−平凡で、けれど愛しい一日の終わりに。(俺屍版聖蓉)





   はぁ…。


   ……。


   ……。


   ……せい。


   …ん。


   せい…。


   ……あぁ。




   彼女の躰に寄り添って。
   其の腕を枕にして、彼女の音を聞く時間。




   ふあぁ…。


   ……ねむい?


   …きょうは、なんだかつかれた。


   …めずらしい。


   いや、これはつかれないんだけどね?


   ……うそばっかり。


   ほんとだって。


   ……じゃあ、そういうことにしてあげる。


   ほんとうなのに、なぁ。


   …きょうはしつこくなかったもの。


   いつもはしつこいみたいだねぇ…。


   …ええ、そうだけど?




   二人の素肌。
   邪魔するものは何も無くて、まるで吸い付くようにして触れ合っている。




   …ま、たまにはね。
   いつもだとよーこ、つかれちゃうでしょや?


   …はいはい、そうね。


   ……ちぇ。


   せい。


   …んー?


   ……ふふ。


   よーこ?


   ……きもちいい。


   ……。


   …わたし。
   こうしてるの、すき。


   してるときより?


   …ふれあってるだけでも、きもちいいのよ。


   ふぅん……あ、そっか。


   うん…?


   あいしょうがいいもんね。
   からだ、の。


   …もう。


   …ふぁ。


   ……。


   あー…だめだ…。


   …また、あした。
   ね…?


   …の、まえに。


   ……うん。




   唇を重ねるのではなくて、じゃれ合うように、触れ合って。
   そっと、そっと。




   ……おやすみ、よーこ。


   おやすみなさい…せい。




   温もりに全てを許して、目を瞑る。
   彼女の音を聞きながら、眠りに落ちていく。





   …明日、死んでしまうかも知れないけれど。
   だけどどうか、明日も、貴女が笑ってますように。








  −アフターベイビーリーフ(初々聖蓉+江利子)





   江利子、遅れてごめんなさい。


   珍しいわね。
   蓉子が遅れてくるなんて。


   まぁ…ね。


   で?


   …何よ。


   まぁ、あんたが遅れてくるのはいつものコトだから別に良いけれど。


   じゃあ、見ないでよ。


   私が貴女を見たのは遅刻を責める為では無いわよ。


   …。


   二人揃って来るなんて。
   まるで示し合わせたみたいね?


   そ、そういうつもりじゃないのだけど。


   そうなの、聖?


   …知ってて言ってるでしょう。


   さて、私が何を知っているのかしら。


   …。


   まぁ、私が知っていると言えば貴女達が付き合ってるぐらいね。


   …十分だよ。


   ねぇ、蓉子。


   な、何かしら…?


   どうしてそんなにそわそわしているの?


   べ、別に、してないわよ?


   ああ、お泊りだった?


   あ、いや…。


   ……。


   聖、そっちに面白いものでもあるのかしら?


   …別に無いわよ。


   日にち、ずらせば良かったかしらね?


   え、ど、どうして…?


   だって、ねぇ?


   ……こっち見るな、でこちん。


   聖、鼻が赤いようだけどどうかした?


   え、嘘…。


   ええ、嘘。


   ……。


   ふむ、これはおめでとうと言うべきかしら。


   な、何を言っているの…?


   さぁ、何でしょう?


   ……。


   ……絶対、楽しんでやがる。


   ええ、楽しいわよ。


   …。


   良かったわね、聖。
   念願が叶って。


   ……ほっとけ。


   そ、それより江利子!


   ん?


   え、江利子の方こそ山辺さんとどうなの…?


   さぁ、どうなのかしらね。
   どうであって欲しい?


   そ、そんな事聞かれても…。


   貴女達のようである事を期待する?


   わ、私達のようって……。


   …ふふ。


   ……あ。


   おめでとう?
   蓉子。


   ……。


   …最悪、だ。








  −Albedo・
Rubedo(聖蓉)





   蓉子。


   …。


   ねぇ、蓉子ってば。


   …。




   なんでか、ずっと不機嫌なままの蓉子。
   蓉子用の座布団に座ったまま、動かない。




   そろそろ、寝ませんか。


   …。


   あ、そうだ。
   今日ね、蓉子がそれはもう久しぶりに来るから張り切って朝からお布団、干したんだ。
   だからふっくらで気持ちいいハズ!


   …。


   て、取り込んでいるところ見てるから、知ってるか。
   へへ。


   …。




   やっぱり、返事は無し。
   そっぽ向いたまま、口も利いてくれなきゃ、目も合わせてくれない。




   ね、蓉子。
   気持ち良いよ、一緒に寝よう?


   …。


   ぶっちゃけちゃうとね。
   私、朝からもう、そればかり頭の中にあって…ね。


   …。


   え、えと。
   いつか、干した布団は太陽の匂いがするって笑って話してくれたでしょう?
   ちゃんと覚えてたんだよ。


   …。


   だけどね、なんか負けたとも思ったんだ。
   あの時。


   …。


   だってさ、私は蓉子の匂いが一番好きなのに。
   蓉子は太陽の匂いの方が好きって感じだったんだもん。


   …。




   ……どこまでも、返事無し。無視。
   ここまで無視され続けると…苛々するのを通り越して、悲しくなってくる。
   ああ、本気で涙が出てきそう…。




   …蓉子。


   …。


   蓉子。


   …。


   蓉子…ッ!


   …。




   居ても経っても居られなくなった。
   蓉子が不機嫌な理由が分からない、分からないよ、蓉子。




   どうして、黙ってるの。


   …。


   どうして目を逸らすの。


   …。


   ねぇ、どうしてよ…ッ!


   …。




   思い切り、手首を掴む。
   言葉が届かない、どんな事を言っても。
   他に何て言えば良い、それとも放っておいてさっさと一人で寝てしまう?
   そんなの、嫌だ。
   いやだ、いやだよ、蓉子。




   蓉子!


   …。




   他の方法が思いつかない。
   うまく立ち回れない。
   蓉子の事となると…蓉子が私を見てくれないと。
   だから。




   蓉子…ッ


   …痛いわ。




   やっと漏らした言葉。
   低くて、冷たくて。
   いつもあったかい蓉子、どんなに厳しい事を言っていても。
   そんな蓉子が好き、大好き。
   なのに。




   なんでさっきから何も


   離して。


   …ッ


   もう一度、言うわ。
   離して。


   ……蓉子ぉッ




   何かが弾けた。
   理性か。
   それとも…本能、か。
   どちらにせよ、今の私には“私”を止める事は出来ない。
   そんな術、知らない。




   蓉子…蓉子…。


   …止めて。


   なんでさ…ッ


   止めて、止めなさい。


   知ってるくせに…ッ


   …。


   私がどれだけ…蓉子が来るのをどれだけ楽しみにしているのか、知ってるクセに!!


   …ええ、知っているわ。




   蓉子を包む、邪魔な布を毟り取る。
   勢いでボタンが弾け飛ぶ。
   裂ける音もした。
   だけど、それだけの事。




   …はぁ。


   …止めて、聖。


   いやだ…ッ


   …。


   蓉子、蓉子が欲しいよ…。


   …いつもしているクセに。




   白い首に歯を立てる。
   柔らかな乳房を握り締める。
   愛撫とは呼ぶには、程遠い。
   ああ。
   このまま食いちぎってしまおうか。
   このまま握り潰してしまうか。




   はぁ…はぁ…っ


   …。


   ようこ…よう…


   止めなさい。


   …。


   止めて、聖。




   蓉子の躰に、匂いに夢中になっていく。
   貪る事しか、蓉子の中に入るコトしか、頭の中には無くて。
   だからか、捕らえていた手首はあっけなく振り解かれた。
   自由になったその手は背中に回されずに、空いていた手と一緒に私の頭を掴み。
   一気に、首筋から引き離す。
   そして。




   バシン…ッ!




   頬を、思い切り、打たれた。




   …。


   …聖。


   ……なん、で。


   …。


   なんで、なんで…ッ




   拒絶。
   私が何よりも恐れているもの。
   どんなものよりも、怖くて。




   ねぇ、なんで…なんでなの…ッ


   …。


   なんで…なん、でぇ…。


   …このまま。


   …。


   このまま、抱かれるわけにはいかない。




   気付けば、蓉子の目が私を捉えていた。
   強い光。
   私の嫌いな…蓉子の強さ。
   どんな蓉子でも愛せる、愛せる筈だった。
   でも、この光は私の弱さを見せ付ける…どうしても、逃げられない、逃げることを許してくれない。




   …。


   …。


   …。


   …。


   …。


   …聖。


   …。


   …。


   ……帰りなよ。


   …。


   嫌なんでしょ。
   じゃあさっさと帰れば良い。


   ……。


   何が気に入らないのか知らないけれど、ずっと黙っててさ。


   …。


   おまけに頬をぶたれてさ。
   すんごい、痛いし。
   最悪。


   …。


   …ああ、そうか。
   終電、もう無いよね。
   でも、知らないよ。


   ……。


   そうなる前に帰らなかった蓉子が悪いんだから。


   …。


   …。


   …。


   ……さぁ。
   早く、消えなよ。


   ……。


   今は…。


   …そうね。


   …。


   帰るわ。


   …。


   歩けない距離でも無いから。


   …。


   貴女の言う通り、さっさと帰れば良かった。
   そうすれば…。


   …。


   …貴女の頬を打たずに済んだのに。


   …。


   それじゃあ。


   ……。


   ……。


   …結局。


   …。


   何も、言わないんだ。


   …。


   まぁ、良いけど。


   ……貴女。


   …。


   楽しそうだったわ。


   …。


   食事をしている間。


   ……当たり前よ。


   …。


   …いつも楽しみにしてて。
   今日は特に久しぶり…本当に、本当に久しぶりだったから…。


   …。


   なのに…。


   ……携帯。


   …?


   ……楽しそうだったわ。


   …は?


   私が、居るのに。


   …。


   私とご飯を食べているのに。


   ……。


   ……。


   ……ノート、借りてて。
   次の授業の時に返すって話しただけ。
   ほんの僅かな時間だった。


   …。


   大した事じゃない。


   …そうね。
   だけど。


   …。


   私の知らない娘
〈コ〉


   …私だって蓉子の大学の友達なんて知らないよ。


   ……ええ、そうね。
   その通りだわ。


   ……。


   ……。


   …その娘は聖にノートを貸せる程に傍にいる。
   以前は私だったのに…。


   …。


   …おかしいわよね。
   今だって傍に居るのに…。


   …。


   …。


   …。


   ……ごめんなさい。
   今日は私、どうかしてる。


   …それで、私は殴られて。


   ごめんなさい、聖。


   ……。


   ……ごめんなさい。


   …。


   ……今日は、もう


   蓉子。


   ……。


   頬、痛いよ。


   ……。


   …責任、取ってよ。


   …だめよ、今夜は取れない。


   …。


   こんな気持ちのままでは…


   …そんなの、知らない。


   ……。


   蓉子。


   …私は貴女を拒んだのよ。
   しかも叩いてしまった。


   だから、責任取ってよ。


   だから…。


   取りなさいよ。


   ……。


   蓉子。


   ……聖。


   …。


   …。








   ……。


   いた…ッ


   …。


   だめ…まだ、だ…あ。
   やだ、やだ…やだぁッ


   ……。


   あ、あ、あ…ッ


   …はぁ。


   つ…ッ!


   …痛い?
   痛いよね。


   せ…い…せいッ!


   …でも、知らないよ。
   もう。


   も、ぅ……?
   いや…ぁ…ッ


   ……いやじゃ、ないでしょ。


   や、いや…あ、あぁッ


   ……もっと、痛がりなよ。
   もっと…


   だ、め……や、せい…せいぃ。


   ……忘れられなくなるくらいにさぁ!


   ひ、あ、あぁ、あぁぁぁぁ…ッ








   …。


   ……。


   …いつまで、そうしてるのさ。


   …。


   かわいそうとでも、思って欲しいの。


   …が、う。


   違わないよ。


   ちがう。


   嫌がる蓉子を私は無理矢理に犯した。


   …。


   痛がってる蓉子に私は…!


   ……。


   …犯罪者にでもしちゃえば良いよ。
   私なんか。


   …どうして。


   ああ、莫迦みたいだ。
   もう、何もかも。


   …どうして、こんな事に。


   一生、蓉子に逢えなくなれば良い。
   私なんか、死んでしまえば良いんだ。


   聖…。


   …そうだよ。
   もう、生きてるのなんて…止めだ。


   ……。


   ねぇ、蓉子。
   殺して良いよ、私なんかさ。


   …いや。


   やり方はなんでも良い。
   蓉子に殺されるんだから、なんでも。


   いやよ、いや…!


   …。


   ただの…そう、やきもちだったのに。
   けれど、私のくだらないやきもちが、貴女を…。


   …。


   ごめんなさい、聖…。


   …。


   死ぬなんて、言わないで…。
   貴女が居ないのは、いや…いやなの。


   じゃあ、一緒に死ねば良い。


   ……。


   そしたら。
   分けていた躰が、心なんてものも、無くなる。
   ずっと一緒になれる。


   ……聖。


   蓉子。


   だめ…だめよ。


   望みが、叶う。


   聖、お願いだから…。


   私の望みが!


   …やめて、やめて。


   ……。


   聖、好きよ…好きだから。


   …だから?
   そんな言葉、思って無くても幾らでも、ん。


   …。


   ………何のつもり。


   好き…だから。


   ひどい事されてるのに?


   …好きよ。


   やきもち一つ、許容出来ないこんな私を?


   好き、好きだから…。


   ……じゃあさ、私のものになれる?


   …。


   なれる、って言いなさい。


   ……る。


   聞こえない。


   …な、る。


   蓉子。


   だってもう、私は…あなたのもの、だから。


   …。


   ……せい。


   ………。


   あなたの、すき…に。


   …。


   あ…。


   …蓉子。


   ……あぁ。




   …こうして。
   私は蓉子を壊し始めた。
   自分のエゴの為に。
   でも、だから何だと言うのだろう。
   涙を流しながら、快楽の底に沈んでいく蓉子を抱きながら。
   言いようのない充足感に満たされていたのも事実だから。



   然う。
   蓉子は私のものだ。
   私だけの。




   だから。








  −結局は蓉子コンプレックス、略してヨウコン。(聖蓉+江利子)





   聖は。
   蓉子の胸と、お尻、どちらがお好み?


   …ぶッ


   …。


   どちらかしら?


   え、江利子、藪から棒に


   どちらも好きですが。


   ちょ…ッ


   強いて言えば?


   選べませんが、何か?


   あ、貴女達…ッ


   蓉子、ほい台布巾。


   え、ああ、ありがと…て、違うッ


   何よ、本当に選べないの?


   それぞれにはそれぞれの良さがありますので。


   と言うかどんな話題なのよそれ…ッ


   んー、暇潰し?


   止めて、本当に止めて…ッ


   でもどちらかと言うと胸の方が好きそうじゃない、貴女。


   そんな事はありませんよ。
   と言うより、少々、私に対して偏見を持ってやしませんかね。


   ええ、持ってるわよ。


   相変わらず、喧嘩を売って下さいますね。


   でも胸、好きでしょう。


   そもそも、そういうのだけで人を見るのは良くないと思うんですよ。
   このでこちんが。


   絶対、コンプレックスを持ってそうよね。
   このアメリカ人は。


   と言うか、いい加減にして頂戴。
   二人とも。


   じゃあ、蓉子は?
   蓉子はこのすけこまし聖のどこら辺が好きなの?


   だ、だから…ッ


   すけこまし、上等。
   比べるなんて事、出来ないね。


   せ、聖も止めてって言ってるでしょう…ッ


   大体、お前に何が分かる。


   さぁ、分からないわねぇ。


   へん。


   あら、感じが悪いわね。


   蓉子の良さは私だけが知ってるんだ、当然だね。


   あ、そ。
   それはごちそうさま。
   で、蓉子は?


   …。


   蓉子は私が好き。
   そんな質問、愚問だね。


   そんなアメリカ人はいつか、軽く痛い目に遭えば面白いのに。
   どうかしら、一つ。


   はっはっは、とりあえずそのでこを殴っても宜しいかしら?
   なぁ、でこちん。


   ……。


   てか私には胸か尻の二者択一ってどういうコトだ。


   だって、ねぇ。
   セクハラ親父だし?


   残念だけど、そんなに単純な人間じゃないんだよ、私は。


   へぇ。
   で、どこら辺が単純じゃないのかしら。


   教えてやる義理は無いな。


   はい、胸が好きと。


   ああ、そうですよ、好きですよ。
   でも尻も好きですよ。
   それがな


   せぇぇーーーいーーーぃぃ!!


   ぎゃ…ッ


   …はぁ、はぁ。


   あらあら、涙目?


   江利子…!!


   良かったわね、蓉子。


   何がよ…ッ!


   聖、本当に貴女の事が好きなようだから。


   好きだからって…ッ!
   大体江利子が…ッ!!


   じゃ、然う言うことだから。


   あ、江利子…!


   蓉子ンのアメリカ人の処理は任せるわ。


   ヨウコンって!
   て、こら江利子、待ちなさい…!!


   ごきげんよーう。


   江利子ぉ…!!








  −聖剣伝説4(ゲームde聖蓉)





   は?
   一寸、待ってよ。


   …。


   蓉子、今度は何だって言った?


   …聖剣伝説4。


   俺の屍を越えてゆけ、サンサーラナーガ、に続いて?!


   …ええ、残念ながら。


   と言うかさ、どうしてそんなにマイナー臭いのばっかりなの?
   もっとあんじゃん、メジャーどころがさ?


   …そんな事言ったら某大作の3とか言い出しかねないわよ。
   それはそれで記憶に頼ったものになるからひどいコトになると思うわ。


   ……確かに。


   大体、このタイトルはそれなりにメジャーなのよ。
   ただ、4がアレなだけで。


   アレ、ねぇ…。
   確かに発売して一ヶ月経たずして値段が凄いことになったらしいよねぇ…。


   …本当に、ね。


   で、今度はどうするの?
   聖剣4版?それとも進行状況?


   …いや、そんな事をするつもりは無いらしいわよ。


   …は?


   まぁ、ストーリーがあまりにも憂鬱展開だから…ね。


   憂鬱?


   …これ。


   どれどれ………んー。


   …。


   …………んんー。


   …。


   …………んー…。


   ……ね?


   ………何と言うか。


   ん?


   色々、あるよね、人生は。


   ……。


   しかし、だ。


   …うん。


   どうせだから、蓉子はフィーなんてやってみませんか。


   ……はい?


   で、私はエルディ。


   …一寸待って。
   リチアはどうするの。


   うーん……江利子は違うよなぁ、完全に。


   それを言うのなら私も合わないわよ、どう考えても。


   そんな事はないですよ!


   …。


   だって見たいじゃん、妖精な蓉子。
   しかも幼女!


   ……。


   おまけに途中で少女に華麗に成長。
   良いよねぇ。


   ……貴女はやっぱり、そんな趣味の持ち主だったのね。


   安心して、蓉子限定だから。


   嬉しくない。


   え、でも、他の人の幼女姿に興味があったらそれはそれで嫌でしょ?


   と言うか、犯罪だから!
   それ!


   蓉子サンの子供の頃は素晴らしいくらいに可愛いですから。


   ……変態。


   でも蓉子だって、私の小さい頃の写真見てかわいいって言ってたじゃん。


   それぐらいは普通でしょう!


   じゃ、私だって普通だよ。


   貴女が言うと普通の嗜好に聞こえないのよ!


   えぇ、それってひどくない?


   そもそも表情が悪い。


   表情?


   にやにやして。


   そんな事言われてもなぁ。
   意識してやってるわけじゃないもんなぁ。


   …。


   そんなわけで蓉子は妖精フィーの役ね?


   役ね、て。
   それって結局聖剣4版を始めるって事なの。
   そんなの嫌よ。


   エルとフィーはいつでも一緒。
   屹度、寝るときも。


   ……。


   て、事で。
   寝るときは一緒一緒。


   ……莫迦?


   いっそ、闇に染まったリチアは放っておいて。
   二人で暮らせば良いんだよね!


   そしたらお話にならないじゃないの!
   大体、この話のヒロインはリチアよ?!


   でもさぁ、話が進めば進むほど、リチアよりフィーの方がよりヒロインっぽくなってると思うんだよねぇ。
   身を挺してエルを守ってたりもするし。


   だってこんなところでエルが死んでしまったらお話が終わっちゃうじゃない。
   お話の半分よ、ここ。


   それは身も蓋もありませんよ、蓉子さん。
   せめてフィーはエルのことが好き、て言っておかないと。


   …。


   ねぇ、素直になれない蓉子さん?


   …ともあれ。


   ん?


   話はもう、お仕舞い。


   あれ?
   強制終了?


   …全く。
   聖と話しているといつもいっつも、変な方向に行くのよ。


   あれ、蓉子、蓉子さん?


   こんなに悲しいお話なのに。
   台無しじゃないの。


   そう、だから私達はハッピーエンドでいこう!


   …きゃっ


   ね?


   び、吃驚したじゃないの!
   もう!


   へへ、置いてかないで?


   …。


   ね、蓉子?


   …勝手にしなさい。


   うん、勝手にしまっす!


   ………はぁ。








  −聖剣4は兎角操作性が悪い、悪すぎる。(聖と蓉子)





   …あー。


   …。


   …だから、そうじゃなくてだなぁ。


   …。


   うー。


   …。


   …だから、ああもう!


   …。


   …や、だからだなぁッ。


   …。


   ……ッ


   …。


   だぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!


   ……一寸聖。


   ごめん蓉子、今話しかけない…あぁ!!


   ……うるさいんだけど。


   あーもう、ちょこまかとぉぉ!


   …。


   てか、パチンコ!
   狙いが、狙いはそこじゃないんだよ…ッ


   …。


   苛々すんなぁ…ッ


   …。


   あぁもう、莫迦じゃないの…ッ


   …。


   ああもう弾が、弾が無いよ…ッ


   …。


   ウィンディーネ、ウィンディーネ…ッ


   …。


   つかMPも無いんだよ、回復も出来ないんだよ…ッ


   …ねぇ、聖。


   ごめん蓉子、今は……あぁぁッ


   …。


   …………あぁぁぁ。


   …もう、良いかしら。


   …………うん。


   さっきからずっと。
   うるさい、のだけど。


   ………ですよね。


   自覚、してたの?


   …一応、は。


   そう。
   じゃ、これからは静かになるのね。


   ……うぅ、私の一時間が。


   ところで。


   あーもう、えらいムカつく…!


   ロックオン機能、ちゃんと使ってる?


   大体、真正面に敵が居るって言うのに何で明後日の方向に撃つのかな…ッ


   だからロックオン機能があるのでしょう?


   あぁもう!
   ムカつく、ムカつくなぁ!


   聖ってば。


   え、ああ、何?


   ロックオン機能。


   ……何の話?


   パチンコ、思ったとおりの方向に撃たないんでしょう?


   そう、そうなんだよ。


   だから前もってロックオンするのよ。


   え、そうなの。


   ええ、そうよ。


   …でも、何で蓉子が知ってるの?


   説明書って何の為にあるか、知ってる?


   ……や、ちゃんと読んでるよ、一応。


   じゃあやり方は知ってるわよね。


   …えーと。
   どこに書いてあるのでしょう。


   ここ。


   …ほー、どれどれ。


   …。


   ふぅん、なるほどね。
   よし、それじゃ何とかなるかな。


   再戦?


   やられたらやり返せ。


   やられる前に、やりなさいよ。


   …それが出来なかったら再戦するんです。


   あまりうるさくしないでね。


   うぃっす。


   …。


   よーし、今度こそボコボコだー!


   …でも。


   いざ!


   実際、ロックオン機能もあまり使えないらしいのだけど…ね。








  −Rising Sun(音楽聖蓉)





   お、珍しい。


   …。


   蓉子が動画サイトを見てるなんて。


   …。


   んー…演奏しているやつか。
   もしや私の影響ってヤツですかね、蓉子さん。


   ……。


   どれどれ。
   …木管三重奏?


   …フルート、クラリネット、バスクラリネット。


   へぇ。
   個人的にはバスクラの音、好きだな。


   …聖は低音が好きよね。


   うん、曲によってはとても心地良いから。


   …。


   で、この曲は?


   …アレンジらしいけど。


   じゃ、原曲は?


   ……昔のゲームらしいけど。


   へぇ。
   これまた、蓉子にしては珍しい系。


   …そう?


   うん。
   ま、好みならばジャンルなんて関係無いけどね。


   …。


   でも何でまた…と、聞くのは野暮だから止めてこうかな。


   ……。


   …うん。


   …なぁに。


   きれいな曲だね。
   隣、良い?


   ……ええ。


   ……。


   …優しいでしょう?


   ……ん。


   ……。


   ……でも、どこか切ない気がするよ。


   ……そうね。


   タイトルは?


   「Rising Sun」。


   ……ふぅん。


   …。


   …?


   ……。


   ……蓉子?


   …ううん、何でもないのよ。


   …。


   ……何故かしら、ね。


   ……琴線に。
   触れたのかもしれない。


   ……うん。


   …。


   …聖。


   ん…。


   ……。


   ……。


   ……。


   ……あったかい。


   ……聖、も。


   知ってる?
   蓉子は私の太陽なんだよ。


   ……。


   いつでも暖かくて…優しい日差しをくれるから。


   ……ばかね。


   はは、くさかった?


   ……。


   ……。


   …貴女は陽だまりのよう。


   ……へ。


   なんて…ね。


   ……。


   ……聖の肩、温かいわ。


   …蓉子の頬もね。


   うん…。








  −迷える子羊。





   私はどうして、こんなトコにいるんだろう。








   ああ、ああ…ぁ。


   …蓉子。


   せ…ぃ…。


   ……愛してる。


   …ッ!


   愛してる…愛してる…。


   ………ぁぁッ!








   …。


   …。


   …。


   …そんなところに居ないでさ。
   とりあえず、こっちに来たら?


   …!


   気付いてないとでも思ったー?
   んなわけ、無いじゃん。


   ……。


   なんで、とかなんて。
   後で考えれば良いさ、今は。


   …。


   とは言え。
   尊敬する先輩方のラブシーンを見せ付けられちゃったら…ちと、アレかな?


   …聖さま。


   声は小さめに頼むよ。
   蓉子が起きちゃう。


   …。


   だから。
   こっちにおいで。
   大丈夫、蓉子の躰は見せない。


   …聖さまは


   シャツ、拾って。
   足元。


   ……これで、良いんですか。


   そうそう。
   で、持ってきて。


   ……。


   良い子だねー。
   よしよし。


   止めて下さい。
   それよりさっさと着たらどうですか。


   ん?
   ああ、そうだね。
   蓉子がやきもちやいちゃうもんね。


   ……。


   さて、と。
   由乃ちゃん。


   …はい。


   なんで、こんなトコロに?


   それは私が知りたいです。


   はは、それは言える。


   これは何なんですか。


   さぁ?
   私も知らない。


   と言うか、ここはどこですか。


   んー…私と蓉子の愛の巣?


   …聖さまの部屋なのですか。


   んーん、違う。


   では蓉子さまの?


   それも違う。


   ……じゃあ


   どっかの安いラブホテル、とか?


   …。


   確かに私はいつも蓉子に飢えているけれど。
   そんな場当たり的な…そうだな、性処理をする為の場所になんて来ないよ。


   …。


   ま、一概には言い切れないだろうけど、いかにもって感じで私はやなんだよね。
   蓉子も然う思ってるみたい。


   …どこなんですか、じゃあ。


   さぁ、どこだろう?


   ……帰ります。


   どうやって?


   …。


   怖い顔しなさんなって。
   良く周りを見てみなよ。


   ……。


   ドアはあるけど。


   …そこから、


   絵、なんだよね。
   それ。


   は…。


   本物みたいだよね。


   そんな莫迦な。
   だって


   と、思うなら触ってごらん。


   …。


   ドアノブなんて、立体的で本物みたいだよね。


   ……そんな。


   けど、実際は平面。
   壁に描かれた代物。


   ……。


   若しかしたら江利子あたりが描いたのかも。
   いや、ヤツはそこまでじゃないか、未だ。


   ……なんで。


   そんなわけだから、由乃ちゃん。
   蓉子が目覚めるまで、話でもしようか。


   いやです。


   ん?


   私は帰りたいんです。


   居心地、悪いもんね。


   …。


   あと匂い、かな。
   気になるよね。


   …!


   でも、どうしようも無いんだけどねー。


   ……。


   あらら。
   顔、真っ赤?


   放っておいて下さい…!


   しぃ。


   …っ


   由乃ちゃんは未だ?


   …未だ、って何がですか。


   セックス。


   ……は?


   好きな人と。
   いや、別に好きでもない人とでも出来るけど、やっぱり好きな人との方が良いでしょう?
   最初は。


   …それ、ただのセクハラだと思います。


   ははは。


   大体、聖さまはどうなんですか。


   うん?


   蓉子さまが初めての人なんですか。


   聞くねぇ、由乃ちゃん。


   そんな話題を振ってきたのは聖さまです。


   ま、然うだね。


   で、どうなんですか。


   さぁ、どうだろうね。


   は?


   初めてかも知れないし、初めてじゃないかも知れない。


   何ですか、それ。


   一口に言えば内緒ってコト。


   …自分から言っておいて。


   私はずるいんだよ。
   ごめんね。


   …。


   あれ。


   …。


   急に座り込んでどったの?


   出られる方法を考えるんです。


   ほぅ。


   だからもう、話しかけない下さい。


   えー、もう一寸お姉さんとお話しようよー。


   …。


   由乃ちゃん。


   …。


   由乃ちゃんってばー。


   …。


   ま、いっか。


   …はや!


   お、反応した。


   ……。


   ししし。


   ……。


   ま、考えてみれば良いよ。
   答えは案外、簡単かも知れないから。


   知ってるんですか!?


   いや、知らない。
   あと、声が大きいって。


   …。


   ま、蓉子が起きちゃったら。
   続き、するだけだから良いけど。


   私が居るのにですか。


   うん。


   平気なんですか。


   まぁね。


   恥ずかしいとか思わないんですか。


   なんで?


   なんでって。
   普通は


   だって普通じゃないもん。


   …あ?


   この場所が。
   だから、普通でいても仕方ないじゃん。


   ……。


   お、呆れた顔。


   …聖さまは、どうしようもないんですね。


   うん、どうしようもないよ。
   だって蓉子が好きだから。


   好きだからって何でも許されると思ったら


   大間違い、だね。


   …。


   けど、さ。
   蓉子が好きなんだよ、どうしようもなく。


   …。


   この気持ちを抑えるなんて…私には到底出来ないんだ。


   …。


   じゃなきゃ、セックスしたいなんて思わないだろうし?


   ……一瞬でも真面目に聞いた私が莫迦でした。


   ばーかばーか。


   …。


   はは、冗談だって。


   ……どうして蓉子さまは聖さまが好きなのか、さっぱり分かりません。


   良いよ、分からなくても。
   分かったところでただそれだけのコトでしょう?


   ……。


   私は蓉子が好き。
   蓉子は私が好き。
   でもって。


   …。


   由乃ちゃんは令が好き。
   由乃ちゃんはそれだけ知ってれば十分だよ。


   ……。


   ま、セックスしたいかどうかは、


   もう、良いですから。


   …令がその対象にならなくても。
   それはそれで仕方が無いんだよ。


   ……。


   別だった。
   ただそれだけのコトさ。


   私と令ちゃんのこと、聖さまに何が分かるんですか!


   だから、分からないって。
   そうだなぁ、従姉妹同士で家がお隣同士ってコトぐらいかな、知ってるのは。


   だったら


   一寸した言葉だよ。
   留めたくなければ流せば良い。


   ……。


   …さて。
   そろそろ、かな。


   …何がですか。


   目が覚める。


   …蓉子さまが?


   うん。
   多分、だけどね。


   ……。


   けど、由乃ちゃんも人の事言えないんだけどね。


   …いきなり何の話ですか。


   興味、無いわけじゃないってコトさ。


   ……。


   じゃなきゃ…お。


   ……。


   蓉子が、起きる。
   由乃ちゃんはどうする?


   …帰りたいです。


   だよね。
   私としても帰ってくれた方が有り難い。


   平気って言ったくせに。


   でも、やっぱりね。
   乙女の恥じらいってのがあるじゃん?


   今更ですね。


   あら、ひどい。


   …ふん。


   はは。
   ま、素直になるのは難しいよね。
   蓉子も然うだったし…いや今もか。


   ……。


   それじゃ、おかえり。


   …え。


   ごきげんよう、由乃ちゃん。


   おかえりって言われても、どうすれば帰れるのですか!


   実はとても簡単。
   眠りから覚めれば良いのさ。


   は、眠り…?


   世の中にはこんな言葉もある。
   夢オチ、てね。


   は?
   はぁぁ…?!


   じゃね。
   また今度…っていつ会えるか、分からないけど。


   夢オチって!
   そんなバカみたいなコト…!


   ほら、ぐずぐずしてるとまた、私と蓉子のラブシーンを見ることになるよ?


   ば…


   ははは、真っ赤っか。


   あーーーもう!!!







   …由乃?


   ……。


   いきなり大きな声をあげるから。


   …れいちゃん?


   そうだよ。


   …!
   聖さま、聖さまは…?!


   聖さま?
   聖さまってあの?


   他に誰が居るのよ!


   …聖さまなら居ないよ。
   居るわけ無いじゃない。


   でも、蓉子さまと…!!


   どんな夢を見てたの?


   夢?
   あれが!?


   だって聖さまも蓉子さまもここには居ないもの。
   居るわけ、ない。


   なんでよ!


   だってここは…私の部屋、なんだから。


   令ちゃんの…。


   昨日、泊まりに来たんじゃない。


   ……そう、そうだ。


   思い出した?


   ……。


   起きるには未だ、早いから。
   ね?


   ……令ちゃん。


   うん?


   私の事、好き?


   え。


   好き?


   …勿論。
   世界の誰よりも由乃が好きだよ。


   ……そう。


   …由乃は?


   …好き、好きよ。
   世界の誰よりも令ちゃんが…。


   …うん。


   ……。


   さぁ、寝直そうか。


   ……けど。


   え、なぁに?


   ……なんでもない。


   …て、由乃?


   何でもないって言ってるでしょ!


   けど、泣いて


   何でもないって言ったら何でもないの!!


   ………本当に何でもないの?


   そうよ。
   そう、ただ眠いだけだから。


   ……。


   私は眠いの。
   分かった?


   ……分かった。


   じゃおやすみ、令ちゃん。


   …うん。
   おやすみ…由乃。


   ……。








   ……ふむ。


   …せい?


   蓉子、気が付いた?


   ……。


   じゃあ続きを…


   …や。


   十分に休んだでしょ?


   …でも、いや。


   あらら、困ったお姫さまだなぁ。


   …なに、かんがえてたの。


   そりゃあ、蓉子さんのコトに決まってる…。


   …うそ。


   んん?


   なに、かんがえたの。


   …全く。
   蓉子はこういう時だけ鋭いと言うか。


   ほら、やっぱり。


   可愛い後輩達の事さ。


   …こうはい?
   しまこ?


   いんや?


   ……ゆみちゃん。


   それも違う。


   ………。


   黄薔薇んとこの、ね。


   ……なんで?


   さっきまで、いたからね。


   …いた?


   見られちゃった。


   ……。


   私と蓉子のラブシーン。


   …え。


   真っ赤になってたよ。


   うそ…ッ!!!!


   お、と。


   ほ、ほんとうなの…?!


   嘘じゃ、ないかな。


   ど、どうして


   分かんない。


   分かんないって…!


   ただの夢だったのかも知れない。


   夢って…。


   だって、この部屋じゃなかったし。


   ……。


   兎に角、分かんない。


   ……ねぼけてる?


   かも、ね。
   だから…


   あん…。


   目、覚めること…しよ。


   …せい。


   せめてもう一度…もう一度だけ。


   …いちど、だけ?


   ……じゃあ、体力が尽きるまで。


   ………すけべ。


   そうだよ…知ってるでしょ?


   ん…。


   …。


   ……せ、い。


   ……ねぇ、蓉子。


   …?
   なぁに…?


   好きだけでも、だめなもんなんだね。


   ……。


   …けど。
   私達の好きは…。


   ……あ。








   聖蓉と黄薔薇一家を絡めるのが今のブーム。