…ねぇ、杏子。 今日は楽しかったね。 ……。 ねぇ…杏子。 ……。 …杏子? ……うぅ、ん。 て、寝てるし……。 …あぁ? ……あぁ、じゃないわよ。 なんか言ったかぁ…? …言ったわよ、ばか。 ……。 て、また寝ないでよ。 …ん、あぁ。 …。 …え、と。 それで、なに。 …なにって何よ、ばか。 さやか。 …今日。 今日が、なんだい? …楽しかったね。 ああ。 そうだな、楽しかったな。 …。 でもさやかの買い物は長いよなぁ。 服、何度も見比べてさ。 ……。 どの服も似合ってんのにさ。 結局、買わなかったし。 …悪かったわね。 あん? …買い物、長くて。 結局、買わなくて。 別に悪いなんて言ってないぞ。 …。 さやか? ……。 …。 ……ぶ。 あはは。 な、なにすんのよ。 ほっぺた、ふくらましてるからだろ。 …! お。 また、ふくらんだ。 …もう、いい。 杏子のばか。 なんだよ。 ……。 さやか。 …また寝たら? あたしに付き合わされて、疲れてるんだろうから。 …。 ……。 …なぁ、さやか。 あれに乗ろう。 …は? あれ。 さやかも乗りたいだろ? 何言ってんの。 次の駅で降りればいいんだよな、多分。 よし、降りるぞ。さやか。 ちょ、ちょっと何勝手に 乗りたいんだよ、さやかと。 な…。 な、良いだろ? ……。 さやか、ほら。 ……しょうがないから、付き合ってやるわよ。 おー、近くで見るとなかなかでかいなぁ。 …。 さやか、早く乗ろう。 …引っ張らないでよ。 早く早く。 …もう。 中学生、二枚です。 さやか。 あーもう、引っ張るなって。 へへ。 ……もう。 あたし、こっちな。 …好きにしたら。 さやかはそっちでいいか? あんたはそっちがいいんでしょ。 だったら必然的にあたしはこっちじゃない。 そうなのか。 …そうよ。 …。 …。 あたしさ。 …何よ。 観覧車って言うんだっけ、これ? そうだけど。 乗ったの、初めてなんだ。 …え? 乗ったこと、ないんだ。 …初めて聞いた。 言ってねぇもん。 …それで。 うち、遊園地とか行く金がなかったから。 そもそもどっか出掛けるような家でもなかったし。 でも遊園地じゃなくてもあるんだな、観覧車って。 ……うん。 だから、なんだ。 …何よ。 さやかと乗れて…さ。 だから、何。 あーもう! 察しろ、ばか。 はぁ? これ、どれくらいで上に行くんだろうな。 それよりも続きは? 続き、聞かせなさいよ。 やだ。 はぁぁ? 早く上に行かねぇかな。 杏子。 …。 杏子ってば さやか、やっぱこっちに来いよ。 …は? こっち。 …なんでよ。 いいから。 ほら。 …やだ。 なんでだよ。 続き、言ってくれないから。 …。 …言ってくれないから。 …。 …。 …嬉しい。 …。 さやかと…乗れて。 嬉しいんだよ、ばか。 …ばかは余計よ、ばか。 さ、言ったぞ。 来いよ、さやか。 …。 さや …来たわよ。 …。 …。 …きれいだな。 …夜、だし。 なぁ、さやか。 …何よ。 また、遊びに行こうな。 二人で。 …。 今日も楽しかった。 本当に。 ……本当に? うん。 …でも、疲れたんでしょ。 折角の休み、あたしに付き合わされて。 ま、疲れたけど。 でも、さやかの楽しそうな顔を見てるのも楽しかったから。 …。 …ま、なんだ。 兎に角、楽しかったんだよ。 明日も休みだしな。 ……。 そ、外、きれいだぞ。 …杏子。 お……。 …また、行こうね。 二人で。 …おう。 ……。 ……。 …ここは肩抱いてくれるところ、なんだけどな。 ……。 ねぇ……杏、ん。 ……。 ……。 …ばーーか。 ……そっちこそ、ばーか。 ……。 杏子、髪の毛ちゃんと乾かさないとだめだって。 いっつも、言ってるでしょ? ……。 疲れてるのは分かるけど。 ……。 あーもう、しょうがないなぁ。 さやかちゃんがやってあげよう。 …うん、ありがと。 え。 へへぇ…。 …え、と。 んじゃ、じっとしててよ。 おー…。 ……。 …あー…うー。 …て。 なに変な声出してるの…。 きもちいーからなぁ…。 あ…そう、なんだ。 そうだぞー…さやかにされてると、ほんと、きもちいいんだー…。 …あ、うん。 ありがと…。 ……へへ。 (…なんか、すっごいかわいらしいんですけど!!) ……。 …きもち、いい? うん…きもちいい。 さやかは、きもちいいな…。 (…なんか違う意味に聞こえるんだけど!) ……。 ……。 ……しあわせ、だぁ。 …え。 あー……。 ……。 ……。 …もう一度言って。 あ…? 今の! もう一度言って! …? 杏子! …きもちいい、ぞ? いや、それじゃなくて! あー……なに? あぁぁ、もう…! …おわ。 きょ、杏子。 …うん? そ、その…、…ぁ…せ? さやか…? あ、あたしと、その、一緒にいて、その、だから…。 …。 し、し、しあ うん、しあわせだ。 …ッ。 あたしはさ、さやかといっしょにいられれば、しあわせなんだ。 ほ、本当に? うん、ほんとう。 ……杏子。 お…? …あたし、杏子と一緒にいてもいい? なんで…? …。 いてくんないと、あたしがこまるぞ…? さやかはそれでもいいのか…? よ、良くない…! なら、いてよ…なぁ、さやか? う、うん…。 …ふふ、よかったぁ。 ……。 なぁ、さやか……。 …なぁに、杏子。 さやかはあたしといて、しあわせかい…? …。 そうだと、いいなぁ…。 …そんなの決まってるじゃない。 お……。 …すっごい、しあわせ。 だから…ずっと、いっしょにいたい。 そっか…じゃあ、ずっといっしょにいような? ……うん。 ……。 ……すえながく、よろしくね。 おう……よろしくな、さやか。 …はい、おしまい。 ん、ばっちり。 んー…。 もう、寝よっか。 疲れたでしょ? うん…ねる。 …ね、杏子。 うん…。 …腕枕、してほしいな。 …。 ……だめ? いいぞ…いくらでも、してやる。 …。 な…? …杏子! う…? …大好き。 ……。 ……。 …う。 ……ぁ。 (……そうか、きのうは。) …きょうこ? (というか……うでのかんかくが、ない。) きょうこ、おきた…? ……さやか。 えへへ、おきた…。 ……。 きょうこぉ…。 (……あぁ。) ね…、きょう、どうする…? …どうするって? れんきゅう、ふつかめ…でしょ? きのうは、でかけたし…。 え、と……なぁ、さやか。 なぁに…? けさは…。 …けさは? …今朝は珍しく、早いな? さやかちゃんだって、そういうときくらい、あります…。 …。 …うふふ。 な、なに…。 …きょうこのねがおって、かわいいよねぇ。 な…。 …みあきないなぁ、って。 ……さやか。 なーに…? …熱でも、あんのか? …。 う、お…。 …あーもう、かわいい。 きょうこ、かわいい…。 さ、さやか…。 そのくせ、かっこよくて……ほんとう、ずるい。 (え、えと……さやか、どうしたんだ。) ……しあわせ。 え。 …ほんとにしあわせなんだよ、あたし。 そ、そうか…。 きょうこが、あたしをひつようとしてくれるから。 ……。 …あたしね、きょうこ。 お、おう…。 …きょうこになら。 なんでもしてあげたい…って、おもってるの。 な、なんでも…か? …ん、なんでも。 ……。 …あー。 な、なに。 いま、えっちなこと、かんがえたでしょ…? は?! …いいよ。 きょうこになら。 ば、ばか! か、考えてねーよ! …ほんとーかぁ? 本当だよ…! …ほんとでも、いいのになぁ? な、な…。 …それに、いまさらだし? ちょ、おい…。 ……。 さ、さやか…。 ……ね、ほんとうにいいよ。 …! …きのう、はやくねたから。 げんき、だろうし…。 あ、あーーー! …? は、腹減ったな、腹! 飯、飯作ってくれよ、さやか! ……。 なんでもしてくれるんだろ…? …なに、たべたい? あたしでもいいよ…? ……。 …えへへ。 はぁ。 さやか。 …なぁに。 腕の感覚が、ないんだ。 …。 だから…今はちょっと、無理だ。 …じゃあ、あとで? いや、そういう問題でも… ……。 …と言うか、半分寝てるだろ。 ねーてーなーいー…。 ……。 ふふ…きょうこのほっぺた、すべすべ。 …そうかい。 それは、良かったな…。 …うん、だいすき。 ……。 …ふふ。 (…寝てるな、これ。) ねぇ、きょうこ…。 …なんだい、さやか。 あたしね…しあわせ。 …。 …きょうこが、しあわせだって、いってくれたから。 あたしが…。 …わすれちゃったの? いや……うん、言ったと思う、けど。 …あたしね。 …。 …こんなにしあわせだって、しらなかった。 …こんなにって。 あたし、ずっとだれかにひつようとされたかった…んだと、おもう。 ……。 …だから、うれしい。 さやか…。 しあわせをくれて、ありがとうね…。 (…しあわせを、くれたのは。) しあわせにしてくれて、ありがとう…きょうこ。 ……。 …ん、ぅ。 ……さやか。 …やっぱり、あたし? ……。 そう…? ……うん。 そっか…じゃあ、めしあがれ。 ……。 あ、ぅ……。 …な、さやか。 な、に…。 ……きょうは、うちにいよう。 でもって、いっぱい…。 ……ん。 ……なぁ、さやか。 んー…もう、いっかい? …ほんとになんでもしてくれるのか。 …。 …なぁ、さやか。 ん…してあげる。 あたしができること、きょうこがしてほしいこと…ぜんぶ。 …。 …いっしょにしんでほしいって、いえば、そうしてあげる。 ばか。 えんぎでもねーこと、いうな。 …たとえ、だよ。 …。 あたしのぜんぶ、きょうこにあげる…あげたいの。 ……。 もらって、くれる…? …。 ねぇ…。 …もう、もらってるつもりだよ。 もっと…。 ……もっと、か。 そう、もっと…。 …さやかは、さ。 うん…。 その…あたしのこと、もらってくれるのか? ……。 ……。 ……。 …いらない、か。 もらって、いいの…? …は? あたし、もらって…。 ちょ、さやか…。 …。 …なぁに、ないてんだよぉ。 なくほど、いやなのかよ…。 ううん、そうじゃない…でも。 でも、なんだよ。 …かんがえて、なかった。 は…? …あたし、きょうこのこと、もらっていいの。 ……。 もらうしかく、あるの…。 ばーーーーーーーーーーーーーーか。 ……。 おまえのしあわせって、なんだよ。 …それは。 あたしだって、いうなら。 だったらえんりょしないで、もらっとけよ。 …いいの。 あたしにもらってほしいって、いっておいて。 じぶんは「いいの?」はねーだろ。 ほんっと、ありえねぇから。 ……。 …なぁ、さやか? あたし、もう、おまえがいないとだめなんだ。 さやかがいないみらいなんて、かんがえられないんだ。 これいじょうのしあわせなんて、みつからないんだ。 …。 …あたしのすべてはさやか、おまえなんだ。 きょうこ…。 さやかは…どうだい? ……。 …もらって、くれるか? もら…う…。 …。 もらう…ほしい。 …じゃあ、やる。 きょうこ…! ……。 …あたしのすべても、きょうこだから。 きょうこだけ、だから…。 うん…ありがとう、さやか。 すき、だいすき…。 ……あたしも、すきだよ。 だいすきだ…さやか。 ああ……。 ……しあわせ、だ。 …。 …なくなよ、さやか。 ……しあわせ、だから。 だから……。 ……。 ……。 …かんらんしゃ。 …。 おまえといっしょにのれて、たのしかった。 うれしかった。 …。 また、のりにいきたいな…。 …うん、いこう。 いこう、きょうこ…。 やくそく、だな。 ん…やくそく。 さやか。 …はい。 これからずっと、一緒だ。 ずっと一緒にいよう、さやか。 …。 …さやか。 きょうこぉ……。 ……。 ……。 …おいおい、さやか。 もらってくれるって、いった…。 ……。 …だから、もういちどだけ。 そろそろ、めし…。 …あとでオムライスつくってあげる。 お……。 …だから、いまはあたし。 ……。 ……。 …おかわり、いただきます。 はい…。 R o n d o さやか。 …。 …。 …あーーーーーーーー。 あー、じゃねぇ。 ばか。 かーえーせー。 飲み過ぎだ。 そーんーなーにーのーんーでーなーいー。 …うぜぇ。 ねー、かえしてー。 ……。 …あーーーー! あー、まずい。 くっそ、まずい。 あたしのびーるがー! うるせぇ、ばか。 かえせーかえせよーそれはあたしのだったんだぞー。 黙れ、酔っ払い。 えーん、あたしのおさけー。 きょーこにのまれちゃったー。 なぁ…知らなかったっけ、さやか。 あう。 あたしが酔っ払い、嫌いなのは。 ……うー。 たく。 大して強いわけじゃねーのに、アホみたいに飲みやがって。 …いっぽんしかのんでないもん。 缶一本でも多いんだよ、お前の場合。 と言うか、500mlだと多いって言っただろ。 せめて半分にしろ、ばか。 ふんだ、きょーこのおこさまじた。 びーるのあじもわからないきょーこにいわれたくない。 ……。 …いたい、いたいですー。 さやか。 ……。 酒を飲むなとは言わない。 けど量を弁えろ。 …そとではのまないじゃん。 そういう問題じゃ きょうこのそばだから。 …。 …きょうこが、とめてくれるから。 お前な…。 ……。 たく…ほんと、ばかだな。 明日、また辛い目に遭うぞ。 …かんびょうして。 自業自得、因果応報だ、ばか。 …ばかばかいわないでー。 あ、おい、こら…。 …きょーこはのめるくせに、のまない。 あんな苦いもん、いらねぇ。 …おこちゃま。 あんなのの、どこが良いんだ。 …それ、しっと? は? もう、やだー…きょうこちゃったらー。 …殴るぞ? あたしは、あたしにはきょうこだけだよー…。 酒臭い、くっつくな。 …きょーこ、きょーこぉ。 ……。 すーきーー、だいすきー。 …あのさ、さやか。 なぁに…。 …外では飲むなよ。 えー…? 絶対、飲むなよ。 お前は弱いんだから …のまないよ。 ……。 …こんなおいしくないの。 お前な……。 …。 …どうせなら甘いの、買って来いよ。 そしたら、少しぐらいだったら、付き合ってやるから。 …おこちゃま? うっせ、ばかさやか。 お前が言うな。 ……。 …そろそろ、あたしは寝るぞ。 お前は ん。 …あ? つれてって。 ……。 …つれてって? ……。 …いたい。 今夜は一緒に寝ない。 えーなんでー……。 酒臭いヤツとなんて御免だ。 ……きょーこだって、のんだじゃん。 …。 だったら、いっしょじゃん…。 …。 ひとりは、やだよぅ…。 お前さ。 …きょーこぉ。 本当に外で飲むなよ。 絶対に絶対だからな。 …じゃあ、きす。 は? だっこしながら。 …お前なぁ。 だって、きいてくれないんだもん。 さっきから、ずっと。 …。 …おとなはだれだって、つらいから。 おさけ、のんでいいことになってるんです。 まどかのママさんがいってました…。 …飲むなとは言ってない。 けど、分相応にしろ。 お前はどちらかと言うと、弱いんだ。 ……。 良いか、さやか。 ……。 お前がちゃんと話すなら、幾らでも聞いてやる。 何時間でも、聞いてやる。 あたしはいつだってさやかの隣にいるんだ。 それを忘れるな。 …。 ほら、歯ぁ磨くぞ。 立て、さやか。 …。 さや ……うぅぅ。 おい…。 きょーこ、きょーこ、きょーこぉ……。 …なんだい、さやか。 すきっていって、あいしてるっていって、あたしだけっていって、ほかにはなんにもいらないっていって…。 …。 いって、いって…。 …好きだよ、さやか。 …。 愛してるよ。 あたしが愛してるのはさやかだけだ。 …。 あたしは…さやかさえいれば、何もいらない。 いらないんだ。 あたしも…あたしもだよ、きょうこ…。 …今夜はちゃんと寝て。 明日からまた、頑張れば良い。 頑張りすぎない程度に頑張れ、さやか。 …むずかしいよ、それ。 でもって辛かったら、あたしに甘えれば良い。 酒じゃなく。 …。 甘いのだったら、少しくらいなら付き合ってやるからさ。 …じゃあ、いっしょにかいにいく? いこ…? あーはいはい…一緒にな。 えへへ…。 …さ、歯磨いて。 今夜はもう寝よう、さやか。 いっしょ…? ねぇ、いっしょにねてくれる…? …当たり前だろ、ばか。 あたしがお前を一人にするわけ、ないんだから。 ……。 …んぅ。 (……今日は本当に多かったな。) ……。 (酒…多分、残るな。) ……きょ、ぅ。 ……。 ……。 (…寝てる、な。) ……。 …なんだよ、さやか。 あたしは此処にいるよ…だから、心配するな。 ……ふふぅ。 う…。 ……もぅ、のめ…ぃ…。 (…酒くせぇ。) ……。 …おい、さやか。 今度また酔っ払いになったら、一緒に寝てやらないからな。 う…うぅ。 酔っ払いに腕枕なんて、真っ平御免だ。 ……ぅ。 …さやか。 ……きょうこ…きょうこ…。 …どんな夢見てんだか知らねぇけど。 泣きながら、寝るな…ばかさやか。 ……。 …あと、酒に甘えるな。 何の為にあたしがいるんだ…分かってんのか、さやか。 ……はい。 …。 ……ぐぅ。 …。 ……。 …ばかさやか。 ……。 ……。 …うぅ。 ほら、水。 …ありがとぉ。 それに懲りたらもう飲み過ぎるなよな、のんべぇさやか。 …はぁい。 と言っても、飲むんだろうけどな。 ばかだから。 …そこまで言わなくても。 うう…頭、痛い。 ばかにばかって言っただけだ、ばか。 …やめてぇ、あたまにひびくぅ。 大声は出してない。 あたしはもう行くぞ。 ……どこ、いくの。 仕事だよ、二日酔いさやか。 まって、いっしょに…。 待ってられない。 朝飯だって今朝はさやかの番だったんだぞ。 ……ごめんなさい。 けど、すぐにしたくするから…。 知らない。 …うぅ、ひどい。 ひどいよぉ…。 無駄口叩いてる暇があったら早く支度しろ。 ほら、時計。 う、うん…。 仕事は学校と違ってさぼれねぇんだからな。 …はい、分かってます。 だったら、早く。 ……。 さや ねぇ、キスして。 …は? キス。 分かった。 じゃあ先に行く。 ちがうよ、確かめて欲しいだけ。 は、何を。 …お酒のにおい、残ってるか。 ……。 …してよ。 ……あーもう。 ん……。 ……。 …どう、かな。 臭いは残ってない。 けど、気になるようならそういうの舐めておけ。 …はい、そうします。 さやか、手伝ってやるから早く整えろ。 朝の時間なんてあって無いようなもんなんだからな。 はぁい…。 ・ ……。 ……。 ……あ。 …。 …おい、さやか。 食べ過ぎ。 あぁ? だから、食べ過ぎ。 どんだけ食べる気なの。 …どんだけって。 板チョコ、一人で食べて。 ポテチも一人で食べて。 それからうんまい棒、それで何本目? ……。 杏子がね、お菓子好きなのはすっごく知ってるよ。 だからあたしは常に絶やさないようにしてるの。 ……。 でもね、それを一気に食べ尽くさんとするイキオイで。 幾らなんでも食べ過ぎです。 …そんなに食ってたか。 うん、そんなに食ってた。 で、ちゃんと味わってた? …。 だろーねぇ。 ぼんやりしてたもんねぇ。 …さやか、もう一本。 だーーめ。 味わってない食べ方をしてる人に食べられるのはお菓子が可哀想です。 もっと言うとそんな食べ方は粗末にしてるのと変わらないと思います。 …う。 だからね、杏子? …分かった。 今日はもう、食べない。 うん。 ……。 じゃ、これでおしまい。 …さやか? うんまい棒。 ちゃんと味わって食べるように。 …おう。 うん。 ……。 おいしい? おう、うまい。 良かったね。 …。 ん、なに? …あのさ、さやか。 ああ、夜食? 相変わらず、杏子のお腹は底無しですなぁ。 ……いや、そうじゃなくて。 ん…? ……。 なに? …やっぱ、味わって食べないとダメだよな。 でしょ? …あのな、さやか。 お菓子、また買い出しに行かないと。 そうそう、うんまい棒、新しい味が出るんだって。 お、おう、そうか。 でも、甘いのだったかな。 杏子はうんまい棒に関しては甘いのは認めない派なんだよねぇ。 …うんまい棒は甘くない方が良いからな。 じゃ、甘いのだったら止めよう。 んで、いつもどおりの味にしようね。 …うん。 あと夜食、今日は無しね…? ……。 …杏子? さやか。 …うん? その、な…。 ……。 ……キス、しても良いか。 …なんで? ……。 そんなの、良いに決まってるのに。 なんで、聞くのかなぁ? …なんでって。 あ、でも、今キスしたらもれなくうんまい棒味だねぇ。 ……。 まぁ、良いけど… …さ、 ……。 ……。 ……うん、サラミ味かな。 …あー。 ね、杏子。 口寂しかったら、いつでも言ってね? …。 いつだって、さやかちゃんが癒してあげますから。 …さやかぁぁ。 わ……。 …ちゃんと歯磨きするから。 そしたら はいはい、じゃあまた後でね。 ……。 …今度、一緒にお菓子買いに行こうね。 うん…。 …よしよし。 …ん。 ……。 …きょぅ。 ……。 (……うん、寝てるよね。分かってるけどね。) ……ぁ。 (…最近、ちょっと多いかな。まぁ、別に構わないんだけど…いや、やっぱり構うかな。) ……。 …あぁ、ん。 ……。 (……油断してると、これだし。基本、ちっちゃい子みたいなんだけど…て、女の子もこんなコトするのかな。) ……。 (あたしは…どうだろ。まぁ、触るのは好きだけど…うーん。) ……か。 …なに? ……。 (…寝てますよね、知ってますけど。) ……。 …杏子だけなんだからね? そこんとこ、分かって…あッ。 さや……。 …ねてる、きょうこは、ねてる。 ねて…や、だめ。 ……。 …、……ぁ。 ……かぁ。 (これ……、やば…。) ……。 (ああ、もう……きょうこの、ばかぁ。) ……ぅ。 杏子、牛乳飲む? おう。 じゃ、注いであげるね。 おう、ありがとな。 ……。 …? なんだ、さやか? 杏子ってさ、おっぱい好き? ……は? おっぱい。 ……。 あ、こぼれた。 あ、朝っぱらから何言ってんだ…! や、だから、おっぱい好きって。 何が「だから」なんだよ…! あ、そっか。 ごめんごめん。 …意味分かんねぇ、マジ分かんねぇ。 あたしのおっぱいが、好き? は……はぁッ? 好き? …ッ!! そうなのかなって。 し、知らねぇ…!! 杏子、牛乳こぼれちゃいそうよー。 う、うっせ…! ……。 ……。 ねぇ、杏子。 な、なんだよ。 杏子は無意識なんだと思うんだけどさ。 だから、なんだよ。 寝てる時、あたしの胸、触ってくるんだよね。 …え。 触る…だけじゃなくて。 最中、みたいなコトもたまに。 ……。 寝てるって分かってるから…そういうのじゃないってコトは分かってるつもりなんだけど。 ……。 毎日の時もあるし…その日だけの時もあるし。 けど、今回のは続いているかな。 ……。 杏子ってどっちかと言うとお父さんっこだったのかなぁって、思ってたんだけど。 もしかして さ、さやか。 うん? その、ゆうべも…? うん。 ……。 ゆうべは…やばかった。 え。 …最中、そのまんまでした。 ま、まじか…。 …おかげで、寝らんなくなっちゃった。 ……。 躰は火照るし。 杏子はすやすや寝てるし。 でも手はあたしの胸……だし。 ますます、火照っちゃうし。 …… …お母さんってわけじゃ、ないんでしょ? あたし。 あ、当たり前だろ…。 じゃあ…欲求不満とか? わ、分からないよ、そんなの…。 なんで? 不満に思ったりしないの? や、だ、だから…。 あたしは思うよ。 …え。 最近は仕事が忙しくてあまり出来てないし…それでゆうべのあれだし。 そ、それは…。 …だからしたいのかなぁって。 お菓子も凄い食べてたし…。 ……。 そう思ってるの、あたしだけだったのかなぁ。 さやか……。 …でも、あれだね。 杏子はあたしのおっぱい、好きだよね。 ……。 寝てても触りたくなるみたいだし? …そうだよ、悪いかよ、ばか。 悪くないわよ、むしろ嬉しいわよ、ばか。 ああ、そうだよ。 あたしは好きだよ、でも、寝てる時のコトまで分かんねーよ。 服の上からがほとんどなんだけど、たまに直にの時があります。 んな。 お腹から指が這ってきて…掌で、包み込まれるの。 それからやんわりと… さ、さやか…! …なぁに? さやかがイヤなら、その、しないようにするから。 どうやって? 寝てるのに。 ……。 …イヤじゃないよ。 少しだけ、困るけど…。 …。 あまりしてなくて…ゆうべみたいだと。 欲しくてたまらなくなっちゃうから…。 ……。 ……。 …さ …きょ ……。 ……なに? さ、さやかからでいいぞ…。 ううん、杏子から。 …。 …。 …その、今日は。 ……なんだったら、昼間からでもいいんだけど。 休み、だし…。 ……。 …いいんだけど、な。 ……。 ……。 …さやか! ん? え? ……。 ちょ、ちょっと、今ごはん中…んんッ。 ……。 ……きょ、ぅ。 飯は後で食う。 それより、今は。 ……。 …さやか。 ……ゆうべの責任、ちゃんと取ってね。 うん……。 ……。 …ねぇ、きょうこ。 んー…。 …がまん、しなくていいんだからね。 ……してねぇよ、べつに。 あたしは、きょうこのなんだから…。 …だからしてないよ。 ……。 さやか、こそ。 …うん? がまん、あまりすんなよな…。 おまえは…すぐ、ためこむから。 …してないよ、べつに。 それ、あたしのめぇみていえるか。 …。 …さやか。 あたしは。 …。 …ずっと、わからなかったの。 わからない…? なんていうのかな…あまえかたって、いうのかな。 …。 あまえちゃいけないって、おもってたのかもしれない…ううん、きっとおもってた。 …。 …でもね、きょうこ。 きょうこと、いっしょにいるうちに…ああ、いいんだって。 やりかたは…いまでも、よくわからないままだけど、でも…きょうこになら、いいんだって。 …やりかたなんか、ないよ。 …。 さやかが…そうしたくなったら、すればいい。 ただ、それだけだ…。 …そうだよ、きょうこ? う…。 そうしたくなったら…そうすればいい。 そうして、ほしい…。 ……さやか。 あたしは、きょうこのそばにいる…ずっと、いたいから。 ……。 …だから、もっと、あまえてほしい。 さやか…。 きょうこってさ、あたしのこと、いえないんだよ。 けっきょく、がまんしちゃって…むいしき、なのかもしれないけど。 わるくなんか、ないのに…なんでなんだろうね。 …。 …ね、あたしのむね、すき? うん…すきだ。 …どうして? ……さやか、だからだ。 あたし、だから…? …あんしんするんだ。 さやかが…さやかは、ここにいるんだって。 ……ほかじゃ、だめなの? だめ…じゃ、ないけど。 …おっぱいがいいんだ? ………そう、いってるだろ。 ふふ…。 …ん、さやか。 あたしねぇ、こうするのも…こうされてるのも、すき。 …。 …きょうこが、きょうこは、ここにいる。 あたしのなかに、いてくれる…ひどく、こころがおちつくの。 ……。 …だから、もっとしてね? したかったら…がまん、しないで。 …うん、さやか。 ……。 ……さやかもだぞ。 はい、わかりました…。 …。 …つづき、する? や…もうすこし、こうしてたい。 …ん、わかった。 じゃ、このままで…。 …さやかぁ。 なぁに…? ……やわらかい、な。 うん…きょうこも、ね。 ・ カクテルって色んな味があるんだな。 入れ替わり、激しいしね。 期間限定なんてのもあるし。 へぇ。 で、どれが甘いんだ? 大抵は甘いと思うけど。 ほら、これなんてストロベリーだし。 メロンもあるよ。 林檎は無いのか? 杏子はこんな時でも林檎なのねぇ。 良いだろ、好きなんだから。 で、無いのか。 んー……あ、これは? …うめアップル? 一応、林檎だけど。 …梅。 酸っぱくは無いと思うけど。 …他には無いのか。 そうねぇ……。 …。 …うん。 いっそ、作っちゃいましょうか。 あ? 自分で。 作れるのか。 作れるよ。 さやかが作るのか? うん。 …大丈夫なのか。 そんなに心配する? だって、なぁ。 元になるリキュール買って、ソーダ水で割るだけなんですけどー。 ああ、それなら。 ぶぅ。 で、どれだ? …これ。 おー。 青林檎だけど。 割り方も書いてあるし。 良いんじゃないか。 これにしよう、さやか。 はいはい、じゃあ決まりね。 んー、これと…。 …。 あと、これもだな。 杏子は好きよねぇ。 なぁなぁ、さやかはどれが良い? あたしは、そうだなぁ…サラダ味が好きだったんだけど、無くなっちゃったんだよね。 やさいサラダならあるぞ。 ちょっと違うんだけど、まぁ、いいか。 あとはどれが良い? あとは…これにしてみようかな。 どれどれ……コーンポタージュ? さやか、これにするのか? 結構、好きなのよね。 そうか。じゃ、そうしよう。 杏子はもう良いの? もう少し選んでも良いか? 良いよ。 もう少し、ね。 おう。 …。 やっぱ、メンタイは外せないよなぁ。 あとは…チーズ、サラミ…牛タンもうまいよな…。 よし。 全部、買っちゃえ。 え、良いのか。 でも、蓄えだから。 この前みたいに一気に食べちゃわないこと。 はい、約束。 おーー。 どうしてもの時は…さやかちゃんが全力で慰めてあげちゃいますからね。 …。 …。 …おう。 ……うん。 うまいかなぁ。 きっと。 今日、作るのか。 飲みたくない? さやかが飲みたいなら、しょうがねぇな。 じゃあ、一緒に飲も? おう、飲んでやる。 杏子って飲めるくせにあまり飲まないよねぇ。 酒は味覚を鈍らせるって聞いた。 誰に? マミ。 でも料理によっては少し入れるとおいしくなるけどね。 それは良いんだ。 そうですか。 さやかは好きだよな、弱いくせに。 て言うけど、そんなに飲んでません。 元々、そこまで好きじゃないんだから。 そっか。 そーよ。 酔っ払いは誰かさんが嫌いだし。 あたし、嫌われたくないし。 …。 ね…ばかって言わない? …今はなー。 もう、何よそれー。 さやかはばかだからなー。 杏子もねー。 はは。 ふふ。 …。 …。 …さやか。 なぁに? …手、繋ぐか。 そこは聞かないでそっと繋いで欲しかったです。 …。 杏子のそういうトコ、昔から変わらない。 …ま、そういうトコも好きだけど。 …。 …ね、今日は一緒にお風呂入ろ? お酒、飲む前に。 しょうがねぇな…入ってやるよ。 まぁ、嫌とは言わせないつもりだったんだけどね。 ばーーか。 …えへへ。 …。 …。 さやか。 …はい。 帰ろう、うちに。 うん、帰ろう。 あたし達の家に。 ・ ほむらちゃん。 …。 ほむらちゃん、もしかして寝ちゃってる? …ふえ? ほむらちゃん、大丈夫? ………。 …え、と。 酔っちゃってる…かな? いいえ、酔ってないわ。 わ。 これごときで酔う私だと思ったら大間違いだわ、まどか。 そ、そう? だからまどか、お風呂に入りましょう。 …え? お風呂、お風呂、まどかとお風呂。 ま、待って、ほむらちゃん。 何故? なぜって。 お風呂ならさっき、入ったじゃない。 それからそんな真剣な顔で言わないで。 ……。 やっぱり、酔ってるよね…? そう。 まどかは銭湯が良いのね。 …はい? ならば、銭湯に行きましょう。 いいえ、やっぱり駄目だわ。 まどかの躰を、まどかの幼くとも美しい、穢れを知らない躰を大衆に晒すなんて事、出来る筈が えい。 ……。 …さやかちゃんから杏のお酒、お裾分けしてもらったのはいいけど…返した方がいいかな。 味は…美味しいんだけど、ほむらちゃんには強いみたいだし。 わたしも、だけど。 まーどーかーーー。 わ、なになに。 まどかーすきー、だいすきーーー。 わたしもだよ、ほむらちゃん。 だから歯磨き、してきて? だからまどか、お風呂に入りましょう。 ……えーと。 せかいをかえるちからがーそのてにあるとささやくーー。 …やっぱり、返そう。 まどか、まどか。 ほむらちゃん、今夜はもう寝よう? えーやだー。 ……。 まどか、まどか、まどかぁ。 …これはこれでかわいい、けど。 まどかぁぁ。 ……。 …まどか…まどか…。 わたしは、ここにいるよ。 ……。 …どこにも行かないから。 だから、ほむらちゃん。 ……。 歯、磨いてきて? これ、杏の酒なのか。 うん。 いつから作ってたんだ? 三か月くらい前からです。 いつの間に。 杏子と飲もうと思って。 …まぁ、いいけどな。 と、言うわけで。 はい、杏子。 飲んでくれるよね? しょーがねぇなー。 ふふ。 …。 どう?どう? へぇ、うまいな。 でしょ、でっしょー? て、なんでそんな得意げなんだ? だって杏だもん。 は? 杏子のお酒だもん、美味しくないわけないですよ! …。 …いたい。 ばかか? …半分、冗談なのに。 半分かよ。 でも、おいしいでしょ? まぁ、味はな。 ね、一緒に飲もう? いいけど…あんまり飲み過ぎんなよな。 大丈夫、杏子と一緒だから。 …まぁ、良いけど。 ね、おいしい? だから、うまいって。 じゃ、まどかんとこにもお裾分けしちゃお。 はい? 美味しく出来たから。 …いや、それは止めとけ。 なんでー? 折角美味しく出来たのにー。 あの二人はあまり、強くないだろ。 あげるならマミあたりにしとけ。 マミさんにもあげるよ? だって杏子が美味しいって言ってくれたんだもん。 …もう酔ってんのかよ。 ん? …あーもう、いい。 さやか。 なぁに? あ、もう少し飲む? …もう少しな。 じゃ、あたしも。 杏子、お酌して? いや、お前はもう止めとけ。 …。 こぉーーら。 …あ。 なぎさはまだ駄目よ? …マミばっかりずるいのです。 なぎさも飲んでみたいのです。 だめ。 …むぅぅ。 そんなに飲んでみたいの? マミはいつも美味しそうに飲んでるのです。 だからきっと、それはとても美味しいのだと思うのです。 私、そんなに美味しそうに飲んでる? 飲んでますよ。 まぁ、確かに美味しいけれど。 でもいつもと言われるほどは飲んでいないし。 飲んでる時はいつも美味しそうに、と言う意味ですよ。 特に最近は。 美樹さんがお裾分けしてくれた杏のお酒、本当に美味しいのよ。 油断すると飲み過ぎてしまって。 マミが酔うとやたらとごきげんになって、くっついてくるのです。 だって気持ち良いんだもの、なぎさにくっつくの。 …。 だーめ。 …むぅ。 このお酒、結構度数が高いから。 …度数とか関係ないくせに。 と、言いたいところだけれど。 …。 そうね、少しだけね。 少しだけなら、 いいのですか! ええ、なぎさがもう少し大人になったらね。 ……。 なぎさ、宿題はもう終わったの? ……。 …。 ……。 …仕方ないわねぇ。 少しだけだからね? …もう、騙されないのです。 そう? 残念ね。 ……。 ねぇ、なぎさ。 貴女がお酒を飲める歳になったら、一緒に飲みましょうね。 …その頃にはさやかがくれた杏のお酒はなくなってるのです。 あら、私が作ったのでは不服かしら? マミが? 美樹さんの杏のお酒、本当に美味しいから。 今度、作り方を教えてもらおうと思ってるの。 マミがさやかに教わるのですか? ええ、そうよ? 変かしら? …なんか不思議です。 ふふ、そうかもね。 でも、私だって教えてもらう時だってあるのよ? …。 でも杏のお酒ってあたり、美樹さんらしいわね。 どんだけ好きかって、話なのです。 ええ、本当にね。 本当、愛されてるわねぇ。 杏子、きょーこぉ。 ああもう、なんだよ。 酔っ払い。 あたしのこと、好きー? ねぇ、好きー? だから、さっきからずっとそう言ってるだろ。 だって、何度でも聞きたいんだもーん。 だから、ね?ね? ああ、好きだよ。 好きだ、大好きだ。 名前も呼んで? さやかが、好きだ。 さやかが、大好きだ。 えへへぇ、杏子ちゃんったらあたしにべた惚れですなぁ。 …いい加減、めんどくせぇ。 ねぇ、きょうこぉ。 なんだよ。 好きだよ。 さやかが。 あたしも、大好き。 て、そうじゃなくてぇ。 ああ? 次は何を言えば良いんだよ。 ……。 …? おい、さやか? …すきがね、あふれてくるの。 あ? いっぱい、あふれてくるの! ……。 杏子が好きって、溢れてくるの。 まるで、音楽みたいに。 …音楽? そう、音楽。 あたし、杏子の音大好き。 …あたしの音ねぇ。 そ、杏子の音。 ね、杏子には溢れてる? あたしの音、溢れてる? …良く分かんねぇけど。 あたしの中もさやかでいっぱいだよ、多分。 多分かよー。 いっぱいだよ、さやか。 ん、きょうこ…。 ……。 ……。 …あー、酒くせぇ。 んふふ、きょうこぉ…。 …はぁ。 もう、捨てておくかなー…。 …また、かんらんしゃのりにいこうねぇ。 きれいだったもんねぇ。 いつの話だよ、それ。 ふふ…。 はぁ…さやか。 ねぇ…。 …なんだい。 おいしいねぇ…あんずのおさけ。 …そうだな。 でも、飲み過ぎていけないな。 …うふふ。 ……。 また、作ろうかな…。 ね、そしたらまた一緒に飲んでくれる…? ああ、しょうがねぇからな。 でもな、さやか。 …? なぁに…? 全部飲み終わってないうちから、気が早ぇ。 …いたい。 ほら、そろそろ仕舞いにするぞ。 酔っ払い。 ……。 さやか。 …いいの、今から言っておくの。 ……。 言っておきたいの。 …そうかい。 じゃあ、今から聞いておいてやる。 うん…きょうこ。 さ、寝る支度するぞ。 一緒に、、寝てくれる? ……。 …くれる? 当たり前だ、ばか。 だからほら、早くしろ。 えへへ…おー。 …たく。 ねぇ、きょうこ…。 …なんだよ。 もらって、くれる…? ……。 …ね。 調子に乗るな、酔っ払い。 …いたい。 ……。 ちぇ…ん? ……。 んぅ…ふ、……ん。 ……。 ……きょうこ。 …早くしろ、ばか。 うん…はやく、する。 はやく、したいもんね…? うるさい、酔っ払い。 ……えへへ。 |