−La Mer(音楽聖蓉) ん〜…。 …。 ……んー。 …ねぇ。 …。 ねぇってば。 …ん? 何、呼んだ? 先刻から何を聴いているの。 アコーディオンの人の曲。 アコーディオンの人? 有名らしいよ。 曰く、テレビ番組とかで使われてたりするんだってさ。 …ああ。 知ってる? 多分、聴けば分かると思う。 じゃ、蓉子も聴いてみる? 今は良いわ。 聞いたのは蓉子なのに。 変なの。 と、言うか。 うん? どうして人の後ろで聴いているの。 蓉子さんが読書中なもので。 本日は刑事訴訟法関連でしたっけ? うん、今日も今日とて難しそうな本を読んでますネ。 抱きかかえる必要性は無いわよね? ありますよ。 こうしてれば蓉子の体温を直に感じていられるもの。 …そんなに寒くないと思うけど。 やだなぁ蓉子さんったら、惚けて。 この場合、温度的な問題では無いでしょや。 …ん。 甘いのが欲しいのですよ、私は。 …チョコなら食べたでしょう? 蓉子さん手作りのトリュフ。 最高でございました。 …言っておくけれど。 駄目よ。 分かってますよ。 だからこうしているんじゃない。 …結構、鬱陶しいのだけど。 いっそ、BGMだと思って頂ければ。 試験勉強中に音楽は聴かない派だと、言った筈よ。 静かな方が集中出来るから。 でもって。 私も然うだと、言ったっけね。 …聖。 ん? とりあえず、体を揺らしながら頬をすり寄せてくるのは止めて欲しいのだけれど。 そいつはごめん。 無意識だった。 …一番良いのは。 離れてくれることなんだけれど。 やぁだ。 …ひぁッ 今の蓉子は本ばっかりだから せめてくっついてたい。 せ、せい…ッ ん、感じた? …。 …ね。 手作りトリュフより、もっともっと甘いの、欲しいな? …貴女は貰う事ばかりね。 うん、分かりやすさで言えば私の勝ちだね。 ……。 ともあれ。 今はこれで我慢しときます。 …今は、ね。 蓉子さんは優しいから。 屹度、私の願いを叶えてくれる。 然う、夜になれば…さ。 …ともあれ。 ね…? 今は、邪魔しないで。 はぁい。 ………甘えた。 …ね、知ってた? …この曲は初めてよ。 だけど知ってるわ。 そっか。 …えへへ。 …しまりの無い顔。 だって、やっと私のトコに戻ってきてくれたんだもん。 …戻ってきた、て。 初めから此処に居たじゃないの。 本は何気にライバルなんです。 ……莫迦な事ばかり。 …一度は、してみたかったんだよねぇ。 …何を。 二人で一つのイアホン、使うの。 ……。 ああ、思っていた以上にしあわせ…。 …………そうね。 ん? いいえ、何でも無いわ。 −夢見る前に。(聖蓉) …ねぇ。 ひとつ、きいてもい…? ん、なに…? …けいたい。 ああ…。 …つながらない、から。 …。 せい…? …ききたく、なかった。 …。 蓉子は、わるくない…のに。 …。 それから…。 …うん。 …さびしさばかりが、つのって。 …。 こえがききたくないわけじゃ、ない。 むしろそのぎゃく…で。 だけど、きけばきくほど、おもいはつのるばかりで。 …。 今、じぶんとようこをつなげてるのはこれだけ。 けど、でんげんを落とせば、かんたんにきれて…。 …せい。 あいたかった。 ふれたかった。 でんわ越しなんかじゃなくて、ちょくせつ、そのこえを…そのはだに、ふれたかった。 …ごめんなさい。 あやまらないで。 ん…ぅ。 …ようこは、わるくない。 …。 わるくないの。 …。 …せめたくないの。 せい…。 ようこのせいにするのはとてもかんたんで……そしたらたぶん、じぶんで、じぶんが、おさえきれなくなる。 …そんなの、だめ、なんだ。 いやなんだ…。 …。 ようこ…おねがい。 あやまらないで…。 …。 それよりも… …あいしてる。 …。 あいしてるわ…せい。 だれよりも…あなた、を。 …うん。 わたしもあいたかった。 こえが、ききたかった。 ふれたくて…はだにふれてほしくて…。 …あいしてる、ようこ。 だれよりも…だれより、も。 …。 あいしてる、あいしてる…。 −Celtic Moon(音楽聖蓉) んー…。 …。 …。 …聖って。 …うん? 何か言った? 範囲が広い、と言うか。 え、なになに? ポップスはほとんど聴かないのは知っていたけれど。 よ、と。 なに?蓉子。 聖って。 特に民族音楽、或いは楽器、が好きよね。 然うなの? 然うなの、て。 私は貴女の事を言っているのだけれど。 ん、然うかなぁ。 流行りの歌は聴かないし。 と言うか、今何が流行ってんのかすら分かんない。 そもそも興味無いし。 聴いている曲は歌無しが多いし。 然うでもないよ? 歌があっても、日本語では無いし。 日本語のもあったと思うけどなー。 と言っても、歌が主じゃない。 邪魔に思う時があるんだよねー。 ほら、歌い手によっては声が無い方が良い曲ってあるじゃない? だから、なのかしら。 基本的にサウンドトラック、器楽曲主体。 それも民族音楽系が多い。 うん、然うだね。 特に民族楽器はさ、面白いんだよね。 色んな音、形があってさ。 …色んな、ね。 和楽器も好きだよ。 一応、民族楽器になるのかしらね。 日本特有の、だからね。 なるんじゃない? …。 え、と。 …んー。 今回のは如何でしょう? …。 お気に召さなかった…かな? …いいえ。 と、言いますと。 好きよ、こういうのも。 正直に言ってくれても良いよ。 これが正直な感想。 そっか。 ふふ、良かった。 …。 蓉子、もっとこっちにおいでよ。 行きようがないじゃない。 …大体、ね。 ん? 前々から思っているのだけれど。 コンポがあるのに、なんでポータブルで聴いているのかしら。 えー良いじゃん。 イアホン、片方にしか当ててないから、片方でしか音が聴こえないのよ? バランスが悪いじゃない。 そりゃ、然うだけどさ。 ステレオ、でしょう? だったら両耳で聴いたほうが良いじゃない。 もう、分からないかなぁ? …。 ねぇ、本当に分からない? ……顔、近い。 変わらないよ。 で、本当の本当に分かんない? ……分かる、わよ。 じゃ、良いよね? このままで。 …。 −Lotus〜季節は巡る。(俺屍版しまのり) 志摩子さん。 お水、汲んできたよ。 ありがとう、乃梨子。 しっかし。 山百合家のお墓ってこんなにあるんだよねぇ。 矢張り、多いのかしらね。 前の家は血筋で分けて、まとめてたから。 こんなには無かったな。 然うなの。 前の家に比べて広いし。 広いから。 どうせだから一人一つ、但し、距離はとらずに直ぐ隣に、何故なら離れてしまうと淋しいから。 ? 何其れ? 当家の初代様曰く、ね。 と言うかさ。 淋しいならみんな一緒の方が良いんじゃないの? ねぇ? 何かお考えがあったのかも知れないけれど。 今となっては分からない、かぁ。 然うね。 えと、やっぱり全部にお水って必要だよね。 …。 志摩子さん? ああ、然うね。 だけど、今日は良いわ。 え、良いの? ええ。 ふぅん…。 ……乃梨子。 うん、なに? このお墓にお水をかけてもらっても良い? うん、分かった。 え、しょ…。 ……。 …ふぅ。 こんなものかな。 ありがとう。 それから。 はい、お線香。 あら。 志摩子さんも持ってくるだろうと思ったけど。 …それじゃあ、今日は。 乃梨子が用意してくれたのを使うわね。 お花もあるよ。 はい。 ふふ、ありがとう。 芙蓉の花ね。 うん。 お向かいのおばあちゃんちの庭で咲いたから、て、貰ったんだ。 ねぇ、乃梨子。 知っている? え、何を? 此のお花は確かに芙蓉と言うのだけれど。 正しくは木芙蓉と言うのよ。 モクフヨウ…? 然う。 木に芙蓉と書くのよ。 じゃあ、本当の芙蓉の花は? 蓮の花。 ハス? 蓮の花を、芙蓉、と言うのよ。 へぇ、然うなんだ。 乃梨子は見たこと、無い? うん。 私もよ。 え、然うなの? 芙蓉の花の咲く季節はこれから、だから。 …あ、そっか。 志摩子さんも“生まれて無い”んだ。 ええ。 んじゃ、おそろいだね。 おそろい? 芙蓉の花、見たこと無いの。 ああ。 ふふ、然うね。 芙蓉の花、かぁ。 見てみたい? 見るなら、志摩子さんと一緒に見たいな。 私と? 然う、志摩子さんと。 同じね。 私も乃梨子と一緒に見たいわ。 ふふ、やったぁ。 ねぇ、乃梨子。 うん? 私ね。 芙蓉の花を見た事は無いけれど。 だけど芙蓉の花のように美しかった人は知っているのよ。 …。 …ごきげんよう、お姉さま。 ごきげんよう、蓉子さま。 …ごきげんよう。 ……さぁ、行きましょうか。 え、もう? 会いに来ただけだから。 え、え…。 お二人で、お一つ。 乃梨子の言っていた通りね。 し、志摩子さん、何を言っているのか分かんないよ。 ああ、ごめんなさい。 乃梨子、先刻言ったでしょう? …えーと。 淋しいのなら一緒の方が良いって。 ああ! さぁ、帰りましょうか。 え…あ。 ま、待ってよ、志摩子さ そうそう。 それから乃梨子を見せに来たのよ、私。 はい…? ただ、其れだけの事だったのよ。 −習うより、慣れろ。(聖蓉+山百合会) うぃーす。 おー、みんな揃ってるねー。 聖。 あーい? あーい、じゃないわよ。 何なの。 何なの、と申されますと? その挨拶の仕方は。 ん、どっかまずかった? うぃーすっ、て何よ。 うぃーすって。 おお、蓉子のうぃーすは新鮮だね。 あのね、挨拶ぐらいちゃんとしなさいと言っているのよ。 私は。 へいへい んじゃ改めまして。 ごきげんよー、みなさま。 へいへい、は止めなさい。 へいへい。 だから。 とりあえず。 座っても良いかな、良いよね。 そもそもとっくに過ぎているのだけれど。 ん、何か過ぎた? 時間。 ちゃんと伝えておいたでしょう? ああ。 いやぁ、ついうっかり。 うっかり、じゃ無いわよ。 うっかり、じゃ。 どっこいせー、と。 その掛け声も止めなさいって言ったでしょう? それと何、その歩き方は。 背筋を伸ばしてちゃんと歩きなさいよ。 まぁまぁ、そんなにしかめっ面ばかりしていると顔に良くないよ。 は? 怒り皺。 その若さで残っちゃったら、ね? ……。 どうせなら笑って笑って。 ほれほれ。 ちょ、何をするのよ。 くすぐろうと思って。 止めて頂戴。 まぁ、そう言わず。 止めてと言ってるでしょう。 ああもう、触らないで。 何、照れてるの? 照れてない。 じゃ、みんなの前じゃ恥ずかしいとか? 莫迦でしょう。 いい加減にしないと本気で殴るわよ。 たまにはそーいうのもありかもね。 たまには、て何よ。 いつもは何をしていると言うのよ。 …やだなぁ、蓉子ったら は、何が。 私と蓉子の仲、公表しちゃって良いのかなってコト。 はぁ?! ま、私は良いケドね。 仲も何もただの友達でしょ! それ以上でもそれ以下でもな それ、本気で言ってるのかな? か、顔を寄せないで。 だとしたら。 とてつもなく悲しいんだけど、なぁ。 な、何を考えてるのよ…ッ 蓉子こそ。 何を考えてるの。 な、何をって…。 ん? だ、だから…! あーはいはい。 とりあえず、本日の夫婦会話は放っておいて。 今日の議題なのだけれど あのぉ…黄薔薇さま。 はい、何かしら。 祐巳ちゃん。 その、何と言うか…目のやり場に困るんです、が。 慣れて。 以上。 は…・ そのうち慣れるわよ。 そ、そのうちって。 実際、気にしてるのは祐巳ちゃんだけよ。 は、はぁ…。 …今更。 私と蓉子の仲なのに…。 だ、だから…あん。 ……弱いトコだって、こんなに良く知ってるし。 せ、い…っ! や、やっぱり気になります…! 祐巳さん。 …由乃さん。 人間って。 慣れたら結構、気にならなくなるものよ。 ……志摩子さん。 祐巳さん。 お姉さまは紅薔薇さまと一緒にいらっしゃる時は本当に嬉しそうなお顔をするのよ。 ほら、今も。 ………。 祐巳。 …。 祐巳、聞いているの。 え、あ、は、はい、お姉さま。 お茶のお代わり、貰えるかしら? あ、はい、ただいま。 あ、祐巳ちゃん。 私にはコーヒーね。 へ? で、蓉子。 どうなの? だ、だから…! あ、ああもう、いい加減に離れなさいよ! 鬱陶しいわね…! 素直じゃ無いんだからなぁ、蓉子さんは。 まぁ、それも可愛いトコの一つなんだけど…さ。 あ…いや…。 ………。 祐巳。 何をぼうっとしているの。 …は。 す、すみません…ッ 今、お淹れしますね…ッ じゃ、改めまして。 今日の議題なのだけれど。 −六花(聖蓉) …くしょい! さ、さっむぅ…!! …あら。 やっと、お目覚め? なんか知らんけど、すっごい寒いんですけど…! 然うでしょうね。 て、あれ? みんなは? 確か今日は会議やるって言ってなかったっけ? ええ、言ったわよ。 つーと、何? みんな遅刻しちゃってるの? だめだなぁ。 貴女と一緒にしないで。 と言うか、貴女が薔薇の館に来た時には揃っていたでしょう? そうだっけ? そうよ。 それから皆ならもう、とっくに帰ったわよ。 へ? 会議しなかったの? したわよ。 いつ? 貴女がお昼寝している間に。 あら? 会議中、貴女はさぞかし、良い夢を見ていたんでしょうね? いやぁ…そうでもない、よ? 時折、だらしない顔をしながら笑ってたし。 てか寒空の下で震えている夢なら見たような、見ないよう…くしゅん! うう、本気で寒い…。 一応、コートを羽織っておいたけど。 矢張りそれだけじゃ足りなかったかしら。 コート…? あ、ほんとだ。 気付かなかったの? うん…お。 はい、ティッシュ。 ほ、ありがと。 さて。 そろそろ帰りましょうか。 あいや、もうそんな時間ですか。 皆が帰ってもう、30分以上は経つわね。 あーら、まぁ。 ところで志摩子は? …志摩子なら。 家の用事があると言っていたから、先に。 ふーん。 …はい、鞄。 さんきゅ。 良い? 電気、消すわよ。 蓉子。 ん? 何? 若しかして、待っててくれた? …。 別に置いて帰ってくれても良かったのになぁ? そうしたら。 確実に、風邪をひいていたでしょうね。 さもなければ、起こしてくれても良かったのに。 …途中で起こしたら。 何を言われるか分からないもの。 …。 …何よ。 いんや。 さて、そんじゃあ帰るとしますかね。 ところで。 ん? 傘、持ってきてる? おお…。 ね、寒いわけでしょう? 確か、に…くしゅん。 一寸、大丈夫? んー…若干、駄目かも。 若干って。 蓉子さん、お願いです。 こんな哀れな聖さんにとうかお慈悲を。 天気予報、見てこなかったの? うん! 何でそんなに元気良く返事するのよ。 はっは。 …はぁ。 これ、貸してあげるわ。 え? 私はもう一本、持ってるから。 若しかして折りたたみ傘ってヤツ? そう。 ……。 何よ。 一本で良いよ。 は? 二人で、さ。 何言ってるのよ。 二人で一本で良いって言ってる。 嫌よ。 濡れてしまうもの。 だから、さぁ。 え、ちょ…つめた! こうしてくっついていけば大丈夫。 冷たいから! 離してよ! 蓉子の手、あったかいなぁ。 ひ、ぁ…。 あら、少し色っぽい? 冷たいのよばか…! 袖の中に手を入れてこないで…! だって、あったかいんだも〜ん。 もーん、じゃない!! ささ、このまま帰ろう。 あ、傘は当然私が持つから安心して。 と言うか離れてよ…! …ね、蓉子。 …ッ この方があったかいって。 絶対。 わ、私はあったくないわよ…ッ 折角の雪なんだし。 意味分かんないわ…! 良いじゃん、たまには。 蓉子と私、寄り添いながら帰るのも。 ……。 ね? …せめて。 袖の中に手を入れるのは止めて。 …。 それが嫌なら、離れて。 あったかいんだけど…まぁ仕方ない、我慢しようかな。 …あのねぇ。 でも。 腕は組んだままだよね。 …。 じゃなきゃ、はみだしちゃう。 …もう一本使えば良いだけの話じゃない。 良いの。 今日はこうして帰りたい気分なの。 …それに付き合わされる私は? たまには、というコトで片付けておいて。 …たまには、ね。 −百恋歌(音楽聖蓉) …ん。 ……。 ……。 ……。 ……こ。 ……。 …ねむれない? …ううん。 それとも…なれない? ……。 …帰る? ……今日、は 居て……。 ……。 蓉子…。 ……聖。 …やっと、手が届いたんだ。 ……。 届くなんて、思わなかった…。 …いや。 ……。 …手を伸ばしては、いけないと思ってた。 ……どうして? だって……親友、だから。 ……。 …傍に居るのなら、居たいなら。 恋人になりたいなんて……そしたらもう、一緒には居られなくなってしまう、と。 ……どうして、そう思うの。 だって…そうでしょう。 ……。 蓉子は…私とは違うから。 …違うの。 女の人しか好きにならない…男が恋愛対象になりえない私とは、違う。 ……。 いつか…蓉子に、好きな男〈ヒト〉が出来ても。 親友ならば、親友としてならば、それが仮令苦しくても、ずっと一緒に居られる…。 ……。 ……だから。 ……た。 …? 蓉子…? …くるしかった。 え…。 …どうして泣いているのか、泣いてしまうのか。 わからなかった…。 ……。 ただ、貴女を想うと……涙が止まらなくなった。 ……。 …人を想うことが。 …うん。 こんなに苦しいなんて……知りたくなかった。 恋をする事がこんなに苦しいのならば、私は……。 ……。 …届いても。 苦しいまま……。 ……。 こんなに近くに居るのに…。 一人になったような錯覚を覚えるのは、どうして…? ……蓉子。 貴女の肌はこんなにも温かいのに…どうして、こんなに。 ……。 ……本当は届いていないのかも知れない。 だから… 蓉子。 ……ごめんなさい。 私、何を言って… ……。 ……せ ……。 ……。 ………蓉子。 ……。 やっと、届いた…芙蓉の花。 ……。 愛してる。 ……。 蓉子が愛しい。 蓉子が…欲しい。 ……あぁ。 蓉子。 聖…。 ……ん。 ……。 ようこ…? …せい。 ……どうしたの? ううん…。 …まだ、ねむれない? …ちがうの。 …。 なんだか…もったいなくて。 もったいない…? …おかしいわよね。 ……。 …いとしいの。 ……。 あふれて…とまらないの。 ……うん。 ……。 …ようこ。 ん……。 …よんで。 ……。 わたしのなをよぶ、ようこのこえがすき…。 ……せい。 …。 せい…。 …うん。 ……。 ……。 …せい。 ようこ。 ………。 ようこ…ようこ…。 ……。 ……んん。 ……。 ……。 …いつか。 ……。 あなたの、うでのなかで……。 −先カンブリア紀。(江利子と志摩子) ……。 黄薔薇さま。 …んー。 お茶のお代わりは如何ですか。 ……どうしようかしら。 どうしたら良いと思う? どうしたら、ですか。 然う。 どうしたら。 黄薔薇さまが思うままで宜しいかと思います。 私の思うまま、ね。 必要か、或いは、不要か。 どちらの答えだったにしろ、私はそれに従います。 ふぅん。 ……皆さん、来ませんね。 白薔薇さまは自分からは来ないわ。 基本的に。 ……。 私の妹は部活をしてるの。 黄薔薇の蕾…? 剣道部。 だから今日は来ないわ。 剣道部、ですか。 ミスターリリアンなんて呼ばれてるけど。 知らない? …すみません。 ま、別に良いけど。 些細な事だし。 ……。 紅薔薇さまは…もう少し、遅くなると思うわ。 …どうして、ですか。 聞きたい? ……いえ。 そ。 祥子は…まぁ、そのうち来るでしょう。 あの子もそれなりに忙しいみたいだから。 多分。 ……はい。 …。 …。 …ああ、そうだ。 …? お茶のお代わり、だったわね。 …はい。 貰おうかしら。 はい、分かりました。 ……。 ……。 志摩子。 あ、はい。 名前、知っていて? …はい? 私の。 ………。 紅薔薇さまのは? ……あの。 ああ、やっぱり。 いえ、知っています。 “鳥居江利子”さま。 あら、つまらない。 つまらない…? そういうの、あまり興味無さそうに見えたから。 …クラスに居るんです。 何が。 薔薇さま方を好きな人が。 ああ、なるほど。 つまり、 …。 私達の事なんて知りたくて知った事では無い、と。 ……。 否定はしないのね? …確かに。 自分から進んで知ろうとは、していなかったので。 ふふ。 …すみません。 だけど。 白薔薇さまについては知りたかった。 いえ、気になった、かしらね。 ……。 志摩子。 …はい。 お茶、渋くなるわよ。 あ…。 手遅れ? …すみません。 淹れ直します。 良いわよ。 え…。 それでも。 け、けれど 早く。 ……分かりました。 うん。 …どうぞ。 ありがとう。 …。 ……うーん。 …渋い、ですよね。 ええ、とても。 …やっぱり淹れ直します。 たまには良いわよ。 こういうのも。 ……そう、ですか? 嘘。 ……。 ま、久しい味ではあったわね。 …直ぐに淹れ直してき “エディアカラの楽園”。 …? 知ってる? …いいえ。 そう。 何なのでしょう。 さぁ、何なのかしら。 ……。 …さて。 ……。 誰かが来たわ。 …はい。 えりしまの間が好きです。 今のところ、せいようがばかっぷる成分を独り占め(二人占め?)。 |