−たまごいちねんせい。(聖と蓉子) 駄目だよ、蓉子。 大丈夫よ。 駄目って言ったら、絶対に駄目。 ほら、聖さんに貸して。 だけど…。 良いから。 さ、寄越した寄越した。 う、ん…。 よっこいせ、と。 重くない…? そりゃ、重いよ。 だけど、これは私の仕事だから気にならない。 さ、行こうか。 待って、一つ持つわ。 良いんだって。 …けど。 蓉子はもう、持ってるでしょや? 持ってないわよ。 あー。 持ってる、じゃ、無いか。 聖、やっぱり一つ持つわ。 貸して。 蓉子のお腹の中には子供達が居る。 …。 比べて私は身軽そのもの。 だから、蓉子の分の荷物は私が持つの。 分かった? …そうかも知れないけど。 不満? だけど、無理をしては駄目だと言われてるでしょ? …無理だなんて。 口、とがらせて。 ちゅー、しちゃうぞ? 直ぐふざけるんだから。 やっと安定期に入ったとは言え、油断と無理は禁物ですよ、蓉子さん。 …。 あら? 未だ納得いかない? 納得してないわけじゃない。 はは。 その顔を見るに、もどかしい、て感じかな。 だけど駄目、蓉子の体はもう蓉子だけのものじゃない。 …聖に言われるだなんて。 私だって自覚してるんですよ。 …。 どうしても持つと言うのなら、これ、持って。 …どれ? 聖さんの手。 …荷物、両手に持ってるじゃない。 どうやって。 あ、そっか。 ふむ、どうしたもんかな〜。 …。 お、閃いた。 …どうするのよ。 荷物持ってる手を、上から握って。 上から? そ。 重ねるようにね。 余計、負担にならない…? 平気、ひっちゃら! 寧ろ、力が湧いちゃう! …。 さぁ、蓉子。 …。 蓉子。 蓉子の我侭はとても嬉しいけれど、今は聞けない。 ……我侭なんか、じゃ。 蓉子、好きだよ。 え…。 あまり心配、させないで。 その度、私には何も出来ないんだって苦しくなるから。 ……。 私にも。 持たせて。 ……うん。 じゃ、蓉子。 ん…。 …良し。 これで家まで頑張れる。 もう、大袈裟なのよ。 大袈裟で結構。 蓉子は私の力の源だもの。 …もぅ。 あはは。 …。 蓉子。 …なぁに? 今日は暖かいね。 そうね…。 −たまげた。(佐藤家+元新聞部) あれは…。 今日の夕ご飯は何が良いかなー。 …でも、まさか。 好きなの、作ろうかなー。 でもって、ありがとうおいしいわ、なんて。 うーん…。 でもって、お礼に……なんてさ! よし。 ここは行動あるのみ! よし、決めた。 今夜は… …聖、さま? うん? あ、やっぱり…! 私を「様」づけで呼ぶだなんて。 かつてのリリアン生かな? お久しぶりです! 一寸待って。 えーと、どちら様だっけ? 私です! 新聞部の…! その光る眼鏡、どこかで見たことが……あーーー! はい! ………て、誰だっけ? …築山三奈子です。 ツキヤマミナコ? はて? …かつては新聞部の部長でした、と言えば思い出して頂けるでしょうか。 …ん、と。 ……それともリリアン瓦版の編集長と言った方が リリアン瓦版…あ。 あー! 改めましてお久しぶりです。 あーあー、あのツキヤマミナコか! やぁ、こいつは吃驚! …思い切り忘れられていましたね。 いやぁ、久しぶりだねぇ。 卒業式以来かな。 はい、私達の。 …ん? 声を掛けられなかったのが残念でした。 あー、そっか。 祥子達と同学年だったんだっけね。 はい。 散々、面白いコトを仕出かしてくれたよね。 確か、卒業式近くには江利子をネタにした… イエローローズ、ですね。 そうそう、それ。 あん時は江利子が面白かったなー。 その節はご迷惑をおかけしまして… 別に良いんじゃない。 ある意味、結果オーライ。 は…? いや、こっちの事。 …せー。 …? お、どうした? え…ッ? ぽん。 そっかそっか。 じゃ、帰ったらおやつにしよっかね。 あ、あの…! そーいうわけだから。 折角の再会だけど 実は凄く気になってた事があるのですが…! えー。 じゃ、じゃあ、一つだけ! 一つだけお尋ねしても宜しいでしょうか…!? 仕方ないなぁ。 一つ、だけね。 そ、そのお子様は… お、よく気がついたね。 流石、かつてのリリアン瓦版の編集者。 …いえ、誰でも気付くと思いますが。 (と言うか何なの、この聖さまミニチュア版は…!!) 見たとーり、だよ。 蓮、ご挨拶しよっか。 ……よー。 ご、ごきげんよう。 うん、良く出来ましたー。 …。 と言うか、まさか聖さまの…。 まさか、じゃないよ。 や、やっぱり…っ!! せいちゃん。 うわ…!? うわ、って。 失敬だなぁ、君は。 す、すみません…。 (こっちはこっちでまさに蓉子さまのミニチュア版…!!) うん? 葵もお腹減ったかな? ……うん。 こ、こちらは、あ、葵ちゃんと言うのですか…?! (な、何、何なの、これは……!!!!!) うん、そーだよ。 葵、ご挨拶。 えと、ごきげんよう。 ご、ごきげんよう。 と言うか聖さま、も、若しかして蓉子さまの…?! うん。 かわいかろ? か、かわいいと言うか…ッ うん、何? 聞き捨てらんないんだけど。 あ、いえ、失礼しました…ッ じゃ、かわいかろ? は、はい、とても…! うん、なら良い。 で、でもどうして聖さまと蓉子さまのお子様が…あ、若しかして今でもご交流が! そりゃあ、あるよ。 や、やっぱり…! つまり今でもご親友でいらっしゃるのですね!? 親友、かぁ。 懐かしい響きねぇ。 …へ? 蓮は良く、私にそっくりって言われるんだけど。 葵は蓉子にそっくり、でしょ? そ、それはもう…!!! (そっくりなんてもんじゃないわ、ないわよ…!!) だけどね、蓮は蓉子の子で、葵は私の子でもあるんだよね。 …………………は? つまり、二人とも私と蓉子の子。 Can you understand? ………………え。 ええええええええ………!!!??? うるさい。 し、失礼しました…っ てかさ、そんなに驚くことかな。 お、驚きますよ…!! (てか、驚かない人なんていないわ…ッ) ふぅん。 だ、だって、紅薔薇様と白薔薇様の、あの、お二人の子供だなんて…!! ま、いっか。 じゃ、二人がお腹空かしてるから帰るね。 ごきげんよう。 へ、あ、ごきげ、て、聖さま…! うん、何? 一つ以上答えてあげたのに未だあんの? あ、いえ、その……そ、そうだ! 今、仕合わせですか…?! …。 て、私何を言ってるのかし うん、仕合わせだよ。 すっごく。 ………。 じゃ、ね。 は、はい……。 よーし。 蓮、葵、帰ろうか。 にゃ。 はーい。 二人は今日の夕飯、何食べたいかなー。 ちゃまご。 れんはそればっかり。 ははは。 ……は。 蓉子さんは何が食べたいかなー。 こ、これはスクープだわ……!!! 『スクープでも何でも無いですよ』 ……はい? 『ほぼ知られてる事ですから、と言うか今更過ぎです』 な、何ですって…!? 『寧ろ、どうしてお姉さまはご存知なかったのか、不思議なくらいですね』 ど、どうして早く教えてくれないのよ…!! 『もう知ってるものだと思いましたから』 知らないわよ!! 大体、日本に帰ってくるのは、久しぶりなのよ!? 『あー、そうでしたね』 そうでしたね、じゃ無いわよ!! 『だってお姉さま、電話やらメールやらをしょっちゅう寄越すもんですから。 そうだったって事、うっかり、忘れてました』 ま、真実…! 『じゃあ、私も忙しいので』 待ちなさい、真実…! 『はい?』 はい、じゃないわよ…! 『あーはいはい。 大丈夫ですよ、約束なら覚えてますから。 今日の夜7時、でしたよね』 真実…!! 『じゃ、それまでごきげんよう』 あ。 え、何? だから今日、ちび達とお散歩中にツキヤマミナコに会ったよ。 ツキヤマミナコって…あの新聞部の? おー、流石は蓉子さん。 でもなんで? 知らない。 たまたまじゃないの。 貴女、何か変な事言ってないでしょうね? 変なコトって? 言ってないのなら良いけど。 そーいや、驚いてたよ。 驚く? ちび達を見て。 ……あぁ。 蓮の事は直ぐ、私の子だって感づいたみたいだけど。 葵が私の子だとは思わなかったみたい。 どうして? 一緒に居たのでしょう? さぁ? 知らない。 葵も聖に似てるのに。 髪の質とか。 ねぇ? −かみなりさま。(蓮と葵) おへそ、とられちゃうの? そうだよ。 だから隠さないといけないんだ。 ただいま。 …。 …て、葵。 …れ、ん? 相も変わらず、何してんの。 薄暗いから、結構、不気味なんだけど。 ……。 …濡れたから。 シャワー、浴びてくる。 ま、まって。 …。 ここにいて。 …まだ、そんなにひどくない。 で、も…っ 光った。 れ、れ…ひっ。 …音、さっきよりも近くなったな。 れん……。 と言うか、葵は怖がりすぎ。 だって… まさか、未だ信じてるとでも? …。 あんなの、迷信だ。 …そんなの、知ってるわよ。 とりあえず、電気ぐらい点け ひ…っ ……ずっと、そのままで? ず、ずっとじゃないわよ…。 …シャワー、浴びてくる。 あ…いやぁっ ……。 ……れん、いかない…で。 濡れたままだと、風邪、ひくんだけど。 おねがい、れん…。 …。 そばに、い…やっ …いやならいいじゃん。 ち、ちがう…。 …。 やだ、いかないでぇ…。 ……葵。 いかないで、いかないでよ…。 …袖、引っ張るな。 伸びる。 れ、ん…。 泣くほどのコトか。 雷くらい。 だって、こわい…んだも、の…。 …。 …う…くっ。 …面倒だな。 れん、れん…。 たく。 ……。 風邪、ひいたら葵のせい。 ……れん。 そのままだと薄掛けが濡れる。 ……。 冬用の毛布を掛けて寝るのは御免だね。 ……。 …いつもは鬱陶しいくらい、人の世話を焼くくせに。 あ…。 もう、これは要らないと言ってる。 理解出来ない? れ…ん。 手間をかけさせて欲しくないものだね。 ……ごめんなさ、ひっ …大丈夫だ。 …う、ん。 だからって、あまり強くしがみつくな。 苦しい。 ……ごめんなさい。 たく。 とっとと止めば良いのに。 ……ん。 −ぷにぷに。(佐藤家) 葵、葵。 なぁに、せいちゃん。 おてて、見せてごらん? うん。 おー、どれどれ。 …むぅぅ。 せいちゃん? 爪、伸びてない。 きのう、おかーさんにきってもらったの。 なぬ、蓉子に? そんな、いつの間に! 貴女がお風呂に入っている時に。 しまったぁ、先を越されたか。 だって、伸びていたら危ないでしょう。 私が切るのにーー。 この前も貴女が切ったから。 今回も切るんだったのにー。 あー、私の楽しみがー。 はいはい、また今度ね。 ……れーん。 …。 さぁ、蓮君。 おてて、聖ちゃんに見せてみよっか? や。 まぁまぁ、然う言わずに。 ねぇ? …。 んー、どれどれ。 …。 お、これは少し伸びてるね。 よーこ、爪切り取って。 そんなに伸びてる? この間切ったばかりなんだけど。 どうも蓮は伸びるのが早いみたいだねぇ。 どれ? ほい。 よーこ、よーこ。 …あら、本当。 ね? 右手は然うでもないみたいだけど。 利き手の方が早い、て聞いたことがあるよ。 それは良く使うから、かしら。 多分ね。 というコトで蓮君、左のおてての爪、切ろっか。 …。 よいしょ、と。 お、前より重くなってる。 貴女、今朝も抱っこしてたでしょう。 そんな直ぐには変わらないわよ。 あはは。 じゃ、蓮、切るから大人しくしてるんだよ。 …。 そんじゃ、親指から。 ぱちん、とな。 …。 次、人差指。 …。 気をつけてね、聖。 分かってるよーん。 よーん、て。 しかしちっちゃいなぁ。 …。 ぷくぷくしてるし。 …。 子供の手ってなんでこんなにぷくぷくしてるのかなー。 …。 もう、たまらないよなぁ。 …。 このぷくぷくはー。 …う? 思わず、頬ずりしたくなっちゃう。 にゃー! ちょっと、聖。 あー、たまらんにゃー。 にゃぁぁ! 蓮、物凄く、嫌がってるわよ。 ああ、良いの良いの。 毎度の事だから。 よーこ、よーこぉ…。 葵のぷくぷく加減とは、また、違うんだよにゃ〜。 にゃ、にゃぁぁ…。 …貴女、そのうち本気で嫌がられるようになるわよ。 −どうせいじだい。(大学生蓮葵) ……はぁ。 …。 すぅ……。 ……くー。 蓮、起きて…!!!! ……ぁ? 今日は一現から必修がある日でしょう…!!! 出席も取るのでしょう…!! …あぁ、うん…もう、じゅっぷ…ん。 だーーめ!!!! ……。 さぁ、起きて!! 起きなさい!! ……。 起きないと言うのなら…!! …いッ 蓮…! たたたたた…ッ これでも未だ、起きないと言うのなら…!!! …起きる、起きるから! 離して、本気で痛いから…! 絶対よ! 起きる、起きるって…! だから離せ…! あ。 …あー、ちぎれるかと思った。 もう、そんなに強くは引っ張ってないわよ。 いや、相当強かったね。 大体、蓮が起きないのがいけないのよ。 全く、毎朝毎朝 いや、今朝は特別だから。 …何よ、その顔。 なに。 一寸、可愛い顔を思い出して。 ……それより、早く服来たら? 聞いたのはそっち。 聞いたわけじゃない。 早く服を来て。 服、何処やったっけな。 だから寝る前に準備するよう、いつも そんな余裕、無かった。 誰かのせいで。 ……。 取って。 そこら辺ので良いから。 …まるで散らかっているような言い方。 昨夜のは散らかって…た、か。 今じゃもう。 ……はい。 どうも。 早く着替えて、顔を洗って。 朝ごはんは? 今朝は蓮の番だったのに。 じゃ、夜作る。 期待しないで待ってるわ。 ……。 何よ。 さっさとしてくれないとご飯が冷めちゃうじゃ セックスしてる時は可愛かったのに。 な、ぁ…ッ 頬を赤くして、涙を目いっぱいに溜めて、泣いて。 可愛い声で強請って、よがって。 れ、れれれ蓮…ッ 私は、蓮。 れれれ蓮じゃない。 あ、朝っぱらから何を…ッ 別に。 昨夜を振り返っただけ。 そんなの、振り返らないでよ…ッ 自覚が無い葵も悪いね。 じ、自覚って…ッ 昨日、寝るのが遅くなったのは葵のせい。 ば…ッ 私は寝るつもりだった。 なのに葵が ち、違うじゃない…ッ 何処が? 実際、甘えた声で擦り寄ってきたのは だ、大体、蓮がいけないのよ…ッ へぇ? 駄目だって言ってるのに…ッ セックスするのが目的だったわけじゃない。 あ、あんな触り方をしておいて…ッ 欲情したのは葵のが先。 ……ッ キスを強請ったのも。 ……も、ぅッ だから私は応えてあげただけ。 一回で終わらせてくれなかったのは蓮じゃない…! 誰かが強情だから。 躰は素直なのに。 だから。 何が、だから、よ…! そもそも蓮は意地悪なのよ!! 素直に欲しいと言わない葵が悪い。 言ってもくれないくせに…! どうせだから、楽しみたい。 最っ低…ッ 良く言う。 葵だって楽しんでるくせに。 ……。 図星 ……か。 葵。 莫迦、蓮の莫迦…! それはお互い様だね。 本当、最て…?! このままじゃ遅刻、する。 し、知らないわ…んん!? ……挨拶、未だだった。 れ、蓮… おはよう、葵。 や、だ、め、ん…んぅ…ッ …。 れ、ふ…ぁ…。 ……。 …………。 …さて。 顔、洗ってくるかな。 ……。 流石、葵は余裕だね。 そんなとこに座り込んで。 だれのせい、で…。 さぁ? 私はただ、朝の挨拶をしただけだから。 葵がいつも言ってる… −つなぎとめる。(聖と蓉子) 蓉子。 …。 調子は、どうかな…? …。 …蓉子。 ……聖。 うん、顔色は悪くない。 良かった。 …。 梨、剥いてきた。 一緒に食べよ? …ありがとう。 でもお仕事は…? 休憩も必要なのです。 ……。 豊水。 おいしいよね。 …ええ、そうね。 幸水もおいしいけどね。 ……ええ。 そだ。 これ、智〈ヒジリ〉が蓉子にって。 …智? 指輪。 ビーズで作ったんだって。 部屋にずっとこもって何やってるかと思ったら、さ。 …。 赤とピンク。 かわいいでしょ? …うん。 でね、私のは白と水色。 蓉子と色は違うけどお揃いなんだって。 …。 薬指に付けてみる? …ええ。 貸してごらん。 付けてあげる。 ……。 む、ちと大きいかな。 ……。 で、私は、と。 …どうかな? ……。 蓉子…? …蓮と葵も。 ……。 あの子達も…。 …蓉子、今は智の作ってくれた指輪の話をしようよ。 ……。 あの子は手先が器用でさ。 蓉子に似たのかな。 ……。 それから…。 ねぇ、聖…。 …え。 今日のご飯、私が作るわ。 え、本当? ええ。 やった。 智も喜ぶなぁ、蓉子ごはん。 聖。 ん? 指輪、似合ってるわ。 ありがと。 蓉子も似合ってるよ。 智が学校から帰ってきたらありがとうって言わなきゃ。 うん、絶対に喜ぶよ。 ……。 蓉子。 …あの子達もくれたわよね。 ……。 そう、あの子達も…。 ……蓉子。 ……。 ねぇ、蓉子。 ……うん? ごはん、炊き込みご飯が良いな。 鳥と牛蒡の。 たきこみ…? うん。 蓉子の作る炊き込みご飯はとっても美味しいから。 材料も実はあるんだ。 …うん、分かった。 ……。 …? なに…? ううん、なんでもない。 …そう? うん、触りたかっただけ。 ……。 さて、シゴトの続き、しよっかなー。 …ホントはあんまりしたくないけど。 聖。 いや、ちゃんとします……て。 ……。 …よーこ? ……もうすこし、だけ。 …。 ほんの少しだけでいいから…。 ……。 ん…。 その言葉、待ってた。 ……ごめんなさい。 待ってたんだって。 ……。 蓉子。 ……せい。 うん、私はここにいるから。 ……。 ……ね、目を瞑って? ……うん。 ……。 ……。 ふふ…。 …まぶたにキス、だなんて。 あやされてるみたい…。 たまにはね、そんな時があっても良いかな、て。 ほら、いつもは私ばっかりして貰ってるからね? ……ふふ、くすぐったい。 ……。 ん…。 …。 ん…ん…。 ……蓉子。 せ、い…んん。 ……。 ふ…ぁ…………。 ……はぁ。 ……。 最後は大人のちゅー、てね。 …もう。 そだ。 うん…? ここでシゴト、しよっかな。 ここで? うん。 でも。 良いの。 もう、決めたの。 …もう、駄々っ子みたいに。 へへ。 …ね。 うん? きれいね。 …指輪? うん。 そうだね。 とてもきれいだ。 ……うん。 |