ…蓉子。
……。
蓉子…蓉子…。
…だめ。
……。
……聖、聞いて。
……。
聖。
……蓉子はもう、いやになったんだね。
…。
もう…いやなんだね。
…聖。
………。
…。
……。
……欲しい?
え…。
家族、欲しい?
……。
ねぇ、聖。 新しい家族…欲しい?
あたら、しい………。
…。
……あ。
…黙っていて、ごめんなさい。
え、え……。
初めは確信が持てなかった…ううん、何となくはしてたの。 だけど…。
……医者には?
…この間、に。
一人で?
……ええ。
どうして…。
……。
どうして一人で…。
……ごめんなさい。
言ってくれれば、言ってくれれば一緒に…!
…。
蓉子、私は
…もう少し、先の事だと思っていたから。
…。
予定外だったでしょう…?
…だからって!
…。
私は…私は、時期とかそんなの…。
……ごめんなさい、聖…ごめんなさい。
一人でそんな大事な事…。
……どんな顔するだろうって。 ずっと、考えた…。
…。
…嬉しいって。 聖は屹度喜んでくれるって思った…のに。
……。
でも少しでも…と、思ったら…あ。
……。
せ、聖…。
……あるわけ、無い。
…。
嬉しくないわけ、無いよ。
……聖。
……。
ごめんなさい…聖。
……居るんだ。
…。
ここ、に。
……ん。
本当に…。
…私達の新しい家族。
………蓉子。
…。
嬉しい…嬉しいよ。
…うん。
……。
……。
…じゃあ、さ。
…? なぁに?
その、いやになんか
なってるわけ、無いじゃない…。
……蓉子ぉ。
ただ…。
…。
してはだめ…と言うより寧ろ、する事自体悪い事ではないのだけど…。
……頑張るよ。
…。
出来るだけ…。
…だけど、その…絶対にだめと言うわけではないから。
……。
あ、あまり、激しくなければ…それから、気分とか
じゃあ、今夜は?
……。
……分かった、頑張る。
………ごめんなさい。
…良いよ。
…。
……キスぐらいなら、良いよね?
………う、ん。
よーーーこ。
…。
見て見て。
……見てる、けど。
どうかな? かわいい?
……まぁ、かわいいわね。
やったぁ。
…。
でね、やっぱり色違いにしてみたんだ。
…緑と桃?
うん。 どうどう?
…良いんじゃないかしら。
でしょでしょ?
でもなんで緑?
好きだから。 水色でも良かったかなぁ。 黄色は問答無用で却下。
…ああ、そういうこと。
白ってこういう時、いまいちなんだよね。
……ねぇ、聖。
んー?
買ってくるのは良いのだけど。
準備しておくにこした事無いでしょ? ましてや二人、なんだし。
…まぁ、そうだけど。
あとね、こんなのもあるよ。
それは?
子供用バンダナ帽子。
……。
麦わら帽子も良いんだけどね。
…そうね、もう買ってあるものね。
こういうのも良いと思うんだよね。
…まぁ、良いわね。
でも未だ早いかな?
早いも何も未だ、生まれてもいないけど。
良いの良いの。
涎掛けだけで、いくつめ?
これを合わせると……まぁ、使い回せて良いじゃない。
…。
まさか双子だもんなぁ。
考えてなかったなぁ。
…そう、ね。
双子、双子かぁ。 うーーー。
……。
蓉子に似てるかな、似てるよね。 もう、絶対にかわいいんだ。
貴女にも似てると思うわよ。
私には似なくても良いよ。
またそんな事言って。
だって本当のことだもん。
絶対にかわいい、わよ。
…えー。
だってかわいいじゃない、貴女。
……。
ん?
…それは私が蓉子さんに言う台詞です。
貴女だけの言葉だと思ったら大間違い。
…。
ふふ。
……まぁ、良いけどさー。
で? 未だ他に何か買ってきたの?
…え、と。 あとはこんなの。
…靴下?
かわいい、でしょ?
そうね。 やっぱり色違い?
うん。
ねぇ、聖。
何?
今度は毛糸も買ってきておいて。 オーガニックコットン、が良いらしいのだけど。
毛糸?
少し、やってみようと思って。
…。
なぁに、その顔。
私も欲しい。
…。
欲しいな。
編もうと思っているの、おくるみ、なのだけど。
私はマフラーで良いよ?
…ついで、になるけど?
十分。
じゃあ、時間があったらね。
あるじゃん。
未だ仕事をしていますけど?
いずれ、お休みに入るじゃん。
そんなに欲しいの?
うん、欲しい。
…。
欲しいなぁ?
…善処はするけど、期待はしないで。
はぁい。
無理な時は無理なんだからね。
うん。
……。
えへへ。
……未だ生まれて無いのに。
もう、子供がいるみたいだわ…。
…ごきげんよう。
…。
……。
……返事、した?
…した、かも。
…。
今、蹴られなかった?
…いいえ?
そんな筈無いよ。 だってトンってきたもん。
然う?
然うだよー。
…じゃあ、そういうことにしておいてあげる。
本当なのに。
はいはい。
…本当なのにー。
……。
……。
……ねぇ、聖。
…んー。
何か、聞こえる?
…聞こえるよ。
…何が、聞こえる?
……音。
どんな?
…なんて言えば良いのかなぁ。
…。
……うまく、言えないや。
…然う。
ごめん?
…良いわよ。
……。
…最近はいつも、ね?
…うん。
……今日はもう、話しかけないの?
……聞いてるの。
言葉に出来ない音を?
…多分、何かの言葉だと思うんだよね。
…。
……。
……。
……早く、生まれてこないかな。
……然うね。
名前、考えてあるのに。
え、然うなの?
うん。
だって未だ、
良いの、思いついたんだ。
……大丈夫なの?
大丈夫大丈夫、すっごい自信あるもんね。
……どんな名前?
蓉子の名前。
……はい?
蓉子の子、芙蓉の子だよ。
………え、と。
知りたい?
勿論。
じゃあ教えてあげようかな…。
…もったいぶるわね?
…へへ。
……聖。
……芙蓉ってさ。
…? うん。
二つ、あるんだよね?
……ああ。
だから、ね。
……。
…だめ、かな?
……いいえ。 けれど…。
やっぱだめ?
…じゃなくて。 貴女の名からは…
良いの。
…良くないわよ。
だって芙蓉の子、だもの。
貴女の子でもあるのよ。
良いの、私は。
だめよ。
…。
聖。
…今回は芙蓉の子にしたい。
…どうして。
もう、言っちゃったから。
言った? 誰に?
…ちび達に。
……。
だからこの子達は芙蓉の子なんだよ、もう。
……貴女はそれで良いの?
うん。
…。
ねぇ…。
……あ。
え、なに?
…蹴った。
本当?
…ええ。
ほら、やっぱり芙蓉の子たちなんだよ。
……。
ね?ね?
………本当に良いの?
良いの。
……。
もう、決めたの。
……そこまで言うのなら。
えへへ、じゃ決まり。
………もう。
後
|