蓉子、見て。
雪だ、雪が降ってきたよ。
…降るかも知れないとは言っていたけれど。
まさかこの季節に本当に降るなんて…。

…寒いね。
(手、繋いでも良いかな…)
…ええ、本当に。
(……)
そういや私、傘持ってないや。
(…だめ、かな)
…私は持っているけど。
(…確かに、空気は冷たいのだけれど)
あ、流石蓉子だね。
(…でも、今は)
…貴女はあまり天気予報を見ないから。
(吐く息も白いし…)
…。
…聖?
ねぇ、蓉子さ…。
(…若しかしたら、若しかしたら)
…なに?
(…でも屹度、聖の手はあったかい)
こ、今夜、うちに来ない…?
え……。
あ、だ、だめだったら、その…良いけど…。
(…言わないで)
………。
よ、良かったらの話、なんだけど…。
(…お願い、言わないで)
……。
(……ああ)
よ、蓉子…?
……いきなり、だから。
…そ、そうだよね。
……。
(……無性に)
…さ、帰ろうか。
風邪、ひいちゃうまえ、に…。
……。
よ、よう、こ…?
……だめ、だった?
う、ううん…。
……聖。
な、なに…?
…行っても、良い?
え…。
そ、その…。
……うちに、くる?
(…来て)
……聖が、良かったら。
(……こんなにも、貴女に)
良いに決まってる…。
……そう。
…。
…。
…寒いね。
……ええ、そうね。
(……でも)
(寒く感じないのは、何故なのだろう…)
|