−祭りの後。(聖蓉+黄薔薇姉妹)
やれやれ、終わった終わった。 しっかし、男のノリっていつもあんなんなのかね?
「お祭」、だからじゃないのかしら?
蓉子んトコはどうだった?
私の?
小学校。
…あのね、比べるのが間違ってない?
そうなの?
小学生と高校生じゃ、違うのではなくて?
大して変わらないと思うけどなー。
どうしてそう思うの?
ほれ、男は幾つになっても子供…悪く言えばガキって聞くじゃない?
…確かに聞いたことはあるけれど。 全ての男性に当て嵌まるとは言えないでしょう?
そっかな。
大体、私達だって未だ子供でしょ。
…。
何よ。
そう言えばそうだった。
はぁ?
だって紅薔薇さまを見てるとね、子供って感じがしないんだよね。
…それは老けてると言いたいのかしら、白薔薇さま。
違う違う。 ほれ、佇まいとかが落ち着いちゃってるとでも言うのかな。
…要は老けてると。
違うって。 もう、やだなぁ。
失礼な人。
誤解しないでって。
良いわよ、どうせ私は貴女より“年上”だし。
うん、そだね。
……。
拗ねちゃった?
もう、うるさいから。
そんな蓉子はかわいいと思う。
……。
結構、はしゃいだりするし。
…もう、本当に良いから。
今度は照れた?
うるさい。 さっさと帰るわよ。
ししし。
…。
ねぇ、紅薔薇さま。
今度は何?
好みの男、居た?
…は?
好みの男。
……。
ん?
聞いてどうするの?
あ、いたんだ?
いません。 これで良い?
本当にー?
いないわよ。
あ、若しかしてもう付き合ってる人がいるとかいないとか。
……。
…って、思い切り眉間に皺。
付き合ってる人なんていません。 ごめんなさいね、詰まらない人間で。
つまらないって。 私はただ、紅薔薇さまの好みってどんなんかなぁと思っただけで…。
貴女みたいな人。
……は?
じゃない人。
……ああ。 なるほど、そう来ましたか…。
もう良いでしょう。
……ちぇー。
……。
ねぇー、令。
はい、お姉さま。
アレの気になる人って誰だと思うー?
…アレ?
そう、アレ。
……白薔薇さま?
あんなに露骨なのに。 当人だと分からないものよねぇ。
……え、えーと。
…でもまぁ、あれだね。
…今度は何。
野郎くさいのはやっぱり、無理。
………。
女の子の方が良いな、私は。
…。
男くさいのは…好きになれない。
そう。
あれ、今のところは突っ込むどころじゃないのー?
好みだから。
…。
ただの。
…好み、ね。
で、蓉子は?
私?
男くさいの、好き?
……返答に困るわね。
苦手?
地響きのような声。
ん?
は苦手、かも。
そう? 平然としていたじゃない。 そういや、「女だ!」って声も聞こえたっけ。
見た目はね。
じゃあ心の中では?
…少し、ひいてた。
男子校だから、とは思ってはいたけれど。
…。
何。
んーん。
…て、何よ、その顔。
何でもないよ。
…ニヤニヤして。
いや、やっぱり女の子の方が良いなと思って。 どうせなら黄色い声の方が未だマシだな。
…何となく、貴女が言うと問題発言っぽく聞こえるのは何故かしら。
ひどい。
ただの好みって言ったじゃん。
だって本当の事だもの。
…。
…ん?
……んー。
一寸、何よ。
蓉子の匂いって好き。
………。
しし。
セクハラ。
えー。
通報されてもおかしくないわ。
そこまで?
ええ、そこまで。
日頃、思ってる事を素直に言っただけなのに。
思わなくて良いから…と言うか、日頃って何よ。
うん、日頃から思ってるよ。
良い匂いだな、て。
…ッ!
紅薔薇さまは良い匂い。
ば、ばかでしょう…!!
ねぇー、令。
…はい、お姉さま。
どうなのかしらねー、アレ。
…どうなのかしらね、と言われましても。
令って乙女ちっくな小説、好きじゃない?
え?
ああいうパターンはどうなの?やっぱり普通にハッピーエンド?
……まぁ、そうですね。
それは予定調和過ぎて面白く無いわねー。
……ハッピーエンドにこした事は無いと思いますけど。
もっとこう、血沸き肉踊る展開が…!
…それはどうかと思います、お姉さま。
−Pollyanna(音楽聖蓉・アコギ)
聖の音、好きだわ。
うん?
音。
そう?
ええ、好き。
家に転がっていたのを見つけて、何となくかじっただけなんだけどな。
聞いた。 でも好きなの。
そう?
二回目。
じゃ、いっか。
ええ、いいの。
…。
でも久しぶりね。
なんとなく、そんな気になったから。
そんな気になるの、もう少しだけ多くなって欲しいと思うのは私の我侭なんでしょうね。
…。
好きなの。
…努力はしてみるよ。
努力は要らないわよ。
…え、と?
だって努力するものじゃないわ。
…そんなもん?
あくまでも貴女がそんな気になった時で良いの。
…ふぅん。 ま、蓉子が然う言うなら今までどーりで。
はい。
……。
うん?
…いや。
こんなもんで蓉子さんに好きって言われるなんて分からないもんだな、て。
そんなものなんじゃない?
そんなものかなぁ。
ええ、そんなものよ。
じゃ、いっか。
ええ、良いのよ。 続き、する?
うん、未だそんな気分だから。
じゃあ、隣にいるわね?
うん、いて。 是非。
……。
でも改められると緊張するなぁ。
ふふ。
間違えそうだよ。
良いわよ。
と、言うと?
だって曲、分からないもの。
なるほど。 でも蓉子さん、何気に絶対音感持ってるからなぁ。
ねぇ?
色も見えるんだっけ?
ぼんやりと、だけど。
私の音は何色?
…。
あんまり良くない色?
優しい色。
……。
じゃ、だめ?
…なんかはぐらかされた?
いいえ?
…。
淡くて、優しい色。
……。
気に入らない? 私は好きなんだけれど。
…蓉子が好きなら良いや。
ふふ。
−どうぞ(音楽聖蓉)
雨は降る。 止む事はなく。 この雨は降り続くだろう。
…聖?
……。
聖…!!
……だれ。
何をしているのよ…!
……ああ。
こんなところで…! 傘もささないで…!
ようこ…か。
…!
ねぇ、蓉子…。
兎に角、濡れないところへ。
どうして、雨は降っているのかな。
聖、早く。
どうして、降り続くのかな…。
お願いだから、聖。
どうして…止まないのかな。
こんなに冷たくなって。 幾ら梅雨と言っても、今日は肌寒いくらいなのに。
……どうして、なのかな。
聖。
………。
とりあえず、タオル。 自分で拭ける?
…。
今日の体育、プールの予定だったの。 でもこんな天気だから…。
…。
朝は晴れていたのにね?
…。
…空、明るくなってきたから。
止むかと思ってたけど…なかなか止まないわね。
…。
…聖、ちゃんと拭いて。
……蓉子。
風邪、ひきたくないでしょう?
…。
……。
…。
…はぁ。 仕方、ないわね…。
…?
何を思っていたのか…私には分からない、けれど。
…。
貴女に風邪をひかれたら、困るのよ。
…どうして?
生徒会の仕事に影響が出るから。
…。
と言っても。 貴女は気分屋だから、あまり、あてにはならないのだけど。
…。
でも。 居ないより、居る方がずっと良いから。
…別に良いんじゃない。
…。
私なんか、居なくても。
聖。
……。
雨、今日は止まないかもしれないわね。
……そうだね。
傘、持ってきてる? ああ、貴女の事だから持ってきてなさそうね。
…。
ま、ここまで濡れてしまっていたら傘なんて役に立たないかも知れないけれど?
……。
私のを貸してあげる。 二本、持っているから。
……。
折りたたみ。 大きな傘を持ってきても、いつも鞄の中に入れてあるから。
……。
けど、その姿じゃバスに乗れないかしらね。 電車にも。
……蓉子。
と言っても着替えなんてないし。 やっぱり乾かさないと駄目かしら。
…。
そうなると一回、薔薇の館に…。
蓉子。
え…。
……。
…。
……いや?
…なぜ?
濡れるから。
…だとしたら。 咄嗟に、引き剥がしていると思うわ。
……。
……聖。
雨は……何かを流してなんかくれない。 何も、流さない。
…。
…ずっと、降り続いても。
……。
ずっと、ずっと、降っているのに。
……ええ。
……。
聖、薔薇の館に行きましょう。 温かいものを淹れてあげる。
…。
それから…。
…。
…私も一緒に濡れてあげる。
……。
断っても無駄よ。 私は“お節介”なのだから。
……ふ。
さぁ、髪の毛は拭けた。 これで頭から水が滴って“目に入る”事は無いわ。
…。
ありがとう、は?
…ありが?
拭いてあげたのだから。
…。
仮令、お貴女が節介で迷惑だと感じていたとしても。 言うだけなら、簡単でしょう?
…なるほど。
ね?
ありがとう、蓉子。
どういたしまして。 さ、薔薇の館に行くわよ。 身体を温めて、且つ、制服も乾かさないと。
乾いてもにおいは残っちゃうかな…。
そこは自己責任。
…はーい。
じゃ、行きましょうか。
ねぇ、蓉子。
うん?
この雨は屹度、止まないよ。
…そうね。
それから蓉子は嘘吐きだ。
はぁ?
分からない、なんて。 私のことなら何だって分かっているくせに。
何だって、ですって?
そう、何だって。
分からないわよ。 分かる筈、無いでしょう。
嘘吐き。
何でよ。
蓉子。
あ…。
……うそつき。
………。
ふふ。
…心配なんかして、いつも損するのは私なのよ。
ごめんね?
ばか。
は、風邪、ひかないのよ。
夏のは莫迦がひくのよ。
あら?
ひいたって、知らないんだから。
そう?
そうよ。
じゃ、蓉子もばかだね。
はぁ?!
だって今のでうつったもの。
……。
それでも、知らない?
知らないわよ、ばか。
…ふふ。
…全く。 ほら聖、行くわよ。
うん。
…たく。
蓉子。
何よ。
外の雨、なんとなく止みそうだよ。
え?
ほら。
……うそつき。
ははは。
雨は降る。 止む事は無く。 この雨は降り続くだろう。 降り続くだろう。
止む事は無い。
−Estoy llamándote.(聖蓉)
ねぇ、蓉子。
…うん?
やっぱ何でもない。
なに?
何でもないよー。
…なら、呼ばないで頂戴。
だって呼びたかったんだもん。
…。
ねえ、蓉子さん。
…返事、しないわよ。
それだとしてるも同然、かな。
…。
蓉子。
…。
水野、蓉子。
…。
芙蓉の蓉、子供の子で、蓉子。
…。
芙蓉はお花。 扶養家族の、じゃない。
…。
蓉子、蓉子。
ええい、鬱陶しい。
あ、反応した。
もう、なんなのよ。
ううん、何でもないよ。
何でもなくないわよ。 人の名前、連呼して。
だって好きなんだもん。
…。
蓉子の名前。 今時じゃあ名前に子が付く子って少ないどころか、ほっとんどいないよね。
…だから、何よ。
別になんでもないよ? でも勿体無いかなぁ、て。
……。
蓉子、蓉子さん。
…聖。
あ、やっと呼んでくれた。
……呼ばれたかったの?
うん、それもある。
…それからただ、呼びたかったのね?
うん。
聖。
あい。
鬱陶しい、から。
じゃ、気にしないで?
気にしなかったら不貞腐れるくせに良く言うわよ。
流石、分かってる。
何がしたいの?
したい、のかな。
…。
でも今はこのままでも良いかな。
…良いとは思えないんだけど。
良いよ。 今は蓉子の用事が優先。 それ、あともう少しなんでしょ?
そのわりには邪魔してるのよ。
してるつもりは無いんだけどな。
兎に角、むやみやたらに呼ばないで。
気になっちゃうから?
そうよ。
お…。
いちいち貴女に呼ばれたら。 集中、出来ない。
…よ、蓉子。
言っておくけれど。 私も好きなのよ。
な、何が…?
貴女に名前を呼ばれる事…。
ん…ッ?
……。
……び、びっくりした。
なら、成功。
あ、や、てかさ?
少し、黙らせようかと思って。
……。
ん?
…いや、寧ろ逆効果だと思いますケド。
でも、これでもう暫くは呼ばないでしょう?
…なんでそう思うのかな?
何となく?
……。
真っ赤。
……くそう。
ふふ。
あのね、蓉子。
だめ。
……。
貴女が大人しくしててくれればそれだけ早く終わるのだから。
…。
良い子にしててね? 聖。
……うー。
こら。
よーこー…。
はいはい、良い子良い子。
うーーー…。
−いざ。(俺屍・生き残り版)
…。
いよいよ、ね。
…ええ。
覚悟。 どうかしら?
今更、よ。
ま、然うね。
しかしこっからじゃ奥が見えないね、ここ。
地獄への入り口だもの。
いっぱい居るんだろうなぁ、鬼共。
あら、天狗面でも怖気付くものなのね。
でこちんと違って繊細だからな、私は。
ただ小難しいだけよ、あんたは。 ねぇ、蓉子。
…。
蓉子。
…何の話?
貴女の良い人についての話。
……。
蓉子。
…うん?
怖い? 手、繋ぐ?
…いいえ、大丈夫よ。
やっぱ止めとく?
止めない。 私は行くわ。
うん、分かった。 じゃあ、私も行こう。
ここまで来て蓉子を置いて帰ったら。 最低どころの話じゃないわね。
でこちんは寧ろ、帰って良いぞ。 お前なんか居なくたって平気だからな。
蓉子はどうかしら?
…え?
私が居なくても平気?
…戦力的には居ないと厳しいと思うわ。
戦力的、だけ?
……。
何、この意味深な間は。
鈍いわねぇ。 この間が全てを表しているんじゃないの。
はぁ?
頼りにされてるわねぇ、私。
自惚れんな、でこちん。
自惚れてるのはあんたも一緒でしょ、天狗面。
私は自惚れだけじゃないもんね。
それを自惚れと言うのよ。
は、悔しかったら蓉子と
あら、良いの?
…あ?
ならば、善は急げ。 家に帰ったら
させるわけ無いだろ。 莫迦か、でこちん。
蓉子の意思も尊重しないと。
蓉子だってお前なんかに許すわけ無いだろ。
そんなの、やってみなきゃ分からないわよ。
ふざけんな、でこちん。
私は真面目だけれど?
絶対駄目だからな。
言ったのはあんたよ? 悔しかったら、と。
それは言葉のあやだっつーの。
あやでも何でも言ったのは事実。 ならば期待に応えてあげないと、ねぇ。
誰も期待なんかしてねぇっつー
聖。
へ?
全てを終わらせたら、家に帰りましょう。 一緒に。
…勿論。
江利子。
はい。
貴女も。 帰るわよ、一緒に。
了解。
家には私達の帰りを待っている人達が居る。 帰らないわけにはいかないから。
うん。
帰ったら。 私は蓉子と
埋めるぞ、でこちん。
あら、やってみる?
聖、江利子。
だってこのでこちんが
ねぇ、蓉子。 帰ったらたまには私と
うるせぇぞ、でこち
ふふ。
……え、と。
…ふむ。
蓉子…?
だめ?
むしろ、嬉しいですけど。
なら、今だけ。
…うん。
…。
子供の頃以来。
…醤を買いに行く時のようね、まるで。
お前、手ぇ放せよ。
あんたこそ。
私は良いんだ。 お前はだめだ。
は。
この
聖。
……。
少しは緊張感を持って。
けどでこちんが
聖?
…へぇい。
で、蓉子。 このまま行くの?
まさか。
よね。
……蓉子。
ん…あ。
…約束の印。 絶対に一緒に帰ろう。
……まったく。
じゃあ、私も。
蓉子は私の人。 だからお前は出来ない。
…。
させない。
…なんか行き成り、無駄に余裕になったわね。
さぁ、行こうか。 蓉子。
……ええ。
…全く。
私はどこまでも、なのよね。
ま、良いけれど。
−ゼノだも!(プレイングゼノブレイド)
聖、私引っ越したい。
え?
引っ越したいの。
や、と言うかだよ? いきなり、なに?
だから、引越し。
…なんで、また?
私一人でも良いわ。
ちょ! 何を言い出すのかな、蓉子さん!
だって聖が煮え切らないんだもの。
煮え切るも切らないも、いきなり言われて「はいそーですか、そーしましょう」とは言えないでしょや!
…聖はいつも私にはそうさせるくせに。
いやいや、時と場合だって。
……ベッドの中に連れ込むくせに。
あ、いや、だからですね?
……。
あ、あー。 てか、何処に行きたいのさ。
…。
行き先も分からないで同意は出来ないですよ、蓉子さん。 引越しはベッドの中でのコトとは違うんだから。
……村。
え、なに?
…サイハテ村。
………はい。
ノポン族に囲まれて暮らすの。
………。
きっと、すごく楽しいわ。
…いやいやいや。 とりあえず目を覚まそうか、蓉子。
目は覚めてるわ。
サイハテ村は現実には無いから。
だから、若しも引っ越せたらの話をしてるんじゃない。
いや、そんな目じゃなかった。 マジだった。
もう、聖は。 話が分からない人ね。
いやと言うか、目を覚まして、蓉子。
ホムホムのヨウコ、って言えば良いのかしらねぇ。 自己紹介は。
よーこー! しっかりしてーー!!
抱っこし放題だったら良いな…。
よーこーーーー!!
戻ってきてーーーー!!!
…。
あ、あの、蓉子?
……丸くてころころしているの、抱っこしたかったの。
そ、そうだよね。 蓉子の気持ち、ちゃんと分かってるよ。
……抱っこ出来なくても、撫でたかったの。
う、うん。
……。
でもほら、蓉子は高いところ、苦手だし…。 どちらかと言うと虫も…
……。
あ、いや…。
……聖。
な、なにかな…?
…。
わ、わ…。
…聖ぃ。
……よしよし。
…。
丸くてころころはしていないけど。 私で良ければいっぱい抱っこして良いから。 ね?
……せーいー。
なんなら語尾に「も」ってつけるし。
…それはいい。
あ、はい…ですよね。
……。
よっこ…?
……して。
え?
…ぎゅって、して。
…! はい、喜んで!
……。
蓉子…。
……ころころ、抱っこしたかったの。
…。
…したかった、の。
…はいはい。 どうか、聖さんで我慢してくださいな…。
…。
…。
……聖。
はい、何でしょうか…。
…聖の感触、好きよ。
…。
好き…。
…蓉子!
あ…。
私も好きだから! 寧ろ、大好きだから…!
……。
ずっと、抱っこしてたいくらいだから…!!
…。
よーこ。
…。
よーこさん。
…。
こっち向いて、よーこ。
…。
え、えと。 ご機嫌、なおして…?
…知らない。
ごめん、今回はごめん。 ほら、このとおり…ね?
…ばか、知らない。
そう言わずに…ごめんなさい。
……。
あー…。
……ばか聖。
そ、そうですね…。
……。
で、でもね? 最初はこんなつもりじゃなかったんだ。 本当だよ。
…しんじられない。
ま、まぁ、このザマじゃしょうがないよね…。
…すぐに調子に乗って。
う、うん…。
…ばか聖。
……はい。
…しばらく、だめなんだから。
……あぁぁ。
……。
せ、せめて、キスだけは…。
だめ。
じゃ、じゃあハグは…。
おしたおすでしょ、そのまま。
あ、いや、そんなことは…。
あるでしょ。 さっき、みたいに。
……ごめん、ごめんなさい。 機嫌、なおして。
……。
よーこぉ…。
……しらない。
そんなこと、言わないでよぅ…。
…。
暫く、蓉子に触れないなんて。 死んじゃうよぉ。
…しなないわよ、それくらいで。
いや、そんなコト無い。
……。
蓉子分が枯渇したら。 ああ、考えただけでもう駄目だ…。
…おおげさ。
本気だよ、私は。
……。
蓉子。
…。
ごめん。 押し倒して、ごめん。
…それ、心から言ってる?
言ってる。
…なんとでも、いえるものね。
蓉子。
……。
……許して、許してください。
……。
蓉子…。
……。
……やっぱり、だめ?
…聖。
は、はい…。
ばか。
……はい。
助平。
…全く持ってそのとおりです。
……。
お……む。
…。
にぇぇ……。
今度、同じことがあったら。 私が良いって言うまで、触らせないんだから。
ひゃ、ひゃい…。
絶対、なんだからね。
ひゃい。
本当なんだから。
ひゃい。
……約束、なんだから。
蓉子…!
…あ。
…えへへ、大好き。
言ったそばから…!
しないよ。 今回は。
…そんなの、分からないわ。
本当だって。
本当に?
本当の本当だよ。
…。
蓉子。
…ばか。
うん。
……。
へへ。
−Lovely Strains(放浪記)
どれくらいあったかしらね。
…。
主語が無いと分からないかしら?
…時間の差、でしょうか。
知ってる?
半日以上はあったと思います。
あっちの方が遅いのしら?
確か、そうです。
じゃあ今頃あっちは朝方くらいね。
…然うですね。
調べたの?
…。
わざわざ。
…はい、と答えたら。
貴女はどう思うのですか?
別に、何も。
そのわりにはお気になさるのですね。
ん?
こちらとの差を。
…。
ふと、思っただけなのかも知れませんが。
親友、だから。
…。
それとも親友を思うのは私には似合わないかしらね。
…いいえ。
申し訳ございませんでした。
どうして?
…。
貴女も言ったでしょう?
…。
ふと思っただけ。
なんとなく、ね。
…。
帰ってくるのか。
それとも。
…分かりません。
手紙は?
来ません。
少なくとも私には。
そう。
…届いていますか?
今の所は。
…。
莫迦からは最初から期待してない、し、別に要らない。
どうせ、目の前に広がった世界にでも心を持っていかれてそのままなのだろうから。
…それか。
うん?
縛られる事の無い世界に。
…。
…けれど。
逃げ出したわけではない、のなら。
…。
そこら辺は当事者同士でないと分からない事だわね。
いい加減、煮え切らなかったのは事実だから。
…もうお一方からは届きましたか?
今の所、は。
…。
意外?
案外、然うでもないわよ。
…几帳面な方だと。
然うよ、莫迦が付くくらいの几帳面。
だけど。
…。
やっぱり、莫迦と付き合いのには莫迦じゃないと駄目って事なのかしらね。
…親友をそんなに悪く言って良いのですか。
親友だから、言えるのよ。
寧ろ、褒めてるつもり。
…。
特に。
追いかけて行った方の莫迦。
…。
ちゃんと勉強していくところがらしいのよね。
これが私の孫だったらそのまま突っ走って行くところだわ。
猪、だから。
…。
気に障ったかしら?
…いえ。
薄情?
心から悪く言っているわけでは無いので。
…。
ただ、そういう話し方なだけです。
貴女は。
…ふぅん。
基本的に意地が悪い。
なんだ。
結局、悪いんじゃない。
…可笑しいですか?
ええ、可笑しい。
貴女も言うようになった。
…影響、だと思います。
誰の。
黄色い薔薇の。
さて、今までに然う呼ばれた人は何人くらい居たのかしら。
私が本名を知っているのは数人だけですが。
私の姉なんかは知らなそうよね。
はい。
聞きたい?
いいえ。
そ。
なら、話さない。
…本当はご存知だったのでしょうね。
んー?
向こうとの差を。
知らないわよ。
私もそこまで暇じゃないから。
…。
別に貴女が暇だと言いたい訳では無いけれど。
仰っています。
それでは然う言う事にしておきましょう。
…。
何でしょうか。
今日は?
…。
作るつもり、ないけれど。
栄養のバランス、崩れますよ。
私のお姉さまのように。
一緒にされるのは面白くないわね。
類は友を呼ぶと言いますので。
…。
何かありますか。
あるのならば
ねぇ。
はい。
私、作り手にもよるけれど、和食が一番なのよね。
なんだかんだ言っても。
ええ、そうですね。
お姉さまも然うでしたから。
…。
特に
あっちじゃなかなか叶わないでしょうけど。
いいえ、何とかすると思いますよ。
あの方なら。
…。
然うは思いませんか。
さぁ、どうかしらね。
本当に意地悪ですね。
それから素直じゃありません。
ありがとう。
恐れ入ります。
…。
……では。
向こうの空、は。
…。
曰く、こちらと続いているそうよ。
…同じ星ですから。
いっそ、他の星だったら面白かったかしら。
若しも叶うのであれば。
真っ先に貴女が居なくなってそうですが。
あら、それはどうして?
ご自分で仰ったとおりです。
…ん?
面白かったかしら、と。
……ふ。
有り合わせで構いませんか。
ええ、構わないわ。
はい、分かりました。
聖蓉、時々思いついたように、誰かと誰か。
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