エリス。 …うん? どっちがいい? なにと、なに? 星の下でいつもどおり、か、屋根つきの安ベッド、か。 どっちでもいいよ。 それじゃ、答えになってない。 じゃあナディがすきなほう。 それも答えになってない。 …んー。 たまにはあったかいご飯が食べたい、とか。 いつもたべてるよ? ナディがやいてくれるソーセージ。 …まぁ、そうだけど。 んじゃ、今夜も星の下で。 ナディ。 うん? ベッドがいい。 …どっちでもいいんじゃなかったの? ナディといっしょに。 車でも一緒だけど? ベッドのほうがちかいから。 …。 そうしよう? じゃ町に着いたら仕事、本格的に探さないとだ。 さきだつもの? そう、世の中大抵は先立つものがないと。 そっか。 じゃあ、がんばる。 何を頑張ろうかな。 しょうきんかせぎはだめ。 分かってる。 でも …でも? ペット探し、とかあれば良いのになぁ。 …ねこ? 犬は…嫌かな。 とりは? 鳥は捕まえるの難しい。 コンドル? そうそう、コンドルも。 ないかなぁ、そんな仕事。 あればいいのにね。 本当にね。 じゃないと。 …じゃないと? パンも食べらんなくなっちゃう。 それはもんだいだね。 そう、問題なの。 なのにベッド? …まぁ、ね。 ナディ? どうしたの? 何が? …。 じゃ、今夜はモーテルでって事で。 …いえっさ。 …。 …。 …失敗した。 …。 やっぱり星の下にすれば良かった。 ナディ。 んー? おとこのひととおんなのひとがいっぱいいるね。 …そだねー。 ……。 見ないでいいから。 …あついこいのほのおが だからいいから。 いえっさ。 …ま、部屋に入っちゃえば関係ないから、いっか。 ナディナディ。 だから見ないで あのおんなのひと、おなかおおきい。 んあ? あのひと。 あぁ、本当だ。 て、それでこんなトコ来るか。 …? あ、いや、まぁ、そんな目的ばっかりじゃないね、うん。 どんなもくてき? そんな目的。 …わかんない。 エリス。 なぁに。 他、行こっか。 ほか? ほしのした? ま、最終的にはそれもあり。 …。 贅沢を言えば普通のモーテル。 ふつうじゃないの? いや、普通なんだけどさ。 日が悪かったと言うか…場所が悪かったと言うか。 …ここでいい。 は? ここで、いいよ。 ……。 へやにはいっちゃえばナディとふたり。 …そりゃ、そうなんだけど。 だめ? …うーん。 ナディ? …ま、大丈夫だろ。 ……。 エリス、行く…よ? …。 て、どこに行ってるの。 あのひと。 ん? ああ、おなかの…あ。 …。 危ない…! …。 大丈夫ですか?! …ころんだ。 エリス、手を貸して。 いえっさ。 待ってる、ねぇ。 ええ、そうなのよ。 だれをまっているの? エリス、それは… 私の恋人よ。 …こいびと。 え、と。 とりあえず大丈夫そうで良かった。 ええ、ありがとう。 驚かせてしまってごめんなさいね。 ううん、何ともなくて良かったから。 さ、行こう、エリス。 …。 て、エリス。 なぁに? おなか、おおきい。 赤ちゃんがいるのよ。 あかちゃん…。 エリス、失礼でしょうが。 …こいびとさんの? …。 エリス、止めなさい。 …あなた、エリスって言うのね。 うん。 この子はね…ちゃんとあの人の子なの。 あのひと? そう、私の恋人。 そうなんだ…。 エリス、いいかげんに 良いのよ。 …でも。 …。 ふふ。 さわって、みる? さわって…。 エリス、行くよ。 さわりたい。 …て、おい。 じゃあ、どうぞ? や、だから… ……あったかい。 でしょう? ……ああぁ、もう。 あなたもさわってみる? へ? 折角だから。 せ、折角って、あたしは…。 良いのよ。 触ってあげて? ……はぁ。 ナディ。 …全く、あんたが変な事言い出すから。 あなたはナディなのね。 どうぞ、ナディ。 ……じゃあ、少しだけ。 …どう? ……え、と。 あったかい、かな。 ふふ。 同じ感想なのね。 …。 おなじ。 …もう、いいから。 ナディとエリスは二人なの? そうなの。 どこへ行くの? どこででも。 どこででも? ナディといっしょなら、どこでもいいの。 なかよしふうふだから。 ちょ、エリス… ふふ、仲が良いのね。 うん、なかよし。 あらあら。 は、はは……はぁ。 でも二人で旅なんて危なくない? だいじょうぶ、ナディはあらくれものだから。 て、こらエリス…! ふふ、あなたたちは面白いわね。 おもしろいって、ナディ。 よかったね。 …良くない。 あ。 今度は何。 うごいた。 何が。 おなか。 おなかぁ? と言うかまだ触ってたの、あんた。 …。 エリス、お腹の赤ちゃんが蹴ったのよ。 …あかちゃんが。 最近は良く蹴ってくれるようになったの。 …どうして? どうしてって? どうしてけるの? …生きているから。 いきて…。 ここに、元気でいるよって教えてくれているのよ。 …。 ……エリス、エリス。 なに、ナディ? もういいでしょ? 行くわよ。 うん、いこう。 あら、もう行っちゃうの? うん。 えと、ありがとう。 エリスにお腹を触らせてくれて。 いいえ、こちらこそありがとう。 …。 ほら、エリスも。 …ありがとう。 私はルシアよ、エリス。 ルシア。 元気な赤ちゃんが生まれるといいわね。 ありがとう、ナディ。 それからこいびとさんもはやくくるといいね。 …。 …? ルシア? …ええ、そうね。 それじゃあ私も部屋に戻るわ。 …気をつけて。 きをつけて。 ありがとう、ナディ、エリス。 …全く、エリスは。 …。 今後、あんな事しちゃだめよ。 それからあまりじーっと見ない。 …。 聞いてる? …うん、きこえてる。 じゃあ ナディ。 あ? あかちゃんってけるんだね。 …そうみたいねー。 ナディ、しらないの? 生憎、身篭った事はありませんので。 …。 まぁ、知ってるけど。 しってるの? そりゃあ、話くらいは聞いたことあるわよ。 …だれの? いや、誰のと言うか、一般的な話で。 …。 言っておくけど。 間違っても経験談とかじゃないからね。 …うん。 エリス。 しってる。 ナディはエリスのだから。 ……。 エリスはナディの。 ……あーもう、何でもいいや。 エリス、ご飯食べに行こ。 …。 エリス、ほら。 ……。 エリスはご飯、いらないのかな? …いる。 んじゃ、行くよ。 …うん。 ああ、食べたー。 …。 安くて美味しいのは最高。 …。 ねぇ、エリスー…? …。 …何してるの。 おなかいっぱい。 ああ、そう。 それは良かった。 …。 そんじゃシャワーを浴びて、今夜はゆっくりと… ナディ。 あー? ナディはおなかのなかからうまれてきたんだね。 …はい? おなか。 …まぁ、そうだろうね。 ちがうの? いや、違わない。 …。 どうしたの、エリス。 …わたしは、ちがうから。 …。 あのひと、ママになるんだね。 と言うかもう、なってるけどね。 …。 エリス。 …ひとは、ママのおなかからうまれてくるんだ。 ……。 ……。 …エリス。 ……おなか、さっきよりおおきくなった。 そりゃあ、ご飯食べたからね。 …うん。 さ、エリス。 折角のベッドなんだから …。 …エリス。 ……いいな。 …。 いいな…。 ……。 あかちゃん…。 ……。 …。 …そんなに羨ましい? …うん、うらやましい。 …。 わたしも…。 ……エリス。 ナディ…。 …。 わたしも、ナディ…の。 …。 ……ナディ。 …エリス、それ以上は。 …。 …。 …どうして。 …どうしても。 けっこん、してないから…? …ちがう。 …なかよし、なのに。 うん…。 ……なんで、だめなの。 …なんでも。 …。 …。 …わたしが、まじょだから? そうじゃない。 …。 …。 …わたしが、つくられたそんざいだから。 違う。 わたしは、ママのおなかから、うまれてきたわけじゃないから…。 …。 ナディと、ちがうから…。 エリス。 …。 …。 …じゃあ、どうして。 …。 ナディ…。 ……エリスは人だから。 …ちがうよ。 エリスは… 本当に怒るよ。 …。 エリス、良い? …。 人はね…女同士では子供は出来ないの。 …。 だから…どんなに望んでも叶わない。 いい? …けど あたしはエリスに、そんな風に力を使って欲しくない。 …。 …エリスの気持ちは、分からないわけじゃない。 …けど、だめなんでしょ。 ……少なくとも、今は。 …。 あたしは…エリスが創られた存在だなんて、思ってないから。 ……ナディ。 さ、シャワーを浴びておいで。 …。 なんだったら…一緒に入ろっか。 …ほんと? お、反応いいな。 …だって。 ……まぁ、たまにはね。 いつもでもいいのに。 …はは。 …ナディ。 ん…。 …だいすき。 …。 だいすき、だから…。 …ん。 ……だから。 あのね。 …。 こんど、いもうとがうまれるの。 …。 でもおとうとかもしれない。 …。 ママのおなか、こーんなにおおきんだよ。 …。 さわるとあったかいし、おなかのあかちゃんがうごくのもわかるんだよ。 …。 はやく、あいたいなぁ。 …。 うまれたら、あなたにもみせてあげるね。 うまれる…。 うん、そうだよ。 なにが? いもうと、か、おとうと。 おなかから? そう、おなかから。 …。 あなたにはきょうだい、いる? …きょうだい。 そう、きょうだい。 きょうだいってなに。 え…。 …。 ん、と、おんなじママからうまれてきたら、きょうだいだよ。 …おなじ、ママ。 そうそう。 あなたにはいる? …いない。 そっか。 あたしね、おにいちゃんがいるの。 …。 だから、いもうとがほしいんだ。 …。 ね、あなたもほしい? …わからない。 そっか。 …ふえ。 うん? ふかないの? …。 …どうしたの? …あまりじょうずじゃないんだ。 …。 ココペリにあいたいのにな…。 …ここぺり。 せいれいだよ。 …。 ほうじょうをつかさどっているんだって。 …ふぅん。 …。 …。 ふえ、ふいてみる? …。 おしえてあげる。 …。 ふたりでじょうずになったら、もしかしたら。 …。 …。 …。 …はぁ。 …。 なんなの…。 …。 …大して、覚えてないってのに。 …。 ……。 …。 ……まさか、ね。 …ん…ナ…ィ。 …おーおー、ぴったりとくっついてくれちゃって。 …。 エリス…。 ……んん。 ふふ、かわいい。 …ふ。 …。 …。 言えない、よなぁ…。 …。 …さて、もうひと 「パンッ」 …! …。 ……銃声? どうして…。 …ナディ。 …エリス。 じゅうのおとがした。 …うん。 ……しょうきんかせぎ? エリスはとっくの昔に解除されてる、けど。 …。 …あのオカマ達みたいなのがいないとは限らない。 ……いくの? …エリスはここにいて。 いく。 だめ。 いく。 だめ。 いくの。 …。 わたしがナディをまもるの。 ……。 いく。 ……エリス。 …。 離れないで。 絶対に。 …いえっさ。 …。 …。 …けど。 …。 寝首を掻くつもりなら…。 …うたない? …。 …。 …目的は別って事か。 …。 ならば…。 …いかない? 巻き込まれてもつまらない…けど。 …けど? 何か…。 …やっぱり、いくの? ……エリスは いく。 …オーライ、相棒。 …。 …何か、見える? 相棒。 …だれもいない。 ……そう。 …。 …あ。 …なに? ルシアがいる。 どこに。 あそこ。 ………て。 たおれてる。 …エリス。 いえっさ。 …。 …。 ……ルシア、ルシア。 …。 こんなところで…。 …ナディ。 ……血。 ……うたれた。 …どうして。 ナ…ディ…エリ…ス…。 大丈夫? …おなか…は…。 ……。 …ナディ。 …だめ。 でも…。 ……はぁ。 止血を…。 わた、しよりも…あかちゃん、を…。 ……ナディ。 …。 ……ねぇ。 …? あな、た…しょうきんかせ、ぎでしょう…? …。 ああ、やっぱ…り…。 …今は休業中だけどね。 そ…う…。 とにかく、血を… 「その女から離れろ」 ……。 もう一度言う。 離れろ。 …あんた、賞金稼ぎね。 …さもなければ。 殺す、って? 大人しく渡せば殺さない。 早くしろ。 ……エリス。 ……でも。 いいから。 ……。 良い子だ。 ……ひとつ、聞かせて。 …。 この女は何をしたの。 …さぁな。 俺は仕事をしただけだ。 あんたも賞金稼ぎならば、分かるだろう。 ……。 …ナディ、ルシアが。 …。 ルシア。 エリス、だめ。 …けど。 じゃあな。 …。 …ナディ、あかちゃんは。 …。 …ナディ。 さぁて、寝直そうかね。 …。 エリス、あんたも …。 …風邪、ひくわよ。 …。 …。 …。 …エリス、早くおいで。 …。 …。 …言いたい事があるのなら。 …。 言えば、いい。 黙っていられる方が、よっぽど、いや。 …ナディ。 早く。 …。 エリス。 ……。 …きて。 お願いだから。 ……ナディ。 …。 ナディ…。 …ほら、こんなに冷たくなってる。 …ナディもだよ。 …うん、知ってる。 …。 …。 …。 ……がっかり、した? …。 助けると思った? …。 …ねぇ、エリス。 …なに。 あたしは…。 ……。 …正義の味方なんかじゃ、ないのよ。 …。 …。 …ナディ、なかないで。 泣いてなんか、ない。 …。 ……あの人の恋人は、多分。 …。 もう、来ない。 来られない。 …どうして? …あの人を連れ戻す為。 …どこに? それは知らない。 けど…あの人は多分、殺されない。 …どうして、わかるの。 急所は外れてた。 殺すつもりなら…。 ……。 …あの人は多分、逃げてきた。 どこから? …そこまでは分からないって。 …。 もしかしたら…あの人の子供は。 …。 ……なんて、言い訳にもなりゃしない。 …いいわけだったの? …。 …。 …あたしは ナディ。 …。 …あかちゃん、どうなるの。 …。 どうなるの…ナディ。 ……わからない。 …。 …。 …。 …ごめんね、エリス。 …どうしてあやまるの。 ……。 ナディ…なかないで。 泣いてなんか…。 ……ナディ、わたしはここにいるよ。 …。 どこにも、いかないよ。 ……うん。 …。 ……ねぇ、エリス。 ん…。 ……あたしはあんたが愛おしくて仕方が無いの。 …。 だから…。 ……わたしもだよ、ナディ。 …。 …。 ……だから、怖いのよ。 …。 あんたを失くすのが……怖くて怖くて、仕方が無いの。 …。 あんたを失くすくらいなら、あたしは…。 …。 …だから、あたしは。 …。 あたしはあの人を…ん。 …。 …。 …。 …エリス。 …ナディ。 …。 …。 …ごめんね。 ごめんね、エリス…。 …。 こんな弱いあたしを…嫌にならないで。 見捨てないで。 …ならないよ。 …。 ならないから。 ……ぅ。 どんなナディでもナディだから。 わたしはそれだけで、いいの…。 …。 …ずっといっしょにいて、ナディ。 エリ…ス…。 ……。 …う。 …。 エリ…ス? …ナディ。 どうしたの? …。 そんなところで…あ。 …。 エリス…ッ! …。 エリス、早くこっちに…! …。 エリス、エリス…!! こないで。 え…。 こないで、ナディ。 何を、言っているの…。 …。 エリス、そっちに行ってはだめ…! …。 お願いだから、エリス…! だめ、こないで。 エ、エリス…。 …ばいばい。 な…。 ばいばい、ナディ。 エリス…! ……。 そっちはだめ! 炎が…!! …ちから。 え…。 つかっちゃだめっていったの、ナディだよ。 …! …だから、ばいばい。 …だめ。 ……。 だめ、行かないで…。 …。 行かないで、行かないでぇ! エリス…ッ!! ……。 あたしを…。 …。 …あたし、を。 …。 置いて、いかないで…いかないでよぉ…。 …。 エリス…エリス…。 …。 ひとりに…しない、で…。 ……さよなら、ナディ。 ……ッ!! ナディ。 …エリ…ス? ナディ。 エリス…ッ …。 良かった…良かった…。 …くるしいよ、ナディ。 あ、ごめ…。 …ううん、いやじゃないから。 ……。 ナディ。 …。 ナディ。 ……ごめん、エリス。 あやまってばかりだね。 …。 ナディ、ごはんたべよう。 ……え。 ごはん。 もう、あさだから。 え、朝…。 うん、あさ。 おはよう、ナディ。 あ、うん…おはよう、エリス。 …。 …? なに…? …キス。 え、え…。 …だめ? ……。 おやすみのはんたいは、おはよう、だから。 …反対ってわけではないと思うけど。 あさはおはよう。 だから、おはようのキス。 う、うん…。 …。 …。 …。 …おはよ、エリス。 おはよう、ナディ。 …なんか、すごい恥ずかしい。 きがえ。 そ、そうね。 …。 ん、今度はなに…? …きず。 ひゃ…。 …ナディのからだ、きずだらけ。 ……。 わたしとあうまえに…。 …そうよ。 あってからも…ずっと、ナディはわたしをまもってくれたから。 …。 …いまでもナディは、ずっと。 …。 …。 …綺麗じゃ、ないでしょ。 …ううん。 …。 ナディは、ナディだから…。 あんた、そればかりね…? …。 ……でも、安心する。 …ナディ。 でも今更ね? …ずっと、きになってたよ。 …そっか。 …。 …エリス。 ナディ…。 …着替えよっか。 ……いえっさ、ナディ。 うーん、やっぱり今日もいい天気だー。 よくないほうがいいの? うんにゃ、雨はやだ。 ぬれるから? そう、濡れるから。 それだけ? いや、それだけって。 やじゃない、濡れんの。 うん、やだ。 でも、やじゃないよ。 意味分からないって。 だってナディ、やさしいから。 …え、と? あまやどり、ナディといっしょ。 …そりゃあ、ねぇ。 でも出来ない時だってあるじゃない。 これ。 これ? ナディ、なかにいれてくれるよ。 …ああ。 実際はあんまり入ってないけどね。 …くっついてもおこらない。 いつも怒らないじゃない。 …。 …なに? んー…。 …いや、今はちょっと。 ……おこられた。 いや、怒ってないから。 まぁ、いっか。 …ああ、そう。 んじゃま、出発しよっかね。 ナディ。 ん? て。 手? ひだりて。 左手? だして。 なんで? なんでも。 …こう? そのまま。 いいけど…なんなの? …。 エリス? …これ。 て、この間買ったリボンじゃない。 それがどうしたの? …。 エリスー? てぶくろ、とって。 え? てぶくろ。 …なんで? とってくれないなら、おしえない。 ……。 ナディ。 ……これで良いのかね? うん。 で、何を…。 …。 ………なに、これ? ゆびわ。 指輪ぁ? なかよしふうふだから。 ……。 できた。 …うーん。 ナディ。 …。 わたしも。 ……交換って事? うん。 ……。 ナディ。 …リボン、貸して。 かさないよ? いや、そうじゃなくて。 …。 とにかく、それをあたしに。 あたしが付けるんでしょ? うん。 …手、出して。 いえっさ。 ……。 ……。 …こんな感じかな。 …まがってる。 はいはい、やり直しますよ…。 …。 ……これで、どうだ。 …ゆびわ。 リボンだけどね。 えへへ。 お…。 ナディとわたしは、なかよしふうふ。 ……。 ずっといっしょ。 …う、うん。 ナディ? いや、かわいい事してくれたもんだな…と。 ありがとう? …ああ、本当かわいい。 えへ。 …でもね、エリス。 …? なに? こういうのって、右手にしない? …そうなの? あたしが知ってるのは右手かなぁ。 …じゃあみぎてにする。 でもまぁ、左手でも良いんじゃない。 けど とりあえず、問題は一つ。 …? なくしそうで怖い。 ……。 解けたら、ね。 …なくさないで。 いや、なくしたくはないわよ。 勿論。 …ナディ、あまりこだわらないから。 そんな事ないわよ。 …キーホルダー。 ……ごめんなさい。 …。 でもずっと付けっぱなしはやっぱりなくすと思うんですけど…。 …。 ねぇ、エリス。 大事に持っててよ。 …。 あたしじゃなくしそうで怖い。 なくしたくなくても、ほら、あたしはわりと適当だから。 …しってる。 大事にしたいから。 だからエリス、これはエリスが持っていて。 …。 それで…たまに出して付け合えば良いじゃない? …たまに? ……大丈夫そうな時、とか。 …。 エリス。 ……わかった。 うん。 …。 …。 …。 …え、えーと。 …。 嬉しかった。 …? すごく、嬉しかったから。 ……いえっさ。 仕事、どうしようかなぁ。 …。 いいのがなかったら…また、あそこかなぁ。 …。 タコタコタコース、おいしいタコス、イケてるタコスは そのうた、きらい。 …へぇへぇ、そうだったねー。 …。 ま、食費は浮くし。 この際、贅沢は言ってらんないし。 …タコタコタコース つか嫌いじゃなかったのかよー。 …ナディがうたうから。 人のせいかい。 ナディのせい。 そんな事言って結構、気に入って きらい。 …へーへー、そうでございますか。 …。 いっそ、あいつの管轄んとこに行けば良いのかなぁ。 融通、利かして…くれないな、あの機械女は。 きっと。 ナディ。 んー? どうしてとまったの? あー…何の話? モーテル。 …と言うか今更? おかね、ないのに。 あんた、言ったじゃない。 …。 ベッドの方が、その…あたしと近いから、とか。 わたしがいったから? …まぁ、ね。 ナディは? あたし? ナディはどうして? …。 …。 …じっと見ないでいいから。 なんで? なんでも! ……。 …たまにはベッドで寝たかったから。 それだけ? あとはシャワーを使いたかったから。 以上。 …ふぅん。 こら、運転中はだめ。 …どうせ、ほかのくるまこないよ? そういう問題じゃない。 …じゃあどんなもんだい? 危ないのには変わりない。 …。 エリス。 ……いえっさ。 … …。 …。 …おかねがあればもっとナディといっしょにベッドでねられるの? ぶ…。 ねられる? いや、まぁ…そりゃあ、ね。 …そっか。 ……えーと。 ナディ。 …んー。 どうして、とまったの? …結局戻るんかい。 どうして? 教えない。 おしえて。 やーだ。 おしえてくれてもいいとおもう。 死んだって教えなーい。 … と言うか、さっき言ったとーりだし。 …。 ……て、あれ? …。 エリスー? ……やだ。 え? しんじゃ、やだ…。 …………。 …ナディ。 いや、つか、何その反応。 …ナディがしんじゃうんならもう、きかない。 い、いやいや、なに真面目に受けちゃってんの。 …。 大体ね、死ぬくらいなら教えるわよ。 …ほんと? ほんとほんと。 じゃあ、おしえて。 ……こいつ。 ナディ。 教えない。 …。 教えないったら教えない。 おしえて。 やーーだ。 おしえて。 いーや。 …ナディのけちんぼ。 なんだとこのぉ。 ナディのうすらタコス。 こいつ、言わせておけばー。 うんてんちゅうはだめ。 …んじゃあ。 …? 停まれば、いいだけじゃないの。 あ。 さぁ、エリス。 どうしてくれようかし、 …。 ……ら。 ナディ…。 ……て、あれ。 …ナディ。 え、えぇ…。 ……。 ……うん。 さ、行こっか。 どうしてくれるの? それはもう、いい。 どうして? どうしても! なんで? なんでも! …。 …。 ……どうして? どうしても!! ...cuatro |