−境界例。(聖蓉)
蓉子…?
…見ないで。
いや、見ないでって。
見ないで。
だって、
見ないでって言ってるでしょう…!
でも、
見ないで…っ
……。
…見ないで。
…蓉子。
…っ
い、や…っ
………。
…見ないで、見ないでよ。
……あ、え、と。
離して。
…。
離して、痛いわ。
……離したら。
泣き止んでくれるの?
…。
私の、せい?
…。
そうなのね?
…自惚れないでよ。
…。
何でもないわ。
何でもないのよ。
…それ。
自分に言い聞かせているみたいに聞こえるよ。
勝手な解釈をしないで…っ
…。
私が貴女のせいで泣くだなんて。
自惚れないで。
…。
私は
蓉子。
あ…。
……どうして泣いているのか、聞いては駄目かな。
…ぃ、や。
離して…っ
嫌だ。
…。
蓉子。
…ぁ。
蓉子、蓉子…。
だ、だめ、やめ…て。
…。
ん…、や……んんっ。
……。
せ、い…っ
……。
…止めて。
……痛いよ、蓉子。
聖がいけないのよ。
…そうなんだ。
兎に角今日、は……ぁ。
……。
せ、せい…。
……居ない方が、良い?
…え。
私なんか。
消えた方が良い?
…。
居なくってしまえば。
蓉子は“楽”になれる?
…。
…然う。
なら、消えるよ。
じゃあね。
ま、まって…。
……。
せい、待って…。
……。
せい…っ
……なに?
…。
何、蓉子。
……。
呼び止めたよね。
何?
……わ、わたし、
…。
…。
…セックス、しようか。
……。
言葉にするより、簡単だよ。
その方が。
……。
……。
……。
……言っておくけど。
もう、止めないから。
………。
…はぁ、ようこ。
だ…め…。
………。
あ、あ…んぅぅん。
……入った。
だめ…だ…め…。
…わりとすんなり入れてくれたね、蓉子。
あ、ぅ…あ……だ、め…。
やっぱり、あついなぁ…。
…だ…めぇ。
……もっと、入っても良い?
奥に。
……ほ、ん…は、
…無理かなぁ。
に…ほ、ん…は……だ…め…ぁっ
……動くと少し、きついし。
…っ、…ぁ、あ…っ
……けど。
いけるよね…?
ひ、あぁぁ…ッ
…やっぱり。
あぁぁ…。
…はぁ。
きもちいいよ、よーこ…。
…だ…………。
よーこ…よーこぉ…。
あぁ…ぁ…。
…。
…。
…。
……。
…涙。
…。
……蓉子。
…。
……愛しているよ、蓉子。
…。
……愛してる。
……ぅ。
蓉子…。
……あ、ぁ。
蓉子が居れば…他に何も…
……ぁぁ。
−欠乏症。(聖蓉)
『…あ、もしもし?
蓉子?』
聖?
どうしたの、こんな時間に。
『ん、いやぁ…』
なに?
『あー、ひょっとして寝てた?』
支度をしてた。
『あー、そっか。
明日も早いんだよね、やっぱり』
ええ、明日は一限からだから。
『うん、そっか』
それで、何の用?
こんな時間に、メールすら面倒くさがる聖が電話を掛けてくるぐらいなのだから、何かあるのでしょう?
『大事な事はメールより電話派だよ、一応』
で、大事な事って何なの?
『あー、まぁ…』
何よ、はっきりしないわね。
『だから、さぁ』
だから、何。
『……こーいう時は鈍いんだよなぁ』
…切っても良いかしら?
『あ、だめだめだめだめ…!!』
…て、声が大きいわよ。
『あ、うん、ごめんなさい』
……素直ね?
『…ねぇ、蓉子』
うん?
『何でも良いから、話して』
……はい?
『何でも良いから』
何でも良いって言われても。
貴女、用があって電話を掛けてきたのでしょう?
『うん』
だったら、
『それが私の用なの』
………どういう事?
『蓉子』
若しかして、本当は大した用なんて無かったの?
『ううん、今がまさにその大事なコトの最中』
……意味が分からないわ。
『…あのさ、蓉子』
大した用事が無いのなら、もう、切っても良いかしら。
そろそろ寝ないといけないし。
『やだ』
やだ、て。
貴女は明日、早くないのかも知れないけど
『よーこー』
だから、何なのよ。
『声』
声?
『聞きたかったんだよー』
……誰の?
『…あのさぁ。
今、私は誰に電話を掛けてると思ってるの?』
…私?
『蓉子以外、誰がいるのさー』
………。
『メールじゃ、聞けない』
……あ、あぁ。
『本当は直接、逢いに行こうかと思ったんだけど』
こんな時間に?
『流石に怒られるかな、て。
寝てる可能性の方が高いし』
…でも貴女ならやりかねないわね。
『え、然う?
なら行けば良かったー』
止めて。
『事前に連絡すれば良いでしょ?』
時と場合、よ。
『今日は駄目な時と場合?』
明日は早いから。
『じゃあ、今夜はナニもしないよー』
…嘘ばっかり。
『よーこー−』
もう、寝るから。
結構、聞けたでしょ?
『聞いたら、逢いたくなった』
……切るわよ。
『今から行ってもい?』
……もう、寝るのよ。
『直ぐ行くから!
ダッシュダッシュ!』
……。
『蓉子、蓉子さん、好き、大好き、愛してる』
……貴女ねぇ。
『じゃ、然う言うことだから』
て、聖。
『ブツリ』
聖、聖。
『……ツーツー』
……ああ、もう。
絶対に入れてあげないんだから。
−Donogh and Mike's by 弾いてみた版(音楽聖蓉)
ねぇ、聖。
うー?
この楽器は何と言うの?
どれ?
この少し甲高くて、主旋律を奏でている…。
お、流石蓉子さん。
耳のつけどころが違う。
これはねー、
…いえ、待って。
うむ。
待とうか。
バグパイプ?
あー、惜しい。
…違った?
うん、残念ながら。
…そう。
あらら。
そんなにションボリしないでよ。
…そう、見える?
うん、わりと。
……そう。
よしよし。
……それで何と言う楽器なの?
それがさ、違う、とは言ったけど。
バグパイプの一種なんだよね。
うん。
ただ、人の呼気を使わないんだってさ。
こき?
分かりやすく言えば…そうだなぁ、リコーダーみたいに口から空気を送り込まないってコト。
じゃあどうするの?
鞴〈フイゴ〉ってのが付いてて、肘を使って空気を送り込むんだと。
へぇ。
…で、名前は?
ずばり、肘のパイプ。
……ふざけてる?
いや、本当にそう言う意味らしいんだって。
どこの言葉よ。
ゲール語。
…で、どこなの。
アイルランド。
……で、楽器の名前は?
イリアンパイプス。
イリアンってのが、肘の、って意味なんだって。
ちなみにゲール語だとイルンとかイーラン。
…ふぅん。
何となく、好きなのさ。
…うん、何か好きそう。
そうそう。
もう一つ、ギターみたいな音があるでしょ。
ギターじゃないの?
うん。
これはブズーキって言うの。
ギリシャにもあるんだけど、こっちはアイリッシュブズーキ。
ブズーキ、ね…。
なんか、良いんだよね。
…うん。
何となく、一度は行ってみたいかもとも思ってみたり。
……。
……。
…せ
そん時は、さ。
…。
連れて、行きますから。
…私の意思は?
一応、お伺いは立てますけどね。
…。
ま、黙って行くようなコトはしませんから。
安心して?
…是非、そうして。
うん?
…。
…よー、こ?
……聖。
う、うん。
…黙って、
居なくならないでね…。
……。
…お願い、だから。
……はい。
−紅薔薇さまと白薔薇さま。(ガールズトークの続き・聖蓉)
さて。
…。
二人きりになれたね。
…だから?
何かご要望でも、ある?
ええ、あるわよ。
何?
黄薔薇さまの分まで仕事をして頂戴、白薔薇さま。
それはそれは。
紅薔薇さまらしい、ご要望でいらっしゃいますこと。
とりあえず、これに目を通して。
の、前に。
お茶のお代わりなんぞが欲しいとは思いませんか、紅薔薇さま。
さぞかし美味しいお茶を淹れてくれるのでしょうね、白薔薇さま。
お任せあれ。
と、言いたいところですが、ブランクがあるので確たるお約束は出来かねますね。
ならばせいぜい、渋くならない程度にはお願いしたいですわね。
ま、善処は致しますよ。
貴女は?
私?
コーヒー、切らしているわよ。
…マジで?
ええ、マジで。
ああ、それは当てが外れたなぁ。
ご愁傷様。
ま、仕方が無い。
今回は蓉子さまと同じものを頂く事にしましょう。
一応、カフェインも含まれていますものね。
本当に飲みたかったら、ミルクホールに行くところですけどね。
取り過ぎは良くないわよ。
取り過ぎって程、飲んでないよ。
学校〈ココ〉に居る時は。
家に居る時は?
水代わり?
中毒じゃないの。
心配してくれる?
して欲しい?
してくれないのは、淋しいなぁ。
心配からの忠告を、素直に聞けるなら。
してあげても良いわよ?
私、素直じゃないのよ。
捻くれ者だから。
知ってるわ。
それはありがとう。
どういたしまして。
とりあえず、禁断症状は起こしてないよ。
そう願いたいものね。
たまにすっごく飲みたくなるだけ。
蓉子にもない?そういう時。
まぁ、あるわね。
それに水代わりにもしてないから。
今のところは。
そう。
さて、と。
はい、お待たせ。
ありがとう。
どういたしまして。
それじゃあ、仕事に取り掛かって。
…ねぇ、蓉子。
…何。
……。
…用が無いのなら呼ばないで頂戴。
…二人きり、だよね。
今。
…ええ。
でも、それだけの事よ。
強いて言うのなら早く皆が揃って欲しいわね。
仕事が捗るから。
…それだけの事、か。
…。
……手、触っても良い?
…は?
手…指でも良いや。
触っても良いかな…?
…何の為に。
……触りたいから、じゃ、だめ?
駄目。
仕事の邪魔。
…。
……なんでそんな顔、するのよ。
……どんな顔、してた?
…。
…一寸だけで良いから。
……仕事、
…ほんの一寸だけ。
ちゃんとするのよ。
……うん。
それから左手だけだから。
十分。
……全く。
何だと言うのかしら。
蓉子の然う言うトコ、好きだよ。
……。
あ。
…ふざけるのなら、
全くふざけてない。
……。
……蓉子の指、きれいな形だよね。
…祥子の方が綺麗よ。
長くて…
祥子のは特に気にしてないから。
……。
……好きだなぁ。
…。
…。
……。
……。
……もう良いかしら、白薔薇さま。
……。
白薔薇さま。
……ええ、然うね。
ありがとう、紅薔薇さま。
…いいえ。
さ、仕事して。
…はーい。
やる気の無い声。
…だって………だもの。
何か言った?
いいえ。
さて、やりますかね。
−おなか、いたいの。(聖蓉)
うー…。
聖。
……うー。
お腹の調子、どう?
……いたい。
もっとさする?
…うん。
……。
……よーこ。
うん?
……ごめんなさい。
…。
言われたのに…。
…懲りた?
うん…もう、やだ…。
冷えは本当に厄介なのだから。
暑いからって、窓を開けっ放しにして、お腹なんか出して眠っては駄目。
……うん。
…。
うー…。
…聖。
……。
寝相、あまり良くないのは知ってるから。
うぅ…。
…。
よーこ…。
……。
よーこ…、よーこ…。
…いたいのいたいの、とんでいけ。
……。
子供騙し、だけれど…。
……よー、こ。
いたいいたいの…、
はやくはやく、とんでゆけ…。
−遙かなる記憶。(俺屍版と…)
主殿。
…そろそろ、だな。
はい。
分かった。
ならば。
支度は万事。
うん。
…ところで。
まさか寝たり無いとでも言うおつもりで?
其れは無い。
大体、こんなトコじゃゆっくり眠れんことぐらい、知ってるさ。
そのわりには眠りに入るのが早いようですが。
なに、一寸した術だよ。
お前だって出来るだろう?
…眠りながら周囲に神経を張り巡らせるのは、どうでしょうね。
其の為にもう一人居るんだ。
一人で出来なきゃ、其の一人に頼れば良いだけさ。
…其の一人は少々、寝惚けていたので。
ははは。
らしい。
主殿。
うん。
そろそろ、行こうか。
了解。
ところでお前は寝たか。
…少々。
寝不足で体が動かないなんて事になったら。
頭、ぶん殴っても足らないな。
…肝に銘じておきましょう。
よし。
じゃあ、
蓉子。
…ん。
そろそろ、行くわよ。
…分かったわ。
珍しいわね。
うん?
それなりに良く、眠ってた。
…そうでもないわ。
夢を見てたもの。
へぇ?
どこか…見たことが無い場所。
見た事の無い人。
だけど。
だけど?
戦う者の匂いがした。
私達と同じ。
ふぅん。
………深い茶の、髪。
どこかで…。
蓉子。
思い出しているところ、悪いのだけれど。
…?
なに?
ついでに。
貴女の隣で大口開けて寝てるどっかの当主も起こしてくれるかしら?
…んん、よー…こ。
……ああ。
どんな神経をしているのかしらね。
仮にも討伐中なんだけれど。
聖、聖。
よー、こ…ぉ…………にひひ。
こんなに相応しくない顔は無いわね。
聖、起きて。
……んん。
な、に…?
そろそろ行くわよ。
…やだ、もっとようことねて…る。
あ、一寸。
んん……。
聖、起きて!
起きなさい!
……やー…。
聖!
んー…よーこ、ぉ………。
……。
聖、いいかげんに、
……だっ
起きろっつってんのよ、この天狗面。
……なに、
蓉子、いっそ、置いていけば良いわ。
そんなの。
すんだ、このでこちんが…!
待って、聖。
いつまでも起きない聖が悪いのよ。
だからって
仮眠で熟睡するなんて。
どんだけ気が抜けてるのか、って話よね。
……。
聖、江利子の言うとおりよ。
……だって。
蓉子が居るから、なのよね。
分かり易い事この上ない。
……。
さて。
起きたところで、行くわよ。
江利子。
んー?
貴女は
貴女達と交替で取った筈だけど。
何か問題でもあった?
…いえ。
そ。
じゃ、良いわ。
……。
…蓉子?
どした?
…いえ、何でもないわ。
本当に?
どこか痛むのなら
本当よ。
ありがとう、聖。
お…。
さ、行きましょう。
…えへへ。
そこの天狗面、顔が緩み過ぎ。
ふふん、だ。
…たく。
この母子は。
生きて、帰るぞ…!
−なぜならそこにあったから。(聖蓉)
…。
ん〜…♪
…。
…ねぇ、聖。
今度、映画観に行かない?
…観たいの?
ええ。
蓉子さんは恋愛モノが好きだなぁ。
…だめ?
寝ちゃったらごめん、て今から言っておく。
でもね、今回のは恋愛モノじゃないのよ。
…と、言うと?
聖、好きそうかな、て。
…どんなの?
海の生物のドキュメンタリー。
クジラとかシャチとか…ペンギンとか。
……んー。
…好みじゃない?
いや、好きかも。
じゃあ、
良いよ、行こう。
今から行く?
雨降っているけれど、良いの?
面倒かなぁ。
濡れるの、やだし。
でしょう?
いつが暇?
蓉子に合わせるよ。
私は…
…忙しいからなぁ、蓉子は。
聖だってバイト、してるじゃない。
蓉子と旅行に行きたいからね。
…。
温泉とか、良いなぁ。
二人でゆっくり、浸かるんだ。
…その予定も立てないとね。
うん。
楽しみ。
映画の事なんだけど。
今度の水曜の午後は?
蓉子、確か3限まででしょう?
そうだけど、聖は?
余裕です。
…5限の講義、取ってなかった?
先週から休校中。
先生、何だかどっかに行ってるみたい。
でも今週は
無いみたいよ。
掲示板にお知らせの紙が張ってあったもの。
なら
うん、じゃあその日にしよう。
迎えに行くよ。
待ち合わせで良いわよ。
だって迎えに行った方が直ぐ会える。
……。
でしょ?
…貴女、目立つから。
大丈夫、興味無いから。
……。
何時に行けば良いかな?
どうせだからお昼ごはんも食べよう。
然うね。
何、食べようかなぁ。
ふふ。
映画より、ごはん?
いや、ごはんより蓉子。
何よ、それ。
…そのまんまの意味。
ひゃ…。
……吃驚、した?
し、したわよ…!
しし。
も、もう、いきなり何を
だって見えたから。
…だからって急にやらないで。
ベッドの中じゃないし?
…。
…直ぐ真っ赤になる。
かわいい…。
…もう。
……。
あ…。
……。
ちょ、聖…。
…。
あ……んッ
……感じた?
ば、ばか…ッ
……蓉子は耳、弱いんだよね。
せ、聖だって…。
……うん。
せ、せい…。
………耳だけ、ね?
……。
……。
…っ。
………続けても良い?
だ、だめ。
それよりも
…本当に?
あ、や…。
…。
……せ、い。
……うん。
じゃ、お仕舞い。
…。
水曜、何食べようか。
…。
蓉子?
…あ、うん。
そうね…
…。
ど、どうせだから映画館の近くが…
…スイッチ、入っちゃった?
…!
……なんて、ね。
……。
…ん?
……ばか。
……ふふ。
せ、聖が変なコト、するから…。
…でも好きでしょ?
ば…
……嫌いじゃない、かな。
……ばか、聖のばか。
…責任、取ってあげるから許して?
せ、責任って…。
…スイッチ、入れちゃった責任?
な、なんで聞くのよ…。
…だって、ねぇ。
あ、だめ…。
…ベッドが良い?
そ、そういうことじゃなくて、ま、まだ…。
…明るい方が良く見えるよ。
……。
たまには見せて欲しいな…。
や、だめ…。
…見たい、見せて。
………あ。
…いつだって聖蓉祭開催中!!!
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