で?
槍と弓、それから無手。
頭は?
恐らく、無手。
厄介なのは?
言うまでも無く弓。
こっちにも居るけど?
牽制しあって貰う事になるわ。
だってさ。
…そう。
だけれど向こうはただの弓だから。
こっちは炎そのもの、だからなぁ。
ちみっと有利、かな。
然うでもないわね。
と、言うと。
「術」と言う技を使うと聞いているわ。
でしょう?
ええ。
其れが一番、厄介。
例えばどんななんだ?
貴女は木氣を司るでしょう。
うん。
でも水氣や火氣は司っていない。
そらぁそうだ。
あたしの守護星は木星だもん。
けれど、あの子達は全てを司っている。
まっさかぁ。
火、水、風、そして土。
全てを操ると言う話。
ほぉ、なんてちび達だ。
でもま、それならそれで面白くなるってもんだ。
…。
で。
他に何。
槍は?
結構、力がありそうだけど。
だから貴女が相手するのよ。
あ、やっぱり?
十中八九、私を狙ってくるわ。
ま、頭だしね。
上に、攻撃能力も低いから。
けど、手足が凍ったら動けない。
凍ったら溶かせば良いだけ。
瞬時に対応出来るかね。
無手は動きに小回りが利くわ。
其れは貴女が一番、分かっている筈。
確かに。
けど今回はこいつを使う予定だから。
…その余裕はどこから来るのかしらね。
でもやってみないと分からないだろう?
何事も。
で。
で、て。
どうなん、あいつら。
鬼とは勝手が違うのは確か。
見た事が無い格好してるわね。
興味深いけど、あまり着たいとは思わないわね。
あいつ、でっかい得物持ってるなぁ。
だから折られないよう、気をつけて。
下手をしたら躰ごと、壊されるわ。
そんなのが私の相手?
やだなぁ。
恐らく、頭はあの人の後ろにつくと思う。
だろうねぇ。
壁にするのにうってつけだもん。
ねぇ、あの黒髪は?
炎の弓を操るそうよ。
へぇ。
容易くはいかない、と思うけど。
まぁ、そこら辺は適当に対処するわ。
ええ、お願い。
それから。
うん。
炎、雷、それから水或いは氷。
各自、意の侭に操ってくるそうだから。
あのおっきいヤツは?
雷。
髪が青いのが水、てわけね。
ええ。
じゃ、こっちも術で応戦、だな。
場合によっては併せ。
そんな暇、あるかしら。
だから、時間は掛けない。
なるほど。
其れはなかなかくたびれそうだわ。
飽きる暇が無くて良いだろ、寧ろ。
さぁ、其れはやってみないと分からないわ。
ま、其れも然うだ。
一寸、二人とも。
ん?
何かしら。
気を引き締めて。
くれぐれも油断なんてしないで。
今までに無い、相手、なのだから。
おー。
はーい。
…本当に分かってるの。
よし、じゃ、行くか。
…。
…。
…返事ぐらい、して欲しいよなぁ。
それじゃ、行くわよ。
ええ。
ねぇねぇ、蓉子。
勝ったら御褒美が欲しいなぁv
拳骨で良いのなら。
F i g h t i n g O f T h e S p i r i t
あ……っ
…お。
ぶな…!!!
おー、避けられた。
てか!
壊されると言うより、潰されそうな勢いじゃん…!
ははは、正解。
こいつにかかれば頭の一つぐらい、軽く吹っ飛ぶよ。
物騒極まりないな。
何、そっちの槍も怖い怖い。
貫かれたら向こう側が見えちゃいそうだ。
希望とあらば、叶えてやるけど。
いや、折角だけど遠慮しとこう!
…ッ
かな。
…よくもまぁ、そんな重そうなものを使うもんだね。
重いよ。
お前よか、重いかもね。
おかげでとろいよ、あんた。
はは。
どうせ重いものを持つなら他のもんが良いな、私は。
他の…と、今のは危なかったかな。
…は、どこが。
なかなか、やるね。
面白い。
こっちは面白か無いよ。
こんな事してる暇があるなら…!
…と。
……好きな人といちゃこらしてたいっつーの。
へぇ?
全く、何が楽しくてあんたみたいなヤツとこんな事してなきゃいけないんだか。
時に。
お前の良い人はそんなに重たいのかい?
あ?
言ったろ。
どうせ重たいもんを持つなら、てね。
いや、重くないよ。
寧ろ、軽いね。
そっか。
じゃ、同じだ。
おかげで壊れそう、と言うか壊しそうだよ。
あははは。
違いな
聖…!
ジュピター。
…わぁ。
お、と。
いつまでふざけているの…!
いいかげんに其の無駄口を止めなさい。
…ま。
怒った顔もまた良かったりするんだけど。
はは、なかなか気が合うねぇ。
嬉しか無いよ。
ははは。
…たく。
本当だったら、
さて、と。
…う。
怒られちゃった事だし、そろそろ本気でいこうか。
さっさと終わらせちゃった方が…お互い、良いだろ?
…。
お、どうした。
余裕、無くなった?
…いーや。
うん、そうこなくっちゃ。
マーキュリを討ちたきゃ、あたしを討ってからってな。
……。
骨の一本や二本は許してくれよ。
手加減すんの、苦手なんだ。
…あ、そ。
う、ぉ。
……やぁぁ!
良いねぇ、気配が変わった。
……。
でも。
未だ、甘い。
…っ
こっちの方が重いんだ。
もう一寸うまくやらないと…
く、ぁ……。
……腕なんぞ、軽くいっちゃうよ?
……はぁ。
この、莫迦力め…。
聖…!
大丈夫。
一寸、腕が痺れただけ。
一寸、ねぇ。
結構、キてるだろ?
その実〈ジツ〉。
全然。
お、良いねぇ。
其の意気だ、“ちびっこ”。
歳ばっか食ってても能無しじゃ意味無ぇよ。
あはは、其れはあながち間違っちゃ、
傷ヲ治セ、泉源氏。
…お?
…痺れただけ、だって。
良いから。
…へいへい、ありがと。
おいおい、何だそりゃ。
何でも良いでしょう。
勝負はこれから、よ。
へぇ…なるほど。
聖。
おー。
ふむ。
あちらは二人掛かりだってさ、マーキュリ。
…。
あーあ、相変わらず釣れないなぁ。
蓉子。
…。
アイツはでかい分だけ、動きは鈍い。
けど、力が莫迦だ。
…不用意には、という事ね。
て、誰が莫迦だってー。
聞こえてるぞー、失敬なちび達だなー。
間違いじゃ、無いわ。
…て、マーキュリなぁ。
とは言え、近づかなきゃ埒が明かない。
私達は“でこ”じゃないから。
ええ。
けど、真正面からだと体が幾つあっても足らない。
真正面から行かなければ良いだけの事。
ま、然うなんだけど。
ねぇねぇ、マーキュリ。
…。
ちび達、今度は二人掛かりだって。
…然うね。
それだけ?
其れ以上、何かあって?
あぁ、やっぱ釣れない。
向こうはあんなに仲良しなのになぁ。
…聖。
ん。
適当に、合わせるから。
…了解。
ジュピター。
おー。
来るわよ。
そーみたいだね。
精々、寝首をかかれないように。
や、流石に寝てないって。
…。
…。
いい加減、動いたら如何かしら?
…。
面白く無いって、言われない?
…さぁ、どうかしらね。
私、面白く無いのは嫌いなの。
だから?
私には関係無いわね。
別に関係してとは言ってないけれど。
…。
…炎の矢、弓。
まぁまぁね。
…。
でも、蓉子の炎の熱そうだわね。
…。
本来ならば、貴女の相手は蓉子の方が良いのかもしれないわねぇ。
…無駄口ばかりね。
ええ、退屈凌ぎに。
……。
…とと。
…。
疾い、疾いなぁ、あんた!
…。
…返事無し、と。
……。
けど、捉えられなくも
……。
…ふむ。
…然う、簡単に。
お。
蓉子の動きが捉えられるかよ…!
で、こっちのちびはこうくるか!
やぁぁぁぁ!!
はぁぁぁぁ!!
…。
こんな時でも、だんまりなんだよ、な…
……ち。
と。
危ない危ない。
…未だ、ね。
…ねぇ、蓉子。
これ、本当に人?
やだなぁ、人以外の何者でもないだろ?
……ならば!
お、また来るか!
…。
疾い、疾いなぁ!
…んが!
……。
ぶっちゃけ、見えてるん
…。
お…。
…。
…さっきよりも疾い、か。
…。
だが
させるかよ。
……と!!
…。
ふむ、こっちもか。
…。
……と、と、と。
ちと、まずいかな…。
左。
!
りょぉぉかぁぁいッ!
…ッ?
だぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁ!!!!
…あ
だめだ、蓉子!!!!
遅い!!
……くそぉぉぉぉ!!!!
弾 け !
無 敵 陣 ! ! !
…あー、惜しかったなぁ。
…。
…はぁ、はぁ。
…聖。
…お礼は後で、”奥義の分〈タップリ〉”と。
…。
ふむ、今のは惜しかったねぇ。
お互いに。
…いい加減にしなさい、ジュピター。
準備運動は必要だろ、マーキュリ。
…。
だってさ、蓉子。
こっちもそろそろ本気になっちゃおうよ。
…良く言うわよ。
ところで、マーキュリ。
そろそろ動く気、無い?
…。
はいはい、無視で
来い、真名姫。
…お。
…。
鳳、招来。
おー……。
……然う、それが。
さぁ、こっからが本番だ。
でかぶつども。
…なるほど、それがとっておきか。
いらっしゃい、雷獅子。
……。
と言うわけで。
そろそろ動こうと思うのだけど。
…。
ただの矢じゃ、燃やされるだけだど思うから。
…雷。
ええ。
可愛いでしょう?
ジュピターの力、ね。
うちの家の者、みな、使えるわよ。
……。
…良いわね。
その炎。
……希望通り。
燃やし尽くして、あげるわ。
じゃ、こっちも本気だ。
…。
…て。
得物、捨てて良いのかねぇ?
あたしはこっちが本業なんだ。
そこの綺麗な娘さんとお揃い、ってわけだ。
…。
…。
マーキュリ、これで良いかい?
…。
ちぇ。
みんなだんま
…。
…む。
『…乱レ咲ケ、花乱火』
…!
あ、っつ…!
…。
…。
あつ、あっ
水でも被って、反省なさい。
つ…つめたぁ!!
…。
…鳳の方が良かったな、やっぱり。
……マーキュリ。
出来ればもちっと優しく…
じゅぴたー。
へ…。
…。
あー…ッ!
…。
マーキュ
お前の相手は、こっちだ。
…ふむ。
蓉子の邪魔は、させない。
さて。
それはどうか、な!
あ…!
ごめんなさいね、先に潰させてもらう。
…。
……な、
……ふ。
く…。
こちらこそ、ごめんなさいね?
……。
でもって。
不用意に背中を向けんのは、感心しないな。
…え。
あんたみたいな綺麗な子、殴るのはちと気が引けるんだけど。
待て、お前の相手は…!!
が…はぁッ!!
分かってる。
あたし、だろ?
蓉子ぉぉぉぉ…!!!
だからこれから相手してやる。
な?
……。
て、あれ?
無視?
…蓉子、蓉子。
せ…ぃ、だ…め。
ま、良いや。
しかし良く飛んだなぁ。
確かに“軽い”。
今、円子を…
なぁ、マーキュリ?
…。
!
…だ…め。
シャインアクア…
…焼キ尽クセッ!
……ぃ。
イリュージョン。
火リュ
残念だけど、遅いなぁ。
……ぐぅぅぅ。
せ、ぃ…。
……いやいや、なんの。
大丈夫だって、これくらい。
とは言え。
凍傷程度じゃ済まないけどね。
へたすりゃ死んじゃうよ、その腕。
……。
無言は肯定、だっけか?
せ……ぅ、げほ、げほッ。
こっちは骨の何本か、いったろ。
折角綺麗なのに、ごめんな?
どうせ、顔は狙わないでしょう。
貴女は。
はは、ばれてら。
…。
まぁ、何だ。
参った、しとけ。
もうな?
…。
…はぁ。
命、失いたくは無いでしょう。
マーキュリの言うとおりだ。
な、悪いこたぁ言わない。
…。
…。
大事な人を守りたいのならば。
時には引く事も大事だよ、ちび達。
…ぅ。
…!
命の賭け時は今じゃ…?
…ぅぅ。
だめ…だめよ…せ、ぃ。
…マーキュリ、下がって。
…いいえ。
下がって。
…ぁぁぁ。
下がれ、マーキュリ。
……。
ウぁぁぁぁァァァオぁぁァ…!!!!
せい…ッ
下がれ!!!!
……。
…ウオォァァァァァァ!!!!!!
…ぐうっ。
せ……ぃ。
よ…くも、よクも、蓉子ヲォォォ!!!
…あれは。
マーキュリ!!!
…良いわ、“思うよう”にやりなさい。
……アァぁぁァぁァッ!!!
応…ッ!
オォォォォぉぉぉ…!!
…。
…あぁ…せい。
…人であらざる者。
…ッ
貴女達も。
……。
けれど。
我ラガ傷ヲ癒セ、卑弥呼。
ア…。
…む?
蓉子!
…聖!!!
………。
…落ち着いて、聖。
私はほら、大丈夫…大丈夫よ。
ね?
………。
…ほら、ね?
……よう、こ。
そこまでにしときなさい、聖。
はしたないわよ。
……。
聖。
……蓉子。
…ふむ。
落ち着いた、か?
…マーズ。
…。
とんだ“体たらく”、だな?
ま、おかげで“手荒な事”をしないで済んだけど。
…回復が厄介だわ。
…然うね。
確かに、あれはずっこいよな。
んが、それがあるから出来たってコトもあるが…。
あらあら、苦戦しちゃってる?
鳳と真名を呼んでおきながら。
…江利子。
ごきげんよう、蓉子。
確かに傍に置いておけば、能力は上がるでしょうけど。
…。
幾ら命の奪り合いじゃないからって、出し惜しみするのはどうかと思うわ。
あんなに面白い相手どもに。
貴女は
つまらないじゃない?
一対一、じゃ。
…助かったわ。
ありがとう。
いいえ、どういたしまして。
…それから、天狗面。
…。
一人で遊んでんじゃないわよ。
あんな姿になるほどに。
…うるせぇ。
まぁ、一寸は楽しめるみたいだけど…ね。
…江利子、顔が怖いわよ。
失礼ねぇ。
私はただ、人間相手に持てる力を出して良いのが面白いだけよ?
それが凶悪だっつってんだ。
いえ、そもそもアレらは人と呼べるものなのかしら?
貴女達がこんなにも容易くあしらわれて。
…。
…。
だから、ね。
…ふふ、面白いわ。
…聖。
…最悪。
試したい術とか、あるのよねぇ。
並の鬼じゃあ、柔すぎて参考にならないから丁度良いわ。
見て蓉子、でこの目つきがやばい。
…ええ。
ふふ、ふふふ…。
…面白がるのもどうかと思うんだけど、蓉子。
…ただ、良い鍛錬になるからと思っていただけなのに。
ふふ、どうしようかしら。
とりあえず…
…ああ、やだやだ。
…聖。
あ、蓉子がやだってわけじゃないから、ね?
…あ、こら。
…とりあえず、これ一つで頑張れますから。
……んもう。
蓉子、色惚け、どうするの?
私としては仕切り直し、万端なんだけど。
え、ええ。
力、貰ったし。
一つ、頑張っちゃおうかね。
聖、江利子。
おう。
んー。
行くわよ。
おう。
ふふふ。
…だから、気色悪いっつーの。
あーあ、また最初からだよ。
なぁ、マーズ。
…五月蝿いわね。
……なるほど。
あれは、厄介ね。
だろうだろう?
けろっとしてるよ、全く。
…。
最初のうちだったら、遊んでお仕舞いだったんだけどなぁ。
さっさと終わらせない貴女が悪い。
だって、なぁ。
ましてや箍を外させようとするなんて。
いや、あれはちと予想外。
本来の目的よりも、楽しむ事を優先するから。
どうせなら、楽しんだ方が良いじゃないか。
“敵”じゃあ、無いんだから。
同じような考え方の人間があちらにも居るわ。
お、それは誰だ?
マーズ。
誰でも良いわ。
お、それは嫉妬かな、マーキュリ。
その口、凍らせて欲しい?
…はい、ごめんなさい。
…あちらの体勢は完全に立て直したようね。
うん、誰かのせいで。
焼き尽くすわよ、その口。
凍らせられたり、焼かれたり。
忙しいなぁ、あたし。
減らず口はもう良いでしょう。
行くわよ。
おうさ。
マーキュリー。
なに。
あれは雷よ。
お、あたしと一緒か。
けれど恐らく、他の二人も。
お、そいつは是非とも
遊ぶ時間はもう、お仕舞いよ。
…へいへい。
マーズ、他は?
貴女の言った通り。
火と水、風や土。
まさに、森羅万象、てやつだぁな。
そこまでじゃあ無いわ。
知ってる言葉を使いたかっただけよ。
て、マーキュリは。
少しくらい優しくしてくれても罰は
黙れ。
……おー。
あんな人間も居るものなのね。
ええ。
…あーあ、つまらんなぁ。
良い媒体だわ。
妖魔以外、ましてや人間だものね。
ええ。
ただの人間では無いようだけれど。
……あーあ、物騒だなぁ。
ジュピター。
おー?
貴女にも力を出して貰わないと意味が無いの。
期待、されてるかな?
この際、どう取って呉れても構わないわ。
んじゃ、然う思うことにしよう。
うん。
準備は?
いつでも良いさ。
あの子らも万端のようだし。
じゃ、行くわよ。
おおー。
舞ヒ踊レ、
…我が守護木星よ、嵐を起こせ、雲を呼べ、雷を降らせよ。
高ラカニ謳ヘ、
…Мерцуры、
雄雄シク吼エヨ、
…Марс、
鳳凰…!!!
Супреме Тхундер…!
真名姫…!!
Аыуа Рхапсоды…!
雷獅子…!!
Фламе снипер…!
……全テヲブチ壊セ、魔王陣。
・
・
あーーーー終わった、終わったぁ!
…傷ヲ塞ゲ、お雫。
……。
これで大丈夫です。
…ありがとう。
あ、次はあたしにもあたしにも!
…。
て、あれ?
お前は大丈夫だろう。
いやいや、あたしも一時は相当結構やばかった。
お目のおかげで。
…。
てかあの、何て言うんだっけかな、ほれでこが立派な
…でこちん。
そうそう、でこちん!
…何だったら、二人まとめて葬り去ってあげても良いのだけど。
ねぇ?
……。
……。
良いかしら、蓉子。
まだまだ足りないのよ。
…いや、もう止めて。
お願いだから。
あら、然う?
つまらないわねぇ。
…なぁ。
……何だよ。
あれ、ホントに人?
皮を被った違うもの。
…だよなぁ。
あたし、今まで色んなのを相手にしてきたけどあんなのは
あと二三、試したいのがあったのだけど。
あーあ、残念だわ。
……あれは相当やばいぞ。
今回ばかりは本気で死ぬかと思った。
……知るか。
ねぇ、貴女。
…何。
貴女の炎の弓もそれなりに面白かったわ。
貰うわね。
……。
マーズ。
取り合えず「うん」って言っとけ。
…出来るものなら、やれば良いわ。
ええ、ありがとう。
じゃあ…
……。
……て、おいおい。
どんなだよ…。
うーん、精度はまだまだかしらねぇ。
でもま、良いでしょう。
…蓉子、でこちんがすげぇ生き生きとしてるんだけど。
……ああ、もう。
え、と。
なぁなぁ。
…はい?
あたしの傷、治してくれたら助かるんだけど。
あ、ああ、良いですよ。
へへ、ありがと。
だから、お前は良いだろ。
蓉子に気安く触るな。
まぁ、良いじゃないか。
けちけちするな。
けちけちじゃない。
駄目なものは駄目だ。
聖、傷を治すくらいなら
ここと、ここ。
あ、あとここな?
えと、それなら…泉源氏くらいで。
イズ…?
まぁ、何でも良いや。
て、こら、調子に乗んな!
傷ヲ治セ、泉源氏。
おーー。
あーー!
……。
マーキュリー。
…何。
良い資料にはなったかしらね。
…ええ。
今後、どんな敵が出てくるか分からないから。
参考にはさせてもらうわ。
特にあの術と言うのは興味深い。
癒しの術が使えたら、楽になるわね。
ええ。
…あと。
おー、本当に治ったー。
と言っても、初めから大した事が無かったですから。
頑丈なんですね。
ははは。
何しろ楯だからなぁ、あたしは。
…タテ?
然う。
護る為の…な。
…。
よーこー。
…え。
もう、良いでしょう?
あ。
お前ももう良いだろ。
あっち行けよ。
ちびっこ、やきもちか?
……。
はは。
蓉子、もう帰ろう。
直ぐに帰ろう。
今直ぐ帰ろう!
待って聖、もう少し話を
なぁに、もう帰るの。
まぁ待て待て。
もちっと話をしようよ。
話す事なんざ、無いよ。
まぁ、然う言うな。
な?
蓉子、早く。
聖、待って。
…。
お願い。
…いやだ。
聖。
…。
…後で言う事、聞いてあげるから。
!
ん?
蓉子!
…。
それって何でも?
何でも?
……でも程ほどにしてね。
うん!!
良く分からんけど、手懐けられてるみたいだなぁ。
おい、じゅぴたー。
…それ、あたしの名前か?
そういや戦い中にも
一寸だけだぞ。
…ま、良いや。
とりあえず、座りなよ。
あ、ヨウコはあたしの隣に
ふん!
…まぁ、良いけど。
マーキュリ、マーズもこっちに来なよ。
…。
…。
愛想無くてごめんな?
いいえ…。
で、話って何だよ。
あ、蓉子は私の隣だから。
…はいはい。
仲が良いなぁ。
流石にちと羨ましいなぁ、と。
…。
マーキュリ、隣においで。
…。
…な、こっちはこんなもんだ。
…で、話って何ですか。
貴女達の力はあれだけでは無いでしょう。
…。
て、マーキュリ。
…。
え、と。
だからだな?
例えば人であらざる者の力。
…て、マーズ。
そんな事は、
人以上の力なんて、無い。
…人以上、ね。
聖。
だって然うでしょう?
……。
あー。
あたしが言おうと思ってたのもそれだ。
…。
簡単に言えば、危なっかしいものがある。
いつ、人で在る事を投げ出すか分からんような、な。
…あんたらには関係無いだろ。
まぁ、そりゃそうだ。
でも…な。
…。
ヨウコを悲しませるのはいかんと思うよ。
…。
…。
ヨウコは…まぁ、大丈夫だと思うけど。
な、マーキュリ。
…セイ。
……。
一度、箍が外れると。
次からは一度目より容易になるわ。
…だから?
やだろ。
ヨウコが泣くの。
……。
な、ヨウコ。
ヨウコはセイが泣くのは、やだよなぁ。
…。
と言うかその上からの言い方、腹が立つんだけど。
ん?
そのつもりは無いけど…そうか、ごめんな。
……。
……。
ま、何だ。
笑ってた方が良いって事さ。
折角生きてんだからな。
…。
大体さ、粗末にするもんじゃ無いんだ、命は。
…なぁ、マーキュリ。
……。
…はい。
分かってます。
うん、なら良し。
話は終わり。
…帰ろう、蓉子。
…そうね。
江利子。
んー?
もう良いの?
ええ、帰りましょう。
ああ、そうだそうだ。
…何だよ。
あいつ…あーー。
江利子、です。
然う、エリコだ。
あいつはある意味、箍が外れてる。
気をつけとけ。
…。
…。
まさか、手遅れか?
江利子は…面白い事があるといつもああなるので。
面白い事…な。
噛み付いたら飽きるまで離さないんだよ、あいつは。
…や、なかなかに厄介だな、それは。
…ふむ。
これで奥義を使ったらどうなるのかしら…ふふふ。
…。
…。
…ま、頑張れ。
ジュピター、そろそろ行くわよ。
うん、分かった。
…私達も行きましょうか、聖。
うん、さっさと行こう。
とっとと帰ろう。
ヨウコ、セイ、でもってエリコ。
元気でな。
…貴女方もどうかお元気で。
ごきげんよう。
ゴキゲン…?
我が家の挨拶です。
ゴキゲンヨウ…か。
なんか良い音だな。
そうですか?
うん、気に入った。
ヨウコ、セイ、エリコ、ゴキゲンヨウ!!
はい、ごきげんよう。
…ごきげんよう。
ほら、マーキュリ、ついでにマーズも。
…。
…誰がついでよ。
ほらほら。
…ゴキゲンヨウ。
・
あー疲れた疲れた。
…。
…。
んが、こーいうのも悪くないなぁ。
ね、マーキュリ。
…。
…。
あれ?
マーキュリー。
あの子達はこれから、どうなるかしらね。
…さぁ、どうかしら。
何々?
けれど。
あれ程の力を持っていたら、普通の人間の中で、普通に生きるのは難しいでしょうね。
…ええ、そうかも知れないわね。
何だよ、小難しい顔して。
…。
…。
なに。
あたし達が心配しなくても、ちびっ子達は大丈夫さ。
…。
…。
力があるとか、どうとか。
そんなの、大した問題じゃないさ。
…。
…
仲間がいれば、大抵の事は何でも無いんだ。
然う、何でも。
…マーキュリー。
…。
帰ったら。
とりあえず、お茶でも飲もうかな。
マーキュリ、あたしの部屋においでよ。
…。
マーズも。
…遠慮しておくわ。
何で?
何でも。
ふぅん。
じゃ、マーキュリ。
…私は良い。
帰ったら
良いんだね。
じゃ、決定。
…だから、
とびっきり美味しいの淹れるからね、マーキュリ。
…。
ご苦労様、マーキュリー。
蓉子、約束覚えてる?
…。
ねぇねぇ、覚えてる?
…覚えてない。
嘘。
その言い方は覚えてる。
だから、覚えてない。
私、知ってるんだ。
蓉子は約束を違える人じゃないってコト。
…。
ね?ね?
…それより。
何してもらおうかな…へへ。
少しは今日の事を振り返ったらどうなの。
……。
…何よ、その嫌そうな顔。
別にどうでも良いじゃん。
良くない。
折角の手合わせだったのだから、今後の戦に
そういう話は後。
今は…。
…あ、こら。
早く家に帰って。
その後は…ね?
…今日は疲れてるから
大丈夫大丈夫。
何が大丈…て、どこ触って。
…ふふ、何してもらおうかなぁ。
あーもう…!
でも満更じゃないのよね、蓉子は。
ば、ばかなコト言わないで!
…て、江利子!
私、先に帰るから。
やりたい事もあるし。
待って、待ってよ。
ゆっくり帰ってくれば良いじゃない。
天狗面と。
あ。
じゃごきげんよう。
え、江利子…。
……これで二人きり。
邪魔者は居ない!
て、聖、今はだめ、今はだめだからね。
分かってる。
蓉子はお外でするのはお好みじゃないもんね。
そ、そうじゃなくて!
え、じゃあ良いの?
良くない!
良くないから!
よーこ。
と、兎に角、離れて。
ね、聖、お願いだから…
…今はこれだけ。
…。
何でも良いんでしょう?
……。
手、繋いで帰ろ。
蓉子。
……聖。
ね?
………うん。
F i g h t i n g O f T h e S p i r i t 了
「FIGIHTING OF THE SPIRIT」
TALES OF PHANTASIA
TALES OF SYMPHONIA
田村信二
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