日記
2026年・8月
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17日
……どうだい?
うん……優しい香りと味で、心が落ち着くわ。
然うか……良かった。
……此の香りは、桃よね?
あぁ、桃の葉だ。
……歳星の桃は小振りだけれど、瑞々しくて、程良く甘くて、とても美味しいの。
実がなったら、一番に持って来よう。
……初物?
うん。
……初物を食べると、もっと元気になれると言われている。
根拠は、特にないが。
……ふふ。
はは。
……そんな大事な初物を、私が頂いてしまっても良いの?
今年はメルに食べて欲しいんだ。
……去年も、頂いたわ。
今年は特に、メルに食べて欲しい。
……。
食べたく、ないかい……?
……あなたと頂きたいわ。
私と?
……ふたりで分け合いたいの。
……。
……私だけでなく、あなたにも元気で居て欲しいから。
メル……うん、分かった。
……若しも、叶うのならば。
なんだい?
なんでも言って欲しい。
……三人でも、食べてみたい。
三人?
……親子三人で。
親子……。
……生まれて直ぐには食べられないから、来年以降になってしまうと思うけれど。
……。
……だめ?
駄目なわけない、親子三人で食べよう。
……ん。
来年……いや、来年以降か。
然う……来年以降。
……。
……楽しみね。
うん……楽しみだ。
……ん。
メル……。
……ふぅ。
……。
……大丈夫。
飲み終わったら、横になるかい……?
……あなたは?
私も、なろうかな……メルと一緒に。
……。
……眠らずとも、横になるだけでも良いと思うんだ。
うん……然うよね。
……傍に居る。
有難う……。
……。
ねぇ……マーキュリーは、どうしてる?
マーキュリーなら……何事か、考えているように見える。
……眠たそうには、していない?
目は、眠たそうだ。
……。
連れて来るかい?
……ううん、考え事の邪魔をしたら悪いから。
あぁ……確かに然うだな。
……マーキュリーの甲の上から、滑り落ちる。
うん……?
……日向ぼっこをしていたら。
マーキュリーの甲の上……ジュピターの背ではなく?
ふふ……矢張り、然う思うわよね。
……夢の話?
然う……あなたが見た夢の話。
私が?
夢の中のあなた。
メルの夢の中で、私は夢を見ていたのか。
……とても良い天気で、風が穏やかで、気持ちが良くて。
……。
……昼寝をするには、うってつけの環境だったと。
其れで、マーキュリーの甲の上から滑り落ちたと。
……然うみたい。
流石に、間抜けだな……其れは。
……ジュピターに、私の膝枕を取られた事も納得がいかなかったみたい。
メルの膝枕を、ジュピターに……そんな事をしたら、メルが潰れてしまう。
……仔龍だったから。
仔龍……?
然う……此れくらいの。
……仔龍だな。
だから、潰れる事もなく……。
……甘えるちびの頭を、撫でて上げた?
然うみたい……。
……。
ユゥ?
……まぁ、夢の話だしな。
ええ……所詮は、夢の話。
……。
今は、駄目よ……?
……分かってる。
ごめんなさいね……。
……何がだい?
ずっと、我慢させてしまって……。
……そんな事は、気にしなくても良い。
欲求不満に……なっていない?
……なるわけ、ない。
……。
膝枕をしてもらえずとも……。
……ん。
こうやって……触れ合う事は、出来る。
……。
触れ合う事が出来ない日でも……言葉を交わす事は出来る。
……ユゥ。
ごはんを食べたり、お茶を飲んだり……。
……夜になれば、同じ寝台で眠る。
然うだ……だから、欲求不満になんてなるわけがない。
……。
……横になるかい?
もう少し、起きていたかったけれど……。
……朝になったら、また、起きられる。
……。
……今は、休もう。
うん……。
……。
……お話は、しても良い?
ん……君が思うように。
……あなたも、何か話して。
さて、何を話そうかな……。
……何でも良いわ。
何でも……ならば、ジュピターが未だちびだった頃の話をしようか。
……まだ、あるのね。
あぁ……まだまだ、ある。
……ふふふ。
私の事も、聞いて欲しいな……?
……其れは、勿論。
勿論……?
……ユゥとジュピター、ふたりのお話だから聞きたいの。
今日は此処まで。
続きはまた明日に。