…ねぇ、エリス。


    なに?


    ここに来て、どれくらい経ったっけ?


    かんきからうきになった。


    あの頃の旅とどっちが長い?


    わかんない。


    分かんない…ね。


    ずっと、たびしてるから。


    ま、それはそうなんだけど。


    …。


    やっぱり、そう簡単には分からないよなぁ。
    有力な情報もないし。


    …。


    まぁ、仕方ないか。
    あたし自身、ろくすっぽ覚えてないし。
    …アレがもしも本当に絡んでたとしたら消されててもおかしくないだろうし。


    …。


    頼りになるのはエリスの感覚だけ…か。


    …。


    …エリス?


    …。


    どした?


    …。


    エリスってば。


    …。


    エリス。


    …なぁに?


    …。


    ん?


    …やっぱりいいや。


    なぁに、ナディ。


    なんでもないって。


    きになる。


    気にしなくていい。


    き・に・な・る。


    気にしなくて、よし。


    ナディ。


    …。


    ねぇなぁに?


    んー…。


    …ん?


    呼んでみただけ。


    …よんで?


    そ。


    …。


    なんでもなかったでしょ。


    ううん、なんでもあるよ。


    あ?


    だって、わたしもそういうとき、あるから。


    …。


    ナディ。


    ん。


    ナディ。


    分かったって。


    ナディ。


    …。


    ナディ。


    …エリス。


    ナディ。


    エリス。


    …。


    …。


    …えへ。


    はは。


    …ナディ。


    なーに、やってんだかなぁ…。


    よびあいっこ?


    …そうね。


    ナディ。


    ところでエリス、今日も野宿の予定なんだけど。
    ごはんは


    ナディ。


    …まだやってんの?


    はな。


    花?
    カントゥータ?


    しろい、はな。


    …白?


    あそこに、さいてる。


    あそこって?


    あの、たかいところ。


    ……んー、あたしには見えないなぁ。


    いってみよ?


    え、行くの?
    今から?


    うん。


    て、待って、エリス。


    はやく、ナディ。


    て、走るな。
    あんたは急激な運動をしちゃだめだって。
    また体調が悪くなったらどうするの。


    はやく。


    分かった、分かったから。
    走るなって。


    …。


    まったく、エリスは。


    ……ナディ。


    なに?


    …かんじる。


    え、何が?


    ……。


    エリス…?


    ……はぁ。


    え…。


    ………キジャ。


    …!


    ……。


    エリス、ちょっと…。


    …たぶん。


    ……。


    キジャ。


    …あたしはナディよ、エリス。


    …。


    “ナディ”。


    …ナディ。


    夢、見るなら。
    寝てる時だけにしときなさい?


    …。


    エリス。


    …。


    いえっさ?


    …ゆめじゃ、ないよ。


    …。


    ゆめじゃ、ない…。


    …エリス。


    ……わたし、


    行こう。


    …。


    あそこに。


    …うん。


    エリス。


    …?


    ほら。


    ……て。


    …。


    あ。


    ……いやとは、言わせない。


    …。


    エリス、ほら歩いて。
    日が暮れる前に行かないと。


    ……いえっさ。








    …はぁ。


    はな…。


    …。


    …。


    …カントゥータ。


    …。


    こんなところに…。


    …あかくないよ。


    紅くないのもあるのよ。


    …。


    あたしは紅いカントゥータが好きだったから。


    …。


    それからこれは白じゃない。


    …うん、しろくない。


    …。


    …。


    …紅いのは、咲いてない。


    …。


    …戻ろうか、エリス。


    …。


    エリス、どこに


    …。


    待って、これ以上は戻れなくなる。


    …いく。


    エリス。


    いくの。


    …。


    いこう、キジャ。


    …エリス。


    …。


    今日は、戻る。
    いい?


    …でも。


    いいから。


    あ…。


    …明日、また来ればいいの。


    …。


    オーケイ?


    …オーケイ、ナディ。


    よし。


    …。


    …。


    …ここから。


    …。


    みずうみ、よくみえるね。


    ん、そうね。


    …きれいだね。


    うん…。


    …。


    …勢いで歩いてきたけど。
    あの辺までなら車でも来られるかな。
    そしたら…。


    …ナディ。


    ん?


    ……。


    どしたの。


    …ううん、なんでもない。


    呼んでみただけ?


    …うん。


    …戻ろうか。


    …。


    ん…?


    …いやとは、いわせない。


    …。


    …。


    言うわけ、ないでしょ?


    ……うん。








    …。


    …ナディ。


    …ん、どした?


    ねないの…?


    …寝るわよ。


    …。


    …エリス?


    …いい?


    ん…。


    そっち…いってもいい?


    …。


    …いさせて。


    …どうぞ。


    …。


    ほら。
    躰、冷える前に。


    …いえっさ。


    …。


    …。


    …て、ここかい。


    ここなら、ひえない。


    …。


    ナディも。


    ……はいはい。


    えへへ。


    …え、と。
    眠れないの?


    …。


    明日もたくさん動くし…眠れなくても、目を瞑ってるだけでも違うから。


    …ナディは?


    …。


    ねむれない?


    …どうかな。


    …。


    大丈夫…あんたがいるから。


    …わたしが。


    そう、あんたが。


    ……。


    それに…。


    …それに?


    多分、もう…。


    …。


    ……まぁ、少しは感じるかもしれないけどね。


    …。


    …。


    …ナディ。


    ……大丈夫。


    …。


    …さて、あたしも寝ようかな。
    エリスも…ん。


    …。


    エリ、ス…。


    ……ほしい。


    え…。


    …ナディ、が。


    …。


    ナディ…。


    ま、待って。


    …。


    い、今、なの?


    …ん。


    な、何もこんなところで…。


    …だれもいないよ。


    そ、外だし…。


    かんけいないよ。


    関係ないって…んん。


    ……ナディ。


    だ、だめだって。
    言ったでしょ、明日は…。


    …だから、すこししかしない。


    …。


    すこしだけ、でいいから…。


    ……エリス。


    ……だから。


    …。


    …。


    ……無理、よ。


    …。


    無理なのよ…エリス。


    ……ぁ。


    少しで…済むはずが、ない。


    …。


    ……酔っ払いは、きらい。


    …?


    ……あたしは、弱いの。


    …おさけ?


    …。


    …。


    ……エリスと言う名の、ね。


    …。


    それに…。


    …わたしにようのなら、いいよ。


    …。


    ……もっと、よってほしい。


    エリ…ス。


    ねぇ、ナディ…。


    …っ。


    ……わたしも、よわせて。


    …ッ。


    あなた、に……。


    ……。


    ……ナディ。


    変なコトばかり、すぐに覚えて…。


    …ナディがおしえてくれたこと。


    …。


    …。


    ………エリス。


    きて……ナディ。








    …。


    あ…。


    ……はぁ。


    ナディ…まって。


    …。


    まって、ナディ…んっ。


    …今更。


    ちがう、の…。


    …なにが。


    このまま、なの…?


    …。


    ねない、の…?


    ……このまま、よ。


    あ…ん!


    …だから、言ったのに。


    でも、これ、じゃ……。


    もう、酔いが回ったのよ。


    …。


    そう…あんたのせい、で。


    …。


    酔わせてって言ったのは……エリス。


    …あ、はぁ…ぁ。


    …だから、もう止められない。


    やめてなんて…いわない。


    …。


    ……でも…で、も。


    ……うるさい、エリス。


    あ…む。


    …。


    ん、んん…。


    ……噛まないでね、痛いから。


    …。


    ……あたしの指、どんな味がする?


    …ん、ん。


    ……なんて、さすがに言えないか。


    …。


    ……分かってるの。


    ……。


    これじゃ顔、見えないもんね…。


    …。


    けどね…エリス。


    …。


    …仕方、ないの。


    …。


    まぁ……本当は、見たいけど。
    あんたの…。


    は…。


    ……エリス。


    ん…ッ!


    ……。


    ア…フィ…ァフ…ィ…。


    …どっちも、熱い。


    は…ゃ……。


    ……。


    ん…ッ、……ッ!


    …苦しい?


    は……。


    ……けど、これはこれで。


    ……!


    …いい、けど。


    ……ナ、ディッ!


    …。


    ナディは…あ、ん。


    …。


    い、た…ッ。


    ……でもま、いっか。


    あまり…つよく、つかまない…で。


    ……。


    ナディ…あ。


    ……ごめん。


    ぁ…、ふぁ…は、ぁッ。


    ごめんね…エリス。


    ナディ…ナ、デ…ィ…ッ。


    だから…もっと、入ってもいい?


    あぁぁ、あぁぁぁ…ッ!!


    …いいよね、エリス。


    も……ぅ。


    ……いいって、言ってよ。


    …。


    エリス…。


    ……、よ。


    …。


    いい…から。


    …。


    …ナディ、が…すきな、ように…して、くれ…たら。


    …。


    わたしは…しあわせ、だから。


    ……あぁ。


    ナディ…ナディ…ナディ…。


    エリス…エリス……エリス…。


    …もっと、なか…に。


    …。


    わたし、の…。


    ……


    ……、て。


    ……本当、は。


    うごいて…ナディ。


    …。


    …おもうよう…に。
    して…。


    …。


    わたしのこと、だけ…を…。


    ……。


    ……くれれ、ば…それで、いいから…。


    …エリ…ス。


    ……だよ。


    …。


    ……だいすきだよ。


    ……うん。


    だから……だいじょう、ぶ。


    …うん……うん…。


    ナディ……。








    …。


    …。


    …エリス。


    …ん。


    その…大丈夫?


    …。


    エリス…?


    …だめ。


    え…。


    …うそ。


    …。


    …。


    エリス、あのね…。


    …わるいうそ?


    …。


    …。


    …悪いとは言えないけど、冗談にも聞こえないから。


    …いえっさ。


    …。


    ……あのね、ナディ。


    ん…。


    このままねても…いい?


    …。


    だめ…?


    …あたしが寝られないじゃない。


    …。


    そう、思わない?


    …そっか。
    そうだね。


    …。


    …ちゃんと、ねる?


    ちゃんとって何よ。


    うしろからだっこされてだかれた、から。


    …。


    キス、できなかった。


    …最初にした、けど。


    さいちゅう?


    ……出来なくはなかった、けど。


    でも、してくれなかったよ?


    …。


    …。


    ……はい。


    …えへへ。


    …。


    …。


    …エリス。


    なぁに…?


    ……ありがと。


    どういたしまして。


    …。


    …ん?


    …あんた、ちゃんと分かってる?


    ナディのことなら、なんでも。


    …。


    わかれば、うれしい。


    ……たく、この子は。


    ふぁ…。


    …眠たくなったな?


    ううん?


    無理しないの。
    さ、もう寝よう。


    …あしたも、はやい?


    うん、早い。


    そっか…。


    おまけにいっぱい歩くかも、だから。


    いえっさ…。


    …て、こら。


    …。


    このまま寝るなって。


    ……きこえない。


    いや、聞こえてるし。


    …。


    エリス、エリスってば。


    ……キス。


    …。


    してくれたら、きこえるかも。


    …。


    じゃなきゃ…きこえないの。


    …聞こえてるくせに。


    きこえないよ?


    ……。


    …。


    …エリス。


    …。


    これじゃ出来ない、から。
    こっちを


    いえっさ!


    ……しなくても、いいかな。


    だめ。


    …。


    だめ。


    …いえっさ、エリス。


    …。


    …。


    ん…。


    ……これで聞こえる、でしょ?


    うん、よくきこえるよ。


    …やれやれ。


    でも。


    …なに。


    べろ、はいってこなかった。


    ……は。


    いいの?


    …。


    ナディ?


    寝る前だから、いいの。


    そうなの?


    そうなの。


    けど


    もう、寝るの。


    …。


    さ、寝よ。
    一緒に。


    …!
    いえっさ!


    わ…。


    …ナディ。


    だーかーら、これじゃ寝られないっつーの…。


    ……えへへ。








    エリス、どう?


    …うん。


    何か、感じる?


    ……こっち。


    …。


    …。


    こっち、ね…。


    …。


    …。


    そろそろ、休もうか。
    雲行きも怪しくなってきたし。


    …?


    ずっと歩いてるから。
    オーケイ?


    …オーケイ。


    車、大丈夫かな。
    一応、隠してはきたけど…。


    だいじょうぶだよ。


    …言い切ったわね。


    だいじょうぶ。


    と言うか大丈夫じゃなきゃ困るんだけどね。


    ナディ、あそこ。


    ん?


    き。


    ああ、木?


    あのしたがいいとおもう。


    うん、そうね。
    じゃ、あそこまで行こう。


    いえっさ。


    …。


    …。


    …エリス。


    ん?


    あともう少し、なのかな。


    うん、あとすこし。


    そっか。


    …。


    何も、ないんだろうなぁ。


    …。


    …まぁ、仕方ないけどね。


    ナディ。


    んー?


    もしも。


    …。


    もしも、もどれたら。
    うれしい?


    …もどるって?


    わたしとあうまえ、ナディがまだこどもだったころ。


    …。


    …うれしい?


    エリス。


    …。


    過ぎた時間はもう戻らない。


    …でも、もしももどったら。


    し、あたしはエリスと過ごしているこの時間がすごく大切。
    だから、戻りたいとは思わない。


    …そう、なんだ。


    そうよ。
    ばかね。


    …いた。


    ほら、さっさと行こ?


    …。


    エリス、ほら。


    うん、ナディ。














    …。


    …ディ。


    …。


    ……ナディ。


    ん…。


    ナディ。


    …だれ?


    …。


    だれ…?


    …キジャ。


    …あ。


    おかえり。


    おか、えり…?


    おかえり、キジャ。


    …マ…マ?


    どこ行ってたんだよ。
    村中で探したんだぞ。


    ……。


    さぁ、帰ろう。
    村へ。


    …タタ。


    ほら、起きろよ。
    みんな、お前を待ってるんだぞ。


    …おにいちゃん。


    さぁ。


    …でも。


    ほら、早くしろよ。


    でも、あたしは…。


    故郷へ。
    みんな、お前を待ってる。


    ………あたし、は。


    さぁ、帰ろう。










    お前の、ふるさとへ。















    
……あたしは!!


    …。


    
あたし、は…。


    おきた…?


    
…おき、る?


    ナディ。


    ……ああ、エリス。


    …。


    て、あたし…。


    …。


    …寝てた?


    …。


    
あちゃー…ごめん、エリス。


    …ごめん?


    一人でつまんなかったでしょ?
    ごめんね。



    …ううん。


    …と言うか変な夢、見たなぁ。
    最近は見てなかったのに…。



    …。


    うーん。
    雨、止まないかぁ。



    …。


    でも明るくなってはきてるかな。
    上がったら行こう。



    …。


    エリス?


    …わたしの、なまえ。


    
ん?


    いま、わたしのなまえをよんだ?


    なぁに言ってんの。
    あんたはエリスでしょ?



    …。


    もう、どうしたの?
    まさか、拗ねてるの?



    …。


    だからごめんって。


    …ナディ。


    うん?


    わからない。


    え、何が?


    ナディのいってること。


    …は?


    わからないよ。


    何を言って…。


    …。


    エ、エリス…。


    …やだ。


    ちょ、ど、どうしたの。


    やだ…やだ。


    エリス…。


    …やっぱり、やだよ。


    エリス、さっきから何を言って…。


    …。


    エリス…。


    ……ナディ。


    …もう、本当にどしたの。


    …。


    あたしはここに…。


    …キジャ。


    …!


    …。


    あたしは…。


    …あなたは、キジャなんだね。


    違う…!


    …。


    あたしは“ナディ”!
    あんたの…!


    …


    
あたしは……!


    …あなたは。


    ……あたし、は!!


    …。


    エリス!


    …あ。


    あたしはもう、キジャじゃない。
    あたしは、あんたの…!


    ……ナディ。


    …キジャ、じゃない。


    ナディ…。


    ……呼んで、もっと。


    …。


    呼んで。


    ナディ。


    もっと。


    ナディ。


    …エリス。


    ナディ、ナディ…。


    …ごめん、エリス。


    ナディ…。


    ……でも、なんで。
    まさかあんな夢を見たから…?


    …。


    …まさか。


    …ナディ。


    あたしは今が大事。
    あんたがいる、今が。
    それ以上の事なんて、ない。


    …。


    ない、の。


    ……うん。


    …。


    …。


    ……あたしは、あんたの“ナディ”はここにいる。


    うん…。


    …あんたも、傍にいて。


    いるよ…ずっといる。


    …。


    …。


    ……エリス。


    ナディ……。


    …。


    …。


    …止んだら、行こっか。


    うん…。








    …。


    …ナディ、どうしたの?


    いや…。


    …。


    ……気のせい、か。


    …。


    うん。


    …?


    なぁんにも、ないね。
    やっぱり。


    …。


    エリス。


    …ん。


    ここ、なんでしょ?


    ……。


    あーあ、雨、また降り出しそう。
    青い空が良かったのになぁ。


    …。


    満足?


    …え?


    来て、みたかったんでしょ?


    …。


    ほんとに辺鄙なところ。
    街からどれくらい離れてるんだろってくらい。
    しかも分かりづらいし。


    …。


    こんなとこじゃ、地図にも載らないわけだ。


    …。


    …。


    ……ナディ。


    ねぇ、エリス。


    …。


    あたしの家、どこら辺にあったのかなぁ。
    分かんない?


    …。


    そこまでは分かんな…。


    …ナディ?


    …ん、なんでもない。


    ほんとうに?


    …ちょっとクラっとしただけ。
    何だろ、寝不足かな。


    …。


    で、分かる?


    …こっち。


    え。


    たぶん。


    ……ふぅん。


    …。


    ま、いいや。
    行ってみよ。


    …。


    …けど。
    本当に、何も残ってないのね…。


    …。


    少しくらい、なんかが残ってても…。


    …。


    ま、いいけど。


    ……ナディ。


    ん…?


    …。


    やっぱり分かんない?


    …あのね。


    うん。


    あのおかのむこう。


    …おか、の。


    …。


    …オーライ、相棒。


    …。


    ん?


    …あぶないから。


    危ない?


    ころんでけがしたら、たいへんだから。


    て、おいおい。
    あたしは子供かい。


    うん。


    お子ちゃまエリスに言われたくなーい。


    ナディもおこちゃま。


    なんだとぅ。


    わたしのこと、だいてるときはとくに。


    ……。


    おこちゃまナディ。


    …うーん。


    だから、はい。


    なーんか、納得出来ないんだけどー。


    なっとくしなくてもいいの。


    …。


    いいの。


    …はいはい。


    えへへ。


    …たくもぅ。


    …。


    さて、少し急ごうか。
    雨、降ってくる前に


    ナディ。


    …今度は何かしら?


    あったかい?


    ん?


    わたしのて。


    …あったかいと言うより、温いかな。


    ぬくい?


    あたしの手の方があったかいでしょ?


    うん、あつい。


    そこまでじゃないと思うんだけど。


    リリオのてみたいだね。


    それは遠まわしにお子ちゃまと言ってるのかな。


    ううん?


    あんただって、お子ちゃまなくせして。


    でもだかれてるときは、ナディよりもおとな。


    …ぱーどぅん?


    ぼせいほんのう?


    ………いや、違うでしょ。


    いっしょうけんめいなナディをだいてあげるの。


    ……。


    やさしく、だいてあげるの。


    …。


    これからも、ずっと。


    ……言い返す言葉が出てこないのはなんでかね。


    ほんとうのことだから?


    ……むぅ。


    えへ。


    …。


    ナディ?
    …あ。


    …どうせだから。
    もっとくっつきなさいよ。


    …。


    無理に、とは言わないけど。


    …いえっさ。


    …。


    …。


    ふふ。


    …おかしいの?


    なんか、ね。


    …。


    一瞬、懐かしい感じがしたの。


    …。


    なんでだろ。


    …。


    ま、いいや。
    行こ、エリス。


    …うん。








    はぁ…。


    …ここ。


    …。


    ナディ。


    ……あ、うん。


    …。


    …そっか。


    …。


    やっぱり、とでも言うかなぁ。


    …。


    なーんにも、感じない。


    …。


    こんなに何もないとね…。


    …。


    これで何か残っていたら…また違ったかもしれないけど。


    …ちいさなナディ、あそこでふえのれんしゅうをしてたの。


    …?


    ココペリにあうために。


    …そう、なんだ。


    …。


    ここで、か…。


    …しんじてくれるの?


    …勿論。
    じゃなきゃ、そもそも来てないでしょ…?
    こんな、とこまで…。


    …。


    でもそっか、あたしはここ…で。


    …?
    ナディ…?


    う…。


    ナディ?
    どうしたの、ナディ?


    ……な、んでもない。


    でも…。


    なんでも、ない…から。


    ナディ、ナディ。


    だいじょ…ぶ、だから…。


    でも、さっきから…。


    …はぁ。


    ナディ…!


    …おお、げさ…だっ…て。


    だってナディが…。


    …やすんで、れば…なお、る…から。


    けど…けど。


    だいじょ……。


    …ナディ?


    う………あぁぁっぁ…!


    ナディ!
    ナディ…!!


    あ、た…まが…。


    …ッ!


    ………いた…ぃ。


    ナディ、ナディ、ナディ…。


    …………はぁ。


    ナ、デ…ィ。


    ………ない、で。


    あ…。


    ほ、ら……そ、んなに…なか、ない…の。


    …ナディ。
    ナディ…。


    ……エリ……。


    ……!


    ………。


    ナディィ…ッ!








    ……う。


    …。


    ……エリ、ス?


    …。


    あた…し。


    ……おかえり。


    …え。


    お帰り、キジャ。


    ……。


    さぁ、此方へ。


    ま、待って。
    あたしは…


    …。


    …そうだ。
    エリス、エリスは…。


    …貴女以外、誰も居ない。


    何言ってんの。
    一緒に来たのよ、いないはずないでしょ。


    居なかった。


    …。


    さぁ、村へ。


    …エリス。


    …。


    あの子はあたしの傍にいてくれるって言った。
    いないはず、ない。


    …。


    探さないと…。


    …キジャ。


    違う、あたしはキジャじゃない。


    …。


    あたしは振り返らない。
    あたしはあの子のナディとして生きる、生きてるんだから。


    …。


    探さないと。
    エリスもあたしを探してる。


    …本当に?


    は…?


    本当に探してるのでしょうか?


    …何が言いたいの、あんた。


    此の村を焼いたのは、誰。


    …。


    其れは、魔女。
    あの子。


    …はぁ?


    “あの子”は貴女から全てを奪った。


    ……。


    そんなあの子に


    遺言があったら、どうぞ?


    ……。


    誰だか、知らないけど。
    あの子のこと、何も知らないくせに。
    適当な事、言わないで。


    …。


    今度言ったら…赦さない。


    …。


    ……え。


    ……此処が、あなたのふるさと。
    其れは変わらない…。


    な、何…。


    ……。


    …く。


    …。


    あぁぁぁ…ッ!!


    ……。


    …止め、て。


    …。


    人の頭のな、かに…ッ!


    …。


    …く…あぁ…ぁ。


    …それでも。


    ………はぁ。


    見つけられると言うのならば。


    ……。


    あの、魔女を。


    ……る、わよ。


    …。


    みつけ…る、わよ。
    ぜった…い、に。


    ……。


    だって…あのこ、は……あたし、の…………。


    …。


    ………エリ…ス…。


    …おやすみなさい。


    ………。


    然う…今、は。















    キジャ。


    …。


    キジャ、起きなさい。


    …う。


    またこんなところで寝てて。


    ……マ、マ?


    ほら、笛が落ちているわよ。


    …。


    ん?


    …あたし、だれかと。


    誰もいなかったわよ。
    夢でも見ていたのかしらね?


    ………。


    これ。


    …なに?


    これを、おばあちゃんに。
    お祭で使うもの。


    …えー。


    お願いね。


    おにいちゃんはー?


    ワマンは朝から畑仕事に行ってるでしょ?
    お父さんと一緒に。


    …。


    本当だったら貴女も手伝わないといけないのよ。
    お祭なんだから。


    …。


    キジャ?


    …はーい。


    うん。
    それじゃお願いね。


    いってきまーす。


    そうそう。


    え、なに?


    帰りに畑に寄ってきて。
    これ、お弁当。


    えー…。


    お願いね?


    …はぁい。


    じゃ、行ってらっしゃい。


    いってきまーーす。








    ばあちゃん。


    …。


    これ、ママから。


    …。


    あ、えーと…。


    …。


    とにかく、もってきたから。
    またあとでくるね。


    …キジャ。


    え。


    …道は、定まったか。


    …みち?


    …。


    というかばあちゃんのあたらしいことば、ひさしぶりにきいた。


    ……。


    …ばあちゃん?


    …。


    …ま、いっか。


    ……名も無き子、か。


    …?
    なにか、いった?


    …。


    …ん、と。
    じゃあまたあとでね、ばあちゃん。


    ……。








    タタ、おにいちゃん。


    おーキジャ。
    良く来たなぁ。


    おべんとう、もってきた。


    そうか、ありがとな。


    キジャ、お前また寝てただろ。


    …ねてないよ。


    嘘つけ。


    うそなんかいってないよ。


    笛はあまり吹けないくせに寝るのは得意なんだ、キジャは。


    そんなこと、ないもん。


    あとは食べることかな?


    タタまで!


    あはは、すまんすまん。


    むぅぅぅ。


    キジャ、折角来たんだから手伝ってけよ。


    えー…。


    んじゃこれを持ってけ。


    …なにこれ。


    見りゃ分かるだろ。
    石だよ。


    ……インカ、ローズ?


    畑から出てきたんだ。
    ねぇ、父さん。


    ああ、そうなんだ。
    普通は有り得ない事なんだがね。
    けど、ナディ。


    なぁに?


    名前、良く知ってたな?


    なんの?


    その石の。


    ……ばあちゃんがおんなじの、もってたから。


    ああ、そうか。
    そうだったな。


    ……。


    キジャ?
    どうした?


    ……なんでもない。
    これ、どこにもっていけばいいの?


    とりあえず持ってれば良いんだよ。


    なにそれ。


    …あのな、キジャ。


    …?


    ……父さん、お祭の時に母さんに贈りたいらしいから。
    父さん、嘘吐くのも隠すのも下手だろ?


    …あ、そっか。


    だから、お前が持ってろ。


    いえっさ!


    …いえっさ?


    …あれ。


    なんだ、それ。


    ……わかんない。


    ま、いいや。
    とにかく、無くすなよ。


    キジャ、弁当ありがとな。


    うん。


    絶対、無くすなよー!








    おまつり、おまつりかぁ…。


    …。


    …ん?


    …。


    なにしてんの?


    …。


    ん?


    ……キジャ。


    え?


    キジャ。


    あたしのこと、しってるの?


    …。


    うーん…。


    …。


    …まぁ、いいや。
    あなたは?


    …わたし。


    なまえ。
    おしえて?


    …しらない。


    へ?


    ないもの。


    ないの?
    なんで?


    …もらって、ないから。


    もら…?


    ……あなたがよんでくれないから。


    あたしが?


    ……。


    …え、と。
    こんなところにいたらあぶないよ。


    …。


    いっしょにいこ?
    きょうはおまつりなんだよ。


    …しってるよ。


    そっか。
    んじゃいこ。


    …。


    なに?


    …て。


    つなぐの?


    …だめ?


    ううん、いいよ。


    ……。


    て、つめたいね。


    あなたはあったかい。


    んじゃ、あっためてあげるね。


    …。


    ね?


    ……うん。








    …。


    キジャ。


    …う、うん。


    また寝てて。


    …。


    ほら、起きなさい。


    ……。


    うん?


    …あのこは?


    あの子?
    友達?


    …。


    貴女一人しかいなかったわよ。


    ……。


    キジャ、起きなくて良いのかしら。
    お祭、始まるけれど。


    ……あ。


    起きた?


    そうだった!


    うん。


    あのこもさがさなさいと!


    …。


    いっしょに


    キジャ。


    え。


    そんな子はいないと、言ったでしょう?


    そんなことないよ。
    あたし、あのこと…。


    いないの。
    そんな魔女は。


    ま、じょ…?


    …。


    ママ?
    なにいってるの…?


    …。


    マ、マ…?


    そんな子、初めからいなかった。


    え、え…。


    …忘れてしまいなさい。


    なに、いってるの…?


    ……。


    う…。


    キジャ。


    ……タ、タ?


    …。


    おにいちゃん…?


    …忘れろ。


    や…。


    忘れるんだ、キジャ。


    な、なんで…。


    …。


    …。


    あ、あ…あぁ。


    …キジャや。


    ば、ばあちゃん!
    みんなが、みんなが…。


    おゆき。


    …え。


    忘れたくないのであらば。


    わすれ、る…?


    …失いたくないので、あらば。


    …どこにいけばいいの?


    お前の心が紅い花となり、標になる。


    あかい…カントゥータ?


    お前の心が示す処へ。


    わかんないよ…。


    …お前の帰る処へ。


    ば、ばあちゃん…。


    その石が屹度、教えてくれる。


    いし……インカ、ローズ。


    さぁ。


    わ…。


    はやく、おゆき。


    でも、


    さぁ…!


    う、うん…!


    …現世
〈ウツシヨ〉へ。








    はぁ…はぁ…。


    ……。


    あ……。


    ……。


    どうしよう、花が…花が、もうないよぅ…。


    ……。


    どこ…?
    どこなの…?


    ……。


    ど…あ。


    …むこうだよ。


    だ、だれ…。


    ……むこうに、いる。


    あなたは…。


    …ぼく、は。


    あ…。


    ぼくの…、を。


    え……。


    ……はやく、いきなよ。


    …。


    はやく。


    う、うん…。


    ……。


    ……。


    …どうか。








    どこ、どこにいるの…!!


    ……。


    ど…あ!!


    …。


    いた!


    ……。


    こんなところでなにしてるの。
    はやくかえろう。


    …どこに?


    どこって……。


    …どこにかえれば、いいの。


    ……。


    わたしにかえるところなんて、ないわ…。


    そんなことない。


    …。


    そんなこと、ないよ。


    ……だって。


    とにかく、こんなところにいたら…。


    みて。


    …え。


    ほのお。


    ……あ。


    ……すべてが、やけてしまうわ。


    あ、あ…!!


    ……。


    な、なんで…。


    …ごめんなさい。


    いや…いやぁぁぁぁ…!!


    ごめんなさい……ィ。


    あ、あぁぁ…。


    ……それでも。


    ……。


    …あなたは、かえってきてくれる?


    ……ぁ、ぁ。


    ……わたしを、あいしてくれる?


    ………。


    わたしは…。


    ………かえらない、と。


    …。


    かえらない…と。


    ……そう。


    ………。


    そうだね……。


    ………、のところへ。


    …え。


    …………エリ、ス。


    ……。


    …エリス。


    ……どうして。


    ……帰ろう、一緒に。


    …!


    ……はぁ。


    で、も……。


    …これ。


    ……インカ、ローズ?


    ……リリオが、くれた。


    ……。


    あんたも持ってる、でしょ?


    ……う、ん。


    ……さぁ、帰ろ?


    でも、でも…!


    ……こんなの、いらない。
    あたしが欲しいの、は…。


    あ……。


    ……あたしの、エリス。


    …あ、あぁぁ。


    ……さぁ。


    …。


    帰ろ……?


    …………ナ、ディ。















    …。


    …むかし、わたしはここにきた。


    …。


    そのちいさなむらからほのおがあがって…きえることなく、いえを、ひとを、そらをこがした。


    …。


    ……ふかんぜんなまじょのちから、けど、そのほのおはきえなかった。


    何の為に…。


    …じっけん。


    …。


    わたしが、そうだったから…。


    …。


    …。


    どうしてあたしの村が…?


    それは…わからない。


    …。


    …。


    …“地図にも載ってない”、だったら。
    相当、狂ってるわ。


    …。


    …プロジェクト、リヴァイアサン。


    ……。


    どこまでもふざけてたわね。


    ……ナディ。


    …だけど。


    …。


    もっとふざけているのは、エリスをこんな目に遭わせたヤツがいるってこと。


    ……。


    エリス。


    ……。


    あんただと思ってた。
    昔の夢を見せていたのは。


    …わたしだよ。


    …。


    しりたかったから…だから。


    …そうだとしても。


    …。


    それを利用した。
    違う、利用させた。


    …。


    誰だか、知らないけど。
    絶対に赦さない。


    …。


    …エリス。


    ナディ…。


    ……。


    …ごめんなさい。


    …何が?


    わたしが…わたしがナディのむらを…。


    ……本当に?


    …。


    あんたはあの時、村にはいなかった。
    違う?


    …。


    だって…あたしと一緒にいたから。


    …。


    ……たとえ、それをする為に連れてこられたとしても。


    ……。


    あんただけじゃなかったんでしょう?
    連れて来られたのは。


    ……。


    しかも自分の意思で、じゃない。


    …。


    そしてその、“完全じゃなかった”子たちがどうなったのか…。


    …。


    ……本当、ふざけた話だわ。


    …。


    ねぇ、エリス。
    一つだけ、教えて?


    …なに。


    どうして、あたしの故郷に来たかったの?


    …。


    行きたいからってあんたは行ったけど。
    それだけ?


    ……。


    ね、どうして?


    ……。


    …あたしを試したかった?


    …!


    ねぇ、どうして…?


    ……ナディ、は。


    うん。


    わたしをウィニャイマルカにつれていってくれたから…。


    …。


    …いつも、まもってくれたから。
    いまも…。


    …それだけ?


    ナディ、と…。


    ……うん。


    …いっしょにいたかったから。


    …。


    でも…。


    …でも?


    …ナディはほんとう、に。


    …。


    …。


    ……わたしなんか、と。


    …。


    ごめんなさい…ナディ…。


    ……ばか。


    …。


    本当にばかなんだから。


    ごめんなさい…ごめんなさい…。


    もう、いいから。
    大体、謝る理由もないでしょ?


    …。


    …それに。
    もしもあんただったしても、それでもあたしはあんたと生きる道を捨てない。


    …!


    だって、あんたが悪いわけじゃないもの。
    悪いのは…。


    …。


    …だから。
    捨てるはず、ないの。


    …。


    ずっと、ね?


    ……うん。


    エリス…。


    ……ナディ。


    …。


    ……すき…だいす


    …。


    ん…。


    …。


    …。


    ……エリス。


    …ナディ。


    ……あんたはあたしが帰る処。


    …。


    あたしはいつだってあんたの処に帰る。
    あんたは…あたしの“家”だから。


    …ッ。


    分かった?


    うん…うん…。


    …エリス。


    …。


    愛してる、から。


    …。


    ずっと。


    ……。


    …こら、泣かないの。


    …う、ん。


    …。


    …。


    …それにしても。


    …。


    小さい頃、逢ってたなんてね。


    …。


    エリス、覚えてた?


    …ううん。


    夢で?


    うん…。


    そっか。


    …さいしょは、わからなかった。
    けど…。


    …あたしの夢は、あんたの夢でもあった。


    …。


    覚えてない事を夢で見る…か。


    …。


    誰が、そんな事を。
    少なくとも“人”じゃないわね。


    …。


    わざわざそんな事して、何が楽しいんだか。


    …。


    …何にせよ。


    …ナディ?


    あたしのエリスにそんな事するやつは、赦さない。
    見つけたら三回、殺す。


    …。


    ん、なに。


    ……だいすき!


    わ…。


    …。


    …とと。


    …。


    こぉら、危ないでしょうが。


    …ごめん。


    …。


    …。


    …ふふ。


    …えへへ。


    エリス。


    ナディ。


    離さない。


    はなさないで。


    だから、あんたも。


    うん、はなさないよ。


    …うん。


    ナディ。


    ん…?


    ゆびわ。


    …。


    ふうふのしるし。


    うん、そうだった。
    結婚してるんだもんね、あたしたち。


    りこんはしないよ。


    しないしない。


    ぜったい?


    絶対。


    …ふふ。


    よし。
    それじゃ、行こっか。


    …?


    あたしの家はここに“ある”。
    だからどこへでも行ける。


    …わたしも“ある”よ。


    うん。


    …。


    行こうか、相棒?


    いえっさ!


    よし。


    あ、まって。


    …お?


    そら。


    空?


    はれた。


    え。


    あおい。


    あ、ほんと…。


    ちかい。


    まぁ、山の上だからね。


    でも、とどかない。


    そりゃそうだ。


    …。


    …。


    …ナディのそら。


    あたしの?


    ふるさとの。


    …ああ。


    いっしょにみれた。


    うん、見れたね。


    うれしい。


    うん、あたしも。


    …。


    エリス。


    …なぁに?


    ばあちゃん!


    あ…。


    あたしはこの子と、ずっと歩いていくから。


    ……。


    よし、報告終了。


    …おばあちゃんだけ?


    お。


    だけ?


    …仕方ないやつ。


    えへ。


    あーあー。


    …。


    この子が、あたしの新しい家族だから!
    あたしはずっと、この子と生きていく!!


    …。


    はい、おしまい。


    …。


    なによぅ、まぁだなんかあるの?


    ない!


    わ、だから…。


    …。


    ……ったく。


    そら。


    届かないわよ。


    ううん、おばあちゃんにだよ。


    …え?


    サルマおばあちゃん。


    あ…。


    わたしたちはずっといっしょ。
    これからもずっと、ずっとずっと、いっしょにいるよ。


    ……エリス。


    えへへ。
    ほうこく、おしまい。


    …。


    いこう、ナディ。
    たびを、つづけよう?


    …たび、か。


    うん。


    …空、高いなぁ。


    うん…すごく、とおい。


    …。


    …。


    よし。
    エリス。


    ナディ。










    『いえっさ!』








    ...Un gran final?