−Let's start love.(聖蓉)
…はぁ。
…。
しあわせー…。
…。
へへ。
……。
よーこ。
…。
えへへ。
……聖。
なになに?
…やっぱり良い。
なになに、蓉子ぉ。
…甘ったるい声。
だってぇ。
…。
ねぇねぇ、顔、見せてよ?
…。
よーこ。
……あなた、は。
ん、私がなに?
…どうして、そんなに。
ん?
…。
蓉子?
……もう、いい。
放っておいて。
えー…。
…。
放っておいてだなんて。
そんなぁ。
…。
私達が今どんな状態なのか、分かって言ってるの?
……分かってるわよ。
なのに、そんな事言う?
…。
ねぇ、蓉子。
……帰る。
え?
帰る。
え、なんで?
なんでも。
や、待った待っ…
……。
…て、あれ?
……取って。
とる?
………服。
…。
…。
……ふふ。
そ、そもそも貴女が…
よぉーこ。
……。
取ってあげないもんね。
……。
どうしても、って言うなら。
自分で取ってごらん?
…。
私は、取ってあげないんだ。
……いじわる。
うん、そうなんだ。
私も知らなかったんだけどね。
…にやにやして。
だって、自分じゃどうしようもないんだもの。
…。
よーこ、今日はこのまま泊まっていきなよ。
…そんなつもり、なかったのに。
予定は未定、さ。
……。
…よーこの、匂い。
…っ!
今夜は
聖…っ!
ん、なぁに?
あ、あなたはどうして…ッ!
…私が、なに?
…。
…言ってごらん?
……そんな、に。
うん。
な…れ、て…。
…なれて?
ああ、慣れて…?
……。
……。
……私、やっぱり
蓉子。
…ぁ。
慣れてなんか、ないよ?
…。
ないんだ。
……でも。
いっぱいいっぱい、だったんだけどな?
……。
ごめん?
…なに、が。
じょうずに出来なくて。
…!
明日、もしもどこか痛くなったら
せ、聖!
ん?
もう、いいから。
なにが?
…とにかく、もういいから。
じゃあ帰らない?
…。
…帰らないよね?
……。
ねぇ、帰らないで…お願い。
…。
……お願い、蓉子。
……。
…へへ。
……朝、帰るから。
ん…。
あ、聖……。
朝までは、私だけのもの。
…。
……良いんだよね?
……勝手に、なさい。
−Can you fly with me?(聖蓉)
…。
…。
…。
…?
…。
……せ、い?
蓉子。
…ぅ。
…。
…。
…な、に?
…。
……聖?
あのさ?
…ん。
もう少し、力抜いてくれない?
…力?
肩とか。
強張っちゃってるんだけど。
…。
がちがちって感じ。
……そう?
うん。
…。
…。
…。
蓉子。
…し、してるんだけど。
…。
……だ、め?
…。
…。
…と言うか、やばい。
……私、そんなに
そうじゃなくて。
…?
キスだけじゃ、済まなくなるかも。
……え?
だから…その、ね?
え、え…。
……ごめん?
ま、待って。
…。
キスだけじゃすまないって、どういう…
…そのままの意味です。
…!
……緊張、しすぎなんだって。
だ、だって…!
…すっごい、分かった。
今。
な、なに…。
…食べてしまいたいくらい、て。
な…。
……。
せ、聖?
と、とりあえず落ち着い…
…ごめん、無理。
て…。
……ごめんね?
あ……ぁ。
−La luna roja.(放浪記)
…月が、赤い。
…ん。
……。
聖…?
……いや。
…。
こんな夜は感情が昂ぶるような気がしない?
…満月、だから?
それもあるけど…。
…。
まぁ、いいや。
おやすみ。
…聖。
…。
…。
…なに。
……いいえ。
…。
…。
…言いなよ、蓉子。
…何でも無いから。
…。
…ぁ。
何でも無い…て、何。
…。
…蓉子、さぁ。
…。
……感情、昂ぶる事は無いの?
…。
言えるの?
…。
ねぇ。
…少なくとも、今は。
…。
…。
…聖、もう寝ましょう。
明日も、ん。
…。
…。
……これでも?
…。
蓉子。
……退いて。
…。
…お願い、聖。
…。
…。
……今更、拒絶?
そうじゃない。
じゃあ、何。
…。
怖いとでも言うの?
…。
…こんなとこまで、追いかけてきたくせに。
…。
……来たのは、蓉子だよ。
…。
……。
あ…。
……何されたって。
良いって言うべきなんだよ。
…。
……ねぇ。
…良いわよ。
…!
貴女になら。
…。
……良いのよ。
…。
……そんな顔、しないで。
…。
私はね、聖…。
…。
……貴女が本当にしたいのなら。
…。
貴女が本当に、それで満ち足りるのなら…。
…。
……こんな躰、幾らでもあげるわ。
…。
そう、幾らでも…。
……莫迦だ。
…ええ、そうね。
……。
…。
…あーあ。
……。
いっそ、届かなければ良いのに。
あの月みたいに。
…。
…見上げることしか出来ない存在だったなら。
…。
……。
…聖。
……触らないで。
…。
…。
…そのくせ、触るのね。
…。
…。
……おやすみ、蓉子。
…おやすみなさい、聖。
−道なき人生〈ミチ〉は、ずっと、続く。
ねぇ、蓉子。
んー…?
何年?
…今年?
今年、で。
…?
始まりをどこに置くかで、変わるけど。
…ああ。
だからカレンダー、見てたの?
そういうわけじゃ無いんだけど。
貴女がそういう事言うの、珍しい。
かな。
ええ。
あまり関心無さそうだから。
そんなコトはありませんよ。
そうかしら。
まぁ、考えない事の方が多いけど。
ええ、本当にね。
先の事にしか、興味ないんだ。
はいはい、言ってなさい。
中等部。
…。
軽く二桁になってる。
それを言うのなら高等部からでも。
ん?
ちゃんと数えなさい?
んー……わ、本当だよ。
今更?
いやぁ、吃驚だね。
早いものね。
令なんか子持ちだもんね。
ねぇ。
まぁ、それを言うのなら令だけじゃないか。
…うん。
…。
…。
…それで、何年?
それは良いけど、どこに置くの?
どこが良いかな…どこが良い?
貴女が言い出したのだから、貴女が決めて。
私はどこでも良いんだよ。
何よ、それ。
大事なのは今だから。
じゃあ数える必要なんて無いじゃない。
いや、たまには。
じゃ、自分で考えなさい。
ええ。
たまには良いじゃない。
私ばっかりなんだもの。
好きだもんね、そういうの。
ごはん、一寸豪華になるし。
立ち食いそばを食べて帰ってこられた時にはガッカリするわね。
あはは。
連絡くれれば良いのに、そういう時に限ってくれないし。
いやぁ、あの時は小腹が空いてね?
はいはい。
ちゃんと食べたじゃない?
無理してね。
無理なんかしてないさ。
しばらく、動けなかったけど?
美味しすぎて感動してたんだもの、仕方ない。
ああ言えば、こう言う。
それが私クオリティ。
莫迦。
はは。
幾つになっても、変わらないんだから。
多分、ずっとだと思うよ。
…。
これから、ずっと。
…頭、痛くなってくるわね。
大丈夫、蓉子なら。
簡単に言って。
だって蓉子だもの。
…はいはい。
そんなわけだからこれからも宜しくね。
ええ、こちらこそ。
…でも。
ん?
結局、何年か数えなかったわね。
うん、それは蓉子の役目だから。
…まったく。
にしし。
聖。
はい、なんでしょう。
10年後もそうやって言ってて。
10年後?
そう、10年後。
…オーケイ、蓉子。
10年後と言わずに、20年後にも30年後にも言ってあげよう。
はいはい。
忘れなければ、良いけれど。
−El dado de persona.(放浪記)
…。
…。
…なに?
…それ。
手入れ?
……どうしたの。
どうしたのって?
…そんなの、持ってなかったでしょう。
持ってたら捕まるね。
なんだっけ、あの法律……え、と、ほら。
銃刀法。
そう、それ。
流石法律家。
…誰でも知ってるわよ。
分からなかったのがここに居るけど。
貴女の場合はただの物忘れ。
なるほど。
…で。
ん…?
どうしたの、それ。
…。
……買ったの?
いや、貰った。
…貰う?
そう。
…誰に。
一晩、付き合ってあげた人。
……。
本当はもっと違うのが良かったんだけどねー.。
お金、とか。
………その人は
男。
単純だね。
………。
……。
………。
…蓉子。
………な、に。
冗談だって。
……え?
Just kidding.
Are you okay?
……じょう、だん。
当たり前じゃん。
そんなの、死んでも嫌だね。
…。
…なに、本気にしちゃったの?
……。
私のこと、知ってるでしょ…
……。
…蓉子。
……そういう冗談、は。
…。
…止めて。
…。
……止めて。
……。
……。
…あのさぁ。
……。
私は蓉子のじゃ、ないよ。
……知ってるわ。
蓉子だって私のじゃない。
……。
くれない。
…え。
…。
……聖。
…。
あ…。
…。
……せ、い。
−日、英、西、恐らくは独、仏も。(聖蓉)
ちゅー。
…。
ちゅー、したい。
…。
ちゅーちゅーちゅー。
…。
したいー。
ねぇ、しよーよー。
…。
よーこ、ねぇ、ちゅーしよー?
…。
聞こえてるくせにーーーー。
やかましい。
ねぇ、ちゅーし
…。
……。
黙って。
……よーこ。
なに。
つまんない。
…あ?
つまんないよぅ。
なんなの。
だってこうもあっさりなんて。
願いが叶ったんだから良いでしょ。
良いけど、やだ。
…。
あ、しかめ面。
あのね、聖。
ちゅー。
…してあげたでしょ。
もっとー。
…。
もっと濃厚なのー。
うるさい。
いい加減にしないとこれで殴るわよ。
六法は殴るものじゃないよ。
角が良い?
血が出るからやだー。
心配しないで。
そこまで固くないから。
て、殴る気満々?
貴女次第?
ちゅーしたいだけなのにー。
だからしたでしょ。
もっとーーー。
嫌。
しようよ、ねぇねぇ。
鬱陶しい。
よーこー。
もう、何なの。
だって春じゃんかー。
貴女の場合、季節関係無いじゃないの!
一年中オーケイです。
真顔で!
ねぇ、蓉子?
その顔で迫らないで。
…。
聖。
……Kiss me?
いや、だから。
違う言語が良い?
そういう問題じゃ…。
…Bésame?
……どこの?
教えたらしてくれる?
どんな交換条件よ。
授業料とか?
そもそも貴女は偏ってるのよ。
面白ければそれで良いじゃない。
面白いって。
あ、キスは真面目ね?
……。
蓉子、Besemos?
No.
えー知りたくないのー?
別にどうでも良い。
よーこ、よーこぉ。
あーもう、ほっんと鬱陶しい。
ちゅー…。
それは分かるわ。
日本語でしょ。
……Quiero besar contigo!
無駄に知ってるわね…本当に。
−聖の。
躰の熱を初めて知った。
…。
蓉子。
…え。
コーヒー、飲む?
コーヒー…。
生憎、ミルクが無いんだけど。
……。
砂糖ならあるよ。
佐藤、だけに。
…。
うん。
つまんないね、我ながらに。
……。
いる?
…うん。
どれくらい?
…。
甘くする?
…ん。
ん、よしきた。
……。
熱いから気をつけて。
……ありがとう。
て、ほら、そんな手つきじゃ危ないって。
零したら大惨事よ?
…?
蓉子が。
火傷、したくないでしょや?
……。
……ねぇ、蓉子。
ん…。
今、自分がどんな格好してるか、分かってる?
……いま。
え、と。
何か羽織るものを…。
はおる……。
シャツ、シャツと…。
……あ。
待った!
で、でも…。
気持ちは分かるけど、危ないから。
…でも。
目に入れないよう、努力はしてるから。
……。
…まぁ、それでも見えちゃうんだけど。
…!
その為のコーヒー、だったんだけど。
……。
何の為か、は、聞かないでね…なんて。
…。
…あった。
はい。
ん……。
私の、だけど。
我慢して欲しいな。
……。
…蓉子?
………わた、し。
…。
……しらなかった、の。
…何を。
…。
……蓉子?
…聖。
ん…。
……。
わ……。
……。
あ、あの…よう、こ?
ひとが……。
…う。
……あなたが、あんなに。
ま、ず……。
あつい…だ、なんて…。
…ッ!
……しらなかった。
…。
……?
…。
……せい?
…蓉子。
…?
な…あ。
……。
コーヒー…。
後で、淹れ直してあげる…から。
……。
…だから。
…………せい。
−蓉子と。
このまま繋がっていられたら。
…。
はぁ…。
…。
…は……。
……蓉子。
………。
……。
……。
……。
………あ、の。
ん…。
…。
蓉子…?
……。
どした…?
……ない、の。
え、なに…?
だ、だから…。
うん…。
……このまま、なの?
……ああ。
重い…?
そ、それは…。
……。
よいの、だけ…ど。
…そっか、良かった。
ん…ッ。
…ん?
あ。
……。
ち、ちがうの。
…何も言ってないよ。
…!
……真っ赤。
だ…って。
……。
……いつまで。
…。
いつまで…その、いるの。
……こういう時、さ。
…?
女って良いよね。
…聖?
…と言っても。
男のコトは知らないけど…さ。
……。
……。
う、ぁ…。
……だめだよ、蓉子。
そんな声を出しちゃ。
だ、だって聖が…。
…。
聖……もう。
……いつまでも、繋がっていられる。
……。
そう、いつまでも…。
……せい。
…あ、でも。
男にもあるか…指くらい。
……。
ん?
……ばかなひと!
あいた。
もう、でていって。
…やだ。
せい。
……やぁだ。
あ、こら…。
……もうちょっと繋がってたい。
…。
蓉子と…。
……ほんとうに、ばかね。
知ってる…。
……。
……。
……そのかお。
…なに?
あんしんしきったこどもみたい…ね。
…。
…ふふ。
……蓉子の中が、一番、安心出来るんだ。
……。
…でも、胸の中も好きかな?
ば、ばか…!
いた。
も、もう、なにをいいだすのかとおもったら…。
…自分で言ったくせに…ね。
うるさい。
……続き、する?
…!
できるよ…?
きょ、きょうはもうしません…!!
…しし。
も、もう、でていって…!!
−Strange Medicine
…で。
うん?
どうして私がこんなトコにいないといけないんですか。
あら、別にいけなくはないわよ。
なら、
折角来たのだからゆっくりしてば良いじゃない。
来たくて来たわけじゃありません。
あら、然う?
然うですよ。
なら、どうして来たのかしら?
なら、て。
どうして?
…。
令の代わり?
違います。
あら、然う。
令ちゃんは…本当は令ちゃんも来るハズだったのに。
何か外せない用事でも入ったのでしょうね。
…。
然う、姉よりも大事な。
…。
それがどんな用事かは敢えて、聞かないけれど。
貴女の顔を見てればそれが貴女にとって面白く無いものだと分かるから。
…帰っても良いですか。
良いわよ。
お茶、淹れるところだったけれど。
…。
外は寒かったでしょう?
おかげでさまで雪がちらついてました。
これで乾燥注意報が解ければ良いのだけれど。
肌が乾燥してしまって嫌なんだもの。
…で。
それ、二回目ね。
お茶請けは何が良いかしら。
令のような手作りお菓子は出せないけれど。
結構です。
然う。
なら、胡麻煎餅で。
だから要りま…つか、せいべい?
母が送ってきたのよ。
嫌いでは無いから。
……。
食べるわよ?
私だって煎餅くらい。
何も言ってません。
ふふ。
なんですか。
元気そう。
おばあさまも。
それがあまり元気では無いのよ、私。
は?
だから令に慰めてもらおうと思ったのだけれど。
来たのは貴女だけだし?
私だって来たくて
来たわけじゃない、ね。
でも、実際は来て此処に居る。
…。
何故かしら?
…どうだって良いじゃないですか。
気にしてくれたのかしら?
な、なんで私が!
でしょう?
……面白い、と思っただけですよ。
へぇ?
だってあの黄薔薇さまが弱っているんですよ?
笑ってやる絶好の好機じゃないですか。
好機、ね。
チャンス、とは言わないのね。
で、来てみたら全然、弱ってないし。
あーあ、寒い中来て損した。
…。
もう、大損だわ!
…やっぱり面白いわね。
こっちはいい迷惑だわ。
貴女が来る事を私は期待してたのよ。
…は?
令が来れば貴女も来るだろうとは思ったけど。
本当に釣れるんだもの、思惑通りだわ。
……で。
で、が好きなのかしら?
そんなくだらないコトを話す為だけに私を、私達を呼び出したのですか。
呼び出してはいないわよ。
貴女が勝手に来ただけで。
あぁ?
令も来ないのに。
それだけが予想外かしら。
…。
雪、本降りになってきたみたいね。
交通機関に影響が出るかも知れないわ。
…最悪。
煎餅、食べても良いわよ。
私一人ではなかなか減らないのよねぇ。
…。
なんだったら食事も用意してあげても良いけれど?
け、っ、こ、う、です。
そ。
と言うか、もう帰ります。
大した用も無いようなので。
交通費、出してあげましょうか?
要りません。
もっとおばあちゃんに甘えてくれても良いのよ?
誰が。
つか気色悪い。
ふふ。
……それじゃあ
ねぇ。
…なんですか。
交通機関、屹度駄目だと思うのよね。
今ならまだ間に合います。
いざとなったらタクシー
も、交通機関のひとつよねぇ。
……。
送りましょうか、お姫さま?
だから気色悪いって言ってんのよ。
わざとだもの。
性悪め。
ありがとう。
リリアンの後輩でそう言ってくれるのは貴女だけよ。
あとそういう口の利き方をしてくれるのも。
だから?
直さないわよ、私は。
詰まらないわ。
あ?
貴女が普通の後輩になんかなったら。
は。
頼まれたってならないわよ。
だって、私はそういう貴女が好きだから。
………は?
好きよ。
ば、ばかなコト言わないでよ!
時に本気と莫迦は同意語になり得るわよね。
殊、親友達を見ていると。
ほんと、ばっかじゃないの!
ええ、ありがとう。
男にフられたくらいで!
ほんっと、ばっかみたい!
…。
…あ。
ねぇ。
な、何よ。
…。
ちょ、なんですか…。
…敬語、に。
戻らないで。
は、はぁ?
……。
や、止め…んんッ。
…。
…っかじゃないの!!
……つ。
頭おかしくなったんじゃないの、あんた!
噛み付かれたのは、初めてだわ。
なるほど、痛いものね。
当たり前、だ!
…血の味がするわね。
ああもう、さいっあく!
令とはしてるのかしら?
は?!
つかなんでそんなコト、あんたに言わないといけないのよ!
してるんだ。
ひょっとしたらこれ以上の事も
してないわよ!!
それはセックス?
キスぐらいはしてそうよね。
…!
ふぅん。
なんだ、してないんだ。
…。
お茶、冷めてしまったわね。
…結局。
うん?
誰でもいいんでしょ、あんたは。
誰でも?
志摩子さんの事もそうなんだわ。
志摩子がどうかして?
惚けて。
知ってるんだから。
何を?
志摩子さんに手、出してたんでしょ。
ええ、出してるわよ。
今も。
……。
あら、面白い顔。
私が言い訳でもすると思ったのかしらね?
…最低。
それは何に対して?
二股を掛けていた事?親友に手を出された事?
それとも…。
……。
…貴女に、慰めて貰おうとしているコト?
いいかげんにしないと、ぶっ飛ばすわよ。
良いわねぇ。
してみてよ。
…。
令だと。
貴女も知ってるとおり、あの子は優しすぎるから。
だから…屹度、慰めてくれると思うのよ。
令ちゃんをあんたの莫迦さ加減に巻き込まないで。
然う、あの時と同じようにね。
…!
令は…優しかったわよ?
あ、んたは…!
ん?
……。
…殴るなら、殴っても良いわよ?
でも、その代わり…
…ッ!
パシン…!
……。
…金輪際、令ちゃんに関わらないで。
関わるわよ。
私はあの子の姉なんだもの。
姉だからって何しても…されるのを望んでも良いってわけじゃないでしょうが!
だから姉として、じゃないわよ。
抱いて貰ったのは。
…。
でももう、それも出来なくなるのかしら。
流石に人のものになった子には、ね。
不倫、だもの。
とは思わないでしょ、あんたは。
へぇ?
不倫、なんて。
その日、その夜だけの事で
でも、セックスしたらそうなるのではなくて?
あんたの場合は気持ちがないのよ。
愛?
…そうよ。
不倫は気持ちが無いと成立しないものかしらね。
そうだとしたら…世の中、可愛い人ばかりね。
本当の愛なんて、どんなものか分からないのに。
それは、あんたが
あるわよ。
気持ちと言うものならば、私にも。
…あんたのはただ、自分が
貴女にも。
触らないで。
…。
触るなって…ッ。
…初めて?
うるさい。
触るなって言ってんでしょ。
…。
だから
……貴女も、優しいのね。
は…?!
逃げれば良いだけなのにね。
…。
ああ、逃げるのは嫌いなのよね。
特に私の前からは。
…殴ってもいいですか。
敬語はいや。
殴ります、ああもう殴ってやる。
…好きにして。
……。
しても、いいのよ。
…狂ってるわ、あんた。
…。
……。
…してよ。
…。
何か食べたいものはある?
…ない。
そ。
……。
でも、お腹は正直ね。
…うるさい、黙れ。
シチューでも作ろうかしら。
…。
知ってる?
寒い時はシチューなんですって。
…どうでもいい。
令ほどのおいしいものは、作れないけれど。
食べられないほどではないと思うのよね。
…。
パン、は切らしているから
つか、帰る。
然う。
じゃあ令に宜しくね。
あの子の事だから気にしていると思うわ。
…。
じゃあね、ごきげんよう。
…あんたさ。
ん?
いつか、痛い目に遭うわよ。
遭えばいいわ。
それは楽しみだわ。
…ほんと、狂ってる。
ふふ。
ああそうそう。
…。
あの子とはしたコト、無いわよ。
……は?
志摩子とはあるけれど。
恋人、らしいから。
……。
あの子は…確かに、優しいけれど。
そういう考えにはならないのよ。
…志摩子さんはあるって言いたいの。
ええ。
あの子は
聞きたくない。
…まぁ、然うね。
帰る。
もう二度と、来ない。
良いのよ、遠慮しなくても。
するか。
今度は令と来て。
だから
ね?
……。
シチュー、一人では食べきれないわね。
…。
まぁ、良いわ。
……雪。
材料もあまり無いし。
雪!
止んだ?
ぜんっぜん、止まない!
あんたのせいで!
ふぅん、それは楽しそうね。
楽しいわけあるか!
帰るのでしょう?
おばあちゃんとしては送っていってあげたいのだけど、腰にきていて行けそうにないの。
ごめんなさいね?
……。
初めてだったから、かしらね?
それとも初めてだからこそ、かしらね。
あんたなんか、嫌い。
ありがとう。
ほんとなんだからね。
寧ろ、好きなんて言われたら気色悪いじゃない?
…。
でしょう?
…ふん。
ねぇ。
…何よ。
つか何回目なのよ、それ。
シチュー、やっぱり食べていかない?
食べない。
然う。
…。
じゃあ、ね。
……けど。
…。
雪、あんたのせいで止まないから。
…ふふ、然うだったわね。
おまけにすっごい寒いし。
ええ、寒いわね。
だから?
…。
ん?
シチューぐらいじゃ、わりには合わないって言ってるのよ!
察しなさいよ、このでこっぱちが!
じゃあ、胡麻煎餅でも良いかしら?
煎餅かよ!
口に合わなかったかしら?
…。
母お勧めの一品だったのだけれど。
…ああもう!
なんでもいいから、早くしなさいよ!
…。
お腹、空いてるんだから!
……ふふ。
何よ!
やっぱり面白いわ。
私、貴女が大好き。
だから気持ち悪いっつってんのよ…!!!
うーん、良い匂いー。
こら、行儀が悪いわよ。
だって美味しそうなんだものー。
こら。
へへ、やっぱり寒い日はシチューだよねぇ。
それも蓉子お手製の!
人参、ちゃんと食べてね。
玉葱は形が残って無いから大丈夫でしょうけど。
…。
聖が言ったから作ったのだから、残さず食べてよね。
…はーーい。
宜しい。
どうかしら?
ただのシチュー。
カレーになったら面白かったかしら。
米にはカレーでしょ。
シチュー、ごはんでも合うと思うけれど。
…ふん。
令の方が美味しい?
聞くだけ無駄だと思うけど。
ふふ、然うね。
黄薔薇贔屓…と言うか、ごめんなさい。
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