おめでとう。



優しいキスを



ありがとう。













余談




  蓉子さん蓉子さん。

  何よ。

  わたくし、少々不満で御座います。

  何に対して?

  どうして唇の端っこ、と言うか微妙にほっぺた寄り、なんでしょうか。

  場所まで指定された覚えは無いから。

  いやいや。
  普通は指定しなくても唇にするもんだとわたくしは存じ上げております。

  然うかしら。

  蓉子さん蓉子さん、此処はボケる場面では無いですよ。

  失礼ね。

  孫と言い。
  紅薔薇さんちは然う言う家系なのかしら。

  …どういう意味?

  いえ、別に。

  紅薔薇で孫、と言うと祐巳ちゃんの事よね。

  うん、然うだね。

  紅薔薇の家系って、一体何の事かしら。

  蓉子、顔怖い。

  …。

  ひょあぁぁ。

  で?
  何が言いたいのかしら、この口は。

  ひ、ひひたふへほ、ひへまへん。

  つまりは祐巳ちゃんにキス、して貰ったのね。
  其れはいつの事かしら?

  いいえ、お構いなく。

  …。

  ひょひる、ひょひるひょ、ひょーこ。

  して貰ったのね?

  …はい。

  いつ?

  高等部の卒業式の前日、です。
  丁度、今蓉子がしてくれた所に。

  ふぅん。

  あ。
  蓉子、今妬いた?

  ……。

  はい、ごめんなさい。
  すみません。

  妬いて無いわよ。
  貴女が祐巳ちゃんを可愛がってた事は良く知ってるもの。

  蓉子もね。

  …。

  うん?
  今の沈黙は何かしら?

  何でも無いわよ。

  ふぅん?

  何よ。

  いんや、別に。

  …。

  と言うわけで、蓉子さん。
  やり直しを命じます。

  文脈、繋がって無いわよ。

  誕生日は一年に一度、なんですよ。

  一年に何度もあったら問題ね。

  わざと言ってるでしょう。

  何が。

  其れとも何。
  然ういうプレイ?

  …は?

  やだ、蓉子さんったら。
  其れなら然うと早く言ってよ。
  あ、言ったら其れは其れで詰まらないのか。

  …。

  あ、蓉子。
  何処へ行くの。

  家の外には出ないわよ。

  駄目。
  此処に居て。

  喉が渇いただけよ。

  駄目。

  聖。

  ちゃんと。
  キス、して。

  したじゃない。

  ちゃんと。
  此処、に。

  …。

  蓉子。

  どうせ。
  これからするくせに。

  私は蓉子からして欲しいの。

  …はぁ。

  其れは呆れ?
  其れとも

  聖。

  …ん。

  …水、飲んでくるわ。

  蓉子。

  …何よ。

  タイプは全然違うのに。
  やっぱり似てると思うのは何でだろう。

  また其れ?

  本当、可愛い。

  …はいはい。

  でもね。
  蓉子の方が可愛いから。

  …。

  私の可愛い可愛い恋人。

  …言ってなさい。

  蓉子、耳赤いよ?

  …。

  それではお早いお帰りを。
  プレゼント、お待ちしております。

  ばか。