−こいつが、わたしの。





   …。


   …お。


   …。


   お。


   …。


   おーーーーーー。


   …ふぁ。


   よーこ!
   よーーーこ!!!


   にゃ…。


   よーこってば!!
   ねぇ!


   聞こえてるわよ。
   そんなに大きな声を出さなくても。


   だって、だって蓮君が!


   蓮が、なに。


   私を、見た!


   ……は?


   だからさ!
   私を見たんだよ!


   …見るでしょうね。
   そんなに近くにいたら。


   だからそうじゃなくてさ?!


   何よ。


   目で追ったんだって!


   ……。


   こうね、そっちからこっちに動いたらね?
   蓮君の目がね?


   …はいはい、良かったわね。


   うん、良かった!
   蓮君、すごいすごい!


   時に、聖。


   なになに?


   葵。


   葵?


   ……葵、お母さんよ。


   …。


   ん?


   葵。


   ……。


   あ。


   分かった?


   え、えー。


   蓮の事も知ってたわよ。


   蓉子ばっかりずるいーー!


   とっくに気付いてるものだと思ってた。


   なんで教えてくれなかったのー?!


   一日中、一緒に居て。
   気付かない方が稀有だと思うけど。


   駄目だよ、蓉子!
   夫婦の間で隠し事をしちゃ!


   …いや、別に隠し事でも何でもないでしょう。


   あーん、蓉子のばかーー。


   ……頭のねじ、どこに行ったのかしら。


   蓉子、よっこーー。


   …あーはいはい。
   教えてあげなくてごめんなさいね。


   ほんとだよー。


   でもね、聖。


   でもも何もないよ。


   赤ちゃんってね、生まれて間もない頃から見えているのよ。


   …え?


   だからじぃっと見られてる事、あったでしょう?
   あれってちゃんと見えてるのよ。


   …そうなの?


   と言っても、2、30センチくらいまでしか見えないらしいのだけど。
   そうね、丁度抱っこしてあげた時の距離と言った方が分かりやすいかしら。
   だから貴女が抱っこしてあげた時、この子たちはちゃんと貴女の顔を見てた。


   ……。


   そう、説明してもらったけど?


   ……えーと。


   聞いてなかったのね?


   そ、そんな事ないよ?


   …上の空だったのね。


   ん、と。


   まぁ、今の方がずっと見えてるでしょうけど。


   でしょでしょ?
   蓮、葵、聖ちゃんだぞーぅ。


   …。


   …。


   わぁ、見た見た。


   …やれやれ。


   ねぇねぇ、蓉子。
   蓮と葵、ちゃんと覚えてくれてるかな?


   そうね、覚えてると思うけど。


   そっか、そうだと良いな。
   あーもう、かわいいなぁ、嬉しいなぁ。


   …。


   あ、蓉子も可愛いからね?


   …はいはい、ありがと。








  −夢の残り火。





   …。


   お、葵。
   懐かしいの見てるねぇ。


   …あ。


   ん?


   う、ううん。


   葵?


   あ、あの勝手に見て


   葵。


   …。


   別に良いんだって。
   幾らでも見てよ。


   …。


   ね?


   …うん。


   懐かしいなぁ。


   …ねぇ、聖さん。


   んー?


   これ、結婚式ですよね…?


   そうだよ。
   誰と誰かは…言わなくても良いかな?


   …蓉子さんと。


   そう。
   蓉子、綺麗でしょ?


   …聖さんは格好良いですよ。


   あはは、ありがと。


   聖さんはドレスじゃないんですね。


   柄じゃないもん。


   そんな事は…


   そういうのは蓉子に着て欲しかった、し。
   私はそういうの、あまり好きじゃなかったんだ。


   …今はどうですか?


   今も遠慮しとく。
   私は似合う人が着てるのを一番近くで見てるのが好きだから。


   …。


   誰だかは…言わなくても分かっちゃうかなぁ?


   …はい。


   本当に綺麗だったよ。
   見せたかったなぁ。


   …流石にそれは。


   でも君達、お腹の中にいたんだけどね。


   …。


   生まれてからにすれば良かったかな。


   でも赤ちゃんだったら…どちらにしても覚えてないと思います。


   だから、物心がついた頃に、さ?


   …そんなに待たせてしまっても良いんですか?


   うん?


   蓉子さん。
   とても仕合わせそうな顔をしてます。


   そうな、じゃなくて、そうなんだよ。


   ……。


   ほら、私も。


   …え、と。


   あはは、少し恥ずかしかったかな。


   ……。


   あの頃はとても仕合わせだったけれど。
   けどね、今もそれは変わらないんだ。


   …。


   君達も居るしね。


   …え。


   蓮、葵、そんでもって智、三人とも私達の子。
   ほら、なんて仕合わせな事。


   ……。


   蓉子も変わらず愛しいし。
   だから今も進行形。


   ……。


   もっと見る?


   …え?


   確かまだ、あったと思うんだよね。
   蓉子が大事にしてたから。


   あ、でも、


   良いから。
   私達以外も写ってるよ。
   葵もよぉく知ってる“みんな”の若い頃がね。


   …。


   そうだ、蓮にも見せてやろ。


   …蓮にも?


   あと智にも。


   …自慢、ですか?


   そのとおり。


   ……。


   さて、どこにあるかな。


   …ふふ。


   お?


   楽しそうですね。


   うん、うちはいつだって楽しいさ。


   …。


   …こーいうの、着てみたい?


   え…。


   葵なら似合うだろうなぁ。


   そんなこと…。


   いいや、似合う似合う。


   …。


   けど、複雑でもある。


   …?


   あーあ、嫁にあげたくないなぁ。


   …大丈夫ですよ。


   うん?


   行くつもり、ありませんから。


   …。


   …。


   とかなんとか言って。
   さらっと連れてこられたら、ショック半端ないなー。


   私は


   葵。


   ……。


   心の準備、したいからさ。
   サプライズ、は、止めて欲しいかな。


   …私は。


   さて、どこにやったかなー。








  −救い





   思えば。
   ちっこい頃からあまり泣かなかったかな、こいつは。


   …そうね。


   どっちかと言うと葵の方が泣いたかな。


   あの子もあまり泣く方では無かったけど。


   赤ん坊の頃はステレオだったのにねぇ。


   片方が泣き出すと、決まってもう片方も泣き出すから。


   そう、そうなんだ。
   おかげで毎日が寝不足だった。


   …ええ。


   こんなにちっこっかったんだもんなぁ。


   本当に小さかったわ。


   蓮なんて、いじるとにゃーにゃー言ってさ?


   貴女はそれを面白がって。


   だって面白かったんだもん。


   …。


   …蓉子。


   ん…。


   ……。


   …葵も。
   本当に小さくて…。


   …思うんだけど、さ。


   …?


   蓮が泣かないのって。
   葵が居たからかも知れない。


   …え?


   多分、だけどね。


   …。


   剣道だって。
   面倒くさがりのくせして、さ。


   …。


   どっちが上でどっちが下なんて、私は思わなかったんだけど。
   だけど、二人の中にはあったのかもしんないね。


   …違うと思うわ。


   ん?


   うまく言えないけれど…違うと思うの。


   …そっか。


   蓮は…初めから、葵の為に生まれてきたのよ。


   …。


   葵も…。


   ……泣いても良いと思うんだけどな、私は。


   …。


   ちびの頃ならいざ知らず。
   片方が泣いたからってもう片方が釣られるなんてこと、もうないと思うんだ。


   …ええ。


   そう言えば、さ。


   ん…?


   予防接種の時、覚えてる?
   周りの子が泣いてるのに蓮は泣かなかった。


   ええ、覚えてるわ。
   蓮が泣かないから、葵も泣かなかった。


   涙、堪えてたけどね。


   …本当は怖かったんでしょうね。


   うん。
   だけど。


   …蓮が、泣かないから。


   …。


   …。


   …あいつは。
   無駄に強いところがあった。
   いや、ある、かな。


   …。


   そういうところ、まんまと持っていかれたね?


   …無駄で悪かったわね。


   はは。


   …。


   …私達に見せられなくても。
   葵にぐらい、見せても良いと思うんだよ。


   …それも淋しいわ。


   …。


   …親、なのに。


   だから、だよ。


   …。


   特に私の前でなんか、あいつは絶対に見せないね。


   …似てる、から?


   いや、蓉子を取り合った仲だからさ。


   ……。


   て、それって結局は似てるって事か。


   …もう。


   でもさ、私に対してはそうだけど。
   蓉子にはぽつぽつ、見せてたと思うんだよ。
   今にして思えば。


   …そう、かしら。


   蓉子さん大好きっこ、だから。
   ま、分かり辛いけどね。


   …。


   葵は…あの子は無駄に我慢する子だからなぁ。
   誰かに似て。


   …無駄無駄言わないで。


   蓉子、とは言ってないんだけどなぁ。


   言われてるようにしか聞こえない。


   あはは。


   …。


   ……だけどさ、間違いなく私にも似てるんだよね。


   …。


   …古傷にね、ちと響くんだ。


   聖…。


   …大丈夫。
   疼いても、膿む事はないから。
   誰かが全部、吸いだしてくれたからね。


   …。


   ……一人しか見えないのは、


   せーいちゃん!


   …お?


   おかーさん!


   …智?


   いつの間に帰ってきたのかな?


   今!
   ただいま!


   ほい、おかえり。


   おかえりなさい、智。


   ねぇねぇ、二人で何してんの?
   あ、アルバムだー。


   そう、アルバム。
   なんとなくね。


   あ、蓮ちゃんと葵ちゃんだ。
   ちっちゃーい。


   本当にちっこかったよ、二人は。
   ほら、これなんて


   良いなぁ。


   ん、何がだい?


   だって蓮ちゃんと葵ちゃんは、いーーっぱい、写真があるんだもん。


   いっぱい…?


   私はこんなにないもん。
   だから、良いなぁ。


   …。


   …。


   蓮ちゃんって昔からこんな顔してたんだ。
   ふふ、おもしろーい。


   …言われて、みれば。


   智はそんなに多くはないわね…。


   葵ちゃんは昔からかわいいー。
   口がにゃんこみたい。


   撮ってたつもりなんだけどなぁ。


   それでも蓮と葵ほどじゃなかったのね。


   あ、これどこで撮ったの?
   私、行ったことない気がするー。


   あー…失敗した。


   …差をつけたわけではないのに。


   ねぇねぇ聖ちゃん、おかーさん。
   今度のお休みの日は蓮ちゃんと葵ちゃんとみんなでおでかけしようよ。
   それで


   よし、智。


   んお?


   写真、撮ろう!


   え、なんで?


   なんでも!
   蓉子、カメラどこやったっけ?


   確かあそこに…。


   特に最近は本当に撮ってなかったからなぁ。
   本当、失敗した。


   時間は戻ってこないけれど、これからの時間ならまだ沢山あるわ。


   うん、だね。


   聖ちゃん?おかーさん?








  −青き春。





   蓮。


   …。


   終わった?


   …わざわざ待ってなくても良い。


   あまり待ってないもの。


   …。


   仕事、ついさっき終わったの。
   蓮が居ないからその分、ね?


   …ふぅん。


   もう終わり?


   …これから着替える。


   じゃあ待ってる。
   一緒に帰りましょう?


   ……。


   待ってるから。


   …勝手にしろ。


   うん。


   …。


   …。


   …なんだ。


   ううん。


   …。


   やっぱり格好良いな、て。


   ……。


   ミスターリリアン?


   …冗談じゃない。


   もう少し愛想が良かったら完璧なのに。


   どうでも良い。


   …。


   …もう少し、掛かる。


   …ん。


   …。


   …。


   ……葵。


   …。


   記事にされたら面倒。


   …分かってる。


   …。


   …ふふ、汗のにおい。


   離れろ。


   どうしようかな…。


   …汗臭いだろう。


   うん、蓮のにおい…。


   …離れろ。


   あ…。


   …。


   …怒った?


   良い気分じゃない。


   …そうだね、ごめんなさい。


   …。


   ね、蓮…。


   …ん。


   お疲れ様。


   …お前も。








  −ナス科トウガラシ属。





   はーい、本日の夕ごはんは野菜プルコギ炒めでっす。


   …。


   わぁ、いい匂い。


   でしょ?


   ……ピーマン。


   それは違うよ蓮君。
   この赤いのはパプリカ。


   赤いピーマン。


   蓮、これはパプリカだよ。


   でもピーマンはピーマン。


   いやいや、パプリカとピーマンは違う。
   パプリカの方がほんのり甘みがあって、ビタミンも


   いらない。


   だーめ。


   …。


   苦くないから。
   むしろ、甘いくらいだぞう?


   ……玉葱。


   勿論、外せません。


   ……肉だけでいい。


   自分の分は自分で食べないとだーめ。


   …。


   ね、葵。


   う、うん。


   ……。


   あ、それはズッキーニね。


   ……。


   そんなに苦手じゃないでしょ?


   …。


   え、と。
   おいしいわ、聖ちゃん。


   でしょでしょ?


   玉葱も柔らかいし、パプリカも苦くない。


   だってさ、蓮君。
   玉葱、食感がふにゃふにゃならいけるでしょや?


   ……こんなの、赤いピーマンだ。


   だーいじょうぶだって。


   …。


   蓮…。


   ……肉。


   そう、豚肉なんだ。
   夏は豚肉だと思うんだよねー。


   …。


   豚肉でもおいしいじゃない?
   それに蓮は牛肉より豚肉の方が好きだしね。


   …とり。


   さ、蓮君。
   ぜーんぶ、召し上がれ。








  −いさな。





   蓮君?


   …。


   葵も?


   あ、せいちゃん。


   二人で何のテレビ見てんのかにゃー?


   …。


   あのね、くじらさんの。


   鯨さん?


   すっごくおおきいの。


   こーんなに?


   ううん、もっとおおきいの。


   じゃあ、これくらーーーい、だ。


   もっともっと。


   んじゃ


   にゃ…!


   ん?
   …おお。


   わぁぁ。


   にゃぁぁ。


   こんだけでかいのが跳ねると迫力が違うなぁ、やっぱり。


   …。


   そういや蓮君はこーいうの、好きだよね。


   …にゃ?


   蓮君は鯨が好きかい?


   にゃ。


   見たいかい?


   にゃ!


   でも、鯨は無理かなぁ。


   にゃ…。


   けど、海豚なら見られるよ。
   見たい?


   にゃ…ッ!


   お、食いついた。


   るか!


   葵も見たい?


   うん、みたい!


   そっかそっか。
   んじゃ、今度連れて行ってあげよう。


   …!
   あお!


   うん!


   て、事だから蓉子さん。


   …え、何?


   海豚を見に行こう。


   海豚?


   そう、海豚。
   葵、ペンギンにも会えるかもよ。


   ペンギンさん!


   蓮君、鯱にも会えるぞぅ。


   にゃー!


   あはは、ちび達大喜び。
   蓉子、いつが良いかなぁ?


   そうねぇ。


   あまり混んでない頃が良いな。


   …平日?


   だと、どうだろ?
   ショーとか、やってるもん?


   さぁ、どうかしら。
   本当に行くのならちゃんと調べないと。


   行くよ。
   ちび達と約束しちゃったもん。


   そう。
   じゃあちゃんと調べてね?


   任せて。
   で、蓉子はいつごろならオーケイ?


   平日は…ねぇ?


   そうだよねぇ。


   しかも今、夏休みだから。
   平日でもそれなりに混んでるんじゃない?


   あ、そっか。
   今夏休みだっけ。


   だから子供達が家に居るんでしょう?


   そーだった。


   しっかりしてね、聖さん。


   はーい。


   よーこ、よーこ。


   うん?


   くー。


   くー?
   ああ、鯨。


   くー、おおきい。


   ええ、大きいわね。


   にゃぁ。


   蓮は鯨、好き?


   う!


   葵も好き?


   うん、すき。


   よーこ?


   おかーさんは?


   そうね、好きよ。


   え、そうなの?


   ええ。


   ペンギンじゃなくて?


   ペンギンも好きだけど。


   知らなかった…。


   どうしてそんなにショックを受けているのよ。


   だってさ、蓉子の事ならそれはもう躰の隅々まで知っ


   聖。


   ……早く行ってくれれば良いのに。


   でも流石に鯨は見に行けないでしょう?
   しかもこの鯨、シロナガスクジラよ?


   でも


   あーはいはい。
   好きなのよ、鯨。


   適当…。


   蓮、葵。


   う?


   なぁに?


   鯨はね、勇魚、とも言うのよ。


   いさ…?


   いさな?


   そう。


   蓉子、いさなって?


   鯨の古名。


   へぇ。


   くー、いさ?


   そう、勇。


   いさなっていうの?


   そうよ、葵。


   いさなってどうやって書くの?


   勇敢の勇に、魚。


   で、いさな?


   うん。


   鯨の古名かぁ。
   んじゃ、蓮君だ。


   …?


   れん?


   蓮君の名前は、蓮の花。
   芙蓉と言えば葵、


   わたし?


   だけど。
   昔は芙蓉と言えば蓮だったんだよ。


   …。


   …。


   二人には未だ一寸、難しかったかな?


   聖。


   ん。


   楽しみね。


   お。


   なに?


   いや、本当に嬉しそうだから。


   おかしい?


   いいえ、全然!
   じゃ、張り切っちゃおうかなぁ。


   張り切り過ぎて、空回りしないでね。








  −仁義なき戦い。





   う。


   あ?


   うー。


   …蓮のが良いみたい。


   はぁ?


   おっきい。


   …そっちの方が大きいって。


   食べてれば小さくなるに決まってる。


   そうなんだけど…。


   大体、最初に一番大きいのを


   うーーー。


   あ。


   ひー、だめ。


   そっち、そっち。


   …。


   …蓮。


   …はぁ。


   わぁぁ。


   …。


   蓮、食べたいならまだあるから…


   …!


   …あ。


   …まずい。


   たべゆ、たべゆ!


   え、えと。
   ひーのは大きいね、良かったね。


   もっと!


   …。


   …。


   けーきぃ!


   …葵。


   だって…。


   ちょーだい、ちょーだい。


   …この食い意地はどこから来てるんだ。


   …分からない。


   いやぁ、最近は葵がおやつを作ってくれるから聖ちゃんは大助かりだね。
   ひー、おいしいかい?


   ん!!


   おー、それは良かった。
   でもたまには聖ちゃんも作りたいな。


   …。


   …。


   ん、どうしたのかな?
   二人とも。


   …聖、じゃない。


   …けど、お母さんでもないよ。


   うん?
   何の話?


   …はぁ。


   …はぁ。


   て、何そのため息。
   何か悩み事でもあんのなら、聖ちゃんが


   別に。


   あら、そっけない。
   ま、言いたくなったら言えば良いさね。


   えと、聖ちゃんも食べますか?


   ありがとう。
   後で蓉子と貰うよ。


   …。


   ん?
   ひー、どした?


   そっち。


   …え?


   おっきい。


   …今度は葵のか。


   ひーの、ちっちゃい。


   あのねひー、それは貴女が食べるから小さくなるのであって、


   そもそも余所見しながら食べてるからだ。
   ケーキを見て食べろ。


   ぶぅぅぅ。


   なかなか厳しいなぁ、蓮君は。


   …。


   ん?


   そっち、そっち!!


   …はぁ。
   葵。


   …うん。
   ひー、これで最後だからね?


   わぁぁ!


   はは、良かったねぇ。


   …全然、良くない。


   ……うん。







   …ん、おいし。


   ね、美味しいよね。


   これも葵が?


   うん。
   葵はなかなか良い腕をしてるよね。


   ええ、本当に。


   智が食べやすいようにってさ。
   色々調べてくれてね。


   ふふ、葵らしいわね。


   バナナのパウンドケーキ。
   あまり甘くないから私でも食べられる。


   ん。


   甘いもの好きな蓉子でも?


   失礼ね。
   ただ甘いだけのものは好きじゃないわよ。


   はい、そうでした。


   最近は葵任せなの?


   いやぁ、作りたいって言うからさ。


   そう。


   正直、一寸淋しいんだけどね。


   そうね。


   でもさ、蓮は相変わらず食べるの専門だから。
   おやつに関しては、ね。


   ゆで卵、作って食べてるみたいだけど。


   好きだよねぇ、卵。
   あ、そういやさ?


   うん?


   蓮ってば葵の作るおやつに結構、文句を言うんだよね。


   文句?


   蓉子のが美味しいって。


   …。


   けど。


   …けど?


   なんだかんだ言いながらも良く食べるの。
   このケーキも、ね。


   蓮は誰かさんに似て天邪鬼だから。


   蓉子さん?


   貴女。


   えぇ、私は素直だよぅ。


   今は、ね。


   む。


   …くず、付いてる。


   …食べてくれる?


   食べないわよ、ばか。








  −虹色にゃんこ。





   おーーすっごいなぁ。
   やっぱ写真で見るのとは全っ然、違うね。
   来て良かった、うんうん。


   …。


   んーー……。


   …。


   蓮ちゃん、葵ちゃんにも見せたいなぁ。
   あと、かーさんと聖ちゃん。


   …。


   写真より、なぁ。
   これは自分の目で見ないと、なぁ。


   …。


   ま、カメラなんで持ってないけど。
   自分の目がいつだってカメラ!


   …。


   アルバムは心、てね!


   …。


   でも自分限定なんだよなー。
   ま、しょーがないけど。


   …。


   …蓮ちゃんと葵ちゃん、どうしてるかなー。


   にゃぁ。


   …?


   …。


   …んーと。
   かーさんと聖ちゃんも元気かなぁ。


   …。


   ……んー。


   …。


   蓮ちゃんと


   にゃ。


   ……こんなトコに、にゃんこ?


   …。


   蓮ちゃ


   にゃ。


   ……て、ちびっこ?


   …にゃ。


   えーーと。
   親、親はどこかな。


   …。


   …ん?
   なんか、どっかで見た事があるような、ないような…


   にゃ!


   あ、そっちは危ないよ、て。


   …う。


   つるっと落っこちたら大惨事、だからねー。


   ……にゃ。


   はは、ホントににゃんこみたいだねぇ。


   …。


   …にしてもやっぱり、どこかで


   いじめないで。


   …ほ?


   れんを、いじめないで。


   …れん?


   れんを、はなして。


   ……て、あれぇ。


   あお、あお。


   あお、あお……て、葵?


   れん。


   …れん、れん、蓮ちゃん?


   にゃ。


   葵ちゃん?


   …ん。


   て、あああ!!
   蓮ちゃんと葵ちゃんがちびっこ、ちびっこになってる!!
   わぁお!!


   …。


   …れん。


   つかなんでこんなトコに二人がいんの?
   もしかしてかーさんと聖ちゃんもいたりする?


   …よーこ?


   せいちゃん…?


   そうそう、かーさんと聖ちゃん!
   もしかして二人もちびっこになっちゃったりしてんのかな!


   …。


   …。


   へへ。
   私、小さい頃の蓮ちゃんと葵ちゃんって見たコトないから新鮮だなー。
   て、当たり前なんだけどねー?


   …にゃ。


   う、うん…。


   あ、そうだ。
   ねぇねぇ私のコトは分かるの?
   智、ひーだよ?


   …ひぃ。


   ひぃ?


   そうそう、ひー!
   あー、なんか嬉しいなぁ!


   にゃ…。


   蓮ちゃん、本当ににゃーにゃー言ってたんだ。
   聖ちゃんが言ってたとおりだー。


   れ、れん。


   葵ちゃんは言わないんだ。
   でも可愛いなー、聖ちゃんの気持ち、分かるなー。


   う。


   あ、そうだ。
   今さ、丁度二人にも見せたいと思ってたんだ。
   だから、一緒に見ようよ。


   …。


   …?


   二人いっぺんに抱っこ……は、立ってだと無理だな。
   よっこいせーと。


   …。


   …。


   よし、おいでおいで。
   膝に乗せてあげよーう。


   …や。


   まぁ、そう言わない言わない。


   にゃ…。


   ほい、捕まえた。
   葵ちゃんもおいでおいで。


   …。


   大丈夫、取って食うわけじゃないから。


   …。


   葵ちゃんはこっち、ね。
   さ、来い来い。


   …う、うん。


   にゃ…。


   ちっさい時、いつも蓮ちゃんか葵ちゃんの膝に座ってったっけ。
   懐かしいなぁ…へへ、なんか嬉しいなぁ


   …。


   …。


   でも、二人にもちびっこの時ってあったんだなぁ。
   …多分、かーさんと聖ちゃんにも。


   にゃ、にゃ。


   ん、なになに?


   きれい。


   あ、そっか。
   ね、キレイでしょ。
   すごいよねー。


   にゃあ。


   うん。


   ずっと、一度で良いから見せたいと思ってたんだ。
   叶って、嬉しいな。


   …。


   …。


   かーさんと聖ちゃんも、来れば良いのにな…。


   ……ひぃ。


   かーさん…。


   ひぃ。


   …聖ちゃん。


   ひー。


   ………。





   『智』





   ……ほげ?


   ほげ、じゃない。
   いいかげん、起きろ。


   ……。


   智、ご飯食べるでしょう?
   久しぶりに帰ってきたから沢山作ったのよ。
   蓉子さんと聖さんも一緒に。


   ……あ、やっぱり?


   は、何がだ。


   ……。


   智?
   未だ寝ているの?


   ……あーーーー!!


   やかましい。
   大きな声を出すな。


   お早う、智。


   ……。


   顔、洗って


   蓮ちゃん。


   …は?


   あーあ、可愛かったのにー。


   …何言ってるんだ。


   葵ちゃんもちっちゃくて可愛かったのにー。
   あー。


   …やっぱり未だ起きてないみたい。


   蓮ちゃんなんてさ、にゃーにゃー言っててさぁ。
   もう、可愛くない。


   どんな夢を見てたんだ。


   ねぇ、葵ちゃん。
   こんなののどこが良いの?


   こんなのって…。
   これでもひーのお姉さんでしょう?


   これでも、てなんだ。
   葵。


   あ。


   まぁね、葵ちゃんは今も可愛いけどね。
   蓮ちゃんはなー。


   それはもう良い。
   早く顔を洗ってこい。


   あーあー。


   お。
   ひー、起きたかい?


   あ、聖ちゃん。


   智。


   かーさん!
   わぁい!


   あらあら。


   ただいま、かーさん!


   はい、お帰りなさい。


   ひー、私には私には?


   聖ちゃんには昨日言ったじゃん!


   そーだけどさぁ。
   て、蓉子さんにも言ったじゃん。


   かーさんは別だもん。


   ああ、そっか。
   て、智、蓉子さんは私のだぞ?


   かーさんは佐藤家三姉妹のかーさんだもんねー。
   ね、蓮ちゃん、葵ちゃん。


   …。


   …ん、そうだね。


   蓮と葵まで!


   私は何も言ってない。


   ねぇねぇ、かーさん。
   夢にさ、ちびっこの蓮ちゃんと葵ちゃんが出てきたよ。


   夢に?


   うん!


   ひー、私達は?


   それがねぇ、かーさんと聖ちゃんは出てこなかった。
   ちびっこな二人も見たかったなぁ。


   いやいや、ひー。
   ある意味、見てるじゃんか。


   んー?


   蓮と、葵。
   二人は私達にそっくり。


   …。


   …。


   そーだけどさ。
   でも、中身は違うじゃん。


   お、そーか。
   確かに私はにゃーにゃー言わなかった。


   …それはもう良いだろう。


   あの頃の蓮、子猫みたいで可愛かったものね。


   うん、可愛かった!
   でも相変わらず仏頂面だったけどー!


   ふふ、そうね。


   …葵。


   だって本当の事だもの。


   ……。


   智。


   なに、かーさん。


   お腹、空いたでしょう?
   久しぶりに帰ってきたから、葵と


   うん、食べる!
   わぁい、かーさんのごはんー!


   ひー、私も私も。


   聖ちゃんのごはんー!


   …たく。


   …ふふ。


   でもって、葵ちゃんのごはんー!


   わ…。


   ね、みんなも食べるんでしょ?
   みんなで食べようよ!


   ええ、そうね。


   うん、勿論。


   …食べ過ぎてお腹、壊すなよ。


   さぁ、ひー。


   うん!








  −失言大賞。





   しかし、あれだね。


   …。


   お腹はふにょふにょで、ほっぺたはぷにぷにで、腕もぽよぽよだったちびがねぇ。


   …気色悪い。


   お腹、ぷにぷにするとにゃあにゃあ言ってたのにな。
   今じゃ、割れてきそうだし。


   割れない。
   それから気色悪い。


   かわいかったのになー。


   …蓉子。


   うん?


   いつか聞こうと思ってた。


   何かしら。


   聖は親莫迦なのか。
   それとも莫迦親なのか。


   …あぁ。


   でもま、相変わらずちびっこではあるけども。


   頭に手を乗せるな。
   縮む。


   おや、気にしてるんだ。
   可愛いねぇ。


   ……蓉子。


   …両方、かしら。


   ん、なになに?
   何の話?


   …鬱陶しい。


   あ、蓮。


   蓉子、散歩してくる。


   はい、行ってらっしゃい。


   なら私も


   聖。


   んあ?


   あまり構わないの。


   えー。


   年頃なのよ、あの子も。


   だからね、かまいたくなっちゃうんだよね。


   小さい頃からずっと言ってる。


   だってねぇ。


   あれ、蓮は?


   蓮なら散歩に行くって。


   本当?


   ええ。
   今、行ったばかりよ。


   私も行ってきます。


   あれ、葵も?


   はい。
   丁度、駅前の本屋さんに行きたかったので。


   そう、気をつけてね。


   はい、蓉子さん。


   ……。


   …え、と。
   聖さん?


   葵。


   はい?


   へへ。


   …?
   …わ。


   うん、今でもふにふにで柔らかい。


   ……ふにふに。


   ほら、蓮君はあまり柔らかくなくなっちゃったからさ。
   おまけに少し触っただけで気色悪いとか言うし。


   ……。


   葵はこのままで居てほしいなぁ。


   ……。


   …聖。


   なに、蓉子さん。


   ……行ってきます、蓉子さん。


   気をつけてね。


   おー、行ってらっしゃい。


   ……。


   ん?


   ……。


   て、葵?
   葵ー?


   …聖、貴女ね。


   蓉子、葵が。


   自業自得。


   え、何のコト?


   全く。


   …私、何かまずいコトした?


   ええ、とっても。


   え、マジで?


   年頃なのよ、二人とも。


   それは分かってるけど


   全然、分かっていません。


   えぇぇ。


   特に葵。
   ふにふにだとか柔らかいだとか、そんな事言われたら気にするでしょう?


   え、なんで?


   …あのねぇ。


   抱き心地が良いじゃん、柔らかい方が。
   蓉子なんて今でも


   あのね、聖。


   …お。


   兎に角、年頃なの。
   デリカシーに欠けるような発言は止めて頂戴。


   ……そんなに悪いコト、言ったかにゃ。


   少なくとも葵にしてみれば。


   むー…。


   改めないと。
   口、利いてくれなくなっちゃうかも知れないわよ。


   えー!


   声が大きい。
   智が起きちゃうでしょうが。


   そ、それは困る、と言うか嫌だ。


   でしょう?


   ど、どうしよう、蓉子。


   もう言わない事ね。


   分かった。
   蓉子にしかもう言わない。


   ……あのね、聖。


   蓉子、蓉子ぉ。


   ちょ、聖。


   …やっぱ蓉子が一番だよぅ。


   ……このタイミングで言われても、あまり嬉しくないのだけど。


   うぅ。


   ……ああもう、仕方がないわねぇ。








  −嘘はつけない。





   ねぇ、せーちゃん。


   なんだい、ひー。


   あのねあのね。


   うんうん。


   れんちゃんとあおいちゃん、それからひーのね。


   うん。


   せーちゃんはだれがいちばんすきー?


   蓉子さん。


   …。


   …え、と。


   ひーもかーさん、すきー!


   そっかそっか。
   でも一番は聖さんだぞぅ。


   えー、ひーもいちばんだよ。


   いやいや、聖さんが一番。


   ひーもひーも!


   …選択肢以外の答えを本気で言うか、普通。


   …一瞬、真顔だったね。


   ひーは誰が一番好きかな?


   かーさん!


   なんだとぅ。


   かーさんがいちばんすき!


   蓉子さんは譲らないぞ?


   やだー!


   やるかやるか。


   やるやる!


   …そもそもいい歳して大人げが無さすぎる。
   あれで四十近いなんて、意味が分からない。


   …聖さんらしいけれどね。


   とーぅ!


   やぁーー!


   …後でとばっちりを受けるのは誰だと思ってるんだ。


   …はは。








  −Different Road





   久しぶりね。


   …そうですね。


   いつ以来かしらね。


   …さぁ、覚えていません。


   …。


   …。


   …元気だったかしら?


   はい。


   白々しいわね、我ながら。


   …。


   相変わらず、実家に戻るつもりはなさそうね。
   お母様、亡くなられたのでしょう?


   …連絡をして下されば何か、用意しておきましたのに。


   用意?
   なんの?


   …食事は済まされたのですか。


   ああ。
   要らないわ。
   最近、食欲が無いの。


   …少し、細くなったようにお見受けします。


   貴女のお姉さまも無頓着だったようだけれど。


   …蓉子さまがいらっしゃいますから。


   手綱、しっかりと握っているみたいだものね。
   私だったら息が詰まって死んでしまうわ。


   …そう思います。


   否定、しないのね。


   しません。
   貴女は本当にそういう人だと思っていますから。


   それは有難う。


   …何もありませんが。


   構わないわ。
   どうせ、長居するつもりも無いから。


   う…。


   …用事を済ませたら、帰るわ。


   ……。


   …久しぶりね。


   ……そう、ですね。


   変わりは……貴女こそ、少し痩せたかしら?


   …いいえ。


   ふぅん。


   …何か感じて下さいますか。


   いいえ、何も。


   ……貴女は、


   別れたわ。


   …。


   …あの、男とは。


   手に入れてしまったから。


   …。


   …なのでしょうね。


   分かったような口を利くわね、相変わらず。


   …。


   蓉子とも…聖とも、違う。
   初めて逢った時から貴女はそうだったわ。


   …あ、う。


   聖の妹になれば少しは変わるかと思ったけど。
   何も変わらなかった。


   …。


   蓉子は貴女は聖に似ていると言ったけれど。
   私から見ればあまり似ていない。
   聖は小難しいそうに見えるけれど、わりと単純だから。


   …それは蓉子さまの前だけだと思いますが。


   特定の人の前だけとでも?


   …あの方は容易に、人を内側に入れる方ではありません。


   それは人見知りなだけよ。
   ほら、単純だわ。


   …。


   貴女は?
   例えば、私の前ではどうかしら?


   さぁ…どうでしょうね。


   …。


   …は、ぁ。


   ……拒絶、しないのは。
   何故かしらね。


   …何故、しなくてはいけないのでしょう。


   …。


   …。


   ……今、この感情は。


   恋などと言うつもりはありません。
   勿論、愛とも。


   甘ったるいのは好きじゃないわ。
   脳が腐りそうだもの。


   私もです。


   …。


   …。


   …ここで、良いのかしら。
   玄関先なのだけれど。


   …貴女が良ければ、それで。


   …。


   鍵…掛けて下さったのでしょうから。


   …奥に入れるつもりは無い、と。


   …。


   ……。


   …長居、するつもりは無いのでしょう。


   ……ええ、無いわ。


   ん……。





   あぁぁ!あぁぁ!あぁぁ!!





   ……。


   ……。


   ……。


   ……申し訳ありません。


   …ベビーシッターでも始めたのかしらね。


   …。


   似合わないわね。


   …今夜は、もう。


   シスターの夢はどうするつもりなのかしら?
   こんな中途半端な事をしていて


   貴女には関係ありませんから。


   …。


   …では。


   待ちなさい。


   …。


   拒絶、する理由は無いのでしょう?


   今はあります。


   …。


   ……ミルクをあげる時間なんです。


   あれは、夜泣きと言うものかしら。
   大変ね。


   …。


   貴女、最初からするつもりは無かったのでしょう。


   …いいえ。


   …。


   …では。


   志摩子。


   ……。


   貴女も面白いわね。


   …面白い?
   私が?


   相手は?


   …気にして下さるわけでは無いのでしょう。


   ええ、貴女が良ければそれで良いわ。
   私には関係ないもの。


   …。


   一人で育てるつもりかしら?


   …関係ありません。


   …。


   そうだとしても、貴女とは全く。


   …。


   では、ごきげんよう。


   …待ちなさい。


   待てません。
   あの子が待っていますから。


   …。


   今の私には…あの子が最も優先されるべきものです。


   命令、と言ってもかしら。


   聞けません。
   お帰り下さい。


   もう一度、聞くわ。
   あの子の親は誰。


   私です。


   ……。


   私以外の誰も居ません。


   相手は


   居ません。


   そんなわけ、


   ……。


   ……。


   …帰って下さい。
   話は…若しもあると言って下さるのなら、また後日にしましょう。


   ……。


   …あの子が私を呼んでいます。


   ああ、そう。
   分かったわ。


   ……。


   ……。


   ……。


   …祐巳ちゃんと、由乃ちゃん。


   …。


   あの二人の前でだけは。
   聖と似ている、と思えるかも知れないわ。


   …。


   じゃあ、ごきげんよう。


   …はい、ごきげんよう。