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−Está lloviendo ahora.
…。
…。
…。
…あめ、やまないね。
…そうねぇ。
…。
…。
…どうするの？
どうしようかな…。
…いかないの？
出来れば出発、したいんだけど。
…。
雨季に入ったから。
まぁ、仕方がないっちゃ仕方がないんだけど。
うき？
雨が降る季節ってこと。
この時期に降らないと水不足になっちゃうのよ。
…へぇ。
…。
…ナディ。
んー？
やんだら、しゅっぱつ？
そのつもり。
まぁ、そんなに長くは降ってないだろうから。
そっか。
じゃあ…。
…ん？
えへへ。
こら、エリス。
…いいの。
まぁ、いいけど。
…。
なに？
…ううん。
もう少し、寝てようかな。
折角のベッドだし。
…きのう、あまりねてないし。
誰のせいだ、誰の。
ナディ？
…おいおい。
ナディはげんきだね？
…いや、あんたの方が元気でしょ。
わかいふたり、は。
…？
おたがいを、むさぼりつくしてしまいたいんだよ？
…たまには恋愛小説以外も読みなさい。
と言うかどんなの読んでんのよ、まったく。
ナディにはしげきがつよいかも。
そんなの、読むな。
エリスはおとなだから。
ど・こ・が・だ。
…。
たく。
…このへん？
……て。
ん？
あ、あんたは…ッ！
…ナディだけ。
…！
ナディだけだよ。
わ、分かってるから！
今はいいから！！
…。
エリス！
…いえっさ。
ああ、もう…。
…ナディ、すぐにみみがあかくなるね？
ほっとけ。
大体、あんただって…。
…わたしが、なに？
…。
ん…？
……あの時は、真っ赤になるくせに。
そうなの？
……。
ナディ。
あ、あー。
もう、この話はやめやめ。
…。
少し、寝る。
おやすみ。
あ。
…。
ナディ。
…雨、止んだら起こして。
…だめ。
なんでよ。
…だって、わたしも。
……。
……えへへ。
…。
…。
……ま、いいや。
おやすみ、エリス。
…おやすみ、ナディ。
−Magia orgullosa！
…む。
ナディ？
……。
どうしたの？
…口ん中が、痛い。
なんで？
…。
ナディ？
……口内炎が、できた。
こうないえん？
…うん。
みせて。
…いやだ。
みせてくれてもいいとおもう。
…ぜったいに、いやだ。
ナディ。
……とにかく、痛いから。
あまり話しかけないで。
…。
…エリス。
…。
…。
…いえっさ。
……。
…。
……。
…タコス。
………うぅ。
…。
…。
……いたい？
……いたい。
…。
…う、ぁ。
……いたい？
……しみた。
すごいかおだった。
……くそぅ。
…。
こうなったら…。
……ナディ。
はに？
…ほっぺた。
…。
…。
…こうすればくっつかないかなぁって。
…。
……くそぅ、口内炎めぇ。
…。
…。
……。
……なに。
すごく、いたい？
…うん、いたい。
しみるから？
それも、ある。
……。
……。
……。
…エリス？
なおして、あげる。
え…んん？
……。
ん…、…ッ。
…。
……。
……なおった？
…こんなんで、治るかい。
じゃあ、もういっかい。
もういいから。
いいの。
よくない。
寧ろ、余計痛いから。
…。
……あー、くそぅ。
…なおるまで、だめ？
だめ。
……かるくでも？
…。
…だめ？
……まぁ、軽くなら。
…。
べろがあたると痛いから。
…そう、なんだ。
…。
やっぱり、なおしてあげる。
だからいい…
…。
…て、言ってんのに。
……なおった？
治った。
よかったね？
……エリス。
ん…？
無闇に使わないの。
ナディがいたいの、いや。
でも、ちゃんと治るもんだから。
キスできないのも、いや。
…。
…いや。
……どっちの方が嫌なの。
どっちも。
…。
どっちもいや。
…あーそうかい。
…。
…うん、もう染みない。
よかった…？
んー…。
…ナディ。
エリス。
…。
まぁ、なんだ。
気持ちは嬉しかった。
…。
でも、こんなコトで使わなくてもいいの。
……。
…。
…。
……エリス。
…なに。
治してくれて、ありがとう。
…。
さ、食べよ。
タコタコターコ、ん。
…。
………エリス。
えへへ。
…本当はキスの方が大事なんでしょ。
ナディと、ナディがいたがらないように、したい。
…。
よかった。
…。
ん？
……ま、いっか？
うん、いいの。
−La princesa durmiente.
エリスー。
…。
エリスー？
…。
…こんのぉ、また寝てやがるなぁ。
…。
…けどほんと、良く寝る子よね。
……ん。
…。
…。
んん…。
……あ。
…。
……。
すぅ……。
……あたし、何やってんだ。
…。
あー、あー…今日も良い天気だ、うん。
洗濯物も良く乾く。
…。
と言うわけだから。
さっさと起きて仕事しやがれぇ。
……や。
…。
…。
…いつからだ、こいつ。
……。
え、と。
エリス、起きてるんでしょ。
ほら、さっさと起きる。
……。
エリス、エーリース。
……。
この、あくまでも起きないつもりだな。
……キス。
は？
……おこすには。
…。
…。
……あんたって。
……。
…。
…。
…したでしょ、もう。
……。
ほら、起きる。
…ナディ。
なに。
……もっと、してくれてもいいのに。
…。
…まだ、ねむい。
……こら。
…。
……本気で寝るつもりだし。
……。
……エリス。
…。
…ええい、ちきしょ。
……。
……。
……やった。
…ほら、さっさと起きやがれ。
…。
お…。
えへへ、おはよう？
…はいはい、おはよう。
て、もう昼過ぎてるけどね。
…。
ほ、ほら、もう良いで
……。
……。
……つかまえたの。
…あのなぁ。
がんばれる？
…は？
しごと。
……ああ、はいはい、頑張れますよ。
と言うか頑張ってますよ。
エリスのおかげ？
……つか、あんたも仕事しろ。
うん。
よろしい。
…。
…ほら、エリス。
…もうすこし。
……。
…わたしもがんばるの。
……はいはい。
…。
…。
……。
……。
…さ、エリス。
……ん。
−Créeme.
…ふぅ。
…ナディ。
エリス。
……だいじょうぶ？
うん、もう大丈夫。
…。
なぁに？
信用してないの？
…ううん。
なら、出ておいで。
もう、大丈夫だから。
…わたしがきいてるのは。
うん？
ナディのことだよ。
…あたし？
……。
て、な、なに？
…けが。
あ、ああこれ？
ちょっと掠ったみたいで。
…。
でもこれぐらい大丈夫。
ほら、もう塞がっだだだだだだだだだだ…ッ！！！！
……うそつき。
だぁから、あんたが押したからだっつの…！
……ち。
ああもう、折角塞がったってのに…。
……。
エリス、傷は押しちゃだめ。
痛いから。
…だいじょうぶじゃない。
大丈夫でも、大丈夫じゃなくなるの。
分かった？
……。
…て。
……ナディ、は。
ちょ、ちょっと。
なに、どうしたの？
……いつも、けがしてる。
え…。
…いつも、きずついてる。
エリス…。
……はじめてあったときから。
いつも、いつも…。
…。
……。
…エリス、さ。
……。
いつだか、誰も守ってくれないって言ってたわよね。
……うん。
でも案外、そうでもないものよ。
…。
あんたが助けてって…言わなくても。
どっかの誰かは守ろうって決めてるんだから。
…だれかってだれ？
それは教えない。
おしえて。
いやだ。
おしえて。
だーから、いやだ…
……。
…て。
……ナディ。
エリス…。
…。
…。
ひゃ…。
そんな顔、しない。
……。
ウィニャイマルカ、一緒に行くんでしょ？
……うん。
あたしは大丈夫。
これぐらい、なんてことない。
…でも。
でも、そうね。
手当てぐらいはしてもらおうかな。
…してるよ。
うん。
だから、大丈夫。
…。
ね、エリス。
…けど、わたしといなかったから
エリス。
…ん。
言ったでしょ。
どっかの誰かはもう、決めてるのよ。
…。
あんたを、ずっと守るって。
…。
だからさ…あんたもその誰かを信じてよ。
…。
それにさ、誰かも守られてるからって。
…？
あんたに。
だから、頑張れるんだって。
…だれかって、だれ。
ちゃんとおしえて。
やーだ。
ナディ。
やーーだ。
おしえてくれてもいいとおもう。
やなもんはやだ。
……むぅ。
ふふ。
…いじわる。
お、言ったな？
…。
そんな顔してたら。
ほっぺた、つっつくぞぅ？
…。
ふふ。
さ、行こ？
…。
エリ…
……。
…エリス、動きづらいって。
おしえてくれないから。
…。
…だから、いいの。
…。
…。
…なら、一生教えない。
なら、いっしょうはなれない。
ああ言えばこう言って。
…おたがいさま。
あーもう、動きづらいなぁ。
おまけに暑いし。
…えへへ。
−La diabirita.
ナディ。
…。
ナディ。
…。
ナディ。
…。
…。
………なに。
よくなかった？
……なにが。
あまり、きもちよくなかった？
…ッ！
ナディ？
………。
…。
………エリス、さ。
なぁに？
……やっぱいい。
いって。
…いいって。
いって、ナディ。
……。
……。
……。
……もう、しないから。
…？
いやだったのなら……もう、しない。
……。
……ナディ。
………じゃ、なくて。
…。
……いやじゃ、ない。
…ほんとう？
……けど。
……。
……顔、見られない。
…なんで？
聞くな。
……。
……。
……はずか
言うな。
……。
……。
…いえっさ。
……。
…。
…。
……ナディ。
…。
こっち、むいて。
……むり。
…。
…。
…ナディ。
…。
ナディ…。
……そんな声、出すな。
…。
…。
………ナディ。
…ッ。
……わたしを、みて。
…。
みて…ナディ。
………ええい、ああ。
…ええいああ？
……。
…。
……分かった、分かったわよ。
…。
…………。
…。
…………エリス。
ナディ…！
わ…。
……みて、くれた。
…見ろって言ったのはあんたでしょ。
…。
な、なに…。
わたし、わかったの。
…なにを。
されるほうが、すき。
……は？
ナディにしてもらうほうがすき。
…。
セ
わ、わぁ！
…なに？
え、エリス。
うん？
もう、良いから。
…。
分かったから。
…。
だか…ら。
……ナディはおんなのこ。
そ、それはあんたもだ。
かわいいおんなのこ。
だ、だから
かわいい…。
う……。
…。
……。
…ねぇ、ナディ。
……なに。
…。
あ。
……おねがい。
で、でも…つか、ちょっと待ってって。
いや…。
こ、こら、どこ触らせて…
…あん。
…ッ！
きゅうにうごかしちゃ、だめ…。
エ、エリ…。
…ナ、ディ。
……。
きて…くれる？
……。
−Die Kleine Hexe.
Weil ich...
（私は…）
エリス！
…。
止めなさい、エリス！
…。
エリス…！！
……え？
もう、止めて。
……なにを？
……。
ナディ…？
…もう、良いの。
なにがいいの？
……。
どうしたの？
…。
ナ、
……。
…ナディ。
……あたしの為、に。
…。
使わなくて、良いの。
…つかう？
……。
なにを…？
…力。
……。
良いのよ、エリス。
…。
……エリス。
…そうだ。
え…。
ゆるさない。
…エリス。
あいつらは？
エリス、それは
ゆるさないの。
エリス。
ナディのこと、きずつけた。
だから、ゆるさない。
あたしなら大丈夫だから。
ほら、傷だって
ゆるさないの。
…エリ、ス。
わたしのナディ。
だれにもきずつけさせない、わたしがまもるの。
ナディがわたしをまもってくれたように、わたしもナディをまもるの。
エリス、気持ちは嬉しい。
けどそれを理由にしてはだめ。
どうして？
まもるためにつかうのに。
あんたの力は
そっか、わたしはひとじゃないから。
わたしのちからは、ひとのそれじゃ、ないから。
…。
まじょ、だから。
まじょのちからはだめなんだ。
エリス……。
ナディはわたしをにんげんだっていってくれた。
でもねナディ、かこはかえられないんだよ。
…。
わたしはにんげんじゃない。
だから…。
…あ。
このちからが、ある。
……。
こんなちから、いらなかった。
こんなちから、ほしくなかった。
けど、いまは。
…。
わたしは、これで、あなたをまもるの。
わたしからあなたをとろうとするにんげんを、けすの。
…！
…そう。
だれにも、だれにもわたさない。
ナディはわたしだけのひと。
だれにも、だれにも、だれにも…！
エリス…！！
う、あ…。
…良いから。
もう、良いから…。
……ナ、ディ。
…あんたの気持ちは、知ってるから。
…。
だから…。
…しらないよ。
……。
ほんとうは、しらないんだよ。
だってわかるはず、ない。
エリス…。
わたしがどれだけナディが、ナディだけがほしいか。
ナディは、しらない。
…。
…それに。
わたしもナディのこと、わからない。
…。
わかりたいのに。
もっとしりたいのに。
…。
おしえてよ、ナディ…。
……エリス。
…わたしがほしいって、いって。
…。
はぁ…。
…？
……。
！
だめ…！
……う、ぁ。
だめ、エリス！
エリス…！！
はぁ…はぁ…。
…エリス、お願い。
お願いだから…。
……ねぇ、ナディ。
…。
わたしのねがい…かなえて。
…エリスの、ねがい。
ナディのぜんぶ…わたしに。
…。
ナディがほしいの。
そのからだも、そのこころも…ぜんぶ、ぜんぶ。
……。
ナディいがい、いらない。
なにも、なにも。
…。
ねぇ、ナディ。
かなえて。
……。
もしもせかいがじゃまなのなら。
わたしがこわしてあげるから。
…ばかなこと、言わないで。
わたしは、ほんきだよ。
…。
ぜんぶ、つくりかえればいいんだよ。
そんなこと、しなくても良いの。
しなくなってあたしは
ななしのあなた。
…ッ。
あなたがわたしのすべて。
ぜんぶつくりかえて、ふたりでいきよう？
…そんな、こと。
あいしてるよ、ナディ。
……。
あなたのこどもをうんであげる…。
……あたし、の。
…だから、あなたのすべてで。
わたしをこわして、おかして。
…。
…あなたのいのちを。
わたしのなかに、うえつけて…。
………エリ、ス…。
....wie Sie nicht zart bin.
（……貴女のように優しくない、から）
−Der Hexenjäger.
…はぁ。
ナディ…。
まずい、と、思ってた、いつも。
…。
ナディ…ナディ…。
自分よりも、小さくて、か細くて…ともすれば、折れてしまいそうな、躰。
……はぁ。
う…あ、ぁ…。
いつもは眠たそうで、何を考えてるのか、分からなくて、でも、子供っぽくて、最近は良く笑うように、なって。
は…ぁ。
…ぁ…あ、ん…あっ、あ…っ！
……なのに。
…はぁ…はぁ…ぁ。
ナディッ、ナディ…ッ！
白に、淡い紅。
それを浮かべたこの子は、まるで。
……。
…いい、よ。
…だめだ、止まれ………とまれ、とまれ、とまれ…！
……エリ、ス！
く、あ…あぁぁぁぁ…ッ！！
…だって。
だって、これ以上、は…。
……。
……ひと、つ。
……ああ、境界線、が、消える、消えた、それは確実にあるのに、所詮、錯覚なのに、後で、現実を痛いほど、思い知るのに。
エリ…ス…。
…わたしは、あなたのもの。
…それに溺れる、堕ちていく、深遠の淵、果てない白、白い闇、沈む、沈む、抗う事など出来ない、どこまでも、堕ちていくだけ。
う…ぁ…。
あなたは……わたしのもの。
ああ、熱い、あつい、アツイ、頭が、とけそう、ちがう、とける、とかされる、とかされてる、も…う！！
ぁ…あ…ぅ……。
……だいすきだよ、ナディ。
……ああ、何も、何もかも、なくなってしまえ、もう、何も、いらない、ほかに、なにも、なにも、なにもかも。
……エリ…ス。
いいこ……。
…このこが、いれば、このこが、いてくれさえすれば。
……。
おかえり…。
あたし、の、そんざい、は、あたし、の、いみ、は……。
ただいま…エリス。
………おかえりなさい。
わたしの、ナディ…。
……ああ、あたしはこの子を愛している、あたしを愛してくれるこの子を。
……愛してる。
愛してる、エリス…。
もっと、あいして…わたしだけをあいして、ナディ。
堕ちていく、堕ちていく、もう、離せない…もう、戻れない…もう、二度と。
−De Ellis.
Yo he sabido el calor de tu cuerpo para la primera vez.
（躰の熱を初めて知った）
……ひとのからだって。
…
あんなにあついんだ…。
ん…。
あ。
…ナディ、なにかいった？
な、なにも言ってない。
…？
…なんでもない、から。
…。
うん、なんでもない、なんでもない…。
ナディ、ふしぜん。
…う。
どうしたの？
ほ、ほんとになんでもないから。
…。
て、ちょ…。
…ドキドキ、してる。
な、や、てか…う、あ。
…はやい。
エ、エリス…。
……。
…え。
……。
ひ、ぁ…ッ！
……ナディのあじ。
ば、ばか…ッ！
…。
い、いきなりなにすんの、あんたは…。
…いきなりじゃないよ。
い、いきなりっていうのよ、今のは。
…いきなりじゃないのに。
だ、だいたいね、ど、どっちかというと、あんたの…。
…わたしの？
………なんでもないです。
わたしの、なに？
なんでもないって。
…しりたい。
べ、べつにしらなくてもいいから。
なんでもないって言ってるんだし…。
…。
とりあえず、はなし、
…。
あ…。
……。
エ、エリス…！
……さっき、まで。
はなして。
…。
…やめ、て。
……このこ。
おねがい…だか、ら。
…。
エリ…ス…。
……わたしのなかに、はいってた。
……ッ。
たしかに…。
…だめ、やめて…もう…。
……。
エリス…エリ、ス…。
……いとしい。
あ……。
このこ、だけじゃない…。
…。
……ナディ。
……はぁ。
ナディ…。
……エリス。
……
あたし…も、う…。
……ん。
……。
…おいで、ナディ。
…！
エリス…ッ！
ん……。
−Con Nadie.
Porque quiero ser conectado a ti todo el tiempo.
（このままずっと繋がっていたいから）
はぁ…。
はー…はー…。
……はぁ。
は…は…、…はぁぁ。
……ナデ…ィ。
う…ッ。
……。
ナディ…。
……で。
…なぁに？
…あんまり、さわんないで。
…。
いま、は…。
……いや。
ちょ…。
…。
な、なに…。
…このまま。
え……え？
このまま。
え、でも…。
…だめ。
や、で、でもさ…？
……。
エ、エリス…？
…いいの。
え、えぇぇ。
…。
ほ、ほら、このままだと重たいでしょ…？
うん、重いお
……。
……もくない？
すき。
……。
…もっと。
も、もっと…って。
……。
で、でもさ…？
…。
ほ、ほら、きょ、今日はもう…。
いいの。
……エリス。
……。
…ね、ねぇ。
いて。
……。
……しなくても、いいの。
あ…。
…いいから。
……う、ぅぅ。
……。
……。
…ナディ、かっこわるいね。
……わるかったな。
でも…。
……。
…だいすきなの。
……そうですか。
すきだよ？
……はい。
…。
え、な、なに…。
…ナディのうすらタコス。
は、はぁ…？
……すき。
だ、だから…。
すき…！
………あ。
……。
え、えーと……あ、あたし、も。
…それじゃわかんない。
…。
ことば。
……すき、です。
…。
か、かんべんしてよ…もぅ。
…ナディはほんとうに、うすらタコス。
せ、せっかく言ったのに…。
……。
……どうせあたしはうすらタコスで、む。
けど、そんなナディもわたしのだいすきなナディだから。
……。
……えへへ。
なんだか、な…。
…まけた？
……うっせ。
むしろまけっぱな、ん。
……。
……ナディ。
う、うっさいのよ、その口。
…。
だか、ら…？
ふふ。
……くそぅ。
……。
……。
……。
……エリス、さ。
まだ。
…それは、いいんだけ、ど。
……なに。
あたし、も。
…。
……いいかな、て。
……なにが？
こ、こいつは…。
…ことば。
……だから。
…うん。
………こう、してるの。
…。
そ、その、エリスとつながっているのは…。
…は？
と、とても…！
…んっ。
あ。
……。
あ、ご、ごめ…。
…ふふ。
へ…。
でも、いきなりだったから…ね？
……ッ！！
ふふ…。
…だぁーーもぅッ！
−En agua.
いつかきっと、貴女と出逢えることを。
……。
エリス、ちょっと地図取って。
…。
エリスー。
…。
エリスってば。
……なに？
いや、地図。
ちずが、なに？
取ってくれる？
…。
エリス？
…いえっさ。
…。
はい、ナディ。
ありがと。
…。
…ねぇ、エリス。
ん？
体調でも悪い？
わるくないよ？
本当に？
うん。
なら、いいけど。
…。
南、南…かぁ。
さて、どう行ったもんかな。
みなみはみなみだよ？
いや、それはそうなんだけど。
…。
漠然としすぎじゃない？
ちょっとしたことでもいいから手掛かりがあればなぁって思うんだけど。
…ウィニャイマルカ。
……。
…。
…ま、いっか。
とりあえず、南に向かえば。
……。
…。
…。
…え、と。
…。
エリス。
…ん。
なに？
…？
いや、あたしの顔に何かついてるのかなぁ、って。
…めとはなとくち？
いや、それは生まれつき。
……。
…。
……。
…エリス。
…。
何か言いたい事があるのなら言葉に。
じっと見てても、あたしは分かんない。
…みてないよ？
そうかな。
うん。
なら、いいけど。
…。
…次の町はここかぁ。
ガソリン、大丈夫そうかな。
…。
……。
……。
………。
……エリス。
なに？
それはあたしの台詞、かな。
そうなの？
うん。
…。
お腹でも痛い？
…ううん。
暑い？
…。
…少し、休もうか？
……ナディ。
ん。
…。
…言いたくないなら、無理しなくてもいいけど。
でも、体調が悪いのは言ってほしいかな。
……。
…うん。
少し、休もうか。
……みつけた。
え、なに？
…。
エリス…？
……。
…やっぱりどこか
ナディ。
え。
……さがしてた。
え、何を？
……わたしを。
…はい？
ナディ、はじめてあったときにそういったから。
言ったっけ？
「やっと、みつけた」。
…ああ。
そういや、言ったかもね。
…さがして、くれた。
まぁ、賞金稼ぎが賞金首を捜すのは当たり前の事だし…。
……。
でもそれがどうかした？
…おもっただけ。
思っただけ、ね。
…。
…まぁ、いいや。
エリス、少し休も。
いえっさ。
水の中で、ずっと、夢見てた。
−Sleeping princess.
エリスー。
…。
エリスー？
…。
…たく、また寝てるし。
…。
ハンモック、気に入ったのは分かるけど寝すぎだっつの。
…。
さて、どうするかな…。
…。
エリス。
…。
起きろ。
起きて、仕事しろ。
…。
て、これくらいじゃ起きないか。
…。
んー……。
……。
…本当に寝てるんかな。
…っ。
ん？
…。
…ふぅん？
…。
まぁ、良いけどね。
…。
もう一度言うけど。
起きろ、エリス。
…。
…どうしても、起きないなら。
…。
……。
…！！
…やっぱり柔らかいわね、唇。
…。
ほんと、柔らかい…。
……ぅ。
…。
…。
…起きないなら。
もっとしちゃおうかな…。
…。
お。
ばか。
はい、おはよ。
ばか、ナディのばか。
つかなんで怒ってんの？
だってナディが
寝てたんでしょ、今の今まで。
それとも目、覚めてたの？
…！
ん、どうなの？
…ねてたよ。
そ。
じゃ、あたしがエリスに何をしたかなんか分からないわね。
……。
何をしたか、聞かないの？
…きかない。
気にならないんだ？
ならない。
あ、そ。
……。
…期待、してたくせにね。
し、してない！
そんなに暴れると落ちるわよ？
だってナディが
はいはい、それはもう分かったから。
あ。
落っこちたら痛いわよ。
は、はなして
だーめ。
ナディ。
ま、本当にイヤなら離すけどね。
…。
どうする？
……い。
ん、なに？
…そんなの、ずるい。
はいはい。
じゃ、このままで。
……。
眠れる国のお姫さま、だっけ？
いつだかそんなの、読んでたわよね。
…よんでないよ。
キスで起きるんだったっけ？
あんた、なにげにそーいうの好きよね。
すきじゃな、ん。
……。
……。
…あたしは結構、好きだけどな。
これでお姫さまが起きてくれるなら、悪くない。
……ばか、ナディのばか。
はいはい、そーね。
じゃあたしは先に行ってるから、あんたもさっさと来るのよ。
…。
…それとも。
…う。
もっとしてあげないと、目、覚めない…？
…ナ、
なんて、ね。
…。
あはは。
じゃ、早く来んのよ。
……ばか。
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