外から眺めていないで、中で見れば良いんじゃないかしら。 …ん。 ごきげんよう、佐倉杏子。 今日はお仕事、お休みかしら? よぅ、ほむら。 今日は非番だ。 それで、中に入らないの? 外から眺めているだけでは、分からないでしょう? 止めとく。 何故? …なんだっていいだろ。 あんたこそ、学校はどうした。 休みか? 私はこれからよ。 大学生って、自由なのな。 だからこその、自己責任だけれど。 ふぅん。 美樹さやかと一緒じゃないのね。 こういったものはあの子が一緒の方が良いと思うけれど。 学校だよ。 へぇ? あたしは迎えの時間まで、暇潰しをしてるだけだ。 こんな所で? こんなところにいるところを、あんたがたまたま通りかかっただけさ。 偶々、ね。 ああ、たまたまだ。 でもね、佐倉杏子。 あ? 貴女が今日休みと言う事は。 あの子は昨晩、かなり駄々を捏ねたでしょうね? …さぁな。 貴女は美樹さやかには甘いものね。 然う、昔から。 惚れてるからな。 あんたがまどかに甘いのと同じようなもんだよ。 然うかしら。 そーだよ。 まどかはあんなに面倒では無いけれど。 面倒とか言うな。 かわいいだろ。 長年付き合ってきた上で然う言えるのは屹度、貴女だけよ。 普通の人間だったら、手に負えないわ。 ああ、あたしだけでいいから。 …。 ところでいいのか、こんなところで油売ってて。 重くは、ない? あん? 美樹さやか。 言ってる意味が分からないな。 ああいう類の女は普通、重たいとされるでしょう? 普通ってどこを基準にして言うんだよ。 …。 他はどうでも、あたしには関係ない。 どんな事があろうが、あたしはあいつと一緒に生きて、あいつと一緒に死ぬ。 それだけだよ。 …守りたいモノを一つだけ。 …? たた一つだけ、最後まで守り通せば良い。 …。 貴女らしいわね。 あんたはいつも、よくわからねーな。 有難う。 じゃあ、たいやき一つな。 これから美樹さやかと食べるのでしょう? 貸しって事だよ。 いつか、返してくれ。 覚えていたらね。 私は貴女の可愛い子とは違って、約束のキスなんて交わさないから。 まどかとは、するんだろ。 言ったでしょう? まどかは美樹さやかと違って、面倒な子ではないの。 だから、かわいいって言ったろ。 佐倉杏子。 ん? おめでとう。 おう。 それから。 まだ何かあんのか。 サイズ、SMLじゃないから。 精々、気をつけて。 あたしって、下衆かなぁ。 「…ふぇ?」 下衆なのかなぁ。 「…突然だね?」 んー、いやぁ、ねぇ。 「…眠いの?」 それもある。 「…それとも、しあわせぼけ?」 だったら、いいな。 「…そうじゃないかな。でも下衆なんて、穏やかじゃないね?」 今日、本当だったら愛しいあの子とごろごろしてたかったの。 折角のお休みだったのに。なんであたしには学校なんてあるんだろう。 「…ああ、やっぱりしあわせぼけだ。」 ねぇ、まどか? 「なぁに、さやかちゃん。」 この間あんたに嫉妬した、ごめん。 「…杏子ちゃんの事で?」 うん。 「そっか。…ごめん?」 やめてくれよ、アミーゴ。 「…正しくはアミーガだけどね?」 畜生、西語選択者め。 帰国子女で日常英語はばっちこいのくせに。 マミさんの伊語といい、そんなにいいかラテン系。 「どう?」 何が? 「お嫁さんになってみて。」 しあわせ。 「うん、それは知ってる。」 あと、人間の欲深さってのは底が無い。 「うん。」 それで下衆かなぁって。 「いいんじゃない?人間なんだから。」 ねぇ、まどか。 「なぁに、さやかちゃん?」 この世界、あんたはどう思ってる? この世界、あんたにとってどんな世界? 「みんながいる大切な世界で、わたしにとって愛すべき世界だよ。」 あんたには業ってのがあるのかね。 「あるよ。例えば願う事だって、結局はそれがあるからだもの。」 小難しいですねぇ。 さやかちゃんにはついていけそうにありませんよ。 「でも、ついてきてくれたね。」 うん? 「…鞄持ち?」 あら、懐かしい響き。 「頼りにしてたんだから?」 それはどうも? 「ふふ。」 はは。 「…ねぇ、さやかちゃん。」 なぁに、まどか? 「わたしはこの世界が、好きだよ。」 そっか。 「さやかちゃんは?」 私は、どうかなぁ。 「…杏子ちゃんがいる世界だよ?」 その言い方はずるいと思います。 「うん、ずるいから。」 誰の影響だか。 「わたしは初めからこうだったよ。」 さようか。 「ねぇ、さやかちゃん?」 なぁに、まどか。 「どうか、しあわせになって。」 …。 「おめでとう。」 …それ、この間も聞いたよ。 でも、ありがとう。すごく嬉しい。 「あなたはわたしの、最初の友達。大切な親友、だから。」 よせやい。 あんたに嫉妬したあたしが、一層、みみっちく思えるでしょうが。 「いいんじゃない?杏子ちゃんに愛されていれば。」 む。 「今のさやかちゃんにとって、杏子ちゃんが全てなんだから?」 …くそぅ、返す言葉が見つからねー。 「ウェヒヒ。」 …。 「…。」 …まどかも、さ。 「…うん?」 しあわせになれ。 「…うん、頑張ってみるよ。ありがとう。」 に、してもだ。 「…なに?」 …今夜もしようって言ったら、やっぱり下衆かなぁ。 「……ええ、と。」 て、読んでた漫画に書いてありました。 「……。」 あ、今、本当に漫画かな?って思ったでしょ。 「…ああ、だから下衆って言葉が出てきたんだなって。」 うぇひひ。 「…似てないよ?」 ごめんなさい。 「じゃあ、来月の第三日曜日、杏子ちゃん空いてる?」 あたしとセットでいいなら。 「勿論。」 多分、大丈夫だと思うけど。 聞いて、また連絡するね。 「うん。」 …よし。 じゃあ、授業に行きますかね。 またね、まどか。 「うん、またね。さやかちゃん。」 Samia dostia Ari aditida Tori adito arora.... ……。 Estia oria Nari amitia Sori arito asora... ……。 Semari aisi isola matola...Soribia doche irora amito... …。 Samaria dose ifia mio lora fia sia adora... …何度聞いても不思議な歌だな、それ。 …。 …。 …全ての魔法少女が背負う運命の歌。 …。 なんて、ね。 …大丈夫か? 大丈夫じゃない。 何故なら、杏子と言う名の魔女にやられてしまったから。 知ってる?魔女の口付けを刻まれた人間はその魔女の虜になってしまうの。 そうしたら、自分ではどうしようもなくなっちゃう。 それは、大変だな。 そう、大変なの。 …。 …。 さやか。 杏子。 待たせたか? ううん。 ちょっと早く終わったの。 そうか。 でも中で待っててくれれば良かったのに。 いいの。 あたしが待っていたかっただけだから。 ごめんな。 あたしの話、聞いてた? 聞いてた。 でも、待たせたくないんだよ。 ん、杏子…。 …なんか、いやなんだ。 さやかを一人で待たせておくのは。 …もう。 うん? 魔法、これ以上掛けないで。 …。 …ただでさえ、強力なのが掛かっているのに。 …。 …なんて、さ。 ちょっと恥ずかしい…? いや、かなり。 …子供っぽい? …。 でもね、魔法も奇跡もあるんだよ…この世界には。 …そうかもな。 あれ。 さやかがそう言うんだから、屹度、あるんだろ。 …昔は、笑ったくせに。 少しは信じてやってもいいかなって。 さやかのせいで思うようになったんだよ。 あたしのせい? そ、お前のせい。 お前があたしにかけた魔法のせい。 …。 …人魚の魔女の魔法。 ……。 なんて、さ。 …杏子ちゃん、顔真っ赤。 思っていた以上に、恥ずかしかった。 ふふ…かーわい。 うるさい。 でも、どうして? どうしてって? 人魚の魔女。 …どうしてかな。 なんとなく、かな。 …泡になって、消えちゃうんだけど。 恋が破れたら、だろ。 破れない? もう、二度と。 …そっか。 さ、行こうぜ。 ん、行こ。 まずは、何か食うか。 杏子の行きたいとこ。 …ん? そこが、先。 あたし、知りたくて仕方なかったんだから。 …。 どんなお店? なぁ、さやか。 なぁに? …。 …? 杏子? ……。 …ふふ。 …。 あはははは。 …笑いすぎだ、さやか。 だって。 …。 杏子ちゃんってばサイズ、SMLだと思ってたんでしょ? …普通、そう思うだろ。 そうねぇ、杏子ならそう思うかもねぇ。 …。 と言いつつ、あたしも自分のサイズ詳しくは知らないけどさ。 …だろ。 でも、SMLじゃない事は知ってるけど? …。 あと、零の数があまりにも多くて吃驚しちゃったんでしょ? 一つ多いんじゃないかって思っただけだよ。 いやいや。 ほら、昔のドラマかなんかだと給料三ヶ月分とかって言うじゃない? しかもあの店のは高いって評判だし。 知らねーよ、そんな事。 あのね、杏子。 ああいうのは、高いものなのよ。 …石が付いてなくてもか。 プラチナ、だからね。 プラチナって、分かる? …分かるよ、ばかにすんな。 でも、そっか。 買ってくれようって、思ってくれたんだ。 …そりゃ、思うだろ。 マミさんに言われた? …。 もう、分っかりやすいなぁ。 あいつに言われたからじゃない。 …そう? さやか。 なぁに? 今は、無理でも。 必ず、買ってやる。 ……。 …必ず、だからな。 ねぇ、杏子。 …なんだよ。 ありがとう。 すごく、すっごく、嬉しい。 …。 …でもね? 一人で気負わなくてもいいのよ。 そんなんじゃない。 杏子のはあたしが買ってあげるから。 …。 ね、あたしはペアのがいいな。 二つで一つの意味になるような、そんなの。 …。 だから杏子はあたしのだけ。 ね? …。 納得出来ないって顔、してる。 …だって、そうだろ。 何が? 嫁にしたのは、あたしなんだ。 だから。 して欲しいって言ったのは、あたしだよ。 杏子はあたしの願いを叶えてくれたの。 …。 だから、ね? …もういっこ、必要なんだろ。 うん? 婚約、の。 …ああ。 それは男から女に約束の証としてやるものなんだろ。 …うん、まぁ。 でも、良く知ってたね? あたしだってそれくらい… …。 …店んとこに書いてあった。 ああ、なるほど。 ……だから、どうしても買ってやりたいんだ。 ああ、もう。 …。 どうしよう、ぎゅうってしたい。 すごい、したい。 …あたしは、本気だぞ。 ああもう! …うぉ。 愛おしすぎて、頭がどうにかなりそう。 …さやか。 あのね、あんたは男じゃないでしょうが。 なのに、なんでそんなに拘るかな。 …。 なくたって、あたしはいいのに…。 …だめだ。 どうして? …お前はあたしの嫁なんだ。 ん…。 だから、その証をやりたいんだ。 ……。 …どうしても、やりたいんだ。 どこにいたって、二人でいない時だって、そうだと分かるように。 …杏子。 さやか。 …。 …必ず。 必ず、やるから。 …もう。 本当、ばかなんだから…。 ……。 …杏子だって、あたしの嫁なのに。 あたしばかり、貰ってばかりじゃない。 違う。 あたしこそ、さやかに貰ってばかりなんだ。 …。 …いっぱい、貰ったんだ。 さやかがいなかったら、あたしは…。 ああ…。 ……。 …あたし、欲しいのあった。 え? あたしの、欲しいもの。 …。 買って、杏子。 何が欲しいんだ。 指輪。 …今は、無理だ。 今、欲しいの。 さやか。 来て。 ……これ。 これが、欲しい。 …いや、でも。 これがいいの。 …これで、いいのか。 これが、欲しいの。 …けど、さやか。 大事なのは値段じゃない。 …。 …杏子の気持ちがあるか、だよ。 本当に、いいのか。 …これが、いいのよ。 ……けど。 この間ね、まどか達と遊んでる時に見つけたの。 …。 杏子の色の石がついた指輪…。 …さやか。 あの時、買わなくて良かった。 本当はよっぽど買おうかと思ったんだけど…。 ……。 …ね、買ってくれる? …。 買ったら…つけて。 場所は…言わなくても、分かる? …分かってる。 じゃあ…ね? ……。 杏子…。 …分かった。 ちょっと待っててくれ。 ん、待ってる。 すぐ戻る。 …ん。 ……。 …うふふ。 ……。 ねぇ、杏子。 …なんだい? どう、かな? …ああ。 ああ、じゃ、分からない。 …もう何度も言ったろう? また聞きたい。 …。 …ねぇ、杏子。 耳、噛むなよ…。 …いいじゃない。 さやか…。 …きょうこ。 ……。 …ねぇ、また付けて。 それも何度もしてる…。 …だって、されたいの。 ……。 …もう一度、して。 そして、もう一度言って…。 …。 …耳元で、甘く、囁いて。 ……。 …。 …さやか、手を。 はい…。 ……。 ……。 …私の永遠の想いを、君に。 わ…。 ……。 …そんな言葉、今までなかったけど。 同じじゃ、つまらないだろ…。 …そういうの、何度も見てきたの? 何度もってわけじゃないけどな。 何度かは、見たよ。 …花嫁さん、きれいだった? どうだったかな…。 …覚えてないの? みんな、同じに見えた。 …なんか、らしい。 …。 ……あたしも、同じに見える? うん…? …花嫁さん。 …。 …ね。 さやかは、さやかにしか見えない。 …それって? さやかは…一人しか、いない。 他のやつと同じに見えるわけが、ない…。 …だったら、いいけど。 さやか…。 …式、やるなら。 杏子の教会で、したかったな…。 …もう、無いからな。 ……うん。 …。 …。 …よく、似合ってるよ。 ほんと…? …ああ。 杏子の色、だから。 …。 …だから、嬉しい。 うん…。 ……きょうこ。 まだ足りないか…? …うん、足りない。 …。 もっと、杏子が欲しい…。 …明日は仕事だ。 …。 …いて。 ばか。 …耳、千切れたらどうするんだ。 知らない…。 …。 ……ばか。 う…。 …ばか。 ……。 …ねぇ、して。 しよう…? …はら、へった。 ……あんなに、たべたのに? …しょうがないだろ。 そとでたべると、ものたりないんだよ…。 ……。 ……なぁ、なんかつくってくれよ。 ねぇ…。 …ん? ……。 さやか、どこいくんだ…? めし、つくってくれるのか…? ……。 さやか…? …これ、あなたに。 …? …たべものじゃ、ないから。 だろうな…。 …あけてみて? …。 …。 ……これ。 …おそろい。 さやか、おまえ…。 …あたしの、いろ。 いつ…。 …。 …まどかたちと、あそんだときか。 かもしれないし…きょうこといっしょだったとき、かも。 なんだよ、それ。 …きょうこが、かってくれてるとき。 どうして、いわなかった? いってくれたら、いっしょに…。 …それじゃ、だめだから。 …。 あたしが、きょうこにかってあげたかったの。 …さやか。 ね…て、だして? …。 …ね、はやく。 ……これで、いいかい? うごかさないでね…。 …。 …。 …。 …はい、もういいよ。 ……ありがとう。 …。 …。 …どんな、きもち? あ、うん…。 …なによぅ。 その、うれしい…よ。 …なんでたどたどしいの? あー、いや…。 ……。 …うれしい。 すっげぇ、うれしい。 …あたしのいろ、でも? だから、だよ。 …。 …その、あってるか? うん…。 …そう、か。 へへ…。 …。 …すっげぇ、うれしいな。 よかった…。 ……。 …あんたは、あたしのだから。 だから…。 おう…。 …あたしは、あんたのだから。 だれにも、やらない…。 …。 …ん、さやか。 ……なに、たべたい? つくってくれるのか…? …おなか、すいてたら。 あたしのだんなさまは、ねむれなくなっちゃうから。 …さやかぁ。 こぉら、くっつかれたらたてないんだけど…? …。 …ちょっと、まっててね? おう…! ……ふふ。 Sul mare luccica l'astro d'argento. Placida e l'onda, prospero il vento. …。 Sul mare luccica l'astro d'argento. Placida e l'onda, prospero il vento. …。 Venite all'agile barchetta mia! Santa Lucia! Santa Lucia! …。 Venite all'agile barchetta mia! Santa Lucia! Santa Lucia! なぎさ。 はい? 気持ち良さそうに歌っているところ、悪いのだけれど。 出来たのですか? ええ。 テーブルに運んでもらって良いかしら? はい、なのです! ふふ。 マミのごはんは今日もおいしそうなのです。 口に合えば良いけれど? それは食べてみないと分からない、です。 まぁ。 チーズ、チーズ。 学校で習ったの? …? さっきのカンツォーネ。 確かナポリの民謡よね? クラスで歌っている子がいて、聞いてたら覚えてしまったのです。 そう。 耳に残るものね、その歌。 杏子とさやかもよく歌ってたのです。 うん? 杏子は英語、たまにどっかの国の言葉。 さやかは日本語、たまによく分からない言葉で。 ああ。 あの二人はね、昔からなのよ。 屹度今も歌ってるわ。 歌でね、愛を告白するの。 マミ、寂しくはなくなりましたか? どうして? ご機嫌、ななめだったのです。 そうだったかしら? そうだったですよ。 ごはんもどっか手抜きだったのです。 まぁ、手抜きだなんて。 だけど今日はやる気満々、なのです! もう、なぎさは。 しあわせ、いっぱい。 ん? 杏子とさやか、なのです。 そうね。 だってようやく、叶った願いだもの。 …。 今までも一緒にいられてしあわせだったのでしょうけど。 これからはもっと、しあわせになるわ。 二人はケンカ、しないのですか? するわよ、それは。 でもね。 でも? こんな事言ったら、変に思われるかもしれないけれど。 あの二人はね、ケンカばかりしていたと思うの。 時には…殺し合うような、そんな事すらも。 …。 ケンカして、すれ違って、素直になれなくて、傷つけあって、失って、でも離れなくて。 それをずぅっと、あの二人は続けてきて。 …。 この時間でやっと、ね。 やっと、あの二人は結ばれる事が出来た。 そう、思うのよ。 …。 いつか終わりは来るでしょう。だけど、一人にする事はない。独りにさせる事はない。 そう…ずっとそうしてきたように。 …マミ。 ね、変でしょう? はい。 …まぁ。 だけど、分かるような気がするのです。 だから、なぎさも変なのです。 …。 似た者、なのです。 杏子とさやかのように。 あの二人は似ていると思うけど。 私達はあそこまで似ているかしら? …。 …? なぎさ? せっかくのチーズが冷めてしまうのです…。 …もう。 じゃあ、冷めないうちに食べましょうか。 マミ。 ん? 何か、企んでる。 そんな顔、してるのです。 そうかしら? そう、なのです。 なぎさ。 なんですか。 来月、ちょっと帰ろうと思ってるの。 ちょっと? ええ、ちょっと。 うふふ、楽しみだわ。 かーなーたーしまへーとーもーよーゆかんー。 サンタールーチーアー、サンターールチーアー。 …。 はい、杏子。 お待たせ。 おう、うまそうだな! ただのお茶漬けだけどねー。 さやかのお茶漬けはただのじゃないぞ。 すっげぇ、うまいからな! …ふふ、ありがと。 じゃあ、いただきます。 はい、召し上がれ。 ……。 …おいし? おう、うまい! …良かった。 なぁ、さやか。 なぁに、杏子。 さっきの歌、あれだろ。 マミの。 マミさんの、じゃないけど。 向こうの国の歌だよ。 だよなぁ。 なんか思い出しちゃって。 この前、マミさんと話したからかな。 その歌、頭に残るんだよなー。 ねー。 ……。 …足りる? おう。 寝るお腹だからね。 …一応。 …。 …あ、そうだ。 うん? 来月の第三日曜、杏子は休み? ああ、休みだと思うけど。 なんだ、どっか行きたいのか? あのね、まどかが空いてるかって。 まどかが? うん。 さやかも一緒か? 一緒じゃ駄目? んなわけ、ないだろ。 そっか、良かった。 じゃあまどかに連絡しておくね。 ん。 …やっぱり。 …? 食べてる時の杏子って、好きだな。 …。 …あたしを食べてる時の顔も。 ……。 …好き。 さやか。 …なに? 指輪、似合ってる。 …ん、杏子も。 ほむらちゃん。 …。 ココア、飲む? …頂くわ。 よかった。 …ありがとう、まどか。 今度は何の法律の? …法の下の平等と、尊属殺人についてよ。 え、と。 尊属殺人は今はもう、削除されて無いのだけれど。 それに至った経緯と照らし合わせて、法の下の平等とはいかなるものか。 それを… うーん。 まどか? …やっぱり、私には難しいな。 そんなに難しいものじゃないわ。 ただ、そう思い込んでいるだけよ。 でもやっぱり、難しいよ。 …。 もう少し? …ええ、もう少し続けるわ。 まどかは先に休んで。 ん、分かった。 じゃあ…おやすみなさい、ほむらちゃん。 うん、おやすみなさい。 まどか。 寒いから、あったかくしててね。 まどかの淹れてくれたココアがあるから大丈夫よ。 うん。 …。 …ねぇ、ほむらちゃん。 なに? ほむらちゃんは今、しあわせ? …急にどうしたの? しあわせになれって。 …美樹さやか? うん。 …自分がしあわせだから、かしら? 勝手なものね。 …わたしね。 …。 ほむらちゃんにとってのしあわせってなんだろうって。 たまに、思うの。 …私にとっての幸せは、まどか。 貴女が笑っていてくれる事よ。 …。 さぁ、躰が冷えてしまう前にベッドへ。 ほむらちゃん。 …なに。 わたしのしあわせは、ほむらちゃんが笑っていてくれる事だよ。 どんな世界であっても。 …。 たとえ、わたしがいなくても。 いなくなったとしても。 まどか。 …。 まどかは此処に居るわ。 もう二度と、居なくなんかならない。 だからお願い、莫迦な事は言わないで。 …うん、そうだね。 ごめんね。 …。 しあわせに。 …。 なろうね、ほむらちゃん。 さやかちゃんと杏子ちゃんのように。 …まどか。 そうだ。 来月の第三日曜、空けておいてくれると嬉しいな。 …分かったわ、まどか。 その日は空けておくわね。 ん、良かった。 じゃあ…おやすみなさい。 …おやすみなさい、まどか。 …ん、さやか。 きょうこ…。 …まだ、か。 ううん…。 ……。 …しあわせ、なの。 ん…。 …ずっと、つづいてほしいの。 ん…ずっと、つづけよう。 …ずっと、だよ。 うん、ずっと…。 …ずっとなんて、ないのに? そんなこと、ない。 …でも、はじまればかならず、おわりがくるのに。 おわりにしなければいけないことも、ある。 …そんなの、やだ。 だけど、さやか。 …。 おわらせなくていいものだって、あるんだ。 …それでも。 おわらせない。 …。 …ずっと、いっしょにいきるんだ。 ぜったいに、はなさない。 きょうこ…。 …しんだとしても、いっしょにいる。 ひとりには、しない。させない。 ……。 おまえは、あたしのよめだからな。 はなれるなんて、もう、ゆるさない。 …うん。 さやか…。 …きょうこ。 もう、おやすみ。 また、あした。 …まだ、ねたくない。 もうすこし、おはなししてたい…。 …。 …もうすこし、きょうこのこえ、きいてたい。 しょうがないな…。 …ごめんね、しごとなのに。 いいさ…。 ……。 …さやか。 ん…。 さやか…さやか…さやか…。 ……。 …ずっと、おまえだけがすきだ。 …。 ずっと…おまえだけ。 …うん。 ……。 …あたしも、きょうこだけがすき。だいすき。 きょうこさえいてくれれば、なにもいらない…。 ……。 きょうこ…きょうこ…。 ……さやか。 …。 …おやすみ、さやか。 おまえがねむるまで、ずっと、だきしめててやる…。 ……。 あら、佐倉ちゃん。 もしかしないでもその指にあるものは …。 うおぅ、あからさまにしまったって顔。 …。 外さなくても良いわよぅ、それは。 そういうのはあり、だから。 それに、そこまで派手じゃないしね。 ……。 うんうん、そうかそうか。 これで佐倉ちゃんも嫁さん持ちか。 よーし、末永く爆発しろ。 …どうでもいいから、早くしてください。 出発準備が出来ない。 あまり寝てないだろ? …。 分からんでもないけど、仕事に差支えない程度になぁ。 ま、若いから?少しくらい睡眠時間削っても平気だろーけど。 …。 と言うか、リア充爆発しろ。 班長。 佐倉ちゃんの今日の行動目標は…これだな、妄想で意識散漫注意良し、だな。 これはあれだ、脳内で嫁さんの可愛い姿を ぶっ飛ばすぞ。 いや、割と本気だぞ? ……。 とりあえず、今日も安全最優先で。 オーケイ? …安全最優先、良し。 はい、宜しい。 今日は定時で帰ります。 ん? 帰ります。 可愛い嫁さんが待って ……。 と言うか基本、佐倉ちゃんは定時だけどねぇ。 ま、終われば良いよ。 …。 佐倉ちゃん。 …何ですか。 爆発しろ。 うるせぇ、ばか。 あれ、美樹ちゃん? 指輪、してる? …。 て、左の薬指だしー。 えー? …。 やっぱり、カレシさんから貰ったの? …えーと。 ごめん、眠くて頭が回ってない。 えー。 それでなんだっけ? それ、指輪。 しかも左の薬指。 あー…これね。 まぁ、推して知るべしってヤツかな。 もう、身を固めちゃうって? もったいないなぁ。 と言うか、古くない?その表現。 合コン、全然行く気ありませんって感じ。 うん、ないから。 …。 ふぁ…。 …ねぇ、美樹ちゃん。 もしかして、なんだけど。 うん、なに? 相手、居候さんでしょ。 なんで? 女のカン。 カン、ねぇ。 じゃあ、そうだって言ったら? 軽蔑する?気持ち悪い? …。 なんにせよ、今のあたしにはどうでもいいんだ。 そういうの。 …ごめん、正直ちょっとって思う。 だろうねぇ。 でも、そうだとは言ってないから。 …。 さて、今夜は何を作ろうかな。 お腹空かせて帰ってくるんだ、あいつ。 美樹ちゃん。 …。 わたしには、理解出来ない。 …うん。 いいよ、別に。 …。 じゃあ、ね。 バイバイ。 …。 …。 …さやか、何してるんだ。 電気もつけないで。 ……。 おい、聞いてるのか。 …みないで。 は? …おねがいだから。 …。 …たぶん、ひどいかおしてるとおもうから。 そんなかお、あんたにはみせたくない…みられたくない。 ……。 …。 …腹、へった。 …。 なんか食うもの、ないか? ……。 さやか。 …あたしより、ごはんのほうがだいじなの。 あぁ? …。 んなこと、言ってないだろ。 …おべんとう、つくってあげたじゃない。 たべたんでしょ…。 ああ、食った。 けど帰ってきてお前の顔を見たら、腹がへった。 …なによ、それ。 なんでか知らねーけど、ほっとするんだよな。 お前の作ってくれた弁当を食ってる時って。 …。 だから、じゃねーけど。 お前の顔を見ると…その、安心するんだよ。 …。 今日は…ちょっと忙しかったんだ。 だから授業中、寝ちまってさ。 …あたしは、なんなの。 …。 あたし、きょうこの…。 …恋人、だろ。 …。 違うのか。 …きょうこは、いいの。 いいって? …あたし、おんなだよ。 知ってるよ。 …ほんとうに、いいの。 …。 ほんとうに… 何があった。 何を言われた。 …。 …。 ……きもちわるいって。 …。 …みられてた、みたいで。 いつ。 …このあいだ、ふたりでおまつりにいったの。 …。 …キス、したの。 して、くれたの…。 …。 ……はじめて、だったのに。 うれしかった、のに…。 …。 …なのに。 やめるか。 …え。 苦しいのなら、やめるか。 恋人。 …。 あたしは…さやかが苦しいのなら、 そんなの、いや…! …。 そんなの、いや…いやだよぅ…。 …でも、苦しいんだろ。 …。 さやか。 …きょうこが、すきなの。 だいすきなの…わかれたくないの…。 恋人をやめたとしても、あたしはさやかのそばにいる。 友達として、ずっと。 …ともだち。 あたしは…さやかが、好きだ。 …きょうこ。 だから、さやかを苦しめたくない。 ……。 …さやか。 ……、て。 …。 ……だきしめて。 …。 ……だい、て。 …。 ……あなたが、ほしいの。 さやか。 …。 …そんな事したら、もっと、やめられなくなる。 それでも…いいか。 ……。 さや…ん。 ……たすけて。 …。 …あなたが、すきなの。 まわりに、どんなことをいわれてたとしても…やめることなんて、できない。 さやか…。 …できない、できないの。 お前の、痛み。 …。 …貰えれば、いいのにな。 きょうこ……。 …なぁ、さやか。 ……。 …めし、くったのか? ……。 …。 …もぅ。 なによ、それ…。 …だってよ、めしはだいじだろ。 はらがへってると、こころまでよわっちまうんだぞ…。 …。 …だから、その。 だったら、きょうこがつくって…。 ……え、あたし? たべたい…。 …あー。 なんでもいい…きょうこがつくってくれたものなら。 それたべたら、きっと、すこしだけげんきになれるから…。 ……。 それで、たべたら…たべ、おわったら。 …しらねぇぞ、どんな味になっても。 ……。 …さやか。 きょうこ…。 ……。 …あたしを、あいしてください。 ただいま。 …。 さやか、帰ってないのか? …。 さやか、お前の好きな鯛プチ買ってきたぞ。 一緒に食べよう。 ……。 さやか。 ……。 …やっぱり、帰ってたか。 電気も点けないで、どうした…? ……。 …さやか? ……。 …何か、あったのか? おなか、すいてる…? …うん? おなか…。 …ああ、すいてるよ。 だから、ほら。 …。 …好きだろ? ……。 …とりあえず、電気点けるか。 ごめん、きょうこ…。 …。 …ごはん。 弁当。 …。 今日もすげぇ、うまかった。 ごちそうさん。 …ごめんね、きょうこ。 あたし、夕ごはん、つくってない…。 …。 …ごめんなさい。 さやか。 …。 鯛プチ、食おうぜ。 夕飯はそれから、だ。 な。 ……。 …少しは落ち着いたか? ん…鯛プチ、おいしい。 ものの味が分かれば、大丈夫だな。 …あの、ね。 おう。 …みんなに認めてもらって、お祝いしてもらいたいわけじゃないの。 …。 まどかやマミさん、なぎさ… それから、ほむら。 …。 そんな顔、するなよ。 …それだけで、十分すぎる程なのに。 それだけで、とてもしあわせなことなのに…。 …。 …こんな事よりもずっと、いっぱい、苦しい思いしてきたのに。 やっと、願いが叶ったのに…。 …。 …なのに。 駄目だなぁ、あたし…。 ……。 …学校、やめちゃおうかな。 やめて、どうするんだ…? …専業主婦になる。 …。 なって…毎日、杏子においしいごはん、食べさせてあげるの。 今も食わせてもらってるよ。 …もっと、なの。 もっと、か。 …そう、もっと。 じゃあ、あたしはもっと頑張らないといけないな。 …? お前においしいもの、食わせてやる為に。 ……。 …一生、食いっ逸れないでいいように。 …。 あたしは、さやかの好きにすればいいと思う。 …じゃあ だけどさ、さやか。 後悔しない生き方をするのは、とても難しいんだよ。 どんな選択をしても、人ってのは後悔するもんだから。 …。 …だけど、あたしはお前を嫁にした事は後悔してない。 この先も、する事はない。 ……。 …さやか。 学校、本当にいいのか…? ……。 …。 …今日のごはんね。 うん。 …かつ煮にしようと思ってたの。 杏子、好きだから。 おー。 …でも。 じゃあ、明日。 明日、作ってくれよ。 …。 な、さやか。 あたし、明日も定時で帰ってくるからさ。 …うん。 約束、な。 うん…約束。 Song... “Wind” Akeboshi “Sis puella magica!(空耳仕様)” from Puella Magica Madoka Magica 梶浦由記 “Santa Lucia” ナポリ民謡(カンツォーネ・ナポリターナ) BGM... “ブレイブルー” FLOW “アイオライト” joy “久遠〜光と波の記憶〜” from FINAL FNTASY ]−2 松枝賀子 江口貴勅 Don't try to live so wise... …。 Don't cry coz youre so right... …。 Don't dry with fakes or fears... …。 Coz you will hate yourself in the end... …ねぇ、杏子。 ん…。 …その歌、あたし好き。 ……そうか。 うん…。 …。 …おかえり、杏子。 ん…? …まだ、言ってなかったから。 ああ…ただいま、さやか。 …ねぇ。 なんだい…。 …杏子の作ったごはん、また食べたいな。 杏子、あんまり作ってくれないんだもん…。 そんなうまいもんじゃ、ないだろ…。 …ううん、おいしいよ。 杏子の味がして。 あたしの味って…。 …お母さんの味って、言うじゃない? あたしはお前の母親じゃないぞ。 …だから、たとえだって。 あたしは。 …ん、きょうこ。 お前の作ってくれた飯が食いたいんだ。 …。 …だけど。 ねぇ、もっと…。 …さやか。 もっと、撫でて…。 ……たまに、だったらいい。 …? …飯。 ……。 まぁ、あたしも嫁だからな…たまには、その、作らないとな。 だけど、味には期待するなよ。 …おいしいんだけどな。 さやかの飯の方がずっとうまい。 …人に作ってもらうと、おいしいの。 それが杏子だと、特に。 味覚、大丈夫か? …あたしの味、おいしいんでしょ? …。 だから…ね? ……。 きょうこ…。 …もう、大丈夫か。 また…。 …うん? また、あたしがこうなったら。 慰めて、くれる…? …。 …ならないって、約束出来ないから。 前も、あったし…。 …あった、な。 あれは…高校生の時だったか。 …ハジメテ、してくれた。 …。 ずっと、待ってたんだから…いくら誘っても、乗ってくれないし。 あたし、頑張ったんだからね…? …そんな事、言われてもだな。 にぶちん…。 …うるせ。 杏子、いっぱいいっぱいだった…。 …当たり前、だろ。 したこと、なかったんだから…。 …良かったって、思ったの。 うん? …杏子があたし以外の人とあんなコト、してたら。 少し考えただけでも、おかしくなりそうだから…。 ……。 ねぇ、杏子…。 …なんだい、さやか。 また、同じ事があったら……面倒な女って思って、見捨てる? とっくに、見捨ててるだろ。 …え。 こんな事ぐらいで、見捨てるようだったら。 ……。 まぁ、な。 うちの班長みたいなヤツはいないだろう。 …面白い人だよね、班長さん。 どこがだよ。 …結婚、してないんだっけ? 昔、してたらしいけどな。 …そう、なんだ。 ……。 …ねぇ? ん? ……好き。 ああ。 …。 …あたしも、好きだ。 だからずっと、一緒にいてやる。 何があっても、離さない。 …うん、一緒にいて。 ……。 …来月。 …? まどか、なんだろうね…。 …遊ぶんじゃないのか? うーん…。 …さやか? なんとなく、それだけじゃない気がする…。 …。 …なんとなく、だけど。 まぁ、その時になれば分かるだろ…。 …だね。 ん、さやか…。 …好き、大好き。 ……おう。 明日、は。 …。 …ごはん、ちゃんと作ってあげるから。 おう…。 ……。 さやか。 …なぁに、きょうこ。 ずっと、好きだからな。 …。 先の事なんか、分からないけど。 でも、好きだから。 ……う、ん。 ……。 ……。 …おやすみ、さやか。 また、明日。 おやすみ、きょうこ…また、あした。 |