−きっと明日から、むしろ一秒後から、しあわせな時間
ただいまー。
おかえりー。
また、来てたの?
おう、また来てた。
飽きもせず、良く来るね。
あたしがいなかったら、誰にただいまって言うんだ?
クセよ、クセ。
と言うか、うちの決まりみたいなもんだったの。
帰ってきたらまず、「ただいま」って言うのは。
ふーん。
何か食べてたの?
ごはんに朝の残りの味噌汁かけて。
あんた、それ好きよね。
おう、好きだ。
何か作れば良いのに。
レトルトのカレーでも。
それは作ったうちに入るのか?
一応、お湯は沸かすでしょ。
レンジでも出来るぞ。
そう、だけど。
さやかの作った味噌汁、好きなんだ。
あまりうまくないけど、うまい。
何それ。
それに。
それに?
どうせなら、さやかの作ったもので腹いっぱいにしたい。
…どうせって、何よ。
好きなんだよなぁ、さやかの飯。
なんでかなぁ。
知らないわよ。
なぁなぁ、夕飯なんだ?
食べてく気?
もちろん。
あ、そ。
じゃあ、夕飯もそれでいい?
味噌汁にごはん。
うん、いいぞ。
おかずは?
あれば、嬉しいな。
ハンバーグ、とか、考えてるんだけど。
マジか。
おう、マジ。
あんたの分があるかは、分からないけど。
楽しみだな。
無かったら、どうするの?
さやかの食う。
おいこら。
へへ。
たく。
……。
…ねぇ、杏子。
んー?
たくさん、食べられそう?
おう、食える。
そ。
……。
…ねぇ、杏子さ。
なぁ、さやか。
…何。
さやかの作った飯で、腹がいっぱいになるとさ。
…うん。
なんつーか、しあわせな気持ちになるんだ。
……ごはんに味噌汁かけただけでも?
…おう。
ふぅん…。
……。
……。
…え、と。
さやか。
分かり辛い。
…え?
結局、何が言いたいの。
何がって。
さやかの飯が
明日はから揚げ。
…お。
明後日は、肉ばかりじゃだめだから、焼き魚。
…。
その先は、考え中。
結構ね、楽しかったりするのよ。
考えるの。
そうなのか?
そーよ。
…そうか。
あんたさ、酸っぱいのはちょっと苦手だけど、なんでも残さず食べてくれるでしょ。
…。
だから…考えるの、楽しいのよ。
…え、と。
さやか。
何よ。
何が、言いたいんだ?
それはこっちの台詞、
お…。
だ!
いてぇ…!
たく。
毎日毎日、ただ飯食べに来て、帰って。
……。
……あたしは、あんたの給食係かっての。
…。
…。
…味噌汁、好きだぞ。
あ、そ…。
…豆腐と葱のが、特に。
知ってる。
……さやか。
…何。
……好き、だぞ。
分かったっての。
…だから、その。
……。
……ずっと、食いたい。
……。
……。
…明日は、浅蜊ね。
安かったから。
…?
味噌汁。
貝も好きでしょ。
…うん、好きだ。
明後日は、きのこ。
その次は…たまには、あんたも考えて。
…おう、分かった。
それから、たまにはあんたも作って。
え。
あたしだって…あんたが作ったの、食べたい。
…。
食べたいの。
でも
ああ、もう!
とりあえず明日の朝、味噌汁以外は、あんたが作る!
いい?
え…え?
……。
さ、さやか。
…これ以上、言わせんな。
ばか。
……。
……。
…文句、言うなよ。
言わないわよ。
だから。
……うん。
−この一秒をきりとって
……。
…エリス。
…。
…どした?
どうも、しない…。
…そっか。
……。
ねぇ、エリス。
…なに。
手、貸して。
…なんで?
いいから。
…いえっさ。
うん、よろしい。
…えらそう?
はは。
…。
…。
…ナディ?
エリスの手はさ。
うん。
あたしより、ちょっとだけ温度が低いよね。
…そうなの?
あたしが熱いだけかもしんないけどね。
……。
…はい、ありがと。
もう、いいの?
うん。
…そっか。
さて。
寝る支度、しますか。
するの?
明日も早いからね。
…。
シャワー、浴びたいね。
もうしばらく、浴びてないから。
…ナディ。
ん、なに?
…ナディのて、あついね。
熱いかな。
…うん、あつい。
熱くて、悪かったな?
ううん、わるくない。
いきてるあかし、だから。
エリス。
…あ。
あんたのも、ね。
…?
わたし…?
この温度が、あんたの証。
…つくられていても?
そんなの、関係ない。
…できそこない、でも?
ばか。
…あう。
命に出来損ないも何も、あるか。
…。
オーケイ?
……うん。
もう、いわない…。
よし。
じゃ、寝よっか。
ナディ。
んー?
…。
どした?
…ううん、なんでもない。
そう?
…うん。
おやすみなさい、ナディ。
ん、おやすみ。
エリス。
……。
……。
…?
ナディ…?
眠るまで、ね。
…。
寝辛い?
…ううん、いいよ。
こんやはとくべつ…。
この、生意気な。
…えへへ。
……。
…あついね。
悪かったな?
…ううん、わるくない。
−キャンディおひとつどうぞ
聖。
ん?
はい。
お、ありがと。
コーヒー、それしか無かったけれど
それで良かった?
うん、十分。
それで、何を熱心に見ているの?
ん、いやぁ。
可愛いなぁ、と思いまして。
…。
あの子達。
ほら、片方が多分制服で片方が緑のパーカーの。
…中学生くらいかしら。
かなぁ。
喧嘩?
痴話の付くね。
会話、聞こえるの?
そんな雰囲気だなぁ、と思いまして。
…。
女の子同士だけどね。
そんなの、関係ないでしょや?
…然う、ね。
私達はあんなじゃなかったなぁ。
……。
もっとギスギスしてたような気がする。
…確かに。
痴話喧嘩では無かったわね。
ねぇ。
……。
お。
…。
やるなぁ、イマドキの中学生。
天下の往来で抱き合っちゃうとは。
…と言うより、不慮の事故のようにも見えるけれど。
いやいや、それは分からないよ?
どっちかの策略かも。
それは考えすぎだと思うわ。
いやいや、どうかなぁ。
……。
あはは、慌てて離れてる。
可愛いなぁ。
…やっぱり、不慮の事故じゃない。
やっぱりあの子達、好き合ってそうだ。
でもいまいち、素直になりきれてないってトコかな。
……。
…あれはもう少し、時間が必要かな。
すれ違わなければ良いけど…さて、どうかな。
聖。
あい。
そろそろ、行きましょう。
もう少し、見てたいんだけど。
面白いじゃない?
悪趣味。
それに、向こうもこちらに気付いたみたいだから。
お。
…パーカーの子に睨まれてる。
おー、怖い。
…聖。
残念。
…面白がって。
あの子達は真剣なのだから。
うん、だと思う。
だから、可愛いんじゃない。
……。
あれくらいの子供、いてもおかしくないしねぇ。
それは言いすぎ。
はっは。
全く。
では、行きましょうか。
蓉子さん。
…何、その手。
大人の余裕ってヤツかな。
…。
ありゃ。
行くわよ、聖。
ちぇ、釣れない。
…。
に、しても。
…何。
あんな喧嘩、もう出来ないかな。
…したいのかしら?
いや、もう十分。
…。
オトナ、ですから。
“大きな子供”の間違いじゃない?
酷いなぁ。
本当の事だもの。
…。
…。
んー…。
…聖。
なんだかんだで、遠くなっちゃったなぁって。
あの感覚。
と言うより、あったの?
ありましたよ。
どうだか。
聞いておいて。
…。
蓉子。
…何。
可愛いと思わない?
…然うね。
でも、あまり見てないの。
また睨まれるわよ。
−しあわせのかたち
ごきげんよう、美樹さん。
…。
相変わらず、苦虫を潰したような顔をして呉れるのね?
折角の爽やかな朝が台無しになってしまうわ。
死ぬほど、似合わない。
今日は一人?
あの子はどうしたのかしら?
若しかして、捨てられてしまったの?
…。
いつまで経っても強情な貴女に、嫌気が差してしまったのかしら?
あんた、杏子に何をしたの。
何?
何って、何かしら?
…。
私は何もしていないわ。
だって「あの子」は貴女のものでしょう?
やっと、手に入れたものでしょう?
あんたに、何が分かるって言うのよ。
分からないわ。
だって、分かる必要も無いもの。
…。
ねぇ、美樹さやか?
貴女は今、幸せかしら?
あんたにそれを答えたところで、何になるの。
然うね、何にもならないわ。
杏子に近付くのは止めて。
杏子を巻き込まないで。
杏子は関係ない。
関係無い?
本当に?
少なくとも、あたしとあんたの間には。
…。
何、笑ってんのよ。
じゃあ、あの子と別れたら良いわ。
出来る?
…。
それにね、美樹さやか。
佐倉杏子はもう疾うの昔に、関係してしまっているのよ。
貴女と出逢ってしまった時点で、ね。
…。
貴女はいつか、私にこう言ったわよね。
今が一番幸せだって。
…だから、何よ。
あの時の貴女の顔、切なそうだったわ。
…!
ねぇ、美樹さやか。
幸せを願った心は、裁かれないといけないものかしら。
そんなに罪深いものなのかしら。
あんたは、あんたは自分の欲望の為にまどかを…!!
私の願いは、あの子が幸せになる事。
幸せになる世界を、創る事。
これってそんなに、いけない事なの?
まどかは、まどかはあんたの為に…!
ねぇ、美樹さやか。
私ね、幸せなの。
…。
此処にはまどかが居るわ。
笑って、大好きな人達と一緒に、この世界で生きているわ。
ねぇ、これって悪い事なの?
でも、まどかは
まどかは本当に、神さまになんてなりたかったの?
…!
貴女は、本当に、その世界が正しかったと思ってるの?
…まどかは、全ての魔法少女の希望だった。
希望、だったんだ…。
希望?
じゃあ、まどかにとっての希望は?
好きな人達と別れて、未来永劫、誰かを救うだけが、あの子の希望だと言うの?
…。
若しも本当に、世界を元に戻したいのならば。
然うね、全てを最初からにするしか無いのよ。
まどかが死ぬ、私が魔法少女になる前の世界にね。
だって然うでしょう?本来ならば、それが正史なんだもの。
魔法少女は救われない。救われない存在だからこそ、世界は成り立っていたんだもの。
…。
所詮、貴女の言う正しい世界はまどかの犠牲の上で出来上がっていたもの。
貴女にとっての正しさは、私にとって…正しいものなんかじゃ、無いのよ。
…そう、だとしても。
あたしはあんたの正しさを受け入れるわけにはいかない。
こんな歪な世界、許すわけにはいかない。
歪な世界、ね。
貴女はあの箱庭のような世界で、佐倉杏子に愛されて、幸せだった?
…ッ!
佐倉杏子に躰だけでなく、心まで愛されて、幸せだった?
暁美ほむらぁ…!
ああ、佐倉杏子は幸せそうだったわね。
だって、どれだけあの子が貴女と一緒に居る事を…共に生きる事を望んでいたか。
貴女も識っているでしょう?
あんたに杏子の何が分かるのよ…!
分からないわ。
でもあの子はいつだって、貴女を求めてた。
然う…いつだって、ね?
…。
貴女がこの世界を壊したら。
あの子はまた、貴女を喪う事になるのね。
今度は耐えられるかしら。
…円環の理さえ、あれば。
あたしはまた、杏子と逢えるの!逢えたの!
円環の理で杏子とずっと…ずっと、一緒にいられたの!
だから、あたしは…!
その割には未練たっぷりのようだったけれど…?
…!
それから。
一応、機能はしている筈よ?
言ったでしょう?私が奪ったのは
黙れ、悪魔…!
…結局、佐倉杏子の死を望んでいる貴女、望んでいた貴女。
酷い話ね?
…。
…私が悪魔ならば。
貴女は、何かしら?
正義の味方?
それとも、それをきどった欺瞞者?
……。
…ねぇ、美樹さやか。
佐倉杏子の事、愛してる…?
大事に、想ってる…?
…。
…それでも尚、自分の正しさの為にあの子を犠牲に出来ると言うのならば。
私は、構わないわ。いつだって、相手になってあげる。
でも。
……。
貴女の相手が私一人とは、限らないでしょうけど。
…暁美、ほむら。
素直に、受け入れてしまえば良いのに。
今が一番、幸せだって。
……。
…ね。
−誓って、誓い合って
……。
…まどか。
……。
何をしているの?
…ほむらちゃん。
そんな薄着で居ては、躰に良くないわ。
……。
…まどか。
死んだ子供の年齢を数えるのって。
…。
いけない事、かな…。
…いけない事では無いわ。
ただ、虚しくなるだけ…。
…虚しい。
数えたところで、その姿を見る事は永遠に叶わない…だから。
…そっか、そうだね。
でも、どうして…?
…わたし、弟がいたの。
知っているわ。
貴女に良く似た、とても可愛い子だった…。
…よく、笑う子だったの。
とても人懐こくて…。
……。
今、あの子は幾つになったのかな…。
……。
…もう、分からないの。
途中で、分からなくなっちゃうの…。
……。
ねぇ、ほむらちゃん…。
…なに。
虚しくなんか、ないよ…。
…。
…少しだけ、切ないだけ。
胸が、ちょっとだけ痛むだけ…ただ、それだけ。
…私は、知っているわ。
…。
まどかが、此処に居る事。
此処で、生きていた事…私だけは、覚えているから。
…ありがとう、ほむらちゃん。
……。
……。
…私は貴女を守る、守れる存在になりたかった。
ずっと、なりたかった。
…うん、知ってるよ。
どんなに沢山の世界を見て、どんなに沢山の皆を見ても、あなたはたった一人だけだった…。
……。
…たった一人で、数え切れないくらいの“わたし”を守ろうとしてくれた。
……。
…また、行かなきゃ。
まどか…。
…ほむらちゃん。
……行かないで。
…。
行かないで…まどか。
……ほむらちゃん。
私…わたし、ね。
…。
…誕生日、だったの。
……うん、知ってる。
まどかよりずっと、年上になっちゃったんだよ…。
姿は、全然変わらないのにね…。
…うん。
変、だよね…。
…ううん、変じゃないよ。
どうして、かな…。
…。
…この世界に、貴女は居ないのに。
どうして、私……。
……。
…分かってるの。
貴女は居なくなってなどいない…でも。
…。
…どんなものを失くしたって、構わなかった。
貴女だけを失くさない未来がずっと欲しかった…。
……数え切れない、わたし。
…。
たった一人の、あなた…。
…まどか。
……あなたは、ずっと、失くしてしまったわたしの命を数えてきたんだね。
そして、今も…。
…!
……ごめんね、ほむらちゃん。
どうして…。
いつかのわたしの言葉が、あなたを縛り付けた。
自由を、奪ってしまった…。
そんなこと、そんなことない…ッ。
……。
だって私、嬉しかった…嬉しかったんだよ。
あなたに頼ってもらえて…あなたとの約束があったから、私は…。
…。
まどか…まどか…。
……お誕生日、おめでとう。
ぁ…。
ほむらちゃん…。
…まど、か。
おめでとう…ほむらちゃん。
……。
…へへ。
言えて、よかった…。
まどか、まどかぁ…ッ!
…ありがとう、ほむらちゃん
あなたが、いるから…生きていて、くれるから。
あ、あ…。
……わたしはかわらず、わたしでいられるの。
かぞえ、られるんだよ…。
まどか、いや…行かないで…。
でも、そのせいで……。
まどか…まどか…。
………。
まどか…?
まどか…!
………、……。
あぁぁ、ああ…。
………。
………まどか。
−なみだをとめる処方箋
……。
…お招き、ありがとう。
…。
とでも、言えば。
貴女は満足するのかしらね。
……。
…ええ、そうよ。
私はお茶を嗜みに来たわけではないの。
……。
ケーキも、ご馳走もいらないわ。
欲しいのは。
……。
分かっているでしょう?
…。
鹿目まどか、佐倉杏子。
そして、美樹さやか。
…。
貴女がどんなに望んだところで、彼女達は貴女の元へ来ないわ。
貴女にはその出来損ないの人形しか、無いの。
…。
その出来損ないの人形でさえ、手足を縛り付けておかないと逃げてしまうのでしょう?
……あけみさん。
…。
どうして、そんなことをいうの。
どうして、こわそうとするの。
…それが、私達だからよ。
わたしは、さびしかっただけなのに。
だれかに、そばにいてほしかっただけなのに。
それがやっと、かなったのに。
でも、私は壊さないといけないの。
貴女だって、散々、そうしてきたでしょう?
…しらなかったの。
それで、済むと思うの?
…。
魔法少女は魔女を狩る存在。
狩らなければ生きられない存在。
それを知らないとは、言わせないわ。
……あなたは、しってたの。
ええ、そうよ。
…どうして、おしえてくれなかったの。
教えたところで、いつも、貴女は信じてくれなかった。
…。
強いふりをして、本当は、誰よりも脆い。
然う、あの美樹さやかよりも。
…。
美樹さやかには佐倉杏子がいる。
いつも、傍に寄り添っている。
互いが、魔女となっても。
…。
佐倉杏子は、美樹さやかに惹かれてしまった。
佐倉杏子にとっての半身は、貴女では無かった。
…もう、やめて。
だけれど。
貴女がもう一度、佐倉杏子に心を開いていれば。
もう、やめて。
いいえ、止めないわ。
…。
私は所詮、貴女を狩る側だから。
……すき、だったの。
…。
かなめさんも、みきさんも、そして、さくらさんも。
みんな、みんな、そばにいてほしかったの。
でもだれも、いてくれなかった。
だれひとり、わたしをえらんでくれなかった。
果たして、本当に?
じゃあ、どうして!
…。
…みきさんが、にくい。
…。
さくらさんは、わたしのおともだちだったのに。
…。
さくらさんが、にくい。
どうして、みきさんにひかれてしまったの。
どうして、わたしじゃないの。
…。
かなめさん。
かなめさんだけは、わたしのそばにいてくれるとおもってた。
なのに、あけみさん。
…。
あなたが、わたしからうばってしまった。
あなたのせいで、かなめさんは。
…。
あなたが、にくい。
かなめさんが、にくい。
…。
そうよ。
だれも、いないの。
わたしには、だれも
そうよ、貴女には誰もいない。
…。
魔女となってしまった貴女には。
……。
巴マミ。
私は貴女が苦手だった。
…。
弱いくせに、差し出された手を素直に受け取れない。
まどかはいつだって、貴女の事を想っていたのに。
それに貴女は、いつだって、気付かない。
…そんなの、うそよ。
美樹さやかも、佐倉杏子も。
うそよ、うそよ。
…。
…だって、そうでしょう?
だれも、そばにいてくれなかったでしょう…?
貴女がいてくれれば。
…。
そう、考えた事は一度だけじゃ無かったわ。
…あけみ、さん?
だけど貴女はいつも、私の手を取ってくれなかった。
私だけじゃない、まどかの手も、美樹さやかの手も、佐倉杏子の手さえも。
……。
ねぇ?
それはどうしてかしら?
……どう、して。
……。
だって、わたし……。
…所詮、人の本当の気持ちなんて分かりはしないのよ。
……かなめ、さん。
誰も、分かってくれない。
誰も、信じてくれない。
然う、誰も。
みきさん…さくらさん……。
……。
わたしが、もし……そばにいてって、すなおに、いえていたら。
そばに、いてくれたの…?
…さようなら、巴マミ。
つよがって、いなかったら……。
次に出逢う時も屹度、貴女は手を取ってくれないのでしょうね。
…わた、し。
でも、構わないわ。
私はもう、誰にも頼る気なんて無いのだから。
タイトルは「ふたりへのお題ったー」様からでした。
ぱちぱち、いつも本当にありがとうございます!
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