−El lobo roja y la oveya dorada.
ナディ。
ん、なに?
愛してる。
あ、うん。
恋してる。
うん…。
えへへ、大好き〜。
うん…うん?
ナディ、ナディ。
…と言うか酔っ払い?
酔っ払いはキライ。
いや、今まさにあんたがそうなんだけど。
ナディの瞳。
て…。
私が、映ってる。
そりゃあ、こんだけの至近距離なら…んん。
…ナディの、味。
ば…ッ。
えへへ。
てか、飲んでないのになんで酔っ払ってるのよ…!
ナディ、酔っ払ってる?
酔っ払ってない、と言うか、飲んでないから!
…。
…て、エリス?
あはは。
…て、うぉい。
ナディはどろぼう。
人聞き悪い、てか、目を覚ませー。
あなたはどろぼうなの。
いや、言い方変えれば良いってもんじゃないから。
ナディは罪人。
今度は犯罪者かい。
そうだよ、ナディはおっきなおっきな罪を犯したの。
は、いつよ。
わたしと、逢った時。
…あ?
わたしのこころをうばった。
………ばーどぅん?
ハート、泥棒。
う、わ…。
それから、私の心を撃ち抜いた。
…。
ズキューン。
…てか、出来ればそれは思い出しくないって言うか、古傷を抉られた気分と言うか。
エリスはナディのこころ、ぬすめない。
はぁ?
だから、つまんない。
…つか、そろそろ目を覚ませ?
ナディ。
な…ん。
…。
ちょ、エリ…んんッ。
…。
ま、待ってって…あ、こら…ん、ん。
…。
……はぁ。
…どうすれば良い?
…。
どうすれば、ナディを盗める?
…。
ナディがほしい、ほしい。
…いや、てか、今更でしょ、それ。
?
あんただって罪人。
わたしは、いけない人?
そう、いけない人。
悪い人?
とは、言わないけど。
…魔女、だから?
それは全然、関係ない。
…。
ほら、ちゃっちゃと宿に戻るよ。
シャワーでも浴びて目を覚ませ。
ナディ!
って、あぶな…!
んー…。
と言うかお願いだから、目を覚まして。
エリスの目はいつだって覚めてるよ?
いや、いつだって眠たそうよ、あんたは。
…て、そうじゃなくて!
寝ちゃったらナディが見えない。
そりゃそーだ。
と言うか、歩き辛いんだって。
でも、逢える。
さっきから意味が分かんないわよ。
夢の中で、ナディと。
いっぱい愛し合うの。
……。
でも、眠る前に確かめ合うの。
いっぱい、いっぱい、仕合わせになるの。
だから夢でも逢うの、逢えるの。
…ああ、もう。
ナディがいれば、やさしい気持ち。
…。
ナディがいないなら、こんな世界、いらない。
おいおい、物騒だって。
本当だよ?
はいはい、さっさと帰ろうね。
ナディ、ナディ。
分かった、分かったから。
何が分かったの?
……なんとかしてくれ、こいつ。
ナディ。
はいはい、なに。
愛してる。
…。
愛してる、ナディを。
…ありがとう。
えへへ。
…あたしも、愛してるわよ。
もういっかい。
愛してる。
恋、してる?
…そんな暇、無かったわよ。
無かった、だから、今してる…。
…。
Nadie, Estoy enamorado de ti.......
…だから、恥ずかしいって。
ふふ…。
あーもう、ほら…。
……。
しっかりしろ…ん?
…。
…エリス?
エリス…?!
……。
…まじかい。
…。
…。
…ナ…ディ。
……ああ、もぅ。
…えへへ。
もう、酒場なんぞでごはんは食わん…。
…。
お。
…。
おはよ、起きた?
…。
昨日の事は覚えてる?
…なんで。
うん?
裸、なの?
それはあんたが勝手に脱いだから。
私が?
本当に覚えてないの?
うん、覚えてない。
…ごはんの帰り、好き放題言い出したと思ったら勝手に寝ちゃって。
仕方ないからおんぶして宿に戻ったってのに、部屋に着いた途端にいきなり脱ぎだして、そのままバタン。
…覚えてない。
…。
…。
…まさか匂いだけで酔うとは思わなかったわよ。
酔った?
と言うより、今までそんなコトなかったハズなのに。
なんでまた昨日は
ナディが?
匂いだけで酔うかい。
あんたよ、あんた。
……覚えてない。
酔っ払いは嫌いなのにね?
…。
ま、良いけど。
さ、服を着なさい?
…ナディ。
ん?
襲った?
……は?
わたし、襲われた?
おいおいおいおい。
……。
て、そこ。
頬を染めない。
…ざんねん。
はぁ?!
だって、覚えてない。
いや、だから襲ってないから。
…裸なのに?
だからそれは
…ナディってそんなにへたれ?
…怒るぞ、この。
今更、なのに。
…いやだからね?
……よばい?
するか。
……。
て、なにその顔。
……つまんない。
……。
ナディ。
な、なに、つか服を…。
今なら、分かるよ。
何が。
…。
とりあえず早く服を
ナディ。
もう、朝だから。
…良く見えるよ?
…ッ!
冗談。
タチが悪いわ。
でも、本気。
え、あ、ちょ…!
…。
エリス、いい加減に
…ちゃんと、覚えてたいから。
ちょ、こら…んん。
……。
……。
……はぁ。
…。
……ナディ。
…。
あ……。
…。
…ナディはやっぱりどろぼうだね。
…勝手に言ってろ。
うん、言ってる…。
…。
んん…。
………あんたの。
…。
せい、だからね…。
…いいよ、それでも。
……。
今回だけ…。
……ほんと、勝手なヤツだ。
…。
…。
…あー。
…。
本当だったらとっくに出発してるハズだったのに…。
…したりない?
…。
…うん?
あんたねぇ…。
…ちがった?
違う、おおいに違う。
…そっか、ざんねん。
…。
…。
あんた、さぁ。
…なぁに?
好きなの?
好きだよ?
…何を、とは聞かないのがあんたよね。
ナディが。
…。
ナディが、大好き。
…ああ、そうね。
だから、たくさん触ってほしい。
…。
し、いっぱい触りたい。
……あー。
ナディは狼。
…。
エリスは羊。
…。
わたしは、ナディの餌。
…大抵、自分から食われにくるでしょうが。
おなか、空かせてるから。
…むしろ、羊の方が飢えてると思うけど。
二匹とも、おなかぺこぺこ。
……。
否定、しない。
…食いすぎて、太りそうだわ。
ナディはいつだってセクシー。
……。
ナディのおなかのラインは…きれい。
…本当にお腹いっぱいだから。
…。
…。
…朝ごはん、まだなのに?
……どこまで本気なんだ。
…。
そうだ、ごはん。
今朝はどうするかな…。
エリス?
…いや、それはもう良いから。
じゃあ、ナディ。
だからだな…?
…。
ああもう、良いや。
とりあえず支度、した、
…。
…く、を。
ナディ。
……もう、おしまいだって。
…。
つ…。
……あまい。
エリス…だから、ね。
……。
しゅっぱつ、が、さら…に。
……。
……。
……ナディ。
……あの、さぁ。
うん…。
どんだけ、食らわすつもりなの。
あんたは。
…二匹のおなかがいっぱいになるまで。
……。
…さっきのは昨日の、ぶん。
…今日はこれから、なんだけど。
……今からのは、前菜。
前菜…て。
…。
……ああもぅ、くそぅ。
…ふふ。
…。
…?
なぁに…?
…あんたって。
うん。
……こういう時、本当に。
…ほんとうに、なに?
……ああもう、本当にどうでも良くなってきた。
…。
…ごはん、昼ごはんになるかもしんないから。
でもって、ノーは聞かない。
オーケイ?
……いえっさ。
…。
…。
…おなか、すいた。
すいたね。
もう、昼ごはんだよ…。
ナディが言ったんだよ?
…原因を作ったのはあんた。
お互いさま?
…。
…。
……おなか、すいた。
ごはんにする?
食べないと、倒れる。
もう、倒れてる。
…ずっとこのままでいるわけにはいかないでしょうが。
なに食べるの?
…手ごろなサンドウィッチでもあれば。
手ごろ?
お財布に優しいの。
味はどうでもいいの?
そりゃあ、おいしい方が良いに決まってる。
じゃあ、ナディが作って。
…はい?
ナディが作ったの、食べたい。
面倒。
…。
と言うかエリス、あんたが作ってよ。
わたし?
エリスが作ったの、食べたい。
……。
面倒?
…良い、けど。
じゃあ、
今は早く食べられた方がいいと思う。
…自分から言い出しておいてそれかい。
えへへ。
…はぁ。
おなか、ぺこぺこ?
…とりあえず、起きないと始まらない。
…。
あーもう、今日は誰かさんのせいで予定が崩れまくりも良いとこだわ。
あったの?
…そりゃ、一応あるわよ。
なのに
共犯?
……はいはい、そうね。
それとも、確信犯?
…かくしん?
…。
……まさか。
まさか、何でもないよ?
言葉がおかしい。
…。
待って、エリス。
起きるんでしょ?
起きるけど…。
じゃあ、起きる。
て、エリス。
なに?
昨日の事、本当は…
…覚えてないよ?
…。
ナディが抱っこしてくれたこと、なんて。
…。
あと、ナディがベッドに入ろうか入らないか悩んで
エリス。
なぁに?
…。
ナディ?
…タチが悪いにもほどがある。
だから、結果オーライ?
あのねぇ。
だったら最初から
言ったら、してくれた?
…それは、まぁ。
イヤじゃない、し…。
ここのところ、触ってもらえなかった。
…。
…くれなかった。
いや、それは、
ナディ、今でもヘタレだから。
…ヘタレゆーな。
つか、今でもってゆーな。
もう少し、がつがつしてくれても良いのに。
がつがつって、あんたね。
がつがつ食べても良いよ?
…いや、だからね。
良いのに…ナディ、ヘタレだから。
あーもう、うるさいうるさい。
聞こえない、聞きたくない。
…塞げば良いだけなのに。
聞こえなーい。
…ふふ。
…。
ねぇ、ナディ。
おなか、すいたね?
…聞こえない。
お、な、か。
…。
おなか、すいた。
…そうねー。
ごはんにする?
…うん、したい。
じゃないとマジでお腹と背中がくっつきそう…。
…。
…。
…。
…エリスの作ったごはんが食べたいー。
…ナディのごはんが食べたいー。
…。
…。
…まずは服、着ないと。
いえっさ、ナディ。
−Las flores rojas.
エリス、止まって。
…?
なに?
足元。
……はな?
そう、花。
踏み潰しちゃ、可哀想でしょ?
なんで?
なんでって。
こんなところで健気に咲いてるんだから。
けなげだと、かわいそうなの?
いや、そうじゃなくて。
とにかく、踏んだら可哀想じゃない。
そうなんだ。
そうなの。
エリスだって踏まれたらイヤでしょ?
…。
イヤじゃないの?
…いや。
でしょ?
うん。
うん、分かれば良し。
ナディ。
うん?
きれいだね。
…。
なに?
いや、何でもない。
なんでもないの?
うん、何でもない。
ナディ。
なに?
このはな、なまえはなに?
…名前?
なまえ。
……え、と。
しらないの?
あー…花の名前はあまり。
なまえしらないのに、かわいそうなの?
…。
…?
…名前を知ってようが、知らなかろうが。
踏まれたら痛いってのは一緒なの。
いっしょ?
一緒。
…いっしょ、なんだ。
今度こそ、分かった?
うん。
なら、良し。
じゃ、行こっか。
ナディ。
ん?
ふんじゃ、だめだよ。
分かってるわい。
…。
…ん?
そっか、いたいんだ。
…。
…。
エリス。
なぁに?
好きな花ってある?
すきな?
そう、好きな。
……。
なんだ、あんたも知らないんじゃない。
…しろいはな。
しろいはな?
…。
…エリス?
ナディは?
あ?
あるの?
すきなはな。
あたしは…んー。
…ないの?
…カントゥータ、かな。
カントゥータ?
そ、赤い花。
きれい?
きれいだったよ。
だった?
…そう、とても。
ナディ?
…。
ナディ、どうしたの?
なんでもない。
さ、行こっか。
でも
エリス、ほら。
……うん。
−A ti te encanta...?
ああ、今日も疲れた疲れた。
…。
こういう日はさっさと寝るに限る。
ねぇ、エリス。
…ナディは。
うん?
…きらい、なの?
は、何が?
…。
エリス?
…。
おーい、エリスー?
…。
て、何よ。
珍しくはっきりしないわねぇ。
……ス。
え、何?
聞こえない。
…。
ほら、エリス。
何よ。
…でもナディ、きっと、こまる。
あたしが困る?
なんで?
…。
…エリス?
本当にどうしちゃったの?
…ナディ。
うん?
ナディはすきじゃないの?
だから、なぁにが?
…。
もう、何よ。
ほら、言ってごらんなさい?
……クス。
くす?
…セックス。
……………あ?
…。
いやエリス、今、何て言った?
セックス。
ぶは…ッ
ナディ、きたない。
や、つか、はぁ?
…きらい?
て、てか、いきなり何を言い出してるのかな、この子は…!
…。
と、とりあえず、聞かなかった事…に。
なんで?
や、だ、だって…。
どうしてきかなかったことにするの?
て、つ、あ…て、あぁぁ。
…。
え、エリス。
…なに。
ど、どうしてまた、そ、そんな事を言い出したのよ?
…。
…つかエリスに言われると、なんか。
ナディは、きらいなの?
………。
セッ
エリス!
…むご。
…。
むご、むごご。
…言わないで。
お願いだから。
……なんで?
エリスがそういうの言うの、なんか……アレ、で。
あれ?
あれってなに?
だ、だから…そのぅ。
…。
…と、とにかく。
言わないで。
……いえっさ。
つかどこでそんな言葉を…
…しってるよ。
……。
…ナディと、してるから。
そ、そうなんだけどさ…。
…するまえからも。
…。
…ナディは、きらい?
……。
ナディ…?
…。
…もしも、きらいなら。
…。
…もう。
………あのね、エリス。
…。
な、何がどうなってそうなったのか、知らないけど…。
…。
む、寧ろ…そのぎゃく、だから。
…ぎゃく?
だ、だから…その、な、なんと言うか…。
…。
………じゃない、わよ。
よくきこえない。
だから……きらい、じゃないわよ。
それって?
そ、それだけでいいじゃないの。
…ききたい。
え、えぇぇ…。
わたしはすきだよ。
ナディとだから。
う、ぁぁ…。
ナディは…?
……だ、だからだな。
…ナディ、おしえて。
や、や、だ、だから…。
…。
そ、そんな目で見るな…。
……ナディ。
………あぁぁ、もう。
…。
………、よ。
……きこえない。
……き。
きこえないよ、ナディ…。
……すき。
…。
好き…よ。
…だれと?
そ、そこまで聞くか…。
…。
あ、あぁもう!
エリスとに決まってるでしょ…!
他に誰がいるって言うのよ、もう…!!
…ほんとう?
う、嘘でこんなコト言えるかい…。
……。
…ああ、どっかに埋もれたい気分だわ。
…。
も、もういいでしょ。
さ、寝よ寝よ。
…えへへ。
ちょ、エリス…。
よかった。
………。
だいすきだよ、ナディ。
……つかさ、エリス。
ん?
出来れば、外では言わないで…。
なにを?
…だから、その……とか。
……hacer el amor?
だ、だから…!!
…ナディ、かわいい。
……ぅ。
よしよし。
………ああもぅ、くそぅ。
えへへ。
−No conoce todavía.
ん?
…。
なに?
…。
エリス?
…。
…え、と。
…。
くすぐったいんだけど。
…。
…。
ふあ?
人の躰、ぺたぺたと触らないでくれる?
…。
エリス。
……。
なに、どうしたって言うの。
…さわりたかっただけ。
…。
だめなら、もうしない。
…エリス。
なに。
…。
…。
…うーん。
ナディ、へんなかお。
…あのなぁ。
…。
…。
…。
…触りたかったって。
どういう意味?
?
いみ?
や、意味って言うか…え、と、なんでそんな事思ったのかな、て。
…。
…エリス?
なんでだろう。
………。
なんで?
いや、知らないし。
…。
…別に深い意味はないみたいね。
ふかい?
いみってふかいの?
…。
…?
…ま、別にいいや。
いいの?
うん。
…。
…さわっても、いい?
…。
だめ?
あのね、エリス。
うん。
あまりぺたぺたと触られるは…ちょっと。
だめなの?
と言うか、理由もないのになんで触りたいの。
…。
…。
…さわりたいから。
……。
ナディに、さわりたいから。
…さわりたいから、ね。
だめ?
それだけじゃあ、なぁ。
…。
まぁ、一番分かりやすいけど。
…だめなら、いい。
時と場合。
…。
あとは程度、かな。
…。
だめとは言わない。
けど、時と場合と程度を考えて。
…どんなときなら、いいの?
そうねぇ、とりあえず運転中はだめ。
…。
無表情でずっとぺたぺたされるのも、いやかな。
何と言うか、反応に困る。
…。
分かった?
…わかんない。
うーん、それは困った。
こまった?
とにかく、だ。
…。
あたしに触りたいのよね?
うん。
じゃあ…だめ、とは言わない。
さわってもいい?
うん。
けど。
けど?
冷たい手でいきなり触るのだけは止めて。
いきなり?
例えば首筋にぴた、っとね?
…。
あれほど吃驚する事はないわよ?
そうなの?
ん、そうなの。
…。
分かった?
ん、わかった。
よしよし。
…。
…て。
ナディ、あったかい。
…まぁ、ね。
……。
…楽しい?
たのしいの?
いや、聞いてるのはあたしだし。
…。
…まぁ、いっか。
ナディ。
んー?
…なんでもない。
何よぅ。
くっついてもいい?
今度はくっつきたいの?
うん。
理由は…したいから、かな。
…だめ?
んー…仕方ない、今だけよ?
…。
ん、どうしたの?
……ナディ。
…。
あったかい…。
…そ。
……。
−Te enseño.
ナディはかわいいね?
…は?
かわいい。
…イキナリ、何?
いきなりじゃないよ。
や、いきなりでしょ。
まえから、おもってたから。
……。
ん?
…口にするのは初めてでしょうが。
…。
今まで、聞いたことないわよ。
…そうかも。
だったら、あたしにしてみればイキナリなの。
…。
いきなり、なの。
そうか。
まったく、何を言い出すかと思えば。
かわいいよ?
…分かったから。
どうしてめをそらすの?
…直視出来るかい。
なんで?
なんでも。
…。
な、何。
こっち、みて。
…。
みて。
…あのねぇ。
みて。
……あーー。
ナディ。
…。
…。
…で、何。
みてくれた。
あんたが見ろって言うか…て、こら。
えへへ。
エリス。
…。
暑いって。
…。
エリスってば。
…ナディ。
…。
…。
……大体、あんたはいきなりなのよ。
…そうなの?
そうなの。
…。
…。
…えへへ。
あーもう…。
…。
…。
…。
…エリス。
ん…。
……感じた?
……いきが、あつかった。
…。
…なに、ナディ。
教えてあげようかと思って。
…なにを?
あたしにしてみれば。
うん。
…可愛いのは、あんたってこと。
あ…。
……。
ナディ…。
…嬉しそうにするな。
…うれしいよ?
いつも、そんな顔。
…いつも、うれしい。
…。
…ナディ、きて。
…ばか。
だから、そういうコトは言うなっての。
…。
ばか。
…ナディもばか。
言ったな…?
…さきにいったのはナディ。
…。
ん…あ。
…もう、止めないから。
いいよ…やめないで。
…。
ナディ…ナディ…。
…。
…はやく、ナディ。
……だから、
ぁ…。
…もう、どうでもいいや。
……はぁ。
…。
…。
……エリス。
ナ、ディ…。
…。
−Travesura de tiempo
…………。
えへへ。
………あー。
ナディ、かわいい。
てか、そこの魔女。
ん?
ん、じゃないから。
じゃあなに?
なに、じゃないから。
寧ろ、あたしが言いたいから。
なにが?
…てか、何してくれちゃってんのよ。
なに?
…。
…?
朝起きたら、
おはよう。
うん、おはよ。
じゃ、なくて!
…ごきげんよう?
そうそう、ごきげんよう。
…じゃなくてだな!!
ナディ、ノリがいいね?
…。
…えへへ。
あーエリス?
なぁに?
とりあえず、元に戻してくれない?
なんで?
なんで、じゃないから。
かわいいよ?
あのな。
ちいさいナディ、すごくかわいい。
わ…。
ふふ。
く、苦しいって…。
…かわいい。
え、エリス…!
…なぁに?
苦しい、離して。
…。
エリス。
……やだ。
…。
ナディ…。
…あー。
……わたしより、ちいさい。
…。
かわいい。
……勘弁してよ、もう。
…。
…エリス。
…うん?
気が済んだら、元に
すまないよ?
…て、こら。
じょうだん…。
…に、聞こえないっての。
えへへ…。
…たく。
…。
……あのさ、エリス。
…ん?
その…胸がさ。
むね?
いや、その…なんとなく落ち着かないと言うか。
…いや?
…。
いや?
……じゃ、ないんだけど。
だから、その…。
きもちいい?
…。
…いい?
………うん。
…。
…でも。
でも…?
気分がじわじわと…こう、アレな感じになってくるような、そうでもないような…。
…する?
な、なにを。
…いいよ、しても。
し、しないわよ。
しないの?
そ、そもそもこんなんじゃ…。
…こんなんじゃ?
あ、いや…。
…。
……あのさ。
そろそろ、勘弁してくんないかな…。
…しても、いいのに。
……。
ナディ?
……ねぇ、エリス。
…。
いつまでこのまんまなの、あたし。
…もどりたい?
そりゃあ、ね。
…そっか。
…。
…。
…なんでまたこんなコトしたの。
したかったの。
…。
こう、したかった…。
…してるじゃない、いつも。
でもおおきい。
…大きいあたしじゃ不服か。
ううん…。
だったら…。
…ねぇ、ナディ。
なに…。
わたしたちにこどもがいたら…。
…こども?
こんなかんじなのかな…。
…。
こうやって…。
…あのね、エリス。
うん…。
数が合わない。
…かず?
そう、数。
……。
…あんたは誰とこどもを作るつもり?
ナディ。
…だったら。
かずが合わないでしょ、これじゃ。
……。
これじゃあたしが…
…できないって、いわないんだ。
…。
いわれなかった…。
…それはまたちがうはなしだから。
…。
ああもう、なにいってんだか…。
……。
…。
…わたしの、ナディ。
だからくるしいって…。
わたしの…。
エ、リ…。
……。
…。
……。
……かあさん。
ぁ…。
かあさん…。
ナディ…。
……あんたのせいだ。
…。
あんたが、こんなコトするから…。
ん、ん…。
……あたまのなかまで。
ナ、ディ。
…ばか。
ナディも…。
…。
は、ぁ…。
…。
あ、ん…。
…そんなこえ、だすな。
だ、って…。
…こどもなんでしょ、あたし。
う、ん…。
…だったら。
あん…ッ!
…かあさんはそんなこえ、ださない。
…。
……ふく、ぬいで。
…ぬがせて。
こどもにさせるの?
…。
…おなか、すいた。
……。
…すいたよ、ママ。
……まってて。
うん…。
……。
……。
…これで、あ。
…エリス…エリス……。
ナディ…ナディ…。
はぁ…。
いっぱい、あげるから…だから。
…。
もっとすって……もっとつよ、く。
……。
……。
…やっぱり、こっちの方がいい。
うん…。
…もう、しないでよね。
わかんない…。
…こら。
だって、わたしがしたわけじゃないから。
…え?
……おきたら、なってたの。
マジで…?
うん…マジ。
なんだそりゃあ…。
…。
…つか、ずるい。
ずるい?
あたしばっかり、小さくなって。
あたしだって小さいあんた、見たい。
ちいさいわたし?
そ、子供のあんた。
じゃあ、みる?
…見られるなら。
いいよ。
どうやって。
わかんない。
…。
…おなかいっぱいにさせてくれる?
おなかいっぱい…?
わたしが…ナディにしたみたいに。
…!
ん…?
…それは、なかったことに。
だめ。
…おねがいだから。
いや。
…つか、出たわけじゃないのに。
でたら、うれしい?
ぶ…。
そしたら、また…のみたい?
…またも何も。
飲んでないから。
…いっしょうけんめいだった。
だからそれはあんたのせいで…いや、違うのか。
ああ、なんかややこしい…。
…あかちゃんのぶんまでのまないでね?
エ、エリス!
…ふふ。
と、とにかく。
もう、ないから。
……ぜったい?
そう、絶対。
…たまには?
絶対、だめ。
あってたまるか。
…つまんない。
エリス。
…。
絶対だからね。
…いえっさ。
残念そうな顔、するな。
…。
エリス。
……はぁ。
?
エリス?
…。
ちょっとどうしたの?
…ねむい。
は、なんで…?
…。
……。
ん…。
…たく、なんなんだか。
……。
あーあ、誰かさんのせいですっごい疲れた…。
…だれかってエリス?
他にいない。
…よかった。
いいんかい。
…うん、いいの。
あ、そ…。
……えへへ。
…。
…。
……ちょっとだけ懐かしかった、なんて。
なぁに…?
なんでもない。
おやすみ、エリス。
……おやすみなさい、ナディ。
−Cicatris del tiempo
もしも、あたしが。
…エリス。
…。
それは、あたしじゃない。
…ナディだよ。
違う。
ちがわない。
それは、あたしじゃないの。
ナディだよ。
なんで分からないのよ。
わからないのはナディだよ。
あたしはここにいるでしょ。
ナディは、
『あたしはここにいる』
…エリスを離しなさいよ。
『いや』
離せって言ってるの。
『絶対に、離さない』
…エリス、こっちに来て。
でも
エリス…!
『…行かないで、エリス』
ナディ…。
そいつはあたしじゃない。
『あいつは…あたしじゃない』
……。
『あたしはずっと一人ぼっちだった』
エリス、早く。
『一緒に歩ける人が、ずっと、ずっと、欲しかった…!』
あ。
『あんたになんか、渡さない。エリスはあたしの』
うるさい!
『…』
エリスを返せ。
『…いやだ』
返して、エリスを返してよ!
『いや…いやぁ…』
やめて、ナディ。
…エリス。
『エリス…』
ナディは…ナディだよ。
違う!
『…あたしは』
ふたりとも、わたしのだいすきなナディだよ。
エリス…。
…ごめんね、ナディ。
『…ずっとここにいて、エリス』
ずっといるよ、ナディ。
…!
『エリス…エリス…』
どうして…。
…ナディ。
どうして、どうしてよ…。
ナディ。
あたしのそばにいるって、言ったじゃない。
ずっとあたし、と…。
…なかないで、ナディ。
……よりによって、なんでそんなヤツなんかと。
ナディだから。
…。
わたしは、ナディがほしかった。
ずっと、ずっと、ほしかったの。
…あげるわよ、幾らでも。
だから、お願いだから…。
…。
……あたしを、一人しないでよ。
もう、一人に戻るのは…。
…わたしは、いるよ。
いつだってナディのそばに…
だったら…!
このこも、ナディなんだよ。
『……』
そう、このこも。
…違う。
よく、みて。
…いやだ。
おねがい、ナディ。
……。
『………おかあさん』
…!
もう、ひとりじゃないよ。
もう、ひとりにしないから。
『…うん』
ああ…。
…このこは、ナディ。
ううん、ナディになれなかったナディなの。
……。
ナディ。
『……』
ナディがだいすきなの。
ずっと、いっしょにいてほしい。
…だから、その「ナディ」も。
ごめんね…ナディ。
……。
わたしは…このこをはなせない。
…う。
『……ずっと、あなたがうらやましかった』
…。
『ひとりなのに、ずっとひとりだったのに…あたしが、そうなるかもしれなかったのに!』
…。
『どうして、あたしは「あたし」じゃないの。あたしだって、エリスと、ぬくもりをくれるだれかといっしょにいきたかった。
あたしは、あたしは…こんなじゆうなんて、いらなかった!』
う…うぅ。
『あたしにも、わけてよ…。
つめたいのは、つめたいだけのせかいはもう、いや…いやなの…』
…キジャ。
『あああああ……』
…だいじょうだよ。
もう、だいじょうぶだから…。
……ああぁ、あぁぁぁ!!
『……』
あたしは…!
それでも、あたしは…!!
…!
だめ、やめて!
『…あたしを、ころすの?』
エリスは、渡せない。
ナディ、おねがい、やめて。
『……そうやって、いきるの?』
あたしは、エリスを失うくらいなら…自分だって、殺す。
ナディ…ッ!
『………』
だめ、ナディ。
そんなことしたら…
…ごめんね、エリス。
ナディ…。
あたしは…誰よりも、あたしがいやだった。
…。
エリスを欲しがる自分。
エリスを汚す自分。
エリスがいないと、生きていけない自分が。
誰よりも、いやだった…!!
『……』
あんたと逢わなければ、あんな仕事、引き受けなければ…!!
……ごめんなさい。
あんたさえ、生まれなければ…。
……。
『…だからころすの。じぶんの、よわさをかくすために』
…そうよ。
『どうして、かくすの。どうして、あたしを』
死んでよ。
あんたなんか、あたしなんかいなくても
ちがうよ。
…。
ナディがころすのは…わたしだよ。
ばかなことを言わないで。
そんなこと、出来ない。
ころして。
いや。
おねがい、ころして。
いや…!!
『………』
…滅茶苦茶なことを言ってるのは、分かってる。
だけど…あたしはもう、あんたと逢ってしまった。
今更、あんたがいない時間になんて、戻れない…。
…。
『…』
…めちゃくちゃだよ、ナディ。
分かってる…でも、どうしようもできない。
できないのよ…エリス…。
……。
『エリス…』
……キジャ。
『いっちゃうの…?
やっぱり、「あたし」のほうがいいの…?』
…。
エリス…。
ナディ…。
エリス…エリス…。
……わたしは、あったかい?
うん…うん…。
……おしえて、ナディ。
なに…。
…わたしは、うまれてきてもよかった?
…。
わたしは、いきてても…ん。
…。
『……ナディ』
……ナディ。
…生きて。
…。
これからを、あたしと生きて。
ただ、これからを、ずっと。
…いえっさ。
『………エリス』
…あなたも、おいで。
エリス…!
『…できないよ』
ううん、できるよ。
エリス、まだそんなことを
ねぇ、ナディ。
おねがい、おもいだして。
…思い出す?
そう。
…なにを思い出せって言うのよ。
わたしは…だれがすき?
だれがって…。
…わたしの、こいびと。
……。
おもいだして。
…思い出すも何も。
そんなの…
…。
……あたし、じゃない。
…そう。
『……エリスがすきなのは、あたしじゃない』
ちがう。
…エリス。
ねぇ、ナディ。
…。
わたしは…どんなナディでも、すきなんだよ?
どん、な…。
たとえ、めがかがやいていなくても。
わたしはナディがすき、だいすきなの。
でも…。
…あなたしか、いらないの。
…。
あなたたちしか、いらないの。
『…』
……わがままばかり言って。
うん…ごめん。
どうして、あんたは…。
…よくばりなの。
あなたがいなければ、しらなかったの…。
……あたしのせいかい。
えへへ…。
たく、こんな時でも…。
だから、すべてのせかいのナディがほしい。
……ばか。
『……あたしは、いてもいいの』
いて。
『…けど、あたしのいばしょなんか』
はじめから、あったんだよ。
『…どこにあるの。あたしは、もう…いきてなんか、ないのに』
ここにあるよ。
『え…』
……て、エリス。
うん?
いや、うんって。
『……いいの』
ナディ。
…無茶ゆーな。
ごめんなさい。
謝ればいいって問題じゃ…
『…あたしは、ナディになってもいいの』
ナディは、ナディにしかなれないよ。
ねぇ、ナディ。
あんたこそ、さっきあたしが言ったコト…
…ナディは、ナディなんだよ。
そんなナディが、わたしのすきなひと…。
……ああぁぁ、もう!!
『…』
そこの、あたし。
『……』
エリスの話、聞いてたんでしょ。
『…けど』
るさい!
あたしなら、がたがたゆーな!
『……』
…いってたけど。
あんたもだまれ。
『……ほんとうに、いいの』
良いも何も、しょーがないでしょ。
あんたは…エリス曰く、あたし、なんだから。
『……』
ほら、さっさとする。
『…ころさなくて、いいの』
…。
……ナディ。
…あんたを殺したら。
自分を殺したら…エリスが、泣くでしょ。
たださえ、泣き虫なんだから。
…!
『…』
だから、殺すのは止めた。
あたしは「あたし」がいやだけど、でもそれ以上にいやなのは…
『……エリスを、かなしませること』
…分かってるなら、さっさと来なさいよ。
『そっか…そうなんだ』
おいで、キジャ。
『エリス』
だいすきだよ、「ナディ」。
『……あたしも、だいすき』
…。
『あたしをすきになってくれて…ずっと、いっしょにいてくれて…』
…え。
て、ちょっと…。
『ありがとう…エリス』
ナディ…!
『……ずっと、あたしはエリスのそばにいてもいいんだ』
これからも…ずっと…』
ナディ、ナディが…!
…。
ナディ……!!
『ずっと、いっしょにいようね……』
…そんなコト、あんたが言わなくても。
絶対に、離さないわよ。
……。
…エリス。
…。
そんな顔、いつまでもしてない。
…。
…。
……ナディ。
あたしは、ここにいる。
…けど。
あたしは、あたしなんだから。
……。
あんたが好きな「ナディ」は…。
…ナディ、ナディ。
……。
……。
…ごめん、エリス。
…?
ひどいこと、言った。
…ううん、いいよ。
よくない。
…。
…ちゃんと、言わないとだめなのよ。
なにを、いうの…。
…あんたが生まれてこなければ、
…。
……あたしはずっと、一人ぼっちだった。
だから…。
…。
……ありがとう。
ぅ…。
……でもね、エリス。
…なに?
やっぱり、自分にも渡すのはいやだ。
………。
だってエリスは…。
…おこちゃま?
うるせ。
……ふふ。
…。
…あなたがいちばんだいすきだよ、ナディ。
だから……
|