We can go to the place


   Where we're fogiven











































   見せてよ。














   お昼ごはんも済ませ、かと言って特別やる事も無い、おまけに少々眠くなってきた午後二時過ぎ。
   唐突に然う、彼女が言った。




















W e  c a n  
g o




















   は、何を?


   貴女、私のは見たじゃない。


   蓉子の?
   って、何?


   見せてよ。


   だからさ、何を見せれば良いの。


   …。


   ねぇ、蓉子。
   貴女は何が見たいと言うの。


   …アルバム。


   アルバムぅ?


   小学校の卒業アルバム。


   小学校…あぁ、初等部の?


   見せてよ。


   と、言われましても。


   無い筈は無いでしょう。


   有ると言えば有る、と思うけど。
   私は蓉子と違うからねぇ、さて何処にしまった事やら。


   実家?


   の、どっかに。


   どっかって。
   貴女の部屋には無いの?


   若しかしたら納戸。


   どうしてよ。


   どうしてって。
   部屋にあったって見ないし。


   私は見たい。
   見せてよ。


   と、言われましても。


   其れ、二回目。


   だったら。
   蓉子の見せてはさっきので四回目。


   見てみたいのよ。


   分かったけど。
   でも、なぁ。見つかるかなぁ。


   …人のは散々見たくせに。


   うん、とても可愛かった。


   しかも両親が作ったアルバムまで勝手に見て。


   小母さまが張り切って説明してくれました。


   …母も母だわ。


   個人的に大ヒットだったのは入学式の写真、まるでランドセルが歩いてんじゃないかって言うサイズの蓉子。
   勢い余って小脇に抱えて持って帰りたくなりました。


   其れは誘拐と言うのよ。


   本当、誘拐されなくて良かった。


   聖のも見せてよ。


   と、言われてましてもだねぇ。


   三回目。


   じゃ、蓉子は五回目。


   今度、聖の家に行っても良い?


   今日、今現在、来てるじゃない。


   此処じゃない。


   今は此処が私の家です。


   …帰るのは、嫌?


   別に構わないけど。
   蓉子を連れて行ったら屹度、喜ぶだろーね。


   …。


   蓉子さん?


   嫌なら良い。


   いや、だから。
   嫌じゃないよ。


   …。


   まぁ、今度で宜しければ。
   一緒に探してみますかね?


   本当?


   蓉子、嘘つきは好きじゃないでしょや?


   …嬉しい。


   え、と。
   そんなに?


   ええ。


   見たところで可愛げの無い餓鬼が写ってるだけだよ?


   でも聖だもの。


   本当に可愛くないよ?
   仏頂面で。


   それでも其の子は聖でしょう?


   まぁ、然うだけど。


   楽しみだわ。


   見つかったら、の話だけど。


   見つかるわよ。


   然うかな。
   何処にしまったか全然覚えてないんだけど。


   捨ててはいないのでしょう?


   と、思う。


   じゃあ、見つけるわ。


   精々、頑張って。


   貴女も一緒に探すのよ?


   あ、やっぱり?


   勿論。


   はいはい。


   はいは一回。


   はーい。




















   お邪魔します。


   そんなに畏まらなくても良いよ。
   適当に上がって。
   誰もいないみたいだから。


   …。


   お土産
〈ソレ〉、無駄になっちゃったね。
   だから必要ないって言ったのに。


   書置きをして置いていくわ。
   それから後で電話を…


   良いよ。
   持って帰って二人で食べよ。


   いいえ。
   これは聖の小父さまと小母さまへ持ってきたものだから。


   全く、生真面目なんだから。
   スリッパ、要る?


   ううん。


   そ。
   じゃ早速だけれどとりあえず、かつて私の部屋だった部屋に行こうか。


   今でも聖の部屋でしょう?


   今はあっちが私の家兼部屋だから。
   先、行ってて。
   何か飲むもの、持って行くから。


   有難う。
   でも気を使わないで。


   気なんて使ってないよ。
   当たり前の事を言っただけ。
   あ、然うだ。


   うん?


   良かったら先に部屋の中探してても良いよ。
   多分無いと思うけど、あったらめっけもんって事で。


   其れって。
   勝手にいじって良いって事?


   いじる程、物は無いけどね〜。


   出来ないわよ。


   どして?


   だって、聖の部屋だもの。


   かつて、ね。
   其れに蓉子は特別な人ですから。


   …それでも、よ。


   あ、照れた?


   ばか。
   兎に角、聖が来るまで待ってるわ。


   て、言うかね。
   先に探しておいてくれると、私が探す手間が省けるでしょや?


   つまり面倒が省けると?


   はっはー。
   と言うわけでお願い。


   もう、何よ其れ。


   其の代わりと言っちゃあなんだけど、美味しいお茶を提供するからさ。
   探しながら期待して待ってて。




















   本当にこの部屋には無いのね。


   でしょ。


   本棚、押入れ、クロゼット、机の引き出しの中…には無かったわ。
   アルバムどころか写真一枚すら。


   言ったとおり。


   納戸にはあるのね?


   あるんじゃない?


   いい加減。


   だって本当に覚えてないんだもん。


   じゃあ、探しに行きましょう。


   の、前に。
   ほい、粗茶で御座います。


   有難う。
   でもこれ、お茶じゃなくてどう見てもお水だけれど。


   いやぁ、すっかり手間取っちゃった。
   茶っぱ、戸棚に入ってないんだもんなー。
   てわけで、冷蔵庫に入ってたミネラルなお水で我慢してね。


   飲んでも良いの?
   小父さまか小母さまのものでは無いの?


   あー、良いよ。
   丁度、蓋も開いてなかったし。
   代わりも、ちゃんと入れておいたし。


   代わり?


   箱で買ってたみたい。
   冷蔵庫の脇っちょに有ったから。
   さ、遠慮せずに飲んで下さいな。


   …じゃあ、遠慮なく。
   頂きます。


   水ぐらいで。
   大袈裟だなぁ。


   然う言えば聖の分は?


   其れ。


   其れ?


   今、蓉子さんが飲んでるヤツを半分。


   …。


   間ちゅー狙い。


   ……。


   て、あ。


   はい、どうぞ。


   何も拭かなくても。


   さ、次を探しましょう。




















   無いなぁ。


   無いわね。


   此処に無いとすると。
   お手上げだなぁ。


   真剣に探してる?


   探してますよ。


   少しは思い出してよ。


   んなコト言われてもなぁ。


   …何をしているの?


   あ。


   ご無沙汰しております、小母さま。


   いらっしゃい。お久しぶりね、蓉子ちゃん。
   それから…おかえりなさい、聖ちゃん。


   あー、まぁ。


   連絡ぐらいくれたら…


   蓉子、やっぱ無いみたい。
   何処やったもんかなぁ。


   一寸、聖。


   ん、何?


   どういう事なの。


   何が。


   連絡、してなかったの?


   一応、実家だから。
   帰るのにいちいち連絡なんて要らないかな、と。


   かな、て。
   貴女ね…。


   まぁ、良いじゃん。
   今問題なのは目的のモノが見つからないって事だよ。


   何か、探しているの?


   ああ、一寸ね。


   アルバムです。


   蓉子。


   アルバム?


   聖…さんの、初等部の卒業アルバムです。


   聖ちゃんの…ああ。
   だったらそんなところ、探しても無いわよ。


   まるである場所を知っているような口ぶりだね、母さん。


   聖。


   …此方に来てもらっても良いかしら。




















   一寸、待っていてね…。


   此処、は…。


   はい。
   探しているのは此れでしょう?


   リリアンの校章…はい、然うです。


   母さん、これはどういう事。


   昨日、たまたま見たのよ。


   昨日?
   たまたま?


   他にこういうのもあるけれど…見る?蓉子ちゃん。


   失礼ですが、其れは?


   主人が撮った写真をまとめた、家族用のアルバムなのだけれど。


   …そんなものまで。


   見せて頂いても宜しいのですか?


   ええ、是非見て欲しいわ。


   有難う御座います。


   こんなところでは何だから、リビングに行きましょう。
   然うだ、お茶を煎れるわね。
   美味しいお茶があるのよ。


   あ、いえ、お気遣い無く。


   良いのよ。
   そうそう、お菓子もあるのよ。
   蓉子ちゃんが気に入ってくれたら嬉しいわ。


   良いよ、母さん。
   もう帰るから。


   え…。


   アルバムも見つかった事だし。
   行こうか、蓉子。


   けれど、せ


   それから。
   親の前だからって「さん」付けで呼ぶの、止めてくれるかな。
   私達は恋人で、近いうち同棲しようって言ってるんだから。


   同棲、て。
   そんな話


   そういうわけだから、母さん。
   私達は帰るよ。
   ごめんね、手間をかけさせて。


   聖ちゃん…。


   じゃあ、またいつか。
   行こう、蓉子。
   母さん、これ借りてくから。


   待って、聖ちゃん。
   せめてお茶ぐらい…


   有難う。
   だけど、要らない。
   うちに帰ればあるから。


   …然う。


   待って、聖。


   …何。


   聖、少しだけで良いから。


   …。


   お願い、聖。


   ……条件が、ある。
   蓉子が飲んでくれたら。


   分かったわ。


   内容、聞かないの。


   …小母さま。
   お茶、ご馳走になっても宜しいでしょうか。


   …!
   勿論よ、ゆっくりしていってね…!




















   ……。


   美味しいです、小母さま。


   でしょう?
   最近の私のお気に入りなのよ。
   お菓子もどうぞ、召し上がって。


   はい、頂きます。


   然うだわ、折角だから蓉子ちゃんから頂いたお土産も頂くことにしましょう。
   聖ちゃんも…


   あの、さ。
   一つ、聞きたい事があるんだけど。


   …何、かしら。


   …。


   聖?


   …どうしてあんたの、母さんの寝室なんかに置いてあるの。
   アルバム。


   だから、たまたま昨日…


   たまたま、ね。


   其の、見たくなって…。


   …。


   聖、母親である小母さまが子である貴女の写真を見たくなるのは何も不自然な事では無いわ。


   ああ、然うだね。
   蓉子の言うとおりだ。


   …怒っているの。


   は、なんで。
   どうしてそんな事ぐらいで怒らないといけないの?
   私はただ気になっただけだよ、母さん。


   …然うよね。


   そんな言い方しないで、聖。


   と言うかさ、さっきから何なの。蓉子。


   其れは私の台詞だわ。
   どうしてそんなに苛々しているのよ。


   別に。
   してないよ。


   嘘。
   貴女、さっきから小母さまに対して


   良いのよ、蓉子ちゃん。


   …小母さま。


   気に障ったのなら、謝るわ。
   ごめんなさいね。


   気になんて障ってないから。
   謝らなくても良いよ。


   …聖。


   そろそろ良いでしょ、蓉子。
   帰ろう。


   …。


   今日は来てくれて有難う、蓉子ちゃん。
   どんな理由であれ、嬉しかったわ。
   其れ、返してくれるのはいつでも良いから。


   其の時はまた、伺っても宜しいでしょうか。


   ええ、是非来て。
   聖ちゃんも…


   気が向いたら。


   其れでも構わないわ。


   今度は連絡を差し上げてから伺う事にしますね。


   然うね、そうして下さると嬉しいわ。
   有難う、蓉子ちゃん。


   然うだ、小母さま。
   このお茶のメーカー、聞いても宜しいでしょうか。


   え?


   本当に美味しかったので。
   出来ればまた、聖と一緒に飲もうと思って。


   一寸、蓉子。


   良いわよ。
   あのね.…




















   本当。
   笑って写ってる写真が無いわ。


   だから言ったじゃん。


   でも可愛い。


   どこか。
   蓉子の方がずっと可愛い。


   小さくて。
   当たり前だけれど、聖にもこんなに小さい時があったのね。


   そりゃ、そうだ。
   …あのさ、蓉子。


   なぁに。


   母の事なんだけど。


   小母さまがどうしたの?


   どうしてあんなお節介をしたの。
   私はさっさと帰りたかったのに。


   私が小母さまとお話したかったの。
   それではだめ?


   …お茶まで飲んで?


   ええ。
   本当、美味しかったわ。
   今度、一緒に買いに行きましょうよ。


   それより、コーヒーが欲しい。
   丁度、切らしちゃったから。


   あ、江利子。
   この子、江利子よね。


   ああ、然う。
   其の頃からでこちん。
   てか、幼稚舎の頃からだけど。


   可愛いわね。
   どの写真もにこにこしてる。


   其の頃は未だ、世の中に退屈してなかったみたいだね。
   だけど高学年ごろから、たまにアンニュイになってたらしいよ。


   へぇ。
   でも、どうして?


   高等部三年になってから、誰からか聞いた。


   ふぅん。


   ね、いつまで見てるのさ。


   聖だって私の事なんて放って見てたじゃない。


   見てた、けど。


   これ、体育祭?
   それとも初等部だから運動会って言うのかしら。


   忘れた。
   名前なんてどうでも良いよ。


   あ、ちょこっとだけ写ってるわ。


   どうせ、つまんなそうでしょ。
   面白かった記憶も無いし。


   小さすぎて、表情まで分からないけど。
   何か踊っているのかしら。


   さぁ、どうだったかな。


   鞄もランドセル、とは違うのね。


   まぁね。


   …ねぇ、聖。


   あー?


   愛しいわ。


   は?


   どんな顔をしていても。
   私は愛しい。


   其れは…どうも。


   …聖?


   何を言い出すのかと思えば。


   照れた?


   照れてない。


   貴女、照れると物言いがぶっきらぼうになるのよ。


   …。


   屹度、小母さまも然うなのよ。
   私とは形が違えど。


   母さん?


   この頃の聖も。
   今の聖も。
   小母さまの子供である事に違いないのだから。


   仕合わせだね、蓉子は。


   ええ、仕合わせよ。
   だって今、貴女と一緒に居るんですもの。


   …あの、さ。


   ん?


   何か今日の、てか今の蓉子、いつもと違う。


   然うかしら。


   …恥ずかしい台詞なんて言っちゃってさ。


   たまには良いじゃない。
   そんな時もあるのよ。


   …。


   ね、こっちに来て。


   …ッ


   来てくれないの?


   其れって、誘ってる?


   然う言うつもりでは無いわ。
   一緒に見ようと思っただけ。


   いや、十分に誘ってる。


   あ…。


   と言うわけで。
   誘いに乗る事にする。


   待って、未だ見終わって…


   後でも出来る。


   せ、い…。



















   ん…。


   …起こしてしまった?


   いや。
   また見てるの。


   貴女だって見てたじゃない。


   然うだけど。


   それからこれは学校のアルバムじゃないの。


   …。


   初等部以前の写真。
   当たり前だけど、小さい。


   まぁね。


   江利子と喧嘩したのって、この頃?


   もう一寸前。
   多分。


   然う…。


   …愛しい?


   ええ。


   ふぅん。


   何よ。


   別に。


   この頃の聖が居たから、今の聖がいるんだもの。


   へそ、大分曲がってたけどね。
   てか、ずっと曲げっぱなしだったけど。
   多分、今でも。


   だけど今、聖は私の傍に居るわ。
   私を抱き締めて呉れている。


   あのさ、蓉子。
   本当に変だよ。


   然うかしら。


   …蓉子。


   ん…?


   今の私も。
   愛しい…?


   勿論。


   本当に?


   今の聖が、こうして甘えてくれる聖が、一番、愛しい。


   これから先の私は?


   屹度、愛しいわ。


   屹度、なの?


   先の事なんて分からないもの。
   ああ、だけど。


   だけど?


   ずっと、愛しく思うんだわ、私。
   だって…


   …。


   だって、中等部の頃から好きだったんだもの。


   え、然うなの。


   ええ、然うよ。
   好きになったのは私の方が先。
   だから私の方が長いのよ。


   だけど、思いの丈だったら負けない。


   私だって負けない。


   愛してる。


   愛してるわ。




















   …そういや、さ。


   うん…。


   お茶、買いに行くの?


   行きたいわ。
   本当に美味しかったんだもの。


   じゃ、私も行こうかな。


   初めから聖と一緒に行こうと思ってたもの。


   そか。


   ね、聖。


   んー…。


   条件、は?


   条件?


   貴女が言ったのよ。
   私が小母さまの申し出を受けた時。


   ああ。


   ね、何なの…?


   聞きたい?


   聞きたい、は変だわ。
   聞かないと条件を飲もうにもどうして良いか分からないもの。


   一緒に居たい。
   これからも。


   其れが、条件?


   然うだよ。
   何かおかしい?


   おかしいわ。


   …どうしてさ。


   だって、私だって居たいって思ってるのよ。
   改めて条件として出さなくても、初めから成立してしまってるじゃない。


   …じゃあ。
   暮らそう。


   …え、何?


   一緒に、暮らそう。


   …。


   今直ぐ。


   今直ぐ、は無理だわ。


   …。


   未だ、学生だから。


   良いじゃない、学生でも。


   然う言うことはきちんとしておきたいの。


   …。


   聖、怒らないで。


   怒ってなんか無いよ。


   社会人になって。
   ちゃんと独立したら、私は貴女と暮らしたい。
   今は親の保護を受けているから。


   先の事なんて分からないって言ったのは蓉子だよ。


   だけど愛しいと思う気持ちはずっと変わらないとも言ったわ。


   屹度なんて、あてにならない。


   聖。


   だから私は今が良い。


   …。


   蓉子…。


   聖、約束しましょう。


   約束なんか要らない。


   …聖。


   今じゃなきゃ、嫌だ。
   お願い蓉子、うんって言って。


   …。


   …言って、言ってよ。


   聖、好きよ。


   違う。


   好きだから。


   違う、今はそんな言葉が聞きたいんじゃない。


   好きだから。
   これからもずっと一緒に居たいから。


   だったら、うんって言ってよ…。


   だからこそ、今は。


   ……。


   聖。


   ……分かった。
   蓉子は私と一緒に暮らしたくなんかないんだ。


   そんな事言ってないわ。


   だって頷いてくれない。


   私は貴女と歩く未来を大事にしたいだけ。
   二人で歩く未来を。


   …。


   其の為に今をちゃんとしたいの。
   学生として、そして、私として貴女を大切にしたい。


   …。


   私は貴女と其の時が来るまで、一緒に居たいから。


   其の時って、死ぬまでって事?


   ええ、然うよ。
   莫迦みたいだけど、本気で然う思っているの。


   だったら私もだよ。
   私も然う思ってるから。


   ねぇ、聖。


   …絶対、だよ。


   …?


   ずっと傍に居て。
   死ぬまで。


   ええ。
   聖も居てくれる?


   居たい。


   居てよ。


   うん、居る。




















   其の時は。
   聖の小父さまや小母さまにも挨拶しないと。


   親に?


   然うよ。
   同棲するんだもの。


   良いじゃん、別に。
   社会人なんだから。


   ちゃんと認めてもらいたいの。


   認めるって。


   だって…。


   蓉子…?


   …其の、法律上では無理なんだけど。


   …?
   あ。


   わ、分かってるのよ。
   でも気持ちの上で…と言う話であって。


   じゃ、私も蓉子の小父さまと小母さまに挨拶する。
   蓉子を私に下さいって。


   ……。


   ね…?


   な、何もそんな風に言わなくても良いわよ…。


   言わないよ。
   あくまでも気持ちの話ですから。


   …。


   それとも本当に言った方が良い…?


   …からかってるでしょう?


   いや、わりと本気。


   …気持ちだけで十分よ。


   ふふ。
   どーしよーかなー。


   やっぱり、からかってる。
















































   We can go to the place


   Where we get freedom





















































   …父さん、母さん。



   改めて紹介するよ。
















   「We can go」
   鬼束 ちひろ