7月7日は七夕です。
   天の川を真ん中にして引き裂かれた彦星と織姫が年に一度、たった一度だけ逢うのを許される日でもあるんだよ。















  お ほ し さ ま き ら き ら 。















   じゃーん!


   …。


   …。


   …う?


   あれー、みんな反応薄いぞー?


   …どうしたの、それ。


   イベントが好きな蓉子さんの為に用意してみましたー。


   …どこから?


   ひ、み、つ。


   買ったのね。


   ぶっぶー。


   まさか人様の家から盗んできたんじゃ無いでしょうね。


   まっさかー。


   全く、一人で散歩に行くって言って。


   え、あれ。


   謝りに行くわよ。
   帰ってきたら…分かってるわね。


   一寸待って。
   蓉子、誤解してるよ。


   買ったわけでは無い。
   となったら、


   貰った、て選択肢は無いんですか。


   誰がくれると言うの。


   そらぁ、庭に笹がある人?


   …行くわよ。


   待って待って。
   本当だって。


   じゃあ、誰から?


   だから庭に笹が


   …。


   眺めてたらくれたんです。
   今日は七夕だからって。


   お散歩、何処まで行ったの。


   足の向くまま。


   ……。


   でね、ふと見たら立派な笹があるじゃないですか。


   で、物欲しそうに見てたのね。


   いや、眺めてた。
   これまた立派だな、蓉子とちび達喜ぶかなー、と思って。


   ……。


   蓉子さん、未だ疑ってます?
   聖さん、悲しいなぁ…。


   ……分かった、信用するわ。
   で。


   で?


   ちゃんとお礼は言った?
   言えた?


   子供じゃないもん。


   なら、良いけど。


   次は蓉子の番。


   は?


   喜んでくれたら、嬉しいな?


   ……。


   蓮、葵。
   おねがいごと、ある?


   …。


   …。


   ほら、いきなりの事だから二人とも驚いているじゃないの。


   でもさ、幼稚舎でもやってると思うんだけど?


   だからってまさか家にまで笹があるとは思わないでしょ、普通。


   まぁ、そんな時もある。


   せいちゃん。


   ん?
   なになに。


   あのね、きょう、ゆみせんせいとおねがいごとかいたよ。


   ほうほう。


   ね、れん。


   ……。


   じゃあ、うちでも書こっか。
   そうだな、祐巳ちゃ


   先生。


   …慣れないんだよね。


   でも今は先生。


   あー…。
   え、と、祐巳ちゃん先生と一緒に書いたのとは別のお願いを書こう。
   蓉子、短冊になるような紙あったっけ?


   折り紙ならあるけれど。


   じゃあ、それで十分。
   ついでにイカリングも作ろう。


   イカリング?


   学生時代からクリスマスになると作るんじゃん、蓉子。


   あれはイカリングじゃないわよ。


   そういやあのイカリング、薔薇の館に未だ残ってるかなぁ。


   だから


   あとは星かな、蓉子さん。


   ……もう。


   ししし。








   う。


   お、蓮君。
   お願い事、書けたかな。


   う。


   そっかー。
   んじゃ、どれどれ。


   や。


   良いじゃん、減るもんじゃ無いんだからー。


   や。


   あらら。


   せー、や。


   うーん。
   じゃ、蓮のは後回しにして葵は?
   葵は見せてくれるよねー?


   え、う、うん。


   おー、どれどれー。


   ……。


   ……んー。


   ……。


   え、と。
   流石、蓉子の子、てトコ?


   ……。


   みんな、げんきでいられますように、て。


   …あ、あの。


   ん?


   へん…?


   いいや、良いと思うよ。
   と言うか素晴らしい。


   …。


   でも、もうちみっと自分の事を書いても良かったかな。
   ほら、あれが欲しいとかこれが欲しいとか。


   聖。


   んー?


   七夕はそもそも、芸事の上達を願うものなのよ。
   そういう願望を書く事は相応しくないわ。


   でも、ちび達は自分の思う事を書いても良いじゃない。
   芸事に限らないでさ。
   その方がよっぽど子供らしいよ。


   確かにそうだけど。


   でしょ?
   葵、他に何か無い?


   えーと…。


   最近、やりたい事とか。
   そうだ、例えば私に何かして欲しいとか!


   …。


   一寸、聖。


   ん?


   何よ、それ。


   いや、だから、例え?


   どんな例えよ。


   ちなみに私は蓉子さんに


   やかましい。


   …ぶー。


   よーこ。


   あら、蓮。
   見せてくれるの?


   う!


   お、どれどれ。


   せー、め。


   ふっふー、それぐらいで屈する聖さんでは無いんだな。


   ……ええ、と。


   ふむ。


   よー…こ?


   う。


   蓮君、これは私への挑戦状かな?


   …。


   だけど、残念だなぁ。
   その挑戦を受けても良いけど、最初から勝敗は決まってるのだよ。


   …聖。


   蓉子は私の。
   だから蓮君にはあげらんない。


   ……。


   聖、子供相手に大人気ない。


   いやいや、子供と言えどけじめは肝心ですから。


   …。


   蓮、ありがとう。
   嬉しいわ。


   …にゃ。


   あ。


   えへへ。


   蓮ばかりずるい。
   よーこ、私も撫でて撫でて。


   おばか。


   あいた。


   貴女にはそれで十分。


   ぶーぶー。


   あ、あの。
   聖ちゃん、おかーさん。


   んお?


   なに、葵?


   これ…。


   お、二枚目は何て書いたのかなー?


   ……。


   …て?


   あのね、こんど、聖ちゃんとおかーさんと、蓮とわたしの4人でね、


   うんうん。


   ……ゆーえんち、いきたい…の。


   皆で手を繋いで?


   …うん。


   葵ー!


   きゃ…っ


   あーもう、葵は可愛いなぁ!


   せ、聖ちゃ…。


   遊園地でも動物園でもケーキ食い放題でも!
   何処でも連れて行ってあげよう!
   約束!


   …ほんと?


   本当!
   ねぇ、蓉子、今度の休みなんてどうかな!?


   そんな事いきなり言われても。


   良いじゃん。
   はい、決まり!


   …もう、仕方が無いわね。


   おかーさん。


   ん?


   あの、いそがしくない?
   だいじょうぶ?


   ん、大丈夫よ。
   折角だから楽しんできましょうね。


   …!
   うん!


   ……よーこ。


   蓮?


   …だっこ。


   よし来た!


   にゃ…っ


   蓮、今度の休みはみんなで遊園地に行くぞー。
   風邪、ひかないようになー!


   う、にゃー…っ


   聖、そんなに回ると蓮が目を回しちゃう。


   ははは。










   うー…。


   蓮、どう?


   ……うー。


   まだつけらんないの?
   ぶきっちょだなぁ。


   …。


   聖。


   へいへい、ごめんあそばせ。


   …にゃ!


   お、出来た?


   …よーこ。


   あ、こいつめ。
   ぷい、てしおった。


   蓮、出来た?


   う!


   うん、よくできました。


   別に良いもんね。
   私には葵がいるもんね。


   せいちゃん、りんぐできたよ。


   おー、上手に出来たね。


   おかーさん、できた。


   じゃあ、つけましょうか。


   うん。


   どれどれ、聖さんが肩車をしてあげよう。


   え、でも…きゃ。


   どう、つけられそう?


   う、うん。


   そりゃ、良かった。


   聖、絶対に悪ノリしないでよ。


   大丈夫だって。


   …。


   蓮?


   にゃ。


   にゃ?
   ああ、蓮も作ったの?


   ……。


   聖、蓮も肩車してあげて。


   えー、どうしよっかなー。
   さっき、ぷいっとされたしなー。


   …。


   聖。


   蓮、して欲しい?


   …。


   して欲しい、って言うのなら。
   してあげるんだけどな?


   ……。


   聖、貴女ね…。


   たまには素直になるのは良いと思うんだ。
   ねぇ、素直になるのが苦手な蓉子さん?


   ……。


   蓮、だっこって言ってみ?


   ……。


   蓮。


   …こ。


   うん?


   …こ。


   もちっと大きな声じゃないと聞こえないなぁ。


   …だっこ。


   よし、任せ…?


   よーこ、だっこ。


   …あれ?


   …莫迦。


   よーこ、よーこ。


   …。


   聖、どうするの?


   …こいつめー!


   にゃ…っ


   素直になれないのは、本当、誰かに良く似てるんだよなぁ!
   もう!








   せいちゃん、蓮。


   二人とも、いい加減に仲直りしたらどう?


   ふん、だ。


   ……。


   大体、聖が大人気ない事を言うから。


   だってさ。


   だってじゃありません。
   全く。


   ……。


   聖、何処に行くの?


   …コーヒー。


   蓮、どうしていえないの。


   ……。


   蓮ってば。


   …せー、や。


   うそいわないで。


   ……。


   蓮。


   ……。


   せいちゃんのかたぐるま、すきじゃない。


   …あおい。


   なに。


   うるさい。


   あ、蓮。


   ……。


   …おかーさん。


   大丈夫よ、葵。


   ……うん。


   ご飯の支度をしましょうか。


   ごはん?


   今日は七夕だから、何が良いかしらね。
   聖、蓮、貴女達は何が良い?


   冷やし中華ー。


   残念、買い置きが無いわ。


   買ってくれば良かったなぁ。


   そーめん。


   お素麺なら、母から送られてきたのがあるわね。


   …む。


   あ、そうだ。
   おかーさん、おかーさん。


   ん?


   せんせいんちはね、たなばたはそうめんをたべるんだって。


   祐巳ちゃ…先生が?


   うん!
   ひやしそうめんっていってた!


   そう。
   じゃ、お素麺にしましょう。
   聖、良いかしら?


   …私がやだって言ってもどうせ作るんでしょ。


   聖、不貞腐れないで。


   ……。


   貴女の好きな具を入れるわ。
   何が良い?


   …。


   聖。


   ……卵。


   卵ね。
   分かったわ。


   ……。








   ご馳走様でした。


   ごちそうさまでした。


   …。


   …。


   あら二人とも、お気に召さなかったかしら?


   …いいえ、美味しかったですよ。


   ……う。


   そう、なら良かった。
   あ。


   …?
   おかーさん?


   雨、降ってきちゃった。


   …どうせ、曇ってたからね。
   天の川は見えないよ。


   そうだけど。
   雨が降ったら天の川の水嵩が増して彦星と織姫は逢えないじゃない。


   ひこぼしとおりひめ、あえないの?


   て、言うけどさ。
   天の川って雲の上にあるから雨だろうがなんだろうが関係ないんじゃないの。


   お話では逢えないとされてるのよ。


   さいですか。
   てか、仕方ないじゃんね。梅雨なんだから。


   そうなのよ。
   旧暦なら問題ないのに。


   ま、それでも雨の時はあるだろうけどね。


   …そうだけど。


   …。


   …何よ。


   いや、こんな事で一喜一憂してる蓉子は可愛いな、と。


   ……。


   行事、好きだもんね?


   …良いじゃない、別に。


   だから、そのままで居てね?
   歳を取っておばあちゃんになっても。


   …からかわないでよ。


   からかってない。
   本気。


   …もう。


   おかーさん、ひこぼしとおりひめ、あえないの?


   そ、雨が降ってるとね。


   ……。


   ……。


   おーおー、ちび達も蓉子と同じ顔してるね。
   いや、蓮は相変わらずの仏頂面か。


   …。


   聖、もういい加減にしなさい。


   もう、いい加減にしたよ。
   蓮。


   ……。


   食器を片付けよう。
   蓉子、葵は座ってて。
   作ってくれたからね。


   …。


   蓮、ぼさっとしてんなー。


   ……。


   蓮、わたしも


   …いい。
   やる。


   気をつけてね、蓮。


   う。


   よし。
   じゃあ、蓮は運んで。








   あめ、やまない…。


   …。


   本格的に降ってるから、こりゃ無理だ。


   …やっぱり止まないかしら。


   蓉子。


   …だって。


   いや、良いの良いの。
   どうか、そのままの貴女で居て。


   ……どこまでもからかって。


   …ふ、


   ぁぁ…。


   うむ、二人はおねむの時間だね。


   …。


   もうちょっとみてる。


   見てても止まないと思うけどなぁ。


   遅くまで起きていると、お寝坊してしまうわ。


   ……。


   むー…。


   さぁ、おしっこに行こうか。


   ……はい。


   …や。


   蓮。


   あめ、やうの。


   いつかはね。
   だけど今日止むかどうかは分からないな。


   やうもん。


   やれやれ。


   せいちゃん。


   だってさ、蓉子。
   本当、貴女にそっくりよ。


   …仕方が無いわね。
   あともう少しだけよ。


   うん!


   ……。








   と、言ってたけど。


   …すぅ…すぅ。


   寝ちゃった、わね。


   すっかり夢の中だ。


   薄がけ、持ってくるわ。


   このままベッドに運んじゃった方が手っ取り早いと思うけど。


   若しも、晴れたら。


   起こしてあげるの?


   そのつもり、なのだけど。


   日が替わっても?


   ……。


   明日も早いんでしょや?


   …ええ。


   何でそんなに拘るのかな。


   …七夕って。


   …。


   あまり晴れた事が無いから。


   そのたび、彦星と織姫が逢えないと?


   …子供じみてて悪かったわね。


   いや、寧ろそれも良いところ。
   言ったでしょ、可愛いって。


   ……。


   でもさ。
   日が替わったら7月7日じゃないんだから、駄目なんじゃないの。


   あ。


   ねぇ。


   今日が終わるまで、あと2時間半。


   …。


   あーでもさ。


   …今度は何。


   昼間は降ってなかったんだから、そん時逢ったんじゃない?
   で、帰ろうと思ったら雨が降ってきて帰れなくなって、寧ろラッキーとか。


   …夢が無い。


   蓉子さんってばロマンチックなんだから。


   ……。


   かわいい。


   …薄がけ、取ってくる。


   じゃあ、私はお茶の準備でもしようかな。
   それともお酒の方が良い?


   明日に響くからお酒は遠慮しておくわ。








   静かだねぇ。


   …うん。


   雨の音しかしない。


   …。


   しかし。


   …ん。


   寝てると可愛いんだよなぁ。


   …蓮?


   葵は起きてても可愛いんだけどなぁ。


   蓮は可愛くない?


   …本当、仏頂面でさ。


   貴女に似ていて。


   …もちっと、愛想良かったと思う。


   あら、お義母さまに見せてもらった写真は蓮そっくりだったけど。


   ……。


   聖は蓮のこと、可愛いと思えない?


   …そんなわけないじゃん。


   そう、良かった。


   見てよ、この顔。
   ほっぺた、突きたくなるよ。


   起きちゃうから、今はだめ。








   あと15分。
   もう、止まないな。


   ……。


   ねぇ、蓉子。


   …なぁに。


   蓉子の願い事、って何?


   私の…?


   そう。


   …なんだと思う?


   分からないから聞いてるんだよ。


   じゃあ、聖は?


   …先に教えてくれないと答えない。


   …聖?


   蓉子…。


   ……だめよ。


   …ちゅーしたい。


   今は私の願い事が知りたいのでしょう?


   ……。


   私の願い事は貴女と、蓮、葵が皆、元気で居られますように。


   ……それだけ?


   …聖は?


   ……。


   私はちゃんと教えたわ。


   ……蓉子が。


   私が?


   私をずっと、好きでいてくれますように。


   ……。


   蓉子は違うの?


   今更じゃない。


   今更、じゃないよ。


   …子供まで居るのに。


   関係ないよ。


   ……。


   蓉子。


   …そんなに自信が無いの?


   ……。


   どうすれば、良いのかしら。


   ……。


   どうすれば、貴女の不安を…いえ。


   …蓉子。


   そうね、絶対、なんて無いものね。


   ……。


   好きよ。


   ……うん。


   どうか、聖もずっと…。


   …好き。
   だから…。


   ……聖。


   良いよね…?


   ……。


   ……。


   …でも。


   …ん。


   蓮と葵の事も、忘れないで。
   私達は…


   ……うん。
   分かってる…。


   ふ……。


   …。


   ……ん、ん。


   ……よ、こ。


   ……せ、い。


   うぅ…。


   ……せ…ちゃ…。


   ……。


   ……。


   …忘れられないよ。
   この子達は私達の子ども、これだけは絶対だもの。


   ……ええ。


   ……あと5分。


   ……。


   蓉子、もう。


   …待って。


   …。


   雨が…。


   そんな、物語じゃあるまいし。
   出来すぎだよ。


   いえ、止んでるわ。


   ……。


   止んでるわ。
   聖、止んでる。


   星は見えないけど。


   でも、止んでる。


   そうみたいだね。


   蓮、葵。


   …。


   蓮、葵、雨が止んだわ。


   ……う。


   …おかーさ、ん?


   雨が止んだのよ。


   ……。


   ほ、んと…?


   ええ。
   ほら、見て。


   ……。


   ……。


   蓮、葵?


   …。


   急に起こされて眠いんだって。
   やれやれ。


   ……にゃっ


   蓮は私に任せて。
   蓉子は葵を。


   ええ。


   おかーさ、わ…。


   …。


   蓮、寝ぼけてても良いけど。
   出来ればちゃんと掴まってて。


   ……う。


   うん。


   ほら、葵。


   ほんとだ…。


   蓮君、どうかな?


   ……けんぎゅー。


   お、良く知ってるね。


   おかーさん、ひこぼしとおりひめは?
   あえた?


   ええ、屹度今頃は


   逢って、ぎゅーとして、ちゅーしてるね。


   ……。


   ちゅー…。


   せ、聖、何を…


   再会にちゅーは必須だと思います。


   だ、だからって子供達にそんな事を言わなくても良いのよ。


   ……あおい。


   え、なに…。


   今時、なんでも無いよ。
   テレビつけりゃ、ちゅーぐらい当たり前だもの。


   で、でも、


   あーはいはい。
   蓉子さんは幾つになっても初心
〈ウブ〉なんだから。


   けんぎゅーと、おりいめ。


   …あ。


   そうじゃなくて子供達に聞かせて良い事と


   別に良いでしょ、ちゅーぐらい。


   …!


   こんな風に、性愛なものばかりじゃないし。
   …ま、彦星と織姫は


   聖ぃ…!


   蓉子さん、今は夜中です。


   ………。


   もっと言うと日が替わった。
   と言う事で二人は再びおねむのお時間で…


   ……。


   ……。


   うん、寝てる。


   …もう。
   台無しよ。


   ま、良いじゃない。
   雨、止んだんだし。


   …そうだけど。


   これからは大人の時間。


   それは駄目。















   え?


   けんぎゅー。


   おりひめ、あえたんだよ。


   ああ、七夕の事?
   あれ、でもあの日の夜は…


   やんだ。


   きらきらしてたの。


   …もしかして夜中に止んだのかな。
   て、一寸待って。


   う?


   せんせい?


   二人とも、そんな遅くまで起きていたの?


   う。


   ちがうよ、蓮。
   おかーさんがおこしてくれたんじゃない。


   おかーさん…蓉子さまが?


   うん。


   蓉子さまが…。


   かたぐるま。


   だっこしてくれたの。


   へぇ、そうなんだ…。


   きれー。


   うん、きれいだったね。


   …そういや、聖さまがだらしない顔で言ってったっけ。
   蓉子さまは結構、ロマンチックだって。


   あおい。


   なぁに、蓮。


   ん。


   うん。










  お し ま い










   さて。
   この笹、どうするかなーー…。


   ところでどうやって持って帰ってきたの、これ。


   んー、担いで?


   ……恥ずかしくなかった?


   いや、喜ぶ顔で頭がいっぱいで。


   …。


   もっと喜んで貰えると思ったんだけど、なぁ?


   ……んもう。