−Porque los dos están muy jovenes.





   ナディ。


   んー。


   ナディ。


   んー?


   ナディ。


   なにー?


   ナディ。


   なに、エリス。


   ナディ。


   いや、だか


   ナディ。


   …ちかッ!


   ナァディー。


   や、だからなに。
   つか、びっくりするじゃないの。


   だって、よんでるのにこっちみてくれない。


   あのなぁ。
   あたしにだって都合というものが…。


   ……。


   だぁから、近いって!
   それからじぃっと見るな!


   …。


   …で、なに。


   みてくれないから。


   は?


   みてほしかったの。


   …それだけ?


   ううん。


   ちょ…。


   ……。


   な、なにしてるのかな…?


   んー…。


   んー、って。


   …んー。


   や、だから…。


   …。


   …。


   …。


   ……ああ、分かった分かったわよ。


   …。


   ……。


   …やった。


   ……ああもう。


   ナディ。


   …なに。


   もっと。


   …は?!


   …。


   や、ちょ、ちょっと…。


   んー……。


   エ、エリ、つ、つか押す…


   …。


   ……。


   ……やった。


   …つか、あたしがしたわけじゃないし。


   うん、したの。


   ……。


   ナディ…。


   …あーもう、好きにしやがれ。


   ほんと?


   え…。


   ほんとにすきにしてもいい?


   って言っても、あ、てかこら、


   …。


   ど、どこさわって…!


   …すきにしやがれっていったよ?


   や、それは、だから…!


   …してもいいよ?


   ちょ、ちょっとまった、まってって…あ、こら、どこさわらせて……


   …しても、いい。


   ……。


   ね…。


   ………


   …えへへ。


   ………あー、エリス。


   …ん?


   あんたは、もぅ…。


   …すきにしてもいいんでしょ?


   …。


   …。


   …この、さかりエリス。


   おたがいさま。


   あたしはちがうっつの…。


   …て、うごいてる。


   ……それは、あんたが。


   わたしが……?


   ……エリス。


   いいんだよ。
   だってふたりは、わかいから。


   …そうだとしても、ものには限度ってのがだな。


   げ、ん…。


   …。


   ……げんど?


   ……そもそも、こうしてるだけでも気持ちいいんだって。


   …。


   …。


   ……でも、てはすなお。


   ……うるせ。








  −Pégate.





   …。


   …。


   …暑い。


   あついね。


   …。


   …。


   あーつーいー。


   あついね。


   …。


   …。


   …エリス。


   うん?


   本当にそう思ってる?


   あついね?


   …。


   …。


   …なのに、なんであんたはぴったりとくっついてくるのかな。


   ナディ、あつい。


   なら、離れろ。


   …。


   …。


   ……暑い。


   あついね。


   …あんたはあまり暑そうに見えない。


   あついよ?


   やっぱり離れないし。


   えへへ。


   …。


   …。


   …あともう少しだけだからね。


   いえっさ。


   …。


   …。


   …でも、さ。


   うん。


   あんたの方が体温、低いのよね。


   ナディはあついね?


   …なら、くっつくなって。


   きもちいい?


   は…?


   わたしのほうが、ひくいから。


   ……。


   ん?


   …でもくっついてられると、あつい。


   …。


   …熱いのよ。


   ん…。


   …。


   …。


   …もう、いいんじゃないの。


   もうちょっと、だよ。


   …。


   …。


   ……あー、あつい。


   …えへへ。








  −Tú eres mi nadie.





   ん?


   …。


   エリス、今何か言った?


   ううん、言ってないよ。


   そっか。
   じゃ、気のせいかな。


   …。


   それにするの?


   うん、これにする。


   どれどれ?


   遠い国のお話。


   へぇ。


   海の向こう。


   海の向こう、かぁ。
   で、どんな話?


   熱い恋の炎が燃え上がるのであった。


   またぁ?


   うん、また。


   好きよねぇ、あんた。


   名前が似てるから。


   名前?


   うん。


   …それ。
   いい加減、止めない?


   なんで?


   だってさぁ。


   …?


   …。


   ナディ?


   …あんたはさ、あたしと名前が似てる人が誰かと恋愛してる話なんて読んでて面白いの?


   ……。


   あたしは…なんか、やだ。


   …ナディ。


   ……何。


   乙女?


   ……うっせ。


   …。


   あーもう良い。
   それで良いのね。
   はい、お金。


   ありがとう。


   さっさと買ってきちゃいなさい。


   ナディ。


   あ?


   本当は希望のお話なんだよ。


   …は、キボウ?


   そう、希望。


   ……。


   希望と魔女のお話。


   恋愛話じゃないの?


   恋愛話。


   ……あーそうかい。


   希望と魔女は…最後に、結ばれるんだよ。


   …ふぅん。


   面白くない?


   …つまり、魔女は希望やらの誰かと結ばれるんでしょ。
   面白くない。


   …。


   …。


   …ナディ。


   なに。


   やっぱり、乙女?


   うるさい。
   あたしの気が変わる前にさっさと買ってこいっつの。


   …。


   ほら、早


   あなたは、わたしのきぼう。


   …へ。


   じゃあ、行ってくるね。


   あ、ああ…て、エリス。


   ん?


   …。


   なに、ナディ?


   …いや、なんでもない。


   ここで、まってて?


   …オーケイ、エリス。


   オーケイ、ナディ。








  −Spielen Wir Liebe.





   …。


   ……。


   …なに?


   ん、いや…。


   …。


   …エリス。


   ナディ…。


   …。


   ん…。


   …。


   …。


   …。


   …どうしたの?


   ……なんで?


   …。


   …。


   …ナディからキスしてくれたから。


   …。


   ナディ。


   ……、から。


   …。


   …したかったから。


   …。


   …。


   …そう、なんだ。


   …うん。


   …。


   …え、と。


   …。


   ごめん。


   …。


   …。


   …どうして、あやまるの。


   …。


   わたし、いやじゃないよ…。


   …。


   …いやじゃ、ないのに。


   ……ごめん。


   …。


   …。


   …ねぇ、ナディ。


   …。


   わたしはもっと…。


   …。


   もっと、ナディに…。


   …ッ。


   ぁ…。


   …。


   …。


   …ごめん、エリス。


   …。


   ちょっと、外行ってくるね。


   …。


   …?


   ……やだ。


   …。


   いかないで。


   …少しだから。


   いや。


   エリス…。


   …やだ、やだよぅ。


   エリ


   ……。


   ……。


   …。


   …エリ、ス。


   ……ここに、いて。


   …。


   わたしといて…。


   …。


   …いて。


   ……うん。








  −Di, “Te quiero”.





   …。


   …。


   …なに?


   え?


   なに?


   あ、いや。


   ん?


   …ちょっと、ね。


   ちょっと、なに?


   ちょっとはちょっと。


   …。


   …さて。


   したい?


   …え。


   いいよ。


   な、なんの話?


   キスのはなし。


   …え?


   したい?


   …。


   ナディ?


   …つか。
   イキナリなに言い出しちゃってるの、あんたは。


   したいのかとおもって。


   …だれが。


   ナディが。


   は?


   ナディ。


   あ、あたしはべ


   …。


   ……つ、に。


   …。


   …。


   …。


   …て!
   い、いきなり何す


   やわらかい?


   は?


   わたしの、くちびる。


   …ッ!


   かたい?


   ば、ばかなこと言ってなくていいから…!


   …かたいんだ。


   んなわけないでしょ!


   じゃあ、やわらかい?


   柔らかいわよ!


   …。


   …あ。


   …やわらかいんだ。


   て、何言わすんだ!


   …。


   ほ、ほら、離して。


   …。


   …たく、いきなり人の手を掴んだと思ったら


   ナディ。


   なに!


   …。


   ちょ、な、何…。


   …ふふ。


   て、何笑ってんの…。


   …ナディのて、あつかった。


   ……。


   あつい…。


   ……熱くて、悪くなったな。


   ううん、わるくないよ。


   …。


   …わるくない。


   ……。


   …ねぇ、ナディ。


   …なに。


   しよう?


   ……。


   …しよう?


   ……。


   ね…?


   ……しょうがないヤツ。


   ナディが?


   …。


   ふふ…あ。


   ……。


   ……ナディ。


   …したいなら、したいって言え。


   …。


   …。


   ……ナディもだよ?


   …うるせ。








  −Fuego del amor no se apaga nunca.





   …。


   …。


   …えへへ。


   ……何がおかしいんだか。


   ナディ。


   ん、お…。


   …。


   ……あのねぇ。


   ん?


   いきなり押すなっつの。


   いきなり?


   いきなりでしょーが。


   …。


   ほらエリス、どけ


   …。


   ……じぃっと見るな。


   …。


   い…ッ?


   だめ。


   ……。


   ちゃんとみて。


   …つかさぁ。


   …。


   強引だっつの。


   いたかった?


   …。


   …いたかった?


   少し…ね。


   …。


   …。


   …ごめんなさい。


   分かれば、よ


   …。


   …て、こら。


   …。


   ちょ、止めなさいって。


   …やだ。


   エリ、


   …。


   ……。


   ……。


   …ええい、ああ!


   あ…。


   止めろって言ってるの。


   …。


   …たく。
   どんだけすれば気がすむんだっつの…。


   …。


   ほ、ほら、もういいでしょ?


   …じゃあ。


   あ?


   ぎゃくになろう?


   …逆?


   エリスがした。


   は…。


   ナディがエリスのうえ。


   …。


   …なろう?


   ……ッ!


   …ん?


   ま、まだすんのかい!


   ちがうよ。


   なにが!


   こんどはナディがするの。


   …は?


   してくれるの。


   や、何を言って…おわぁッ?


   …。


   ………エリス。


   えへへ。


   ……。


   ナディ。


   ……だから、だな。


   ん?


   あんたはいつも強引なんだっ、


   …。


   ……て。


   …。


   …エリス。


   …ふふ。


   …。


   ちかいね…。


   ……そうね。


   …すぐだね。


   そうだね…。


   …。


   …。


   ……いちど、ついたほのおは。


   あ…?


   きえないんだよ…?


   …いや、消えるでしょ。


   でも、これはきえない…。


   …。


   …けさないで?


   ああ、くそぅ…。


   ん…。


   ……。


   …ナ、ディ。


   ……あーもう、どうでもいいや。
   どうせ、消せもしないしさぁ…。


   …。


   …。


   …おおかみ。


   ………だれのせいだ、ばか。








  −Ella es la trucha.






   …。


   …。


   ……ナディ。


   んん…。


   …。


   …。


   …えい。


   むぎゃ。


   ……。


   ん……んん…?


   …おもしろい。


   …。


   ……えい。


   む…。


   …。


   …む…ぅぅ。


   ふふ。


   ……。


   ……そうだ。


   …。


   ナディ…。


   ……。


   ……。


   ん……。


   ……。


   ……。


   …。


   ………いたずらばかりして。


   おきた。


   …そりゃ、おきるわ。


   おきなくてもいいのに。


   起こしておいて。


   …。


   ほら、どいて。


   …いや。


   あのな。


   ……。


   エリス。


   …じゃま?


   邪魔…


   …。


   …じゃ、ないけど。
   もう少し寝たいの。


   ……。


   ほら。


   …すぐ、おきてたのに。


   あん?


   いすでねてたとき。


   …。


   …あんしん?


   何が言いたいの。


   …。


   …こぉら。


   ……。


   …。


   …ナディといっしょ。


   ……たくもぅ。


   …。


   起こしたんでしょ。


   …ちがうよ?


   うそつけ。


   ちがうよ。


   寝込みを襲っておいて。


   キスしただけ。


   それを


   したかったから。


   …。


   …。


   …一人で、淋しかったんでしょ。


   そんなことないよ。


   そんなこと、あるくせに。


   …ないよ?


   素直じゃない。


   エリスはすなお。


   どこがだ。


   …すなおだよ。


   …。


   ……。


   ……素直に言ったら。
   キス、して


   さびしい。


   ……。


   …。


   ……早いっつの。


   すなおだから。


   …こういう時だけ、ね。


   ナディ。


   …もう少し、寝かせてよ。


   …。


   で、あんたも寝るの。
   いい?


   …でも


   キス。


   …うん、ねる。


   宜しい。


   …だから、はやく。


   …。


   はやく…。


   …やれやれ、ほんとに困ったやつだ。








  −La razón de ser.





   わたしは。
   祝福されて生まれた存在じゃない。
   望まれて生まれてきた存在じゃない。
   生まれたとさえ、言える存在じゃない。


   わたしは。
   人によって創られた存在。
   魔女として、魔女の力を利用される為。
   わたしの存在はただ。


   魔女として生かされる為に。








   …。


   …。


   ……ナディ。


   …。


   抱いて、ナディ。


   …こらこら。


   ナディ…。


   ばか。


   …。


   そんな格好で。
   風邪、ひくじゃない。


   …。


   せめてシャツの一枚くらい、着てきなさい。
   幾ら部屋の中だからって、さ。


   …。


   ほら、エリ


   …。


   …エリス。


   ……抱いて。


   …。


   お願い…。


   …。


   私を…ナディのものして。


   …もの?


   して…。


   …。


   …。


   エリス。


   …ぅ。


   …あんたは家族。


   …。


   あたしの…ね。


   …だけど。


   …。


   私はナディのものなりたい…。


   …。


   なりたいの…。


   …。


   …。


   …どうしたの?


   どうもしてない。
   私は


   …。


   …私は、あ。


   ……ととと。


   ナ、ナディ?


   …不満?


   う、ううん…。


   少しだけね、“力持ち”になったみたいなのよ。
   あたし。


   ……。


   どうしてかは、良く分からないんだけど。


   …私のせいだ。


   どうしてそうなる。


   …。


   とりあえず。
   何でもかんでも、自分のせい、とか言うな。


   …。


   たまにはおかげ、って言えないもんかな。


   …おか、げ?


   そう。


   ……。


   …あたしがこうしてエリスを抱っこ出来るのも。
   エリスがあたしに命をくれたおかげ。


   …。


   …エリスがいなきゃ、あたしはこうしてエリスを。


   あ…。


   ……ベッドで、抱く事も出来ない。


   ……。


   …ま、力持ちになったのは関係無いかもしれないけどね?


   ナディ…。


   …こら、しがみついたら動けないって言ったでしょ?


   …。


   ん…?


   …そうだった。


   そう、それで良いの。


   …?


   何を不安に思ってるのか…大体、想像はつくけど。


   …。


   …あんたはあたしの、


   ものになりたい…。


   …。


   …私を望んで。
   もっと、欲しがって。
   “私”を


   こーら。


   …。


   ものとか、ゆーな。


   …。


   言うな。


   ……いや。


   …。


   いや、いや…。


   エリス…。


   して…して、ナディ。


   ……。


   魔女としての私を…。


   …。


   …無くし


   エリス。


   ……。


   あんたは時々、そうなる。


   そう…?
   …ぅ、あッ。


   ……。


   ナディ、ナディ…。


   望まれて、とか。
   そうじゃない、とか。
   魔女、だとか。


   …。


   そんなの、あたしじゃどうしようも出来ない。


   ……。


   泣くのは続きを聞いてから。


   …。


   いつだかも言ったけど。
   過去は変えられない。過去があるから今の自分がある。
   あんたは魔女として創られた、だから今、あたしと一緒に居る。


   …。


   そしてあたしは。
   あんたが魔女だから一緒に居たいと思ったわけじゃない。
   エリスだから、一緒に居たい。
   一生。


   …。


   ねぇ、エリス。


   …。


   あんたはあたしが仕合わせになる為に必要な存在。
   あんたが居なきゃあたしは仕合わせにはなれない。
   もっと言えば“魔女”にあたしを仕合わせにする力なんて、無い。


   …。


   …あたしを仕合わせに出来るのはエリス、あんただけ。


   わたし、だけ…。


   もっとあたしを仕合わせにしてよ、エリス。
   あたしももっとあんたを仕合わせにするから。


   …。


   自惚れだけど。
   あんたを仕合わせに出来るのは


   自惚れなんかじゃないよ…。


   …。


   ナディだけなの。
   ナディじゃなきゃ、だめなの…。


   …だから。
   ずっと言い続けてあげる。
   もう良い、聞き飽きたって言われても。


   …。


   …魔女なんて関係無い。
   魔女の力なんてどうでもいい。


   …。


   て…ね?


   ナ、ディ…。


   …じゃ、話はおしまい。


   …。


   だめ?


   …いい。


   …。


   いいよ、ナディ…。


   ……うん。








  −Flores de fuego.





   エリス、気をつけるのよ。


   うん。


   本当に気をつけないとだめだから。


   わかった。


   火傷したら


   ナディ。


   何。


   だいじょうぶだよ?


   でも


   だいじょうぶ。


   …。


   ん?


   …じゃ、やろっか。


   いえっさ!








   …これが欲しいの?


   うん。


   なんでまた。


   ナディといっしょにしたいから。


   うーん…。


   おかね、ない?


   …正直。


   だめ?


   ……。


   ……。


   …そんなにやりたいの、これ。


   うん、やりたい。


   でも危ないわよ。


   あぶないの?


   火、使うから。


   …だめ?


   つか、いつやんの。


   よる?


   いや、それはそーだろうけど。


   だめ?


   うーん、どうするかな…。


   パン、がまんするよ?


   いや、だめでしょ。それは。


   だめなの?


   だーめ。
   食べれる時はちゃんと食べる。


   いえっさ。


   けど、手持ちも心もとない。


   むり?


   …。


   ナディ。


   …まぁ、また働けばいっか。


   いいの?


   うん。
   あ、でも、そんなにいっぱいは買えないわよ?


   ナディ!


   分かった、分かったから。
   飛びつかないの。


   えへへ。


   で、どれがいいの?


   ナディはどれ?


   え、あたし?


   うん。


   て、あんたが欲しいんでしょ?


   ナディとえらぶの。


   あたしと?


   うん。


   ……まぁ、いいけど。


   どれ?


   そうねぇ…。


   …。


   あ、これとかは?


   じゃあ、それにする。


   エリスは?


   えと…これにする。


   お、なかなかいいんじゃない?


   ほんと?


   実際はやってみないと分かんないけど。
   でも、悪くないと思うわよ。


   やった。


   んじゃこれと、これ。
   あと。


   ?


   これも。
   あんたの好きなハポン式。


   ハポン?


   て、書いてある。


   ほんとう。


   じゃ、買ってくるかね。


   うん。


   よし。


   ナディ。


   んー?


   ありがとう。


   …どーいたしまして。








   絶対に、振り回しちゃだめよ。


   うん。


   あと人に向けてもだめだからね。


   いえっさ。


   あとは


   まだ?


   危ないから。


   …。


   あと間違っても自分に向けないこと。
   オーケイ?


   オーケイ。


   よし。
   じゃあ、


   いい?


   うん。


   ナディもいっしょ。


   はいはい、分かってるって。


   …。


   エリス、いい?


   ん、いいよ。


   んじゃ…。


   …。


   ……お、点いた。


   わぁ。


   うぉ。


   ナディ、ついた。


   だ、だーから、こっちを向くなって。


   ?


   あっち、あっち。
   火をこっちに向けるな。


   そうだった。


   たく。


   …。


   ごめんなさいは?


   …。


   エリス。


   え?


   ごめんなさい。


   …ごめんなさい。


   よろしい。


   …。


   …へぇ、結構きれいかも。


   ……。


   ねぇ、エリ


   ……。


   ……ス。


   …なに?


   え、何が。


   よんだから。
   なに?


   あ、いや…きれいだな、て。


   うん、きれい。


   …。


   きれい…。


   ……うん。


   …。


   …。


   ……。


   ……。


   ……おわっちゃった。


   ん…。


   …。


   ……。


   ……なに?


   え。


   みてるから。


   や、別に…


   …きれいだったね。


   う、うん…。


   …。


   え、えと。
   良かった?


   うん、よかった。


   それは良かった。
   買ったかいがあった。


   …。


   エリス…?


   …ナディとのおもいで、またふえた。


   ……。


   えへへ。


   …ねぇ、エリス。


   なに…?


   その…嬉しい?


   うん、うれしい。


   …。


   …うれしい。


   エリス…。


   …。


   エリ


   ハポンのがまだあった。


   …へ。


   ハポンの。


   あ、あー…。


   ?
   どうしたの?


   え、な、何が?


   なんかあわててる?


   あ、慌ててなんかないわよ。
   な、なーに言ってるのかな、この子は。


   …。


   ハポン、そう、ハポンね。
   うん、そうだったそうだった。


   ……。








   …うーん。


   …。


   あっさりと言うか…地味と言うか。


   ナディのはすぐおちたね。


   つか、あれで終わりってどうなのよ。


   エリスのはすぐじゃなかったよ。


   や、大して変わらないから。


   ?


   いや、首を傾げてもだな。


   でも、きらいじゃないよ。


   別に嫌いとは言ってないでしょーが。


   …。


   こんなあっさり終わるなら最初にやれば良かったかなぁ。
   なーんか、淋しい終わり方と言うか…


   ナディ。


   うん?


   たのしかった。


   …。


   たのしかった?


   …うん、まぁ。


   …。


   な、なに…。


   …えへへ。


   だから、なにって。


   ひとはだこいしさ。


   …は?


   さびしいときは、ひとはだがこいしくなるから。


   ……。


   だから、だきしめるの。


   …。


   …。


   ……また変な事覚えた。


   へん?


   …。


   ん?


   …エリス。


   うん。


   これは、他の人にしちゃだめだから。


   ほかのひとにって?


   他の人は他の人、よ。


   ナディいがい?


   …。


   そう?


   ……そーよ。


   わ…。


   ……絶対、だめ。


   …。


   だめ。


   …いえっさ!


   う…。


   …ナディ。


   ……。


   ……。


   …花火。


   …。


   またいつか、やろっか。


   いつか?


   うん、いつか。


   …。


   …。


   …やくそく?


   と言うほどじゃ、ないけど。


   …。


   ……なに、嫌なの?


   …。


   エリス…?


   …そっか。


   は?


   やくそくは、いらない。


   ……えと?


   えへへ。


   …あの、エリス?
   なに、を…


   だって。


   わ…ッ。


   ……ずっと、いっしょだから。


   ちょ、エリ…あ!


   …。


   …。


   …。


   ………いったぁ。


   …だいじょうぶ?


   じゃ、ないっつーの…。


   …ごめん?


   当たり前、だ。
   もう、どいて。


   …。


   エリス。


   ……やだ。


   んだとぅ…。


   …。


   …大体。
   いきなり飛びつくなとあれほど…。


   ナディ。


   …何。


   大好き。


   …。


   …大好き。


   ……そんな事で許されると思ったら大間違い、だ。


   だめ?


   だめ。
   怪我でもしたらどうしてくれる。
   下が土だったから良かったけど、これが


   なおしてあげる。


   …。


   …なおしてあげる。


   ……あのなぁ。
   そーいう問題じゃないの。


   …。


   エリス。


   ……はなび、またやろうね。


   いや、だから


   …やくそくは、しないけど。


   ……。


   …ナディ。


   ……あぁ、もう。


   …。


   あーはいはい、いつかね。


   ……たのしみ。








  −Faust.





   Ewiger Wonnebrand,
   Glühendes Liebeband,
   Siedender Schmerz ber Brust,
   Schäumende Gotteslust.






   …。


   ?
   なぁに?


   …思ってたんだけど。


   うん。


   あんたは時々、わけの分からない言葉を喋るわよね。


   わからない?


   全然、分からない。
   北の言葉でもないし、だからってこっちの言葉でもない。


   ナディもしゃべるよ?


   あたし?


   エリスにはわからないことば。


   ……。


   ウィニャイマルカ。


   …まぁ、それはね。
   こっちの古い言葉だから。


   ふるい?


   元々あった言葉なんだけど。


   もともと…?


   …まぁ、それはそのうち教えてあげるから。
   今はエリス、あんたが時々話す言葉のこと。


   …。


   さっき、なんて言ったの?


   …。


   そもそも意味、あんの?


   …。


   エリス?


   わかんない。


   …は?


   ん?


   いや、ん?じゃなくて。
   あんたが喋って


   おぼえてないから。


   ……。


   ……。


   …え、と。


   ……。


   覚えてないけど、喋れるの?


   おぼえてないけど、しってることば。


   …。


   …。


   …まぁ、いいけどさ。


   …。


   でも出来れば、分かる言葉で話して欲しいな。


   そうなの?


   うん。


   なんで?


   折角一緒に旅してんだからさ、もっと話したいじゃない。


   どうしていっしょだとはなしたいの?


   どうしてって、そりゃあ…。


   …。


   つまんないじゃない。


   つまんないの?


   そう、つまんない。


   …。


   それにあたしはエリスのこと、知りたいし。


   わたしのこと?


   そう、あんたのこと。


   かわってるね?


   なんでだ。


   …。


   あんただってあたしのこと、全く知らないより少しでも知ってる方が楽しいと思うけど。


   しってるよ。


   あ?


   おかねがほしい、しょうきんかせぎ。


   …間違ってはいないけどさぁ。


   …。


   とにかく。
   あたしはあんたともう少し、話したいわけ。
   分かる?


   ふぅん。


   …。


   …。


   …ま、いいけどさ。


   …。


   …。


   …ナディ。


   んー。


   …。


   なに?


   なんでもない。


   …。


   …。


   …ま、いいけど。


   …。


   さぁて、今夜も野宿かなぁ。


   ほしのした、だね。


   …。


   ん?


   あ、いや。


   ナディ?


   なんでもない。


   …?


   あはは。


   おかしいの?


   うん、なんかね。


   …。


   やっぱり分かるほうがいいわ、うん。


   …ふぅん。








  −Amazing Grace 〜 Sakura.





   ……すき、だから。


   …。


   だから……。


   …エリス。


   あ……。


   ……どこかに、行こう。


   …。


   そして…二人で。


   ……う、ん。


   エリス……。


   ……ナ、








   …ダーンッ。








   ……ッ!


   …。


   ……。


   …


   ……かみさまなんて、いない。


   …。


   …だれも、たすけてなんかくれない。


   …。


   だから、はかせ…も。


   …。


   だれも……だれ、も。


   …。


   ……。


   …エリス。


   …。


   どこに、行くの。


   …。


   こんな夜に、どこに行くの。


   …ウィニャイマルカ。


   それは分かってる。
   でも。

   …。


   あたしも、行く。


   …。


   …どうしたの。


   …どうもしない。


   …。


   ウィニャイマルカに…いくの。


   二人でね。


   …。


   エリス。


   …はなして。


   離さない。


   はなして。


   いやだ。


   …。


   泣いている子供の手を離すなんて、あたしには出来ない。


   ……はなして。


   いやだ、離さない。


   …ッ。


   …エリス。


   ……だれも、たすけてなんかくれない。


   そうよ。


   かみさまなんて、


   いない。
   都合のいい時にしか、そんなのものは。


   …だれも、だれも、たすけてくれなかった。
   だれも、はかせを…!


   …。


   …わたしが、ころした。
   わたしが…!


   …そうかもしれない。


   …!


   あたしは、見たわけじゃないから。
   あんたがそう言うのなら、そうなのかもしれない。


   …。


   エリス。


   …だれも、たすけてなんかくれないんだよ。


   だから、知ってるって。


   ……ナディ、も。


   決めつけるな。


   う…あ。


   …。


   やだ、はなして…。


   …離さない。


   やだ、いや……。


   ……どんなことがあっても。


   …。


   たとえ、なにがあっても。
   あたしは…あんたを、守る。


   …ぅ。


   だれも、助けてくれない。
   かみさまなんて、いない。
   だけど。


   …。


   あたしは、いる。
   あたしが、あんたを助ける。
   どんな事があろうと、あたしはあんたを離さない。
   一人になんか、させない。


   ……しんじゃう。
   しんじゃうんだよ…。


   …。


   だって、だれもたすけてくれない…。

   …


   ナディだって…はかせ、みたいに。


   一緒にするな。


   …。


   あたしは……貧弱で、頭の固い研究者なんかじゃない。


   …。


   ずっと、一人で生きてきた。
   それは同じかもしれないけれど、でもあたしは。


   …はかせは、


   ごめん。


   …。


   けど、これだけは分かって。
   あたしは……あんたと、ウィニャイマルカへ行く。
   なにがあっても、あたしはあんたといる。


   …。


   …だから。
   一人でなんて、考えないで。


   …だけ、ど。


   エリス。


   …。


   ……あたし、は。


   …。


   エリ…ん。


   ……。


   ……エリス。


   ナディ…。


   …。


   …こわい。


   …。


   こわい、こわいよ…ナディ…。


   …うん。


   もしもナディが、ナディが……んん。


   ……。


   ……しんじゃ、いや。


   …死なない。


   でも、でも…。


   …勝手に、殺すな。


   あ…。


   どんな夢を見たんだか、知らないけど。
   勝手に、殺すな?


   ……。


   …どうせ、見るなら。


   ナディ…?


   ……。


   あ…ぅ。


   ……。


   ナ、ディ…。


   …ごめん。


   ……。


   さ、寝なおそ。
   明日も、早いから。


   や…。


   ……エリス。


   …こわいゆめ、もうみたくない。


   …。


   みたくないよ…。


   …エリス。


   …ナディのゆめが、みたい。
   ナディとふたりで…。


   ……。


   …、なの。


   …。


   ……ナディが、すきなの。


   …。


   だから…だから。


   ……あたしも、見たい。


   …。


   エリスと、ふたりで…。


   ……ほんとう?


   ばぁか…。


   …。


   …エリス。


   ……ナ、ディ。


   ……。


   あ…。


   ……あまり上手には出来ないと思う。


   …。


   それでも…いい?


   ……う、ん。


   …。


   …みせて、ナディ。
   あなたの……あなた、と。








   エリス。


   …ナディ。


   何してんの。


   何もしてない。


   ふぅん?


   …でも、考えてたの。


   何を?


   …。


   ん…?


   ……ナディのこと。


   …。


   ナディのこと…。


   …嬉しいこと、言ってくれるじゃない。


   …。


   エリス…。


   ……結局。


   うん…?


   …してくれなかった。


   …?


   最後まで。


   え、と…?


   …。


   …なんの話?


   だけど。


   …。


   …今でも、見てるから。


   えーと、話がさっぱり見えてこないんだけど…。


   …。


   ……まぁ、いっか。


   だめ。


   …む。


   まだ、明るいから。


   …別にナニしようってわけじゃ。
   それにあんたが先に…


   ほんとう?


   ……うん、まぁ。


   …いいのに。


   え?


   なんでもない。


   …。


   …。


   …まぁ、いいや。
   エリス、そろそろごはんにしよ。


   …まだ。


   あ?


   …もう少し、こうしてたい。


   …。


   して、いたい…。


   …我侭なヤツだなぁ。


   …。


   じゃあ…顔、あげて。


   …。


   ほら…。


   ……。


   …目、つむって。


   まだ、明るいのに…。


   …だから、これだけよ。


   …。


   これくらいなら…。


   …ん。


   ……いいでしょ?


   いいって、言ってないのに。


   …ふふ。


   ……。


   ……エリス。


   ……かみさまなんて、いない。


   …。


   だれも、たすけてなんかくれない。


   …。


   …だけど。
   私には、ナディがいる。


   ……うん。


   ずっと……あなたの夢、を。


   夢じゃない。


   …。


   ……でも、そうだな。
   夜見る夢でいいのなら…


   夜だけなの…?


   だって、さ。


   …。


   …起きてる時は、夢なんかいらないでしょ?


   …。


   あたしを、見てれば良いんだからさ。


   …すごい自信だね。


   あんたのおかげ。


   …私の?


   そう、あんたの。


   …じゃあ、そういうことにしておいてあげるね。


   こら…。


   …ふふ。
   ねぇ、ナディ…。


   …。


   ずぅっと、みせてくれる…?


   …もちろん。
   ずぅっと、見せてあげる…。


   ……ん。








   似たような話が幾つか。
   この二人は同じようなことを繰り返してれば良い、と思ってしまっている時点で、諦めてます。