…うーん。 …蓮。 …。 蓮。 …。 もう、蓮ってば! …んぁ? そろそろ5時間目が始まるから。 …あー。 起きて。 しゃんとして。 …と、言うか。 寝癖、ついてる。 もう。 葵…。 調子に乗って。 私の膝は蓮用の枕じゃないんだけど。 重い…んだけ、ど。 は? 重いのは私の方よ、全く。 いや、お腹がいやにずっしりしてるんだけど…何で? …自分の目で確かめれば? ……ん? …。 ……何だ、これ。 横着しないで、ちゃんと見て。 ………。 分かった? …何で? 良かったね、懐かれていて。 …いや、そう言う問題? 寛いでいるゴロンタには悪いのだけれど。 蓮には起きて貰わないと私も動けないわ。 …。 早くしてよ、蓮。 下りろ、ゴロンタ。 私のお腹はお前のベッドじゃない。 その言葉、私は蓮に言ってあげたいわ。 嫌なら退かせば良い。 …あのね。 して貰っておいて何よ、その言い方。 本当の事を言ったまでだね。 …ああ、そう。 じゃ… …た。 蓮はいつまでもそうしてれば良いのよ。 私は行くわ。 …葵。 今更謝ったって待っててなんかあげないんだから。 せめてこいつを退かしていって。 自分ですれば良いでしょ。 一向に退けようとしない。 このままじゃ動けない。 …。 …ま、それでも良いけど。 良くないわよ。 授業はどうするつもりなの。 自習。 ただのサボリじゃない! ま、現文だし。 一回くらい出なくても そう言う問題じゃないわ! …どうせ、眠くなるし。 ああ、もう! ……。 ゴロンタ、お願いだから退けて。 じゃないと蓮が益々自堕落になっちゃう。 自堕落にはなってない。 ほら、ゴロンタ。 ……。 ゴロンタ。 …いっそ、持ち上げた方が早いと思う。 ……。 早くしないと5時間目、始まるよ。 …ああもう。 …。 …ゴロンタ。 ほら…。 …何、してんの。 だから退かそうと思って…。 …。 お願いだからそのまま動かないでね、ゴロンタ…。 葵。 …なに。 スカートの中、見える。 ……ッ! いた…ッ ばか、蓮のばか…ッ! …なッ 何を言い出すのよ! 別に見たくて見たわけじゃない。 じゃあ言わないでよ! ばか!最て よ、と。 きゃ。 葵のおかげで軽くなった。 …え? 大きな声でゴロンタを吃驚させてくれたから。 流石だね。 ……。 た…ッ さいってい…ッ ・ うん。 今日も良い天気だ。 にゃ、にゃ! れん、ちゃんとおぼうしかぶらないと。 にゃー! あ、蓮、一人で先に行っては駄目よ…! れん、まって! 聖! やれやれ。 仕方の無いちびすけ……、だ。 にゃッ ほい、捕獲。 うにゃーッ 蓮、一人で先に行っては駄目だといつも言ってるでしょう? れん、だめ。 逸る気持ちは分かるけどね。 …。 はい、れん。 おぼうし。 …。 蓮、ありがとうは? ……と。 それから、はい。 おてて、つなご? …。 ん? …よーことつなぐ。 よぉし、分かった。 じゃあ聖さんと繋ごっかー! …! 葵、葵はそのまま蓉子とね。 やー! またまた。 嬉しいくせに。 よーこ、よーこ…! なんだったら… う、にゃ…ッ? 肩車、しても良いんだぞーぅ。 にゃぁ…。 どうだ、高かろー? 眺めばっちし、だー。 …。 よかったね、れん。 でもって。 こうしてれば急に駆け出す事も無いし、ね。 聖。 ん? 蓮の帽子。 弾みで落ちたわ。 おー。 んじゃ…はいな。 聖? 屈んでるから、ね? 辛くない? うん。 だから早くね。 ん。 蓮、今日は日差しが強いからちゃんと被っていてね。 …。 蓮、お返事は? …い。 うん。 それじゃ改めましてしゅっぱーつ。 ・ 葵。 …。 葵。 …。 葵。 …何よ。 …。 呼んでおいて。 智は。 ゴロンタを飼いたかったんだな。 …。 …。 …今更何よ。 いや、別に。 ……でもうちは飼えないわ。 あいつは頑固だ。 …蓮もじゃない。 葵には言われたくない。 …。 でもま、子供が思うようにはいかない。 …そうだね。 …。 でも。 …でも? ゴロンタはあの猫さんとは違うから。 …。 屹度…。 ・ にゃーにゃ、なーな! あともうすこしだね、れん。 ん! しかし。 今日はちみっと暑いね。 予報で初夏の陽気、って言っていたから。 初夏じゃなくて、ちょっとした真夏だよ。 喉、渇いた。 お茶飲む? おお、飲む飲む。 一寸待ってて。 うんうん。 …はい。 わーい、ありがと。 蓮と葵も飲む? にゃ! うん! ふふ。 水筒、用意してきて良かったわ。 はぁ、美味しかった。 やっぱ蓉子の麦茶は売ってるものより美味しい。 有難う。 にゅ! お? せー、にゃー! お、お。 にゃー!にゃー! 分かった、分かったから。 てか、未だ見つけてないのに。 にゃー!! こら、足をばたつかせ、いたたたッ はやくーー!! だからって髪の毛を引っ張るなって! はーやーくーーー!! わぁ! 抜ける、抜けるって…ああ! ……切実ね。 おかーさん。 うん? ねこさん、いるかな。 そうね。 今日は天気も良いし、屹度…。 にゃーにゃ? ねこさん? おや? にゃー、いない。 おかーさん、ねこさんがいない。 本当。 今日は未だ、出てきてないのかしら? まぁ、今日は良い天気だけど少し暑いからね。 おばあちゃんにゃんこが日向ぼっこにするにはちときついかも。 …と言うか、未だ痛いんだけど。 大丈夫、聖? いや、駄目。 ああもう、髪は長い友達なのに。 …長い? 髪、と言う字の覚え方。 知らない? 知らない。 他にも。 いとし、いとし、と、いう、こころ、なんてのもあるよ。 恋の旧字ね? 当たり。 にゃー? にゃー?? せいちゃん、ねこさんいないの? 若しかしたら日陰に居るかも知れない。 木陰、とか。 さがす。 あおい。 うん。 待て待て。 探すと言っても何処を探す気かな。 あっち。 闇雲に探したって見つからないよ。 にゃんこは人間が入れないような狭い場所にだって入れるんだから。 …。 聖、あのあたりはどうかしら? 丁度、日陰になっているし。 て、蓉子まで。 だって折角来たのに。 子供達だって楽しみにしていたのよ。 ま、そりゃそうだ。 だけど今日は家から出てない、そんな可能性もあるよ。 この暑さじゃ、こたえるでしょや。 それは…そうだけれど。 いっそ、夕方ごろまでどっかで時間を潰さない? 夕方になれば今の季節、涼しくなる筈だから、若しかしたら出てくるかもしれないよ。 何処で時間を潰すの? それは…まぁ、足の向くまま気の向くまま。 折角の休日だし、無為に過ごすのは勿体無いじゃん? 足の向くまま気の向くまま、でも? ただ、突っ立ってるよりはマシ。 …ただ、自分が涼しいところに行きたいだけじゃ無くて? こんな暑い日の日向にずっと居るのは正直、冬生まれの私にはきついです。 …関係あるのかしら? あるある。 大いにある。 …まぁ、確かに。 このままずっとここに居るのはきついわね。 でしょでしょ? じゃあ… 蓮、葵。 時間をずらして後でまた来てみようよ。 や。 ちゃんと来るから。 や。 今は居なくても、夕方頃になれば涼みに出てくるかもよ? やー! 蓮、何もこのまま帰るわけじゃないのよ。 必ずここに戻って来るから。 …。 そだ、お腹減った。 そうだ? うんうん、聖さんはお腹減ったな。 どこかでお昼にしよう、そうしよう。 て、未だ早くない? 早昼と言う名目のお茶ってコト。 …何処で? とりあえず駅前に行けば良いと思うんだ、うん。 ついでにそこらをぷらぷら。 駅前、ね。 今日は日曜だけれど良いの? うん、何が? 人が多いところ、嫌いでしょう? だからそれなりにまったりしたら素早く離脱。 オーケイ? …オーケイ。 蓮、葵、ご飯食べに行こ。 何が食べたいかな? パフェでもお汁粉でも何でも良いぞぅ? …暑いのにお汁粉? 好きでしょや? 流石に無いんじゃないの? いや、分からないよ? …そうかしら。 と言うわけだから、蓮、葵。 …。 れん…。 …いかにゃい。 ん? いかにゃい! お…と。 にゃーさがしゅの…ッ 蓮…。 うー…ッ れん……う…っく。 ああ、葵まで。 参ったな。 だって…、ゆうがたになっ…ら、ねこ…ん、おうちにかえ…て。 せいちゃん、が…。 …ああ。 ……聖。 …うん。 確かに言ったね、私。 探してみる? いや、闇雲に探したって見つからないと思う。 じゃあ… ……。 ……っく。 …分かった。 聖? ちょっくら行ってくるよ。 行くって何処に? そこまでするのはどうかな、と思ってたんだけど。 ま、私も大概に親莫迦ってコトだね。 ……? 分からない? …。 仕方が無いなぁ。 耳、貸してみ? ………え。 けど、それは 事情、話すさ。 いたいけな幼子が二人、泣いてるんだから。 …。 と言う訳だから。 二人とも、少しで良いから待ってて。 ……。 目、真っ赤になってるなぁ。 …ひっく。 そんな二人の為に。 聖さんは直ぐ、戻ってくるから。 蓉子、一寸の間頼んだ。 …ええ。 うん。 じゃ、行ってくる。 ・ …葵。 …なぁに。 猫、好き? …うん、好き。 …そ。 何よ、聞いておいて。 …あまり、肩に力を入れるな。 …? だから逃げられるんだ。 …。 あと目が怖い。 …そんなに? そんなに。 ……うん、分かった。 と、言っても。 直ぐには直らないと思うけど。 …頑張るもん。 それじゃ駄目だ。 …どうしてよ。 だから葵は生粋の優等生なんだ。 …。 頑張っても。 どうせ、逃げられる。 …じゃあ、どうすれば良いの。 適当。 …。 それが、一番だ。 ……適当。 ・ ……はぁ。 お疲れさん。 ……聖。 シャワー、どうぞ。 すっきりするよ。 …えぇ、ありがとう。 どうせだから一緒に浴びちゃえば良かったのに、なんて。 …。 …大丈夫? …ん、大丈夫よ。 顔色、良くないよ。 疲れただけだから。 心が? ……ねぇ、聖。 ん? あの子達に何て話せば良いの。 ……。 今日は何とか連れて帰ってきたけれど。 …蓮が泣き喚いて、大変だったっけね。 そんな他人事のように言わないで。 そんなつもりで言ったんじゃないよ。 ……。 蓉子。 …聖。 思えばあの雷の日、蓮と葵は何かを感じたのかも知れない。 ほら、何て言うんだっけ?そういうの。 …虫の知らせ。 特に蓮は強く感じたのかも知れない。 いや、葵も同じくらい、感じたのかも知れない。 じゃなきゃ幼稚舎から黙って抜け出すなんて事、葵がする筈が無い。 ……。 よく、寝てる。 だけど…。 …涙の跡が残ってるでしょう? ひどい顔、してたもんなぁ。 …貴女が戻ってきて。 …。 帰ろうと言った時、何となく気付いたわ。 …ん。 だけど…。 理解、出来ないと思うんだ。 未だ。 ……。 ただ…。 …もう、二度と。 それをどう受け入れるか……そもそも、受け入れられるのか。 私には、分からない。 ……私が小さい頃、ね。 うん。 ……。 どうした? …聖、 あの、ね…。 ……良いよ。 折角シャワーを浴びたのに…。 良いよ。 また浴びれば…蓉子と浴びれば良い。 あ……。 …で? ……大好きだった母方の祖母が亡くなったの。 …うん、前に聞いた。 私、意味が分からなくて。 …。 二度と会えなくなる事だなんて、分からなかった。 …うん。 それが分かった時、初めて…理解、したの。 ……。 あの時、両親は私に何て言ってくれたのか…思い出せないのよ。 …私は。 …。 冷たくなった祖父に触った時。 此の世から居なくなるとはこういう事なんだ、と思った。 …。 あまり会った事が無い人だった。 だから思い出なんて無い、けど。 …。 その冷たさだけは思い出せる。 生きている冷たさとは違う、それを。 ……うん。 …待っていたんだって。 え…? 雷だった日の前の日。 家に帰る時間になっても帰らないで。 誰かが、来るのを。 …。 そう、見えたんだって。 ……。 話さなくては、いけない。 …。 そう、思うんだ。 ………ええ。 …にゃー? ……せいちゃん、おかーさん。 にゃー、どこ? にゃー? …そこに居るよ。 どこ、せいちゃん。 そこに土が盛り上がっている場所があるでしょう…? …え、と。 …。 おかーさん…? よーこ、にゃーにゃ、どこ? 蓮、良く聞きなさい。 どこ、にゃー、どこ?? 蓮。 あの猫はもう、居ない。 ! だけど せー、うそつき! 蓮、最後まで聞いて。 にゃー、いるっていった! うそいった! 蓮…! にゃ…ッ …葵も。 せいちゃん…。 あの猫はその土の下で眠っている。 もう、起きる事は無いんだ。 ……? そんな…! あおい…? ねこさん、うめちゃったの? ! どうして?ねぇ、どうして? …。 そんなことしたら、ねこさん、くるしいよ。 かわいそうだよ…! にゃー…! ねぇ、すぐにだしてあげて…! せーちゃん!おかーさん!! …それは出来ない。 出来ないの、葵。 なんで…! ねぇ、なんで…!! にゃー! にゃー…!! 蓮、駄目だ。 にゃー…ッ! おかーさん、おかーさん…ねこさん、だしてあげて…あげてよぉ…。 …蓮、葵。 猫さんはね…もう、起きる事は無いのよ。 二度と、無いの。 …なんで…なん…で。 あの猫は死んだんだ。 ……し? し…? もう二度と、蓮と葵と一緒には遊べない。 遊べない場所へ行ってしまったんだ。 でも、つちのしたにいるんでしょ…? だったら… あおい…! うん…! 駄目だ!! う…ッ ひゃ…ッ 二人とも良く聞いて。 …。 …。 私達は、生きている。 私と蓉子、 それから、蓮と葵。 私達は生きているの。 …。 だから。 私達もいつか、死ぬ。 それは遠い未来、いや、近い未来かも知れない。 そしてそれは誰も逃れる事は出来ないわ。 …。 …。 …二人の胸〈ココ〉には。 命と言う火が宿って燃えているんだ。 だからこうしてお話しすることも出来るし、怒ったり、笑ったり、食べたり、想ったりも出来るんだ。 それから悲しくて泣くことも。 …。 そしてその火は猫さんにも宿っていた。 だけれど…。 …。 猫の命の火は最後まで燃えて、燃え尽きてしまった。 もう、灯される事は無い。 消えてしまったらもう、お話することも、怒ったり、笑ったりする事は出来ない。 蓮と葵と遊ぶことも、もう。 …にゃー、は、 猫…にゃんこは、ここに、眠ってるんだよ。 だから…おやすみって、言ってあげよう。 ねこさん、ねむねむなの…? …ええ。 だからお願い、起こさないでいてあげて。 …。 …。 にゃんこは、屹度。 二人と遊ぶ夢を見てると思うんだ。 …。 …。 蓮、葵。 ねこさんにおやすみなさいって、言ってあげて…? ………も。 つちのした、じゃ………。 ……。 …お布団、なのよ。 とん…? 土は猫さんのお布団なのよ。 眠るのに何も掛けていなかったら寒いでしょう? だから苦しくなんか、ないのよ。 …。 だけど蓮と葵が泣いていたら猫さんは、そっちの方が苦しいと…。 ……蓉子。 …ねぇ、蓮、葵。 猫さんはもう、目を覚ます事は無いの…。 それが死ぬという事なのよ…。 ……ぅッ 蓮、葵…。 うわぁぁぁぁぁん…ッ …。 にゃー、にゃぁぁー…ッ う、ひっく、ぁぁ…。 …。 …泣かないで。 にゃー、にゃぁー……。 …二人が泣いていたら。 猫さんは屹度、悲しむから。 だから…。 おかぁさん…ッ おかぁ…さ、ん…ッ …う、く…ひっく。 …にゃんこは、君達が好きだった。 …。 大好きだったんだよ。 …せ、ぃ…ちゃ…。 君達がにゃんこを大好きだったように。 …ひ、にゃ、うく、にゃ…ぁ。 …だから。 おやすみ、て、言ってあげよう。 ずっと良い夢が見られるよう…。 ……う…。 にゃぁぁ…。 ……や、す…み、な…ぃ。 …にゃ、さ…ぃ。 ……蓉子。 …せ、い。 もう少しこうしたら、改めてお礼を言って、帰ろう。 私達の家に。 …うん。 ・ …。 蓮。 …。 蓮。 …。 もう、毎回毎回。 いい加減に…。 …。 …蓮? ……。 どうしたの? …。 ねぇ、蓮。 …眩しい。 …でしょうね。 …。 手、どうかした? …痺れてる。 どんな寝方をしていたのかしら? ……。 だけど起きてくれて良かった。 起こす手間が省けたから。 ……葵、は。 うん? 片足の無い猫、覚えてるんだっけ。 …覚えてる、けど。 そっか。 …なに? いや、別に。 夢でも、見た? そうかも。 そうかも、て。 覚えてない。 …そう。 …。 ねぇ、蓮。 …ん? 今でもあるかな? あの猫の… あるんじゃないの。 …ん、そうだね。 不法進入、する気はないよ。 私だってないわよ。 …なー。 あ、ゴロン…て、行っちゃった。 珍しいね。 何が。 蓮が居るのに。 あいつは初めからそういう奴だ。 気紛れ? …。 ふふ。 何だが蓮みたい。 どこが。 分からないのなら良い。 …あ、そ。 さて、と。 蓮、そろそろ行かないと。 今日は土曜日だから智のお迎えにも行かないといけないし。 …。 仕事、さっさと片付けてしまわないと。 …面倒だな。 …みんなが待ってるの。 いつまでも休憩し、て…? ……。 …何? ……いや。 変な蓮。 葵、一寸こっち来て。 どうして? …。 え…。 ……。 な、なに…? 来ないから。 そ、そうじゃなく…ん。 …相変わらず、体温低い。 …これでも平熱はちゃんと36度はあるわ。 蓮が高すぎるのよ。 …。 …もう、良いでしょ? 離れてよ。 ……。 ねぇってば。 もう少し。 …こんなところ、新聞部にでも見つかったら。 今更。 今までも散々ネタにされた。 だからってまた、提供する事無いじゃない。 大体、あの佐藤家の双子ってだけで… ……。 れ、蓮…。 温かい。 …さっきは低いって言ったくせに。 頬より、首の方が温かい。 ……蓮の手は熱いわよ。 …。 蓮、もう良いでしょ? いい加減、行かない…と。 私は? …。 生きてる? …ええ、生きてるわ。 触っていないくせに。 ……。 …。 蓮は温かいわ。 寧ろ、熱い。 そ。 なら、良い。 …急に何を言い出すのよ、蓮は。 夢、見たから。 覚えてるの? いいや。 …あ、そう。 さて、と。 戻るんだっけね。 ええ、そうよ。 屹度、待ちくたびれてるわ。 そして、命は生く。 れんちゃん、あおいちゃん、おそーい! …。 ごめんなさいね、智。 誰かさんが悠長にお昼寝をしてたせいで、予想してた時間に終わらなかったの。 だめだよー、だれかさん。 …。 すみません、先生。 毎回、お待たせてしてしまって。 良いのよ。 どうせいつもどおり、誰かのせいなのでしょうから。 ええ、そうなんです。 …。 蓮は一旦、お昼寝をしちゃうと。 なかなか起きない子だったものね? …寝る子は育つ、だもんで。 んー? そのわりにはあまり、大きくないねぇ? …先生よりは大きくなりましたけど。 全く。 油断してたらでかくなりおって。 …。 さぁ、帰りましょう。 うん! …ごろんた! …。 ごきげんよ、ごろんた! …ごろんた、か。 蓮? …いや。 …そう。 さ、帰るぞ。 うちに。 はーい! ごきげんよう、先生。 ええ、ごきげんよう。 また来週。 ごきげんよう、百面相祐巳。 ごきげんよう、ちびっこレンコン。 ゆみせんせい! はい。 ごきげんよう! またねー! うん、ごきげんよう。 またね。 |